サラスヴァティー
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サラスヴァティー | |
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芸術・学問・知恵の女神 | |
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デーヴァナーガリー | सरस्वती |
サンスクリット語 | Sarasvatī |
位置づけ | デーヴィー、トリデーヴィー |
住処 | ブラフマロカ |
シンボル | 数珠、ヴェーダ、ヴィーナ |
配偶神 | ブラフマー |
親 | ブラフマー |
子供 | マヌ |
ヴァーハナ | 白鳥またはクジャク |
インド哲学 - インド発祥の宗教 |
ヒンドゥー教 |
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聖典 【シュルティ(天啓)】 副ヴェーダ 【スムリティ(聖伝)】 |
法典・律法経 |
サラスヴァティー(サンスクリット語: सरस्वती, Sarasvatī)は、芸術・学問などの知を司るヒンドゥー教の女神である。
日本では七福神の一柱、弁才天(弁財天)として親しまれており、仏教伝来時に『金光明経』を通じて中国から伝えられた。
容姿[編集]
肌は白く、額には三日月の印を付け[1]、4本の腕を持ち、2本の腕には数珠とヴェーダ、もう1組の腕にヴィーナと呼ばれる琵琶に似た弦楽器を持ち、白鳥またはクジャクの上、あるいは白い蓮華の上に座る姿として描かれる。白鳥・クジャクはサラスヴァティーの乗り物である。
神性[編集]
サラスヴァティーは水辺に描かれる。サンスクリットでサラスヴァティーとは「水(湖)を持つもの」の意であり、水と豊穣の女神であるともされている。インドの最も古い聖典『リグ・ヴェーダ』において、初めは聖なる川、サラスヴァティー川(その実体については諸説ある)の化身であった。流れる川が転じて、流れるもの全て(言葉・弁舌や知識、音楽など)の女神となった。言葉の神、ヴァーチと同一視され、サンスクリットとそれを書き記すためのデーヴァナーガリー文字を創造したとされる。後には、韻律・讃歌の女神、ガーヤトリーと同一視されることになった。
神話[編集]
ヒンドゥー教の創造の神ブラフマーの妻(配偶神)である。そもそもはブラフマーが自らの体からサラスヴァティーを造り出したが、そのあまりの美しさのため妻に娶ろうとした。逃れるサラスヴァティーを常に見ようとしたブラフマーは自らの前後左右の四方に顔を作りだした。さらに、その上に5つ目の顔(後にシヴァに切り落とされる)ができた時、その求婚から逃れられないと観念したサラスヴァティーは、ブラフマーと結婚し、その間に人類の始祖マヌが誕生した。また、元々はヴィシュヌの妻であり、後にブラフマーの妻になったという異説もある。
信仰[編集]
サラスヴァティーはゾロアスター教のアナーヒターと同起源と推定される。アナーヒターには、ハラフワティー・アルドウィー・スーラー(Harahvatī Arədvī Sūrā)という別名があり、ハラフワティーは言語学的にはサラスヴァティーのペルシア語読みとされるためである。これは偶然の一致ではなく、インド・イラン共通時代から信仰されていた女神が民族の分裂とともに2つに分かれたものではないかとされている。
サラスヴァティーを扱った画像[編集]
脚注[編集]
- ^ 蔡丈夫『インド曼陀羅大陸』新紀元社、91頁。
関連項目[編集]
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