能の現行演目一覧

能の現行演目一覧(のうのげんこうえんもくいちらん)は、のシテ方五流が現在上演する演目をまとめた一覧である。基本的にはシテ方五流宗家により謡本が常時刊行されている明治以前の作品を挙げ、番外曲、参考曲、復曲など、上演はされている(された)が、謡本の常時刊行に至っていないもの(謡本が刊行されていないもの、あるいは刊行されたが少部数に止まるもの)は挙げていない(ただし例外あり)[1]

  • 凡例
    • 現行の演目を一覧することを目的とし、演目別に流派による有無を示した。
    • 「観」は観世流、「宝」は宝生流、「春」は金春流、「剛」は金剛流、「喜」は喜多流において現行演目となっていることを示す。「全」は五流全てで現行演目となっていることを示す。
    • 明治以降の新作(観「楠露」「大典」「面塚」「菊水」、春「佐渡」、剛「桜井駅」、喜多流の土岐善麿による諸作等)、及び喜多流参考曲はこの一覧には挙げていない。
能の現行演目一覧
演目 よみ [歴史的仮名遣] 五番立て 備考(作者・あらすじ等) 流派
藍染川 あいぞめがわ [あゐぞめがは] 四・五 太宰府の神主と契りを結んだ京の女が、その間に生まれた息子を連れて筑前を訪ねるが、神主の妻に欺かれて藍染川に身を投げる。神主が天満天神に祈ると、神が影向して女を蘇らせる。 観・春
葵上 あおいのうえ [あふひのうへ] 近江猿楽系の古作。源氏物語に依る。葵上に取り憑いた六条御息所の生霊を、延暦寺横川の僧が祈り伏せる。
阿漕 あこぎ 伊勢阿漕が浦を訪れた日向の旅僧(または日向の人)の前に、殺生禁断の浜で網を引き殺された漁師の霊が現れ、地獄の苦患を告げる。
芦刈 あしかり 摂津難波浦に零落し、妻と別れて芦売りをしていた男が、訪ねてきた妻と再び巡り合い、都へと帰っていく。
飛鳥川 あすかがわ [あすかがは] 母と生き別れた幼子が大和飛鳥川に至り、田植えをしていた母と巡り合う。 剛・喜
安宅 あたか 源義経奥州に落ちる途次、弁慶の計略により、東大寺建立勧進の山伏と偽って加賀安宅の関を通り過ぎる。
安達原→黒塚 あだちがはら 観世流での曲名。
敦盛 あつもり 世阿弥作。出家した熊谷直実が、摂津一の谷で自らが討ち取った平敦盛の霊に逢う。
海人 あま 古作(金春権守作とも)。観「海士」。藤原房前が讃岐志度寺に下り、母である海女の霊に逢い、宝珠の謂れを聞く。
綾鼓 あやのつづみ 女御に恋をした庭掃の老人に、綾の鼓が鳴れば再び逢わせようと約束するが、音が出ないことに絶望した老人は池に身を投げ、怨霊となって女御の前に現れる。古作「綾の太鼓」の改作と思われ、「恋の重荷」と同工異曲。喜多流所演のものは喜多実土岐善麿による大幅な詞章の改作あり(昭和27年初演)。 宝・剛・喜
嵐山 あらしやま 金春禅鳳作。大和吉野より京都嵐山に移し植えた桜を愛でる勅使の前に、吉野の勝手の神木守の神蔵王権現が影向する。
蟻通 ありどおし [ありどほし] 世阿弥作。紀貫之が和泉蟻通の社で下馬を忘れ、神の怒りを受けるが、和歌の徳によって神慮を和らげる。
淡路 あわじ [あはぢ] 曲舞は観阿弥作曲。淡路を訪れた朝臣の前に伊弉諾神が影向する。 観・春・剛
