キーンランドカップ

キーンランドカップ
2022年優勝馬ヴェントヴォーチェ
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 札幌競馬場
創設 2006年8月27日
2023年の情報
距離 芝1200m
格付け GIII
賞金 1着賞金4300万円
出走条件 サラ系3歳以上(国際)(指定)
負担重量 別定(#競走条件を参照)
出典 [1][2]
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キーンランドカップKeeneland Cup)は、日本中央競馬会(JRA)が札幌競馬場で施行する中央競馬重賞競走GIII)である。

競走名の「キーンランド(Keeneland)」はアメリカ合衆国ケンタッキー州レキシントンにある馬産地で、キーンランド競馬場も所在する[3]

正賞はキーンランド協会賞、札幌馬主協会会長賞[1][2]

概要[編集]

1996年に4歳(現3歳)以上の競走馬によるオープン特別競走として創設[3]され、札幌競馬場の芝1000mで施行された。その後、競走条件や距離の変更を経て、2006年に年間を通じた短距離路線の整備が行われたことに伴い、本競走はGIII[注 1]に格付け[3]されサマースプリントシリーズの第4戦(2012年からは第5戦)に指定された[3]。第1回から外国産馬が出走可能なほか、指定交流競走として地方競馬所属馬もスプリンターズステークスの出走候補馬3頭に出走資格が与えられた[3]。2009年からは国際競走に指定され、外国馬の出走も可能になった[3]

サマースプリントシリーズのシリーズ優勝を目指す馬にとっても重要な競走となっており、本競走の優勝馬からはワンカラット2010年)とパドトロワ(2012年)がシリーズチャンピオンとなっている[3]

従前から地方競馬所属馬には2着以内の入着馬にスプリンターズステークスへの優先出走権が与えられていたが、2014年より中央・地方の所属を問わず、本競走の1着馬にはスプリンターズステークスの優先出走権が与えられるようになった[4]

競走条件[編集]

2023年の内容は以下の通り[1][2][5]

出走資格:サラ系3歳以上

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(後述)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:別定

  • 3歳53kg、4歳以上56kg、牝馬2kg減
    • 2022年8月27日以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は3kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は2kg増、牝馬限定GII競走またはGIII競走1着馬は1kg増(ただし2歳時の成績を除く)
    • 2022年8月26日以前のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は2kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬は1kg増(ただし2歳時の成績を除く)

スプリンターズステークスのステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬はスプリンターズステークスの出走候補馬(3頭まで)に優先出走が認められている。また、本競走で2着以内の成績を収めた地方競馬所属馬はスプリンターズステークスの優先出走権が与えられる[6][4]

賞金[編集]

2023年の1着賞金は4300万円で、以下2着1700万円、3着1100万円、4着650万円、5着430万円[1][2]

歴史[編集]

  • 1996年 - 4歳以上の馬によるオープン競走として創設、札幌競馬場の芝1000mで施行。
  • 2000年
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「3歳以上」に変更。
  • 2002年 - 1000万下条件に変更。
  • 2006年
    • 重賞(GIII[注 1])に格付け。
    • 負担重量を別定に変更。
    • サマースプリントシリーズに指定。
  • 2007年
    • 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIIに変更。
    • 馬インフルエンザの影響により、中央競馬所属馬のみで施行。
  • 2009年
    • 国際競走に変更され、外国調教馬が8頭まで出走可能となる。
    • 格付表記をGIII(国際格付)に変更。
  • 2014年
    • この年から本競走の1着馬にスプリンターズステークスへの優先出走権が付与される。
    • 別定重量の加算基準を変更。
  • 2020年 - 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、「無観客競馬」として実施[7]

歴代優勝馬[編集]

