ダニー・ダフィー

ダニー・ダフィー
Danny Duffy
テキサス・レンジャーズ (マイナー)
カンザスシティ・ロイヤルズ時代
(2011年5月24日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 カリフォルニア州ゴリータ
生年月日 (1988-12-21) 1988年12月21日(35歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2007年 MLBドラフト3巡目
初出場 2011年5月18日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
WBC 2017年
獲得メダル
男子 野球
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ワールド・ベースボール・クラシック
2017 野球

ダニエル・リチャード・ダフィーDaniel Richard Duffy, 1988年12月21日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ゴリータ出身のプロ野球選手投手)。左投左打。MLBテキサス・レンジャーズ傘下所属。愛称はBearクマ[1]

経歴[編集]

プロ入りとロイヤルズ時代[編集]

2007年MLBドラフト3巡目(全体96位)でカンザスシティ・ロイヤルズから指名されプロ入り。

2009年にはオールスター・フューチャーズゲームに選出されるなど順調なキャリアを歩んでいたが、2010年の3月に「人生を見つめ直す」として突如引退を表明[2]。周囲を驚かせたが、6月になって復帰を発表した[3]

2011年5月18日のテキサス・レンジャーズ戦で先発し、メジャーデビューを果たした。6度目の先発登板となった6月14日のオークランド・アスレチックス戦で6回2失点でメジャー初勝利を挙げた。1年目の最終成績は20試合に先発登板して4勝8敗、防御率5.64、87奪三振を記録した。

2012年は5月に左肘の靭帯を断裂してトミー・ジョン手術を受け、僅か6試合の登板でシーズンを終えた[4]。 背番号はメジャーデビュー以来23だったが、2013年から41に変更となった。

2014年3月1日にロイヤルズと1年契約に合意した[5]。同年は開幕をマイナーで迎えたが、すぐにメジャー昇格を果たし、5月からは先発ローテーションに定着した[6]先発ローテーションに入ってからは度々好投を見せ、ぎりぎり二桁勝利に届かず9勝止まりだったものの、防御率は2.53という優れた成績をマークした。チームはポストシーズン進出を果たすと、リリーフとして出場選手登録され、救援勝利でポストシーズン初勝利を挙げた。

2015年も先発ローテーションで投げ、30試合中24試合で先発登板したが、ルーキーイヤー以来の悪い値となる7勝8敗、防御率4.08に終わった。チームは地区優勝を成し遂げ、2年連続でポストシーズンに出場すると、再びリリーフとして自身2勝目を飾った。ニューヨーク・メッツとのワールドシリーズではリリーフで3試合を1失点に抑え、チームの優勝に貢献した。

2016年は左のリリーフとして起用されていたが、途中から先発ローテーションに加わり、8月11日のデトロイト・タイガース戦で10勝を挙げて、自身初の二桁勝利となった。最終的には先発で26試合、リリーフで16試合に登板、179.2イニングに投げてキャリア初の規定投球回到達を果たした。12勝3敗、防御率3.51に加え、投げたイニング数を上回るアメリカンリーグ9位の188奪三振を奪い、エース格の1人として活躍した。

2017年開幕前の2月9日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)アメリカ合衆国代表に選出された[7]。1次ラウンドでは3月12日のカナダ戦、2次ラウンドでは3月18日のドミニカ共和国戦と負ければ敗退決定の2試合に先発し、いずれも勝利投手となった。チームは3月22日の決勝プエルトリコ戦に勝利し、初の優勝を果たした[8]

シーズンでは8月26日に左ひじ痛で故障者リストに登録されたが、翌27日にカンザス州オーバーランドパークで飲酒運転の容疑で逮捕されていたことが29日に球団から公表された[9]。シーズントータルでは、離脱の影響によって24試合登板・146.1イニングに留まり、9勝10敗、防御率3.81と2年連続二桁勝利及び規定投球回到達はならなかった。

