ハルパリオーン

ハルパリオーン古希: Ἁρπαλίων, Harpaliōn)は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してハルパリオンとも表記される。主に、

が知られている。以下に説明する。

ピュライメネースの子[編集]

このハルパリオーンは、パプラゴニア英語版の王ピュライメネースの子である[1]パリスとは親しい関係にあり、父ピュライメネースとともにパプラゴニア人を率いてトロイアを救援したが、メーリオネースに討たれた。

トロイア勢とリュキア勢がギリシア軍の防壁内に侵入したとき、ハルパリオーンはメネラーオスに跳びかかり、近距離から相手の楯の中央部分を槍で突いた。しかし楯を貫くことができなかったため、パプラゴニアの軍勢の中に後退しようとしたが、メーリオネースの放った青銅の矢に腰を射抜かれて息絶えた。遺体はピュライメネースに付き添われながらイーリオスに運ばれた。ハルパリオーンの死に激怒したパリスは矢を放ち、エウケーノールを射殺した[2]

アリゼーロスの子[編集]

このハルパリオーンは、ボイオーティア人のアリゼーロスとアムピノメーの子である。トロイア戦争ではプロトエーノールのもとで戦ったが、アイネイアースに討たれた[3]

脚注[編集]

  1. ^ 『イーリアス』13巻643行。
  2. ^ 『イーリアス』13巻643行-672行。
  3. ^ スミュルナのクイントゥス、10巻75行。

参考文献[編集]