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

コース種別を記載していない距離は、芝コースを表す。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 2006年8月27日 札幌 1200m チアフルスマイル 牝6 1:08.4 岩田康誠 池江泰郎 (株)アカデミー 
第2回 2007年8月26日 札幌 1200m クーヴェルチュール 牝3 1:08.6 横山典弘 国枝栄 (株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン
第3回 2008年8月31日 札幌 1200m タニノマティーニ 牡8 1:07.9 秋山真一郎 須貝彦三 谷水雄三
第4回 2009年8月30日 札幌 1200m ビービーガルダン 牡5 1:08.4 安藤勝己 領家政蔵 (有)坂東牧場
第5回 2010年8月29日 札幌 1200m ワンカラット 牝4 1:08.4 藤岡佑介 藤岡健一 青山洋一
第6回 2011年8月28日 札幌 1200m カレンチャン 牝4 1:08.6 池添謙一 安田隆行 鈴木隆司
第7回 2012年8月26日 札幌 1200m パドトロワ 牡5 1:07.6 安藤勝己 鮫島一歩 吉田照哉
第8回 2013年8月25日 函館 1200m フォーエバーマーク 牝5 1:11.7 村田一誠 矢野英一 青山洋一
第9回 2014年8月31日 札幌 1200m ローブティサージュ 牝4 1:09.0 三浦皇成 須貝尚介 (有)シルク
第10回 2015年8月30日 札幌 1200m ウキヨノカゼ 牝5 1:08.6 四位洋文 菊沢隆徳 國分純
第11回 2016年8月28日 札幌 1200m ブランボヌール 牝3 1:08.5 戸崎圭太 中竹和也 前田葉子
第12回 2017年8月27日 札幌 1200m エポワス セ9 1:09.0 C.ルメール 藤沢和雄 多田信尊
第13回 2018年8月26日 札幌 1200m ナックビーナス 牝5 1:09.4 J.モレイラ 杉浦宏昭 小松欣也
第14回 2019年8月25日 札幌 1200m ダノンスマッシュ 牡4 1:09.2 川田将雅 安田隆行 (株)ダノックス
第15回 2020年8月30日 札幌 1200m エイティーンガール 牝4 1:10.6 坂井瑠星 飯田祐史 中山泰志
第16回 2021年8月29日 札幌 1200m レイハリア 牝3 1:09.1 亀田温心 田島俊明 (株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン
第17回 2022年8月28日 札幌 1200m ヴェントヴォーチェ 牡5 1:09.1 C.ルメール 牧浦充徳 エデンアソシエーション
第18回 2023年8月27日 札幌 1200m ナムラクレア 牝4 1:09.9 浜中俊 長谷川浩大 奈村睦弘

2005年までの優勝馬[編集]

施行日 競馬場 距離 条件 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
1996年6月23日 札幌 1000m オープン オギティファニー 牝5 0:56.5 郷原洋司 郷原洋行 (株)荻伏牧場レーシング・クラブ
1997年8月24日 札幌 1000m オープン エーピーライ 牡5 0:57.2 安田康彦 武田博 (株)デルマークラブ
1998年8月30日 札幌 1000m オープン スーパーナカヤマ 牡4 0:58.1 田中勝春 小西一男 (株)信和商会
1999年8月29日 札幌 1000m オープン シンボリスウォード 牡4 0:58.5 岡部幸雄 藤沢和雄 シンボリ牧場
2000年8月27日 札幌 1200m オープン メジロダーリング 牝4 1:09.5 武幸四郎 大久保洋吉 (有)メジロ牧場
2001年8月26日 札幌 1200m オープン エピグラフ 牡4 1:09.4 松永幹夫 山内研二 横山秀男
2002年8月10日 札幌 1200m 1000万下 ブルーショットガン 牡3 1:09.5 松永幹夫 武宏平 (株)荻伏レーシング・クラブ
2003年8月16日 札幌 1200m 1000万下 タカオルビー 牝3 1:08.4 菊沢隆徳 柴崎勇 (株)寺田工務店
2004年8月29日 札幌 1200m 1000万下 ロードダルメシアン 牡5 1:09.3 松永幹夫 伊藤正徳 (株)ロードホースクラブ
2005年8月28日 札幌 1200m 1000万下 モアザンベスト 牝3 1:08.9 五十嵐冬樹 二ノ宮敬宇 飯田政子

脚注・出典[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典[編集]

  1. ^ a b c d 令和5年第2回札幌競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2023年9月10日閲覧。
  2. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関東)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 31. 2023年9月10日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g 今週の注目レース(第9回キーンランドカップ)”. 日本中央競馬会. 2015年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月9日閲覧。
  4. ^ a b 令和5年競馬番組一般事項(V 出馬投票)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 18. 2023年9月10日閲覧。
  5. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(令和5年夏季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2023年9月10日閲覧。
  6. ^ 「地」が出走できるGI競走とそのステップ競走について(令和5年度)” (PDF). 日本中央競馬会. 2020年8月29日閲覧。
  7. ^ 8月15日(土曜)から9月6日(日曜)までの中央競馬の開催等”. 日本中央競馬会 (2020年8月8日). 2020年8月29日閲覧。

各回競走結果の出典[編集]

netkeiba.comより(最終閲覧日:2015年8月26日)

外部リンク[編集]