タイラー・ヒギンス

タイラー・ヒギンス
Tyler Higgins
オリックス・バファローズ時代
(2021年11月12日、京セラドーム大阪にて)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ミシガン州アルマ英語版
生年月日 (1991-04-22) 1991年4月22日(32歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
215 lb =約97.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2011年 MLBドラフト 23巡目(全体703位)
初出場 NPB / 2020年6月27日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

タイラー・E・ヒギンスTyler E. Higgins1991年4月22日 - )は、アメリカ合衆国ミシガン州アルマ英語版出身のプロ野球選手投手)。右投右打。愛称はヒギーHiggy[1]

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

ミシガン州マウント・プレザント高等学校英語版在学中の2009年MLBドラフト47巡目(全体1414位)でテキサス・レンジャーズから指名を受けるが、この時はプロ入りを選択せず、同州のランシング・コミュニティ・カレッジ英語版に進学した。

プロ入りとマーリンズ傘下時代[編集]

2011年MLBドラフト23巡目(全体703位)でフロリダ・マーリンズから指名を受け、6月21日に契約を結び、プロに進んだ[2]。同年は傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・マーリンズからプロキャリアをスタートさせた[2]

2017年までの在籍期間に徐々にクラスを上げ、AA級ジャクソンビル・ジャンボシュリンプまで昇格した[3]。オフの11月6日にFAとなった[2]

独立リーグ時代[編集]

2018年3月17日にアトランティックリーグニューブリテン・ビーズ英語版と契約した[4]。14試合に登板して1勝0敗3セーブ、防御率1.88の成績を残した。

マリナーズ傘下時代[編集]

2018年6月2日にシアトル・マリナーズとマイナー契約を結び[2]、同日中に傘下AAA級タコマ・レイニアーズに配属された[2]。28試合に登板し1勝1敗3セーブ、防御率2.83を記録した[3]。オフの11月2日にFAとなった[2]

パドレス傘下時代[編集]

2018年12月21日にサンディエゴ・パドレスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングには招待選手として参加することになった[2]

2019年はA+からAAAまで3つのカテゴリを渡り歩き、AAA級エル・パソ・チワワズでは救援投手として33試合に登板し、4勝1敗4セーブ、防御率5.52の成績を残した[2]。オフの12月18日にFAとなった[2]

オリックス時代[編集]

2019年12月23日にNPBオリックス・バファローズが、同じくAAA級エルパソ所属のアデルリン・ロドリゲスと同時にヒギンスの獲得を発表した[5]。1年契約で年俸は推定7000万円、背番号は52となった[6]。日本球界についての情報は、パドレスOBでもあり、中日ドラゴンズからパドレスAAA級エルパソへの派遣コーチを務める大塚晶文から詳しく聞いていたといい、入団会見では「ここにいるのは大塚さんのおかげ」と感謝の弁を述べた[7]

2020年6月19日の開幕一軍メンバーからは外れた[8]。6月26日の一軍の千葉ロッテマリーンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)中に、先発投手の山岡泰輔が左内腹斜筋損傷を起こしわずか3球で緊急降板するアクシデントに伴い、翌27日に山岡に代わり急遽一軍出場選手登録された[9]。山岡の負傷発生時、ヒギンスは27日の舞洲バファローズスタジアムでの二軍戦に登板する予定で大阪におり、電話で一軍の滞在する千葉への招集連絡を受けたのは26日の22時45分であった[10]。27日、単身で千葉に向かい、東海道新幹線東京駅からタクシーを利用して、14時開始のデーゲームに間に合わせたという[10]。同日のロッテ戦において、5番手投手としてNPB初登板を果たした。9回裏、0対0のスコアで無死一・三塁という緊迫した局面からの登板であったが、レオネス・マーティンをベンチからの申告敬遠により満塁策を採った後、中村奨吾を二飛、鳥谷敬を見逃し三振、角中勝也を空振り三振に抑えてロッテのサヨナラ得点を許さず、NPB初ホールドを記録した[10]。7月11日の対北海道日本ハムファイターズ戦(京セラドーム大阪)で1対1の8回表に登板して1イニングを無失点に抑えると、直後の8回裏にチームが4点を勝ち越しそのまま逃げ切り勝ちを収めたことで、NPB初勝利を記録した[11]。その後はセットアッパーに定着し、41試合で3勝3敗19ホールド、防御率2.40の成績を残した[12]

2021年は49試合に登板し、リーグ2位の28ホールドを記録するなどリリーフ陣の柱として活躍したが[13]、日本シリーズで3試合に登板して5失点と精彩を欠き[14]、オフの12月2日に自由契約公示された[15]

パドレス傘下復帰[編集]

2022年3月7日に古巣パドレスとマイナー契約を結び[16]、3月8日に傘下AAA級エルパソに配属された[2]。7月12日に自由契約となった[2]

独立リーグ時代[編集]

