スワンステークス

スワンステークス
2022年スワンステークス
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 京都競馬場
創設 1958年4月13日
2021年の情報
距離 芝1400m
格付け GII
賞金 1着賞金5900万円
出走条件 サラ系3歳以上(国際)(指定)
負担重量 別定
出典 [1][2]
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スワンステークスは、日本中央競馬会 (JRA) が京都競馬場で施行する中央競馬重賞競走GII)である。2021年の第64回より競馬番組表での正式名称は「MBS賞 スワンステークス」と表記される[3][注 1]

競走名の「スワン (Swan)」は、白鳥を意味する英語[4]。京都競馬場の旧スタンド「ビッグスワン」「グランドスワン」の名称にも使用されている[5]

ラテ兼営時代の2000年より寄贈賞を提供するMBSメディアホールディングス(旧・毎日放送) は、大阪市に本社を置き、TBS系列JNN)のテレビ準キー局毎日放送と、近畿広域圏でAM・ワイドFM帯ラジオ放送を行うMBSラジオの2社を掌握する総務省認定放送持株会社である。MBSグループは1951年(昭和26年)に「新日本放送(NJB)」として開局以来、ラジオで中央競馬中継を実施している[4]

正賞はMBS賞[1][2]

概要[編集]

2019年スワンステークス

1958年に、5歳(現4歳)以上の馬による重賞競走として創設[4][5][6]。創設当初は京都競馬場の芝1800mで春季に行われていた[4][5][6]が、1972年より芝1600m(外回り)に変更[4][5][6]

1984年には施行時期を10月下旬に繰り下げたうえ、距離も芝1400m(外回り)に変更[4][5][6]。あわせて4歳(現3歳)馬や外国産馬も出走可能になり、マイルチャンピオンシップの前哨戦として位置づけられた[4][5][6]。2014年より、本競走の1着馬にはマイルチャンピオンシップの優先出走権が与えられている[4][5][6]

創設時の負担重量ハンデキャップだったが、1961年より別定に変更された[4][5][6]

地方競馬所属馬は1995年から出走可能になり、1998年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[7][6]

競走条件[編集]

以下の内容は、2021年現在[1][2]のもの。

出走資格:サラ系3歳以上

  • JRA所属馬(未出走馬及び未勝利馬は除く)
  • 地方競馬所属馬(後述)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:別定

  • 3歳54kg(11月に施行される場合は55kg[注 2])、4歳以上56kg、牝馬2kg減
    • 2020年10月25日以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬2kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増
    • 2020年10月24日以前のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増(2歳時の成績を除く)

マイルチャンピオンシップのステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬はマイルチャンピオンシップの出走候補馬(3頭まで)に優先出走が認められている[9][10]。また、地方競馬所属馬は本競走で2着以内の成績を収めた馬にマイルチャンピオンシップの優先出走権が与えられる[9][10]

賞金[編集]

2021年の1着賞金は5900万円で、以下2着2400万円、3着1500万円、4着890万円、5着590万円[1][2]

歴史[編集]

  • 1958年 - 5歳以上の馬によるハンデキャップの重賞競走として創設、京都競馬場の芝1800m(外回り)で施行[5]
  • 1959年 - 「皇太子殿下御成婚祝賀競走」の副称をつけて施行[5]
  • 1965年 - 名称を「関西テレビ放送賞 スワンステークス」に変更[5]
  • 1984年
    • グレード制施行によりGII[注 3]に格付け[5]
    • 出走資格を4歳以上に変更[5]
    • 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[7]
    • 関西テレビの寄贈賞がローズステークスに振り替えられたため、名称を「スワンステークス」に戻す。
  • 1995年 - 指定交流競走となり、地方競馬所属馬が出走可能になる[7]
  • 1998年 - 国際競走に指定され、外国調教馬が4頭まで出走可能となる[7]
  • 2000年
    • 前年限りで廃止された京都4歳特別(現・京都新聞杯)に出されていた毎日放送の寄贈賞が本競走に振り替えられ、名称を「毎日放送賞 スワンステークス」に変更[5]
    • 外国調教馬の出走枠を5頭に拡大[7]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格を「3歳以上」に変更。
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠を9頭に拡大[11]
  • 2014年 - この年から1着馬にマイルチャンピオンシップの優先出走権を付与[5]
  • 2021年
    • 京都競馬場の整備工事に伴い、阪神競馬場で施行[12](2022年も同様[13])。
    • 毎日放送の持株会社制移行および対外呼称変更に伴い、名称を「MBS賞 スワンステークス」に変更[3]

