2016年のFIA 世界耐久選手権は、国際自動車連盟 (FIA) とフランス西部自動車クラブ (ACO) が共同で開催したFIA 世界耐久選手権 (WEC) の第5回大会である。シリーズはACO規定のル・マン・プロトタイプおよびGTのカテゴリでタイトルが争われる。世界選手権はドライバーズタイトルおよびLMP1のマニュファクチャラーズタイトルが与えられ、他のカテゴリにはカップおよびトロフィーが与えられる。2016年は4月のシルバーストン・サーキット(イギリス)で開幕し、11月のバーレーン・インターナショナル・サーキット(バーレーン)まで、第84回ル・マン24時間レースを含む全9戦で争われた。
2016年シーズンのカレンダーは2015年9月19日にサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されたサーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間レースにおいて発表された。2016年のスケジュールは前年に開催された8つのサーキットに加え、メキシコの首都メキシコシティにあるエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われるメキシコシティ6時間レースが新たに追加された。メキシコシティでスポーツカー世界選手権が開催されるのは、1991年以来となる。ニュルブルクリンクでの開催は、ル・マンから一定期間の間隔を設ける為に1ヶ月遅らせて7月開催となった[1]。
シーズン開幕前の3月にポール・リカール・サーキットで行われたプレシーズン・テストと、6月の第1週に行われるル・マン24時間レースのテストデーというテスト・イベントがある[1]。
FIAは、LMP1のレース車両について、そのスピードを落とす為に多くの車両規定の変更を2016年に導入した。これは、2015年のLMP1のレース車両が2014年の車両よりも大幅に高速となり、ほとんどのサーキットにおいて従来のコースレコードが2015年に破られてしまったことに拠る。さほどまで 「LMP1 hybrid」 のパワートレインの技術開発のペースは凄まじく、その出力は1,000馬力を超えるまでになっている[3]。
2016年2月5日にFIAは、LMP1、LMP2、LMGTE Pro、LMGTE Amと4つに分けられたカテゴリーにそれぞれエントリーした32台のレースカーを公表した。
| 凡例 | フルエントリー * 全ての選手権ポイントに有効 | 追加エントリー * ドライバーズ選手権ポイントのみ有効 | |
チーム | 車両 | エンジン | タイヤ | No. | ドライバー | ラウンド |
G-ドライブ・レーシング | オレカ・05 | ニッサン VK45DE 4.5 L V8 | D | 26 | ロマン・ルシノフ[12] | 全戦 |
レネ・ラスト[13] | 1–6, 9 |
ナタナエル・ベルトン[12] | 1–2 |
ウィル・スティーブンス[14] | 3, 7–8 |
アレックス・ブランドル[15] | 4–9 |
ギブソン・015S | 38† | サイモン・ドゥーラン[12] | 2–3 |
ジェイク・デニス[12] | 2–3 |
ギド・ヴァン・デル・ガルデ[12] | 2–3 |
SMPレーシング | BRエンジニアリング・BR01 | ニッサン VK45DE 4.5 L V8 | D | 27 | マウリツィオ・メディアーニ[16] | 全戦 |
ニコラ・ミナシアン[16] | 全戦 |
ダヴィド・マルコゾフ[17] | 2 |
ミハイル・アリョーシン[18] | 3, 7–9 |
37 | ヴィタリー・ペトロフ[16] | 全戦 |
ヴィクトル・シャイタル[16] | 全戦 |
キリル・ラディギン[16] | 全戦 |
エクストリームスピード・モータースポーツ | リジェ・JS P2 | ニッサン VK45DE 4.5 L V8 | D M | 30 | スコット・シャープ[19] | 1–6 |
エド・ブラウン[19] | 1–6 |
ジョハネス・ファン・オーヴァーベーク[19] | 1–6 |
ショーン・ゲラエル[20] | 7–9 |
アントニオ・ジョヴィナッツィ[20] | 7–8 |
ギド・ヴァン・デル・ガルデ[20] | 7, 9 |
トム・ブロンクビスト[21] | 8 |
トム・ディルマン[22] | 9 |
31 | ピポ・デラーニ[19] | 全戦 |