2019年シーズンの前には、潜在的なチームの投手の礎になれると思われていた[10]。しかし、左肩の圧迫感により故障者リストで開幕を迎えた。4月26日に復帰を果たした[11]。復帰後は、ロイヤルズの先発ローテーションを一貫して守り、6月22日のミネソタ・ツインズ戦ではシーズン最高の8回を投げた[12]。8月にはハムストリングの緊張で故障者リストに入り、1登板しかできなかった[13]。その怪我によって約1ヶ月の離脱を余儀なくされたが、9月に戻ってからは先発で復帰して5先発で2勝を挙げた[12]。このシーズンは、7勝6敗で防御率4.34を記録して115奪三振で130回と2/3回を投げた[14]

2021年からはかつてヨーダノ・ベンチュラが背負っていた30に背番号変更した。

ドジャース傘下時代[編集]

2021年7月29日に金銭または後日発表選手[注 1]とのトレードで、ロサンゼルス・ドジャースへ移籍した[16]。移籍後は故障者リストで過ごし、登板がないままオフの11月3日にFAとなった[17]

2022年3月18日にドジャースと300万ドルの単年契約を結んだ[18]。2023年は700万ドルのチームオプションとなる[19]。この年は傘下のマイナーチームで実戦復帰したが、メジャーでの登板はなかった。オフにチームオプションを破棄され、FAとなった[20]

投球スタイル[編集]

投球データ(2021年レギュラーシーズン)[21]
球種 割合 平均球速 最高球速
% mph km/h mph km/h
フォーシーム 43.4 93.7 150.8 97.3 156.6
スライダー 18.2 83.4 134.2 87.3 140.5
チェンジアップ 15.4 85.2 137.1 88.5 142.4
シンカー 12.2 93.6 150.6 96.4 155.1
カーブ 10.8 77.3 124.4 81.6 131.3

オーバースローから最速100.2mph(約161.3km/h[22]・平均93.7mph(約150.8km/h)の速球フォーシームツーシーム)を軸に、平均77.3mph(約124.4km/h)のカーブ、平均85.2mph(約137.1km/h)のチェンジアップを使用する[23]
2012年のフォーシームの平均球速は95.3mph(153.4km/h)だった[24]。2013年以前は与四球率が高く課題となっていたが、2014年に与四球率は3.2、2016年には2.1となり改善された。
通算対左被OPSは.556なのに対し、通算対右被OPSは.765と右打者を苦手としている。

2015年まではフォーシームとカーブの2球種を主体とした投球スタイルだったが、2016年からはあまり投げていなかったツーシーム、チェンジアップの割合を増やした。2017年にはフォーシームを以前の約半分ほどに減らしてツーシームを主体とすると、これまでほとんど投げていない約130km/h前後のスライダーを前面に押し出す投球スタイルとなった。一方で、代名詞だったカーブはほとんど投げなくなっている[25]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2011 KC 20 20 0 0 0 4 8 0 0 .333 474 105.1 119 15 51 1 5 87 4 1 66 66 5.64 1.61
2012 6 6 0 0 0 2 2 0 0 .500 121 27.0 26 2 18 1 0 28 0 1 13 12 3.90 1.59
2013 5 5 0 0 0 2 0 0 0 1.000 104 24.1 19 0 14 0 1 22 2 0 5 5 1.85 1.36
2014 31 25 0 0 0 9 12 0 1 .429 606 149.1 113 12 53 2 5 113 5 0 52 42 2.53 1.11
2015 30 24 0 0 0 7 8 1 2 .467 588 136.2 137 15 53 0 9 102 11 0 64 62 4.08 1.39
2016 42 26 1 0 1 12 3 0 2 .800 731 179.2 163 27 42 0 7 188 4 0 71 70 3.51 1.14
2017 24 24 0 0 0 9 10 0 0 .474 609 146.1 143 13 41 0 4 130 2 2 67 62 3.81 1.26
2018 28 28 0 0 0 8 12 0 0 .400 692 155.0 161 23 70 1 4 141 14 0 86 84 4.88 1.49
2019 23 23 0 0 0 7 6 0 0 .538 555 130.2 125 21 46 0 8 115 4 0 69 63 4.34 1.31
2020 12 11 0 0 0 4 4 0 1 .500 242 56.1 53 10 22 0 2 57 3 0 33 31 4.95 1.33
2021 13 12 0 0 0 4 3 0 0 .571 252 61.0 52 6 22 1 0 65 3 0 19 17 2.51 1.21
MLB:11年 234 204 1 0 1 68 68 1 6 .500 4974 1172.1 1111 144 432 6 45 1048 52 4 545 514 3.95 1.32
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