歴代優勝馬[編集]

コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1958年4月13日 京都 1800m ナンバイチバン 牡5 1:51 3/5 大沢真 玉谷敬治 浜田尚子
第2回 1959年4月5日 京都 1800m ゴールマイト 牡4 1:54 0/5 大久保正陽 大久保亀治 飯塚一
第3回 1960年4月17日 京都 1800m ミンシユウ 牡4 1.52.9 坂田正行 仲住達弥 鈴木美智慧
第4回 1961年4月9日 京都 1800m コダマ 牡4 1:52.5 栗田勝 武田文吾 伊藤由五郎
第5回 1962年4月8日 京都 1800m シーザー 牡5 1:50.6 清田十一 伊藤勝吉 伊藤由五郎
第6回 1963年4月10日 京都 1800m シモフサホマレ 牡4 1:53.1 境勝太郎 矢野幸夫 遠田光子
第7回 1964年4月12日 京都 1800m メイズイ 牡4 1:55.8 保田隆芳 尾形藤吉 千明康
第8回 1965年4月11日 阪神 1800m アサホコ 牡5 1:51.8 加賀武見 藤本冨良 手塚栄一
第9回 1966年4月17日 京都 1800m バリモスニセイ 牡5 1:51.3 諏訪真 諏訪佐市 小杉咲枝
第10回 1967年5月7日 京都 1800m エプソム 牡5 1:52.2 山本正司 伊藤修司 ローズ
第11回 1968年2月25日 京都 1800m リユウフアーロス 牡5 1:51.9 宮本悳 橋本正晴 三好諦三
第12回 1969年4月20日 京都 1800m ダイイチオー 牡4 1:50.2 山本正司 高橋直三 上田正次
第13回 1970年2月15日 京都 1800m リキエイカン 牡4 1:50.9 高橋成忠 柏谷富衛 水上力夫
第14回 1971年1月31日 京都 1800m フアストバンブー 牡4 1:53.3 山本正司 伊藤修司 竹田辰一
第15回 1972年1月30日 京都 1600m タカラローズ 牝4 1:39.4 領家政蔵 田中良平 市川武二
第16回 1973年5月13日 京都 1600m フセノスズラン 牝5 1:36.5 野村彰彦 中村覚之助 浮田商事(株)
第17回 1974年5月19日 京都 1600m フジノタカワシ 牡4 1:36.3 飯田明弘 中村好夫 今津惣七
第18回 1975年5月11日 京都 1600m イットー 牝4 1:36.5 簗田善則 田中好雄 (有)荻伏牧場
第19回 1976年5月16日 京都 1600m ロングフアスト 牡4 1:35.9 松田幸春 松田由太郎 中井長一
第20回 1977年5月15日 京都 1600m フローカンボーイ 牡4 1:36.3 今岡正 佐藤勇 島田進
第21回 1978年5月7日 京都 1600m リキタイコー 牡4 1:35.9 福永洋一 服部正利 水上力夫
第22回 1979年5月6日 京都 1600m ホクトボーイ 牡6 1:36.2 田島良保 久保道雄 森滋
第23回 1980年3月9日 小倉 2000m アグネスプレス 牡5 2:06.8 須崎昇 久保道雄 渡辺孝男
第24回 1981年5月10日 京都 1600m サツキレインボー 牡4 1:35.0 米元孝一 田之上勲 堀協操
第25回 1982年5月16日 京都 1600m アグネスベンチャー 牡4 1:34.2 久保敏文 久保道雄 渡辺孝男
第26回 1983年5月15日 京都 1600m ハギノカムイオー 牡4 1:35.1 伊藤清章 伊藤修司 日隈広吉
中村和夫
第27回 1984年10月28日 京都 1400m ニホンピロウイナー 牡4 1:21.4 河内洋 服部正利 小林百太郎
第28回 1985年10月27日 京都 1400m コーリンオー 牡4 1:22.2 小屋敷昭 白井寿昭 伊藤博仁
第29回 1986年10月26日 京都 1400m ニッポーテイオー 牡3 1:21.5 郷原洋行 久保田金造 山石祐一
第30回 1987年11月1日 京都 1400m ポットテスコレディ 牝4 1:22.8 西浦勝一 松永善晴 (有)ポット牧場
第31回 1988年10月30日 京都 1400m シンウインド 牝4 1:23.0 武豊 二分久男 林幸雄
第32回 1989年10月29日 京都 1400m バンブーメモリー 牡4 1:21.7 松永昌博 武邦彦 竹田辰一
第33回 1990年10月28日 京都 1400m ナルシスノワール 牡4 1:21.4 安田隆行 田之上勲 粟田政
第34回 1991年10月26日 京都 1400m ケイエスミラクル 牡3 1:20.6 南井克巳 高橋成忠 高田喜嘉