碇潜 いかりかずき [いかりかづき] 壇の浦を訪ねた旅僧の前に、平知盛の霊が現れ、碇を持ち上げて海に身を投げる最後の様を見せる。金春禅鳳の型付では、前ツレ(一人か二人)が登場し、後場では船の作り物と、二位の尼(後ツレ)、安徳天皇(子方)が登場する。観世流の小書「船出之習」では、前ツレと子方は登場せず、二位の尼と大納言局(後ツレ二人)が出る。 観・剛
生田敦盛 いくたあつもり 金春禅鳳作。春「生田」。平敦盛の息子が賀茂明神の霊夢を蒙り、摂津生田の森に赴いて父の霊に逢う。 観・宝・春・剛
一角仙人 いっかくせんにん 金春禅鳳作。天竺波羅奈国で竜神を封じ込めて旱を起こしていた一角仙人が、女色に迷って神通力を失い、再び国に雨がもたらされる。 観・春・剛・喜
井筒 いづつ 世阿弥作。大和在原寺を訪れた旅僧の前に、在原業平と契りを結んだ紀有常の娘の霊が井筒のほとりに現れる。
岩船 いわふね [いはふね] 摂津住吉の浜を訪れた勅使が、天の探女と竜神から岩船に乗せた宝物を授けられる。
鵜飼 うかい [うかひ] 榎並左衛門五郎作(世阿弥改作)。甲斐石和川を訪れた安房清澄の僧たちの前に、殺生禁断の河原で漁をし殺された鵜飼の霊が現れる。やがて回向をする僧の前に閻魔大王が現れ、法華経の功徳により鵜飼の霊が救われたことを告げる。
浮船 うきふね 横越元久作詞、世阿弥作曲。源氏物語に依る。山城宇治を訪れた旅僧の前に、浮舟の君の霊が現れる。 観・春・剛・喜
雨月 うげつ 金春禅竹作。摂津住吉を訪れた西行法師が宿を借り、住吉明神の化身である尉姥と風流な問答をする。やがて明神の憑依した神主が現れ、和歌の徳を称えて舞う。
右近 うこん 世阿弥作(観世信光改作)。常陸鹿島の神主が洛北右近の馬場を訪れ、満開の桜の下、桜葉の女神の影向に逢う。 観・宝・剛
歌占 うたうら 観世元雅作。仮死により白髪となった伊勢二見浦の神主が、歌占をしながら子を探して諸国を廻るうち、加賀で巡り合い、所の者に所望された地獄の曲舞を舞った後、親子で故郷へと帰っていく。
内外詣 うちともうで [うちとまうで] 金剛長頼作。伊勢神宮を参拝した勅使に、巫女は神楽を、神主は獅子舞を舞って見せる。
善知鳥 うとう 喜「烏頭」。旅僧が越中立山で猟師の霊に逢って片袖を渡され、陸奥外の浜の妻子のもとに届けると、猟師の霊が再び現れ、鳥に襲われる地獄の苦患を告げる。
采女 うねめ 世阿弥作。奈良を訪れた旅僧の前に、帝の寵愛を失い猿沢の池に身を投げた采女の霊が現れる。
鵜祭 うのまつり 勅使が能登の気多の社を参詣し、神々の影向と鵜祭の奇瑞に逢う。
うめ 観世元章作。摂津難波を訪れた京都五条の人の前に梅の精が現れ、古歌の謂れを説き、御代を寿ぐ。
梅枝 うめがえ 摂津住吉で宿を借りた甲斐身延山の旅僧の前に、諍いで殺された楽人富士の妻の霊が現れる。「富士太鼓」の夢幻能版。
鱗形 うろこがた 北条時政の前に相模江野島の弁財天が影向し、鱗形(三つ鱗)の旗の紋を与える。 剛・喜
雲林院 うんりんいん 古作の改作。伊勢物語を愛読する摂津芦屋の者が、霊夢を授かり京都雲林院に赴き、在原業平の霊に逢う。世阿弥自筆による古作は、後場に二条后藤原基経の霊が現れる執心物となっている。
