to U

to U
Bank Band with Salyuシングル
初出アルバム『沿志奏逢2
B面 生まれ来る子供たちのために
リリース
規格 マキシシングル
ジャンル J-POP
時間
レーベル トイズファクトリー
作詞・作曲
プロデュース 小林武史
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間2位(オリコン[1]
  • 2006年度年間23位(オリコン)[2]
  • Bank Band with Salyu シングル 年表
    to U
    (2006年)
    MESSAGE
    -メッセージ-

    (2018年)
    Bank Band シングル 年表
    生まれ来る子供たちのために
    (2005年)
    to U
    (2006年)
    はるまついぶき
    (2007年)
    Salyu シングル 年表
    Tower
    (2006年)
    to U
    (2006年)
    name
    (2006年)
    沿志奏逢2 収録曲
    昨日のNo, 明日のYes
    (3)
    to U
    (4)
    スローバラード
    (5)
    『to U』収録のシングル
    ミュージックビデオ
    「to U -PROTECT "to U" version-」
    - YouTube
    ライブ映像
    「to U」 (2010)
    - YouTube
    EANコード
    EAN 4988061891804
    (TFCC-89180)
    テンプレートを表示

    to U』(トゥー・ユー)は、日本バンドBank Bandの1枚目のシングルBank Band with Salyu名義)。2006年7月19日にトイズファクトリーより発売された[3]

    概要[編集]

    通常盤のみの1形態で発売。紙ジャケット仕様となっている。表題曲はBank Bandとしては初となるオリジナル楽曲で、Salyuとのコラボレーションとなっている。また、表題曲では作詞を櫻井和寿が、作曲を小林武史が担当しており、Mr.Children名義の作品で作曲が櫻井と小林の共作である楽曲は存在するものの、それぞれを2人が分担する組み合わせは今回が初となる。タワーレコード購入者特典には、『Bank Bandのバンクでポン』と題したソノシート(表題曲「to U (Piano Version)」を逆再生した上に、Bank Bandのメンバー紹介や結成した経緯、各楽曲説明などを吹き込んだもの。片面のみ収録)を付属。

    本作の収益はap bankの活動資金に充てられる[3]

    アートディレクター丹下紘希が担当。ジャケットの裏面には「このジャケットは再生紙を利用しています。汚れたり、よれたりしても製品に問題はありません。触ってあげてください。」と記載されている。

    収録曲[編集]

    1. Play to U / Bank Band with Salyu [7:12]
      • 作詞:櫻井和寿 / 作曲:小林武史 / 編曲:Bank Band
      TBS系報道番組『筑紫哲也 NEWS23』テーマソング[4](2005年3月28日 - 2008年3月28日)。筑紫哲也や番組スタッフがデモを聴き、曲の世界観と番組のテーマが合致していることから採用に至った[5]。発表当時の音源は現在のものと僅かに異なっている。
      2004年11月に開催されたBank Bandのライブ『BGM Vol.2 〜沿志奏逢』の大阪公演の際に小林が櫻井にメロディーを聴かせ作詞を依頼。翌年明けに歌詞が完成したという[6]
      歌詞が出来る前はSalyuが単独で仮歌を歌っていたが、小林はこの曲を複数のシンガーで歌うことを想定していたため、その雛型として櫻井とSalyuのデュエット形式となった[7]。実際、野外音楽フェスティバル『ap bank fes』の最後には当日の出演者ほぼ全員で歌うことが多く、『ap bank fes』のコンセプトソングにもなっている[5]
      タイトルの "U" は "YOU"(あなた)と "Universe"(宇宙)のダブルミーニングである[8]。櫻井は「to you」と書いた際に「自分以外の誰かに届けようとするあたたかさみたいなものを、または、押しつけがましさみたいなものを、その字面に感じたんだと思う」といい、「多分、自分の中ではこの歌は、誰かに発信しているようだけど、どこかでこう自分が言って欲しかった言葉を言ってるみたいなところがあるから、〔中略〕もうちょっと記号的なもの、本当に誰かに宛ててのメッセージよりも、つぶやきに近いような、『U』っていう記号がすごくしっくり来た」「ap bankでこの曲をやることで、更に広がりを持っていくのかなあと思った」と語っている[9]
      歌詞については、櫻井がap bankに関わっていく中で感じたことのほか、新潟県中越地震スマトラ島沖地震に影響されて書いたという[6]。また、サビの「頑張らなくてもいいよ」というフレーズに関しては、「もう既に頑張っている人に『頑張って』とは言えない」「『あなたが頑張ってるのは当然認めていますよ』という隠れメッセージ」であり[10]、頑張らなくても辛い現状から抜け出して楽しい時間が訪れるという「遠回しの励まし」でもあるとのこと[11]
      ミュージック・ビデオが制作されており、櫻井と小林とSalyuが出演している。監督は丹下紘希が務めた[12]。メッセージ性の強い歌詞をふまえた飾りこみ過ぎないシンプルな構成となっている[13]
    2. Play 生まれ来る子供たちのために / Bank Band [5:16]
      1st配信限定シングル。初CD化。
      オフコースの楽曲のカバー。
      日本テレビ系『ドラマ・コンプレックス』終戦六十年スペシャルドラマ『火垂るの墓 -ほたるのはか-』エンディングテーマ[14]
      小林は「『to U』のカップリングとして何がふさわしいのか、という事を凄く大事にしたかった」と語っている[15]
    3. Play to U (Piano Version) / Bank Band [7:41]
      • 作曲:小林武史
      ピアノストリングスによるインストゥルメンタルとなっている。小林のソロアルバム『WORKS I』にも収録された。