第35回 1992年10月31日 京都 1400m ディクターガール 牝6 1:21.4 岸滋彦 宮本悳 北川威
第36回 1993年10月30日 京都 1400m シンコウラブリイ 牝4 1:21.9 岡部幸雄 藤沢和雄 安田修
第37回 1994年10月29日 阪神 1400m サクラバクシンオー 牡5 1:19.9 小島太 境勝太郎 (株)さくらコマース
第38回 1995年10月28日 京都 1400m ヒシアケボノ 牡3 1:19.8 角田晃一 佐山優 阿部雅一郎
第39回 1996年10月26日 京都 1400m スギノハヤカゼ 牡3 1:19.3 田島裕和 鹿戸幸治 杉江義夫
第40回 1997年10月25日 京都 1400m タイキシャトル 牡3 1:20.7 横山典弘 藤沢和雄 (有)大樹ファーム
第41回 1998年10月31日 京都 1400m ロイヤルスズカ 牡5 1:21.9 上村洋行 橋田満 永井啓弐
第42回 1999年10月30日 京都 1400m ブラックホーク 牡5 1:20.2 蛯名正義 国枝栄 金子真人
第43回 2000年10月28日 京都 1400m ダイタクヤマト 牡6 1:20.4 江田照男 石坂正 中村和子
第44回 2001年10月27日 京都 1400m ビハインドザマスク 牝4 1:20.8 松永幹夫 北橋修二 (有)サンデーレーシング
第45回 2002年10月26日 京都 1400m ショウナンカンプ 牡4 1:19.8 藤田伸二 大久保洋吉 国本哲秀
第46回 2003年11月1日 京都 1400m ギャラントアロー 牡3 1:20.2 幸英明 崎山博樹 冨沢敦子
第47回 2004年10月30日 京都 1400m タマモホットプレイ 牡3 1:21.9 本田優 南井克巳 タマモ(株)
第48回 2005年10月29日 京都 1400m コスモサンビーム 牡4 1:21.5 本田優 佐々木晶三 岡田美佐子
第49回 2006年10月28日 京都 1400m プリサイスマシーン 牡7 1:20.3 松岡正海 萩原清 池谷誠一
第50回 2007年10月27日 京都 1400m スーパーホーネット 牡4 1:20.7 藤岡佑介 矢作芳人 森本悳男
第51回 2008年11月1日 京都 1400m マイネルレーニア 牡4 1:19.9 佐藤哲三 西園正都 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第52回 2009年10月31日 京都 1400m キンシャサノキセキ 牡6 1:20.3 C.スミヨン 堀宣行 吉田和美
第53回 2010年10月30日 京都 1400m マルカフェニックス 牡6 1:21.0 福永祐一 松永昌博 河長産業
第54回 2011年10月29日 京都 1400m リディル 牡4 1:19.4 小牧太 橋口弘次郎 前田幸治
第55回 2012年10月27日 京都 1400m グランプリボス 牡4 1:20.5 内田博幸 矢作芳人 (株)グランプリ
第56回 2013年10月26日 京都 1400m コパノリチャード 牡3 1:20.8 浜中俊 宮徹 小林祥晃
第57回 2014年11月1日 京都 1400m ミッキーアイル 牡3 1:20.3 浜中俊 音無秀孝 野田みづき
第58回 2015年10月31日 京都 1400m アルビアーノ 牝3 1:20.2 柴山雄一 木村哲也 吉田和美
第59回 2016年10月29日 京都 1400m サトノアラジン 牡5 1:20.7 川田将雅 池江泰寿 里見治 
第60回 2017年10月28日 京都 1400m サングレーザー 牡3 1:22.4 C.デムーロ 浅見秀一 (株)G1レーシング
第61回 2018年10月27日 京都 1400m ロードクエスト 牡5 1:21.5 M.デムーロ 小島茂之 (株)ロードホースクラブ
第62回 2019年10月26日 京都 1400m ダイアトニック 牡4 1:21.3 C.スミヨン 安田隆行 (有)シルクレーシング
第63回 2020年10月31日 京都 1400m カツジ 牡5 1:21.2 岩田康誠 池添兼雄 (株)カナヤマホールディングス
第64回 2021年10月30日 阪神 1400m ダノンファンタジー 牝5 1:20.7 川田将雅 中内田充正 (株)ダノックス
第65回 2022年10月29日 阪神 1400m ダイアトニック 牡7 1:19.8 岩田康誠 安田隆行 (有)シルクレーシング
第66回 2023年10月28日 京都 1400m ウイングレイテスト 牡6 1:19.9 松岡正海 畠山吉宏 (株)ウイン

