李琴峰

李 琴峰
(り ことみ)
ペンネーム 李 琴峰(り ことみ)
誕生 (1989-12-26) 1989年12月26日(34歳)
中華民国の旗 中華民国台湾
職業 小説家
言語 中国語日本語
国籍 中華民国の旗 中華民国
教育 修士
最終学歴 早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程
活動期間 2017年 -
ジャンル 小説エッセイ
代表作 『彼岸花が咲く島』(2021年)
主な受賞歴 群像新人文学賞優秀作(2017年)
芸術選奨新人賞(2021年)
芥川龍之介賞(2021年)
デビュー作 『独り舞』(2017年)
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李 琴峰(り ことみ、Li Qinfeng、1989年12月26日[1] - )は、中華民国台湾)籍の日本在住の小説家翻訳者である。母語中国語であるが、日本語で作家活動を行っている。

「李琴峰」はペンネームであり、「李」は「詞中の三李」から、「琴」は「琴棋書画」から、「峰」は王国維の詞から取っている[2]

概要[編集]

1989年に台湾の田舎で生まれ、15歳から日本語を習い始め、同じころから中国語で小説創作を試みた[3]

国立台湾大学卒業後、2013年来日、早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程入学、のち修了。

2017年、初めて日本語で書いた小説『独舞』(のち『独り舞』に改題)が第60回群像新人文学賞の優秀作に選ばれ、作家デビュー。同作は、通勤電車の中で浮かび上がった「死ぬ」という一語が創作のきっかけだったという[4]

2018年10月1日、日本の永住権を取得した[5]

2019年、『五つ数えれば三日月が』で第161回芥川龍之介賞候補。同作は後に単行本化し、第41回野間文芸新人賞候補となる。2021年、『ポラリスが降り注ぐ夜』で芸術選奨新人賞を受賞[6]。同年、『彼岸花が咲く島』で第34回三島由紀夫賞候補、第165回芥川龍之介賞受賞[7]

自身の日本語の作品を中国語に翻訳し、台湾で出版している[8]

レズビアンであることを公表しており[9]、作品には多くのセクシュアル・マイノリティの人たちが登場する。

作品リスト[編集]

単行本[編集]

  • 『独り舞』(『独舞』より改題、2018年、講談社 / 2022年7月 光文社文庫)
  • 『五つ数えれば三日月が』(2019年、文藝春秋)
    • 五つ数えれば三日月が(『文學界』2019年6月号)
    • セイナイト(『群像』2019年4月号)
  • 『ポラリスが降り注ぐ夜』(2020年、筑摩書房 / 2022年6月 ちくま文庫)
  • 『星月夜(ほしつきよる)』(2020年、集英社 / 2022年8月 集英社文庫)
  • 『彼岸花が咲く島』(2021年、文藝春秋)
  • 『生を祝う』(2021年、朝日新聞出版)
  • 『透明な膜を隔てながら』(2022年8月、早川書房)エッセイ集
  • 『観音様の環』(2023年4月、U-NEXT)
  • 『肉を脱ぐ』(2023年11月、筑摩書房)

単行本未収録作品(小説)[編集]

  • 「流光」(『群像』2017年11月号)
  • 「ディアスポラ・オブ・アジア」(『三田文學』2017年秋号)
  • 「地の果て、砂の祈り」(『すばる』2020年12月号)
  • 「湖底の炎」(『S-Fマガジン』2021年2月号、櫻木みわと共作)
  • 「怨念花が呪う島」(『ことばと』Vol.5)

訳書[編集]

  • 東山彰良『越境(ユエジン)』台湾、尖端出版、2020
  • 李屏瑶『向日性植物』光文社、2022

外国語版[編集]

  • Solo Dance, 2022, World Editions (『独り舞』英語版、Arthur Reiji Morris翻訳)
  • L'isola dei gigli rossi, 2023, Mondadori(『彼岸花が咲く島』イタリア語版、Anna Specchio翻訳)

脚注[編集]

  1. ^ 第161回芥川賞候補に5作:高山羽根子、古市憲寿が前回に続き2度目ノミネート - ほんのひきだし、2019年6月17日
  2. ^ 李琴峰『透明な膜を隔てながら』早川書房、233頁。
  3. ^ 李琴峰『透明な膜を隔てながら』早川書房、20頁。 
  4. ^ 『独り舞』著者、李 琴峰さんインタビュー。「苦難の果てに辿り着く、私は私の境地。」”. 2018年12月4日閲覧。
  5. ^ 李琴峰 (2018年10月29日). “言語や国籍、性別や性的指向だって長い間揺らいでいた。思索の末、私がたどり着いた「真ん中」の風景”. 2021年7月19日閲覧。
  6. ^ 令和2年度(第71回)芸術選奨受賞者一覧”. 2022年12月9日閲覧。
  7. ^ 【芥川賞に決まって】十数年、日本語に恋して 李琴峰”. 2022年12月9日閲覧。
  8. ^ 李琴峰『透明な膜を隔てながら』早川書房、32頁。 
  9. ^ 李琴峰『透明な膜を隔てながら』早川書房、106頁。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]