ライアン・ダルジール[19] | 全戦 |
クリス・カミング[19] | 全戦 |
バシー・DCレーシング・アルピーヌ | アルピーヌ・A460 | ニッサン VK45DE 4.5 L V8 | D | 35 | デビッド・チェン[23] | 全戦 |
ホーピン・タン[23] | 全戦 |
ネルソン・パンシアティッシ[24] | 1–6 |
ポール=ルウ・シャタン[25] | 7–9 |
シグナテック・アルピーヌ | アルピーヌ・A460 | ニッサン VK45DE 4.5 L V8 | D | 36 | グスタヴォ・メネゼス[26] | 全戦 |
ニコラ・ラピエール[26] | 全戦 |
ステファン・リチェルミ[27] | 全戦 |
ストラッカ・レーシング | ギブソン・015S | ニッサン VK45DE 4.5 L V8 | D | 42 | ジョニー・ケイン[28] | 1–7 |
ニック・ラヴェンティス[28] | 1–6 |
ダニー・ワッツ[28] | 1–3 |
ルイス・ウィルアムソン[29] | 4–7 |
RGRスポーツ・バイ・モラン | リジェ・JS P2 | ニッサン VK45DE 4.5 L V8 | D | 43 | フェリペ・アルブケルケ[30] | 全戦 |
ブルーノ・セナ[30] | 全戦 |
リカルド・ゴンザレス[30] | 全戦 |
マノー(英語版)[31][32] | オレカ・05 | ニッサン VK45DE 4.5 L V8 | D | 44 | タァ・グレイヴス[33] | 1–4 |
ジェームズ・ジェイクス[33] | 1–2 |
ウィル・スティーブンス[33] | 1–2 |
マット・ラオ[18] | 3, 5–9 |
ロベルト・メリ[14] | 3, 6–7 |
アントニオ・ピッツォニア[34] | 4 |
マシュー・ハウソン[35] | 4 |
リチャード・ブラッドリー[36] | 5–9 |
アルフォンソ・ディアス・グエラ[36] | 5 |
アレックス・リン[37] | 8–9 |
45† | マット・ラオ[33] | 1–2, 4 |
リチャード・ブラッドリー[38] | 1–2, 4 |
ロベルト・メリ[39] | 1–2, 4, 9 |
タァ・グレイヴス[40] | 7–8 |
アレックス・リン[40] | 7 |
中野信治[40] | 7 |
ロベルト・ゴンザレス[37] | 8–9 |
マティアス・ベシェ[37] | 8 |
ジュリアン・カナル[22] | 9 |
世界耐久選手権にエントリーした上位ドライバーを以下に記載する。選手権ドライバーよりも上位でフィニッシュした招待エントリードライバーは個々のレースの項目を参照のこと。
各カテゴリーのポールポジション獲得ドライバーおよびチームにはボーナスポイント1が与えられる。ル・マン24時間レースでは全てのポイントが2倍になる。一つのレースが成立する為には、最低でもグリーンフラッグでドライバー同士が争うことの出来る状況下が完全に3周以上にわたっていなければならない。更に、選手権ポイントを獲得するには優勝者の走行距離の70%以上を走行しなければならない。
ポイントシステム |
順位 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 | その他 |
ポイント | 25 | 18 | 15 | 12 | 10 | 8 | 6 | 4 | 2 | 1 | 0.5 |
2016年シーズンはドライバーに5つのタイトルが与えられる。世界選手権タイトルはLMP1とLMP2に与えられる。世界耐久カップはLMGTEに与えられる。3つのFIA耐久トロフィーはLMP2とLMGTE Am及びLMP1のプライベーターに与えられる。
| 色 | 結果 | 金色 | 優勝 | 銀色 | 2位 | 銅色 | 3位 | 緑 | ポイント圏内完走 | 青灰色 | ポイント圏外完走 | 周回数不足 (NC) | 紫 | リタイヤ (Ret) | 赤 | 予選不通過 (DNQ) | 予備予選不通過 (DNPQ) | 黒 | 失格 (DSQ) | 白 | スタートせず (DNS) | エントリーせず (WD) | レースキャンセル (C) | 空欄 | 欠場 | 出場停止処分 (EX) | 太字 - ポールポジション |
LMP1プライベーターチームに所属するドライバーズトロフィー
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