江口 えぐち 旅僧が摂津江口の里を通り過ぎると、江口の君(遊女の長)の霊が現れ、西行法師と和歌を詠み交わした昔を語り、舟遊びの様を見せる。世阿弥自筆本が残る。
江野島 えのしま 観世長俊作。相模江野浦に島が現れ出た奇瑞が都に伝わり、勅使が訪れると弁財天と龍王が影向する。
えびら 摂津生田を訪れた旅僧の前に梶原景季の霊が現れ、に梅を挿して奮戦した自らの功名を語る。
烏帽子折 えぼしおり [え(ゑ)ぼしをり] 宮増作か。牛若丸が奥州へ下る途次、近江鏡の宿で源氏嘉例の左折れ烏帽子を作らせて元服する。続いて美濃赤坂の宿熊坂長範の一団に襲われるが、これを一人で返り討ちする。後半は「熊坂」の現在能版となっている。 観・宝・剛・喜
絵馬 えま [ゑま] 金剛某の作とも。公卿が十二月三十日に伊勢参宮し、斎宮絵馬掛けの神事を見る。続いて神々が影向し天岩戸の奇瑞を見せる。 観・宝・剛・喜
老松 おいまつ 世阿弥作。霊夢により筑前太宰府を訪れた京の男の前に、老松と紅梅の神霊が影向する。
鸚鵡小町 おうむこまち [あうむこまち] 近江関寺に零落した小野小町のもとを勅使が訪れ、陽成天皇の御製を授けて返歌を請うが、小町は一字のみを変えた鸚鵡返しの返歌を詠む。続いて紀州玉津島明神参詣の折の若き日の在原業平を回想しつつ、老体の舞を見せる。 観・宝・剛・喜
大江山 おおえやま [おほえやま] 源頼光の一行が山伏に変装して丹波大江山に向かい、酒呑童子を退治する。
大社 おおやしろ [おほやしろ] 観世長俊作。朝臣が神在月出雲大社を参詣し、諸神参集と龍蛇奉献の奇瑞を見る。 観・剛・喜
おきな 例式 本来は神前に奉納される神聖な楽舞。「式三番」も参照.
小塩 おしお [をしほ] 金春禅竹作。大原野で桜を愛でる都人の前に、在原業平の霊が現れる。
落葉 おちば 源氏物語に依る。洛北小野の里を訪れた旅僧の前に落葉の宮の霊が現れ、夕霧の大将と契りを交わした昔を語る。別名「京落葉」(喜多流参考曲の「陀羅尼落葉」とは別曲)。
姨捨 おばすて [をばすて] 世阿弥作。春・喜「伯母捨」。信濃姨捨山を訪れた都人の前に、この山に捨てられた老女の霊が現れて月下に舞う。
大原御幸 おはらごこう [おはらごかう] 喜「小原御幸」。平家滅亡後、後白河法皇が大原寂光院に隠棲する建礼門院のもとを訪れる。
女郎花 おみなめし [をみなめし] 山城男山を訪れた旅僧の前に、小野頼風とその妻の霊が現れ、夫婦の入水の経緯と、妻を埋葬した女塚に生える女郎花の由来について語り、最後に地獄の苦患の様を告げる。
大蛇 おろち [をろち] 観世信光作。素戔嗚尊八岐大蛇退治を描く。 宝・剛・喜
杜若 かきつばた 金春禅竹作
景清 かげきよ
花月 かげつ [くわげつ]
柏崎 かしわざき [かしはざき] 榎並左衛門五郎作(世阿弥改作)
春日龍神 かすがりゅうじん [かすがりうじん] 金春禅竹作
合浦 かっぽ
葛城 かづらき 世阿弥作
鉄輪 かなわ 四・五
兼平 かねひら
加茂 かも 金春禅竹作. 別名「矢立鴨」. 観「賀茂」
加茂物狂 かもものぐるい [かもものぐるひ] 金春禅竹作か. 喜多「賀茂物狂」 宝・剛・喜