    別バージョン[編集]

    to U (Salyu version)[編集]

    Salyuの2枚目のアルバム『TERMINAL』およびベスト・アルバムMerkmal』に、Salyuがソロで歌唱しアレンジが変更された「to U (Salyu version)」が収録されている。なお、『TERMINAL』では「to U (Salyu Ver.)」と表記されている。

    to U (Tokyo Metro version)[編集]

    2017年に東京メトロ「Find my Tokyo.」キャンペーン「茅場町 気風がよくなる」篇CMソングに起用され、「to U (Tokyo Metro version)」としてアレンジをア・カペラに近いものに変更し櫻井和寿とSalyuにより新たに歌い直された[16]。アレンジについてSalyuは「『to U』という楽曲のメロディが一般的に定着した今だからこそできるアレンジ」と述べている[17]

    このバージョンは、2018年4月4日に発売された小林武史コンピレーション・アルバムTakeshi Kobayashi meets Very Special Music Bloods』に収録されている。

    to U -PROTECT "to U" version-[編集]

    ap bank新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 拡大防止の支援施策として、保健、福祉、行政、医療周辺、教育系施設向けにマスクを寄付する新プロジェクト「PROTECT "to U"」の一環として、2020年5月8日にap bankのYouTube公式チャンネルにてBank Band with Salyuによる「to U -PROTECT "to U" version-」の映像が公開された。これは新型コロナウイルスと向き合う医療従事者や、状況に不安な思いを抱えている人たちに向けて制作されたもので、リモートセッションによって撮影が行なわれた。監督は袴田晃司 (bloomotion) が担当。

    小林は「Bank Bandのみんなも町内会の有志みたいに集まってくれた。こんな時期に協力してくれたスタッフや、人との接触が避けられない仕事に従事されている方々、そしてなにより医療の現場でがんばってくれている人たちに感謝します。また、聴いていただいたみなさんにとってこれが何らかの力になることを願ってます」とコメントしている[18]

    参加ミュージシャン[編集]

    テレビ出演[編集]

    番組名 日付 放送局 演奏曲
    筑紫哲也 NEWS23[19] 2005年5月2日 TBS to U
    ミュージックステーション[20] 2006年7月21日 テレビ朝日
    筑紫哲也 NEWS23[21] 2006年7月24日 TBS
    僕らの音楽[22] 2006年7月28日 フジテレビ to U
    生まれ来る子供たちのために
    音楽の日[23] 2021年3月11日 TBS 花の匂い
    はるまついぶき
    to U[注 1]
    forgive
    音楽の日[24] 2021年7月17日 TBS to U
    forgive
    SONGS[25] 2021年9月30日 NHK総合
    奏逢 〜Bank Bandのテーマ〜
    東京協奏曲
    to U
    第63回 輝く! 日本レコード大賞[26] 2021年12月30日 TBS to U[注 2]

