ラグマン

ウイグルのラグマン

ラグマンЛагман、Laghman)は、中央アジア全域で広く食べられている[1]手延べである。

ウイグル語ではランマン(ﻟﻪﯕﻤﻪﻦ / ләғмән)、中国語では「拉条子」(拉條子 / 拉条子、ラーティアオズ、lātiáozi)もしくは拌面(バンミェン、bànmiàn)、ドンガン語ではлүмян(リューミエン、捋麵 / 捋麺 / 捋面)。

作り方[編集]

小麦粉グルテンの調整をしない中力粉)に水を加えて、十分にこね、しばらく寝かせた後に再びこねて、粘りが出た状態で両手で引き延ばして作る。通常鹹水などは加えず、塩加減は、夏に多め、冬に少なめにする。ゆでる際には差し水をし、ゆで上がった後で水で締めて腰を出す。

ラグマン風の麺料理を日本で作る場合、細めのうどん稲庭うどん等)で代用できる[1]

食べ方[編集]

通常はこの麺を茹で、羊肉、野菜、唐辛子といった具材を炒め[1]、などの具をかけ、さらに牛のスープトマトペーストを加えた汁で煮て、麺と混ぜて食べる。この食べ方は、中国語では拌麺拌麵 / 拌面、バンミエン、bànmiàn)と呼ぶ「混ぜ麺」の形式である。

焼きうどんのように焼いたものをボソラグマンといい、スープの無い具だけのものをギュロラグマンという。

具のスープは、サイコロ大に切った赤ピーマンタマネギニンジンセロリ、肉(羊もしくは牛)と細切りしたトウガラシを鍋で炒め火を通す、その後水を加え1時間~2時間位じっくりと煮る、肉の脂が出るので灰汁を取りつつ煮立ったらホールトマトを適量(あまり入れるとトマト味が強くなる)入れ塩と胡椒で味を整える。火を止めたら仕上げにディルコリアンダー(香菜)などの香草を入れて完成。なお、この具とスープはご飯にのせると、中央アジア風牛丼(羊丼)の「ガンファン」になる。

常食地域[編集]

カザフスタンキルギスタジキスタントルクメニスタンウズベキスタン東トルキスタン中国新疆ウイグル自治区)など、中央アジアに広く分布する。

中国では、ほぼ西安以西で普通にみられる。西安市内では、ウイグル族回族などが出す店で食べることができる。上海北京などの大都市でも、回族の集まる地区では食べることができる。

中国料理拉麺のルーツとされる[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d ウズベキスタン風うどん:野菜と羊肉 深い味わい読売新聞』夕刊2022年10月8日2面(2023年1月3日閲覧)