通小町 かよいこまち [かよひこまち] 観阿弥作
邯鄲 かんたん
咸陽殿 かんようきゅう [かんやうきう] 観・宝・剛・喜
祇王 ぎおう [ぎわう] 喜「二人祇王」 宝・剛・喜
鬼界島→俊寛 きかいがしま 喜多流での曲名
菊慈童→枕慈童 きくじどう 観世流での曲名
木曽 きそ
きぬた 世阿弥作
清経 きよつね 世阿弥作
金札 きんさつ 観阿弥作
草薙 くさなぎ 四・五
国栖 くず 四・五
九世戸 くせのと 観世信光作
熊坂 くまさか
鞍馬天狗 くらまてんぐ 宮増作か
車僧 くるまぞう
呉服 くれは 観・宝・春・剛
黒塚 くろづか 四・五 元は近江能. 観「安達原」
月宮殿→鶴亀 げっきゅうでん [げつきうでん] 喜多流での曲名
現在七面 げんざいしちめん 観・剛
現在忠度 げんざいただのり
現在鵺 げんざいぬえ
源氏供養 げんじくよう [げんじくやう] 金春禅竹作か
絃上 けんじょう [けんじやう] 観「玄象(げんじょう)」
源太夫 げんだゆう [げんだいふ] 金春禅竹作か. サシ・クセは田楽の亀阿弥(喜阿弥)作「熱田」からの流用
恋重荷 こいのおもに [こひのおもに] 世阿弥作(古作「綾の太鼓」の改作) 観・春
項羽 こうう [かうう]
皇帝 こうてい [くわうてい] 四・五 観世信光作 観・宝・剛・喜
高野物狂 こうやものぐるい [かうやものぐるひ] 世阿弥作. 曲中の「高野曲舞」は観世元雅作 観・宝・剛・喜
小鍛冶 こかじ [こかぢ]
小督 こごう [こがう] 金春禅竹作
小袖曽我 こそでそが 宮増作か
胡蝶 こちょう [こてふ] 観世信光作 観・宝・春・剛
西行桜 さいぎょうざくら [さいぎやうざくら] 世阿弥作
佐保山 さおやま [さほやま] 金春禅竹作
逆矛 さかほこ
さぎ
桜川 さくらがわ [さくらがは] 世阿弥作
実方 さねかた 昭和63年復曲. 詞章の一部は金春信高・堂本正樹による改作.
実盛 さねもり 世阿弥作
三笑 さんしょう [さんせう] 観・宝・剛
志賀 しが 世阿弥作 観・宝・剛・喜
七騎落 しちきおち
自然居士 じねんこじ 観阿弥作(世阿弥改作)
石橋 しゃっきょう [しやくけう]
舎利 しゃり
俊寛 しゅんかん [しゆんくわん] 観世元雅作か
俊成忠度 しゅんぜいただのり 内藤藤左衛門(河内守)作 観・宝・剛・喜
春栄 しゅんえい
鍾馗 しょうき 金春禅竹作
昭君 しょうくん [せうくん] 金春権守作
猩々 しょうじょう [しやうじやう]
正尊 しょうぞん [しやうぞん] 観世長俊作
白鬚 しらひげ 曲舞は観阿弥作曲. 春「白髭」 観・春
代主 しろぬし 金春禅竹作か. 別名「葛城鴨」
すすき 令和元年復曲
須磨源氏 すまげんじ 古作を世阿弥改作か 観・宝・剛・喜
墨染桜 すみぞめざくら
隅田川 すみだがわ [すみだがは] 観世元雅作. 春「角田川」
住吉詣 すみよしもうで [すみよしまうで] 観・剛・喜
西王母 せいおうぼ [せいわうぼ]
誓願寺 せいがんじ [せいぐわんじ]
是界 ぜがい 竹田法印宗盛作. 観「善界」剛「是我意」
関寺小町 せきでらこまち
関原与一 せきはらよいち