投手(P)












2011 KC 20 2 15 0 0 1.000
2012 6 0 2 0 0 1.000
2013 5 1 2 0 1 1.000
2014 31 4 12 5 0 .762
2015 30 2 18 3 2 .870
2016 42 1 18 3 0 .864
2017 24 5 12 0 1 1.000
2018 28 4 17 0 0 1.000
2019 23 1 13 1 1 .933
2020 12 0 5 0 1 1.000
2021 13 1 5 0 1 1.000
MLB 234 21 119 12 7 .921
  • 2022年度シーズン終了時

記録[編集]

MiLB

背番号[編集]

  • 23(2011年 - 2012年)
  • 41(2013年 - 2020年)
  • 30(2021年)

代表歴[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 2021年10月20日にザック・ウィルマンと発表されている[15]

出典[編集]

  1. ^ Royals Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月29日閲覧
  2. ^ Duffy taking leave from baseball
  3. ^ Royals prospect Duffy returns to club
  4. ^ Royals pitchers Danny Duffy and Blake Wood both need Tommy John surgery
  5. ^ Royals agree to terms with three players on one-year contracts for 2014” (英語). MLB.com (2014年3月1日). 2014年3月2日閲覧。
  6. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、127頁頁。ISBN 978-4-331-51921-9 
  7. ^ USA Baseball Announces 2017 World Baseball Classic Roster Archived 2017年2月12日, at the Wayback Machine. USABaseball.com: The Official Site of USA Baseball (英語) (2017年2月9日) 2017年3月16日閲覧
  8. ^ American Beauty: USA dominates PR in final World Baseball Classic (英語) (2017年3月22日) 2017年3月23日閲覧
  9. ^ “Royals pitcher Danny Duffy cited for DUI in Overland Park” (英語). The Kansas City Star. (2017年8月29日). http://www.kansascity.com/sports/mlb/kansas-city-royals/article169961577.html 2017年9月1日閲覧。 
  10. ^ Royals Remain Optimistic Despite 100-Loss Season” (英語). ESPN. 2020年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月11日閲覧。
  11. ^ Nick Sloan. “Danny Duffy to Make Season Debut on Friday, Royals Announce”. KCTV5. 2019年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月11日閲覧。
  12. ^ a b Danny Duffy Game by Game Stats”. ESPN. 2020年1月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月28日閲覧。
  13. ^ Danny Duffy Stats, Fantasy, and News”. mlb.com. 2020年1月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月11日閲覧。
  14. ^ Danny Duffy 2019 Pitching Game Log”. Baseball-Reference. 2019年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月7日閲覧。
  15. ^ Max Rieper (2021年10月20日). “Royals acquire pitcher Zach Willeman as compensation for the Danny Duffy trade” (英語). SB Nation. 2022年2月27日閲覧。
  16. ^ Dodgers Finalizing Deal To Acquire Danny Duffy” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年7月29日閲覧。
  17. ^ MLB公式プロフィール参照。2022年2月27日閲覧。
  18. ^ Press release: Dodgers sign Danny Duffy”. www.mlb.com. 2022年3月21日閲覧。
  19. ^ Dodgers To Sign Danny Duffy” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年3月21日閲覧。
  20. ^ Dodgers To Decline Danny Duffy's Club Option” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年11月11日閲覧。
  21. ^ player” (英語). baseballsavant.com. 2021年11月15日閲覧。
  22. ^ 2012年シーズン計測
  23. ^ FanGraphs - PITCHf/x
  24. ^ Danny Duffy » Statistics » Pitching | FanGraphs Baseball
  25. ^ Danny Duffy Pitch Data” (英語). The Baseball Cube. 2017年9月1日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]