脚注・出典[編集]

参考文献[編集]

  • 『中央競馬全重賞競走成績集【古馬関西編】』日本中央競馬会、2006年、1285-1351頁。 

注釈[編集]

  1. ^ 毎日放送は同年4月に分社化されている (当該項目参照)。
  2. ^ 1,600m以下の競走のアローワンスが10月は2kg、11月は1kg[8]
  3. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典[編集]

  1. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 30. 2021年10月23日閲覧。
  2. ^ a b c d 令和3年第4回阪神競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2021年10月23日閲覧。
  3. ^ a b 競走名の変更(MBS賞スワンステークス) JRA”. 日本中央競馬会. 2021年4月18日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i 2021年度第4回阪神競馬特別レース名解説” (PDF). 日本中央競馬会. p. 5. 2021年10月23日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 歴史・コース:スワンステークス 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2021年10月31日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h スワンS特集(レースガイド)”. netkeiba.com. 2015年3月12日閲覧。
  7. ^ a b c d e 中央競馬全重賞競走成績集【古馬関西編】
  8. ^ 競馬番組で別に定める事項など(アローワンスおよび南半球産馬の負担重量の減量について)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 7. 2020年10月12日閲覧。
  9. ^ a b 「地」が出走できるGI競走とそのステップ競走について【令和3年度】)” (PDF). 日本中央競馬会. 2021年10月23日閲覧。
  10. ^ a b 競馬番組一般事項” (PDF). 日本中央競馬会 (2021年). 2020年10月23日閲覧。
  11. ^ 第4回 京都競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 3176-3177 (2007年). 2016年10月24日閲覧。(索引番号:29095)
  12. ^ 令和3年度の重賞競走の主な変更点について”. 日本中央競馬会 (2020年10月19日). 2020年10月20日閲覧。
  13. ^ 令和4年度開催日割および重賞競走について”. 日本中央競馬会 (2021年10月18日). 2021年10月23日閲覧。

各回競走結果の出典[編集]

外部リンク[編集]