殺生石 せっしょうせき [せつしやうせき] 日吉左阿弥作
摂待 せったい 観・宝・剛・喜
蝉丸 せみまる
禅師曽我 ぜんじそが 観・宝・喜
千手 せんじゅ 金春禅竹作. 喜「千寿」
草子洗小町 そうしあらい [さうしあらひこまち] 宝・剛「草紙洗」, 春・喜「草紙洗小町」
卒都婆小町 そとばこまち 観阿弥作(世阿弥改作)
大会 だいえ [だいゑ]
泰山府君 たいざんふくん 世阿弥作. 観世流では「泰山木」として令和3年に復曲.
大仏供養 だいぶつくよう [だいぶつくやう] 春「奈良詣」
大瓶猩々 たいへいしょうじょう [たいへいしやうじやう]
第六天 だいろくてん
当麻 たえま 世阿弥作
高砂 たかさご 世阿弥作
竹雪 たけのゆき 宝・喜
忠信 ただのぶ 観・宝
忠度 ただのり 世阿弥作
龍田 たつた 金春禅竹作. 春「立田」
谷行 たにこう [たにかう] 四・五 金春禅竹作か 観・宝・春・剛
玉葛 たまかづら 金春禅竹作. 観「玉鬘」
玉井 たまのい [たまのゐ] 観世信光作 観・剛・喜
田村 たむら 世阿弥作
檀風 だんぷう 宝・剛
竹生島 ちくぶしま
調伏曽我 ちょうぶくそが [てうぶくそが] 四・五 宮増作か 宝・剛・喜
張良 ちょうりょう [ちやうりやう] 四・五 観世信光作
土蜘蛛 つちぐも 宝・春「土蜘」
土車 つちぐるま 観・喜
経政 つねまさ 世阿弥作. 観・剛「経正」
鶴亀 つるかめ 喜「月宮殿」
定家 ていか 金春禅竹作
天鼓 てんこ
藤栄 とうえい 春・喜「藤永」 宝・春・剛・喜
東岸居士 とうがんこじ 観・宝・剛・喜
道成寺 どうじょうじ [だうじやうじ] 四・五
唐船 とうせん [たうせん]
東方朔 とうぼうさく [とうばうさく] 金春禅鳳作 観・春
東北 とうぼく 世阿弥作
道明寺 どうみょうじ [だうみやうじ] 観・剛
とおる [とほる] 世阿弥作
木賊 とくさ
知章 ともあきら 観・春・剛・喜
ともえ [ともゑ]
朝長 ともなが 観世元雅作
鳥追船 とりおいぶね [とりおひぶね] 宝「鳥追」
仲光→満仲 なかみつ 観世流での曲名 観・宝・剛・喜
長柄 ながら 昭和43年復曲
難波 なにわ [なには] 世阿弥作. 別名「難波梅」
奈良詣→大仏供養 ならもうで [ならまうで] 金春流での曲名
錦木 にしきぎ 世阿弥作
錦戸 にしきど 宮増作か 観・宝
二人祇王→祇王 ににんぎおう [ににんぎわう] 喜多流での曲名 宝・剛・喜
ぬえ 世阿弥作
寝覚 ねざめ
野宮 ののみや 金春禅竹作
野守 のもり 世阿弥作
白楽天 はくらくてん 観・春・剛・喜
羽衣 はごろも
半蔀 はしとみ 内藤藤左衛門(河内守)作. 観「はじとみ」
橋弁慶 はしべんけい
芭蕉 ばしょう [ばせう] 金春禅竹作
鉢木 はちのき
初雪 はつゆき 金春禅鳳作
花筐 はながたみ 世阿弥作
班女 はんじょ 世阿弥作
飛雲 ひうん 観・宝・剛
檜垣 ひがき 世阿弥作
雲雀山 ひばりやま
氷室 ひむろ 宮増作か
百万 ひゃくまん 観阿弥作(世阿弥改作)
ふじ [ふぢ] 観・宝・剛
富士山 ふじさん 世阿弥作か(金春禅鳳改作) 春・剛
富士太鼓 ふじたいこ 金春禅竹作か