2022年8月4日にアトランティックリーグのハイポイント・ロッカーズ英語版と契約した[2]

選手としての特徴・人物[編集]

オーバースローの投球フォームから、最速97マイル(約156km/h)[17]ストレートを投じる。変化球は、スラーブとも評されるカーブ[18][19]と、チェンジアップ[20]を主に用いる。

私生活では、オリックス入団が発表された直後の2019年のクリスマスに婚約し、来日後の3月に結婚していたことを、2020年7月11日のNPB初勝利に際して公表した[11]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2020 オリックス 41 0 0 0 0 3 3 0 19 .500 175 41.1 37 2 20 3 0 45 1 0 11 11 2.40 1.38
2021 49 0 0 0 0 1 2 2 28 .333 195 46.1 37 3 19 0 1 36 1 0 14 13 2.53 1.21
通算:2年 90 0 0 0 0 4 5 2 47 .444 370 87.2 74 5 39 3 1 81 2 0 25 24 2.46 1.29
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



投手












2020 オリックス 41 2 3 0 1 1.000
2021 49 1 4 1 0 .833
通算 90 3 7 1 1 .909
  • 2022年度シーズン終了時

記録[編集]

NPB[編集]

初記録

背番号[編集]

  • 52(2020年 - 2021年)

登場曲[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 【オリックス】新外国人ロドリゲス「A・ロッドと呼ばれるとうれしい」ヒギンスと入団会見”. スポーツ報知 (2020年1月28日). 2021年11月17日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l MLB公式プロフィール参照。2022年8月6日閲覧。
  3. ^ a b Tyler Higgins - Stats - Pitching”. FANGRAPHS. 2020年7月11日閲覧。
  4. ^ David Glovach (2018年3月27日). “New Britain Bees re-sign Hepple, while adding Higgins, Hamburger to pitching staff”. The New Britain Herald. 2022年8月6日閲覧。
  5. ^ 新外国人選手獲得のお知らせ”. オリックス・バファローズ (2019年12月23日). 2020年7月6日閲覧。
  6. ^ オリ助っ人6人に ヒギンス&ロドリゲスと契約 ともに1年契約、推定年俸7000万円”. スポーツニッポン (2019年12月23日). 2020年7月6日閲覧。
  7. ^ オリックス・ヒギンスら入団会見 大塚晶文氏に感謝”. 日刊スポーツ (2020年1月28日). 2020年7月6日閲覧。
  8. ^ オリックス・増井、モヤ、ヒギンスら開幕メンバーから外れる”. デイリースポーツ (2020年6月16日). 2020年7月6日閲覧。
  9. ^ 【オリックス】山岡泰輔が左内腹斜筋の筋損傷で登録抹消…26日ロッテ戦で緊急降板”. スポーツ報知 (2020年6月27日). 2020年7月6日閲覧。
  10. ^ a b c オリックス・ヒギンスが来日初登板で無死満塁斬り 緊急昇格で移動「東京駅は大きかった」”. デイリースポーツ (2020年6月27日). 2020年7月6日閲覧。
  11. ^ a b オリックス・ヒギンス初勝利「心の支え」夫人に感謝”. 日刊スポーツ (2020年7月11日). 2020年7月11日閲覧。
  12. ^ オリ・ヒギンスが帰国、ファンと再会を約束「来年お会いできることを楽しみに」”. Full-Count (2020年11月7日). 2021年11月21日閲覧。
  13. ^ オリックス助っ人 モヤとヒギンス、スパークマン退団へ バルガス、ラベロは残留濃厚”. スポーツニッポン (2021年11月29日). 2022年8月6日閲覧。
  14. ^ 元オリックス・ヒギンスがパドレスとマイナー契約 2年連続40登板20HPも昨季限りで退団”. BASEBALL KING (2022年3月9日). 2022年8月6日閲覧。
  15. ^ 2021年度 自由契約選手 公示”. NPB.jp 日本野球機構 (2021年8月10日). 2022年3月13日閲覧。
  16. ^ March 2022 San Diego Padres Transaction” (英語). MLB.com (2022年3月7日). 2022年3月13日閲覧。
  17. ^ オリ新助っ人ヒギンス、気温7度も半袖で気合の初ブルペン 「まだまだ球速は出る」”. Full-Count (2020年2月4日). 2020年7月11日閲覧。
  18. ^ 【オリックス】救援新助っ人にマイナー264戦登板の右腕ヒギンスを獲得”. スポーツ報知 (2019年12月23日). 2020年7月11日閲覧。
  19. ^ 【オリックス】新外国人ヒギンスがカーブ本邦初披露「すごく感覚が良かった」”. スポーツ報知 (2019年2月13日). 2020年7月11日閲覧。
  20. ^ オリ新助っ人ヒギンス“連投試験”合格で8回の男に 西村監督「大丈夫じゃないかな」”. Full-Count (2020年3月8日). 2020年7月11日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]