クロミオス

クロミオス古希: Χρόμιος, Chromios)は、ギリシア神話の人物である。主に、

の4人ほか数人が知られている。以下に説明する。

プテレラーオスの子[編集]

このクロミオスは、タポスの王プテレラーオスの子で、テュラノス、アンティオコス、ケルシダマース、メーストール、エウエーレース[1]コマイトーと兄弟[2]。プテレラーオスの息子たちはミュケーナイを訪れ、エーレクトリュオーン王に先祖であるメーストール(エーレクトリュオーンと同じくペルセウスの子)の土地を要求したが拒否された。彼らはエーレクトリュオーンの牝牛の群を奪おうとして戦いになり、船を守っていたエウエーレースを除き、エーレクトリュオーンの息子たちと相討ちになった。エーレクトリュオーンの側は幼かったリキュムニオスのみ生き残った[3]

ネーレウスの子[編集]

このクロミオスは、メッセニア地方の都市ピュロスの王ネーレウスと、オルコメノスの王アムピーオーンの娘クローリスの子である。ネストールペリクリュメノスペーローとともに、ホメーロス叙事詩オデュッセイアー』の中で挙げているネーレウスの子供の1人[4]

プリアモスの子[編集]

このクロミオスは、トロイアーの王プリアモスの50人の子供の1人である[5][6][7]トロイア戦争では、エケムモーンとともに同じ戦車に乗って戦ったが、ディオメーデースに遭遇し、ディオメーデースを苦しめることもなくともに討たれた[8]

アルシノオスの子[編集]

このクロミオスは、アルシノオスの子で、エンノモスと兄弟[9]トロイア戦争の10年目にエンノモスとともにミューシアの軍勢を率いてトローイアを救援して戦った[9][10][11]

その他の人物[編集]

脚注[編集]

  1. ^ アポロドーロス、2巻4・5。
  2. ^ アポロドーロス、2巻4・7。
  3. ^ アポロドーロス、2巻4・6。
  4. ^ 『オデュッセイアー』11巻281行-286行。
  5. ^ 『イーリアス』5巻160行。
  6. ^ アポロドーロス、3巻12・5。
  7. ^ ヒュギーヌス、90話。
  8. ^ 『イーリアス』5巻159行-165行。
  9. ^ a b アポロドーロス、E(摘要)3・35。
  10. ^ 『イーリアス』2巻858行。
  11. ^ クレータのディクテュス、2巻35。
  12. ^ 『イーリアス』4巻295行。
  13. ^ 『イーリアス』5巻677行。
  14. ^ オウィディウス『変身物語』13巻257行。
  15. ^ 『イーリアス』8巻275行。
  16. ^ 『イーリアス』17巻491行-539行。
  17. ^ スミュルナのクイントゥス、6巻616行。

参考文献[編集]