藤戸 ふじと [ふぢと]
二人静 ふたりしずか [ふたりしづか] 観・春・剛・喜
船橋 ふなばし 田楽能「佐野船橋」を世阿弥改作
船弁慶 ふなべんけい 観世信光作
放下僧 ほうかぞう [はうかぞう] 元は近江能
放生川 ほうじょうがわ [はうじやうがは] 世阿弥作 観・宝・春・剛
彭祖 ほうそ [はうそ]
仏原 ほとけのはら 観・剛
巻絹 まきぎぬ
枕慈童 まくらじどう 観「菊慈童」
松風 まつかぜ 観阿弥作(世阿弥改作)
松尾 まつのお [まつのを]
松虫 まつむし 金春禅竹作
松山鏡 まつやまかがみ 観・剛・喜
松山天狗 まつやまてんぐ
松浦佐用姫 まつらさよひめ 世阿弥作. 1963年復曲. 別名「松浦」「松浦鏡」
満仲 まんじゅう [まんぢう] 観「仲光」 観・宝・剛・喜
三井寺 みいでら [みゐでら]
通盛 みちもり 井阿弥作(世阿弥改作)
三山 みつやま 観世流では昭和60年復曲. 観・宝・剛
水無瀬 みなせ
水無月祓 みなづきばらえ [みなづきばらへ]
身延 みのぶ
御裳濯 みもすそ
三輪 みわ
六浦 むつら
室君 むろぎみ 観・春
和布刈 めかり 金春禅竹作か 観・宝・剛・喜
望月 もちづき
求塚 もとめづか 観阿弥作(世阿弥改作)
紅葉狩 もみじがり [もみぢがり] 観世信光作
盛久 もりひさ 観世元雅作
八島 やしま 世阿弥作. 観「屋島」
山姥 やまんば 世阿弥作
夕顔 ゆうがお [ゆふがほ] 金春流では平成30年復曲. 観・春・剛・喜
ゆき
遊行柳 ゆぎょうやなぎ [ゆぎやうやなぎ] 観世信光作
弓八幡 ゆみやわた [ゆみやはた] 世阿弥作
熊野 ゆや 喜「湯谷」
楊貴妃 ようきひ [やうきひ] 金春禅竹作
夜討曽我 ようちそが
養老 ようろう [やうらう] 世阿弥作
吉野静 よしのしずか [よしのしづか] 観阿弥作(井阿弥改作か) 観・宝・春・剛
吉野天人 よしのてんにん 観世信光作
頼政 よりまさ 世阿弥作
弱法師 よろぼし 観世元雅作
雷電 らいでん 宝「来殿」加賀藩主前田家が菅公の末裔であることから, 後シテを天神として神舞を舞うよう改作. 剛「妻戸」も同じ趣旨の改作だが, 昭和46年に廃曲. 観・宝・剛・喜
羅生門 らしょうもん [らしやうもん] 観世信光作 観・宝・剛・喜
龍虎 りょうこ 観世信光作 観・喜
輪蔵 りんぞう [りんざう] 観世長俊作
籠太鼓 ろうたいこ

脚注[編集]

  1. ^ 例外として、金春流「長柄」「夕顔」は、謡本が刊行されていないが、流派としては現行曲としている等が挙げられる。

参考文献[編集]

・丸岡桂著, 西野春雄補補『古今謡曲解題』. 古今謡曲解題刊行会, 1982

・金子直樹著『能鑑賞二百六十一番 : 現行謡曲解題』(淡交新書). 淡交社, 2018

能楽協会ホームページ「曲目データベース」

現行248曲の曲名(能楽 謡曲教室 迦謡会ブログ)

能楽金春ニュース「金春流演目一覧」

檜書店オンラインショップ(観世流・金剛流の現行謡本リスト)

わんや書店ホームページ(宝生流・金春流の現行謡本リスト)

能楽書林ホームページ(喜多流の現行謡本リスト)

関連項目[編集]