    ライブ映像作品[編集]

    曲名 作品名
    to U ap bank fes '05[注 3]
    ap bank fes '06[注 3]
    Mr.Children HOME TOUR 2007[注 4]
    ap bank fes '07[注 3]
    ap bank fes '08[注 3]
    ap bank fes '09[注 3]
    ap bank fes '10
    ap bank fes '12 Fund for Japan[注 3]
    生まれ来る子供たちのために

    収録アルバム[編集]

    脚注[編集]

    注釈[編集]

    1. ^ 櫻井和寿AI岸谷香柴咲コウスガシカオTERU (GLAY)・milet森山直太朗と共に歌唱した。
    2. ^ 2021年3月11日に出演した音楽番組『音楽の日』で披露した際の映像が放送された。
    3. ^ a b c d e f 櫻井が出演アーティストと共に歌唱した。演奏はMr.Childrenが担当。
    4. ^ Mr.Childrenによるセルフカバー。一番を観客に歌わせている。

    出典[編集]

    1. ^ to U | Bank Band with Great Artists”. ORICON NEWS. 2020年4月17日閲覧。
    2. ^ オリコン年間 CDシングルランキング 2006年度 21~30位”. ORICON STYLE. 2016年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月11日閲覧。
    3. ^ a b ap bank fes’06、出演者決定! シングル・リリースも”. BARKS (2006年5月17日). 2021年3月11日閲覧。
    4. ^ News 23のテーマ曲に小林武史+櫻井和寿+Salyuの楽曲が!”. BARKS (2005年3月29日). 2021年3月11日閲覧。
    5. ^ a b あの「to U」リリースが決定しました!”. ap bank. 2021年3月11日閲覧。
    6. ^ a b 小貫信昭 2006, p. 64.
    7. ^ 足跡を辿って見えてきたもの 2005, p. 77.
    8. ^ 佐伯明 (2006年7月14日). “小林武史ロングインタヴュー”. BARKS. 2021年3月11日閲覧。
    9. ^ 川口美保 2005, p. 30.
    10. ^ 小林武史 2021, p. 311.
    11. ^ 川口美保 2005, p. 27.
    12. ^ Bank Band with Salyu「toU」”. Yellow Brain. 2021年3月13日閲覧。
    13. ^ to U / Bank Band with Salyu”. Yellow Brain. 2021年9月15日閲覧。
    14. ^ 注目のap bank fes、出演者決定!”. ORICON NEWS (2006年5月17日). 2021年9月15日閲覧。
    15. ^ 松浦靖恵 (2016年7月5日). “Bank Band『小林武史ロングインタビュー!新曲「to U」、ap bank fesを語る!!』 (2/2)”. ORICON STYLE. 2006年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月11日閲覧。
    16. ^ 櫻井和寿&Salyuの“to U”、石原さとみ「Find my Tokyo.」の新CM曲に起用”. rockin'on .com (2017年6月30日). 2020年4月14日閲覧。
    17. ^ 小林千絵 (2017年7月26日). “Salyu × 小林武史|呼吸をするように共に歩んできた17年”. 音楽ナタリー. 2021年12月11日閲覧。
    18. ^ ap bankがマスク寄付プロジェクト始動、Bank Bandによる「to U」セッション映像公開”. 音楽ナタリー (2020年5月8日). 2020年5月8日閲覧。
    19. ^ News 23:マンデープラス”. TBS. 2005年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月23日閲覧。
    20. ^ 出演者ラインナップ | ミュージックステーション”. テレビ朝日. 2021年3月11日閲覧。
    21. ^ ap bank fes'06 | MEDIA メディアでの先行予約やラジオ・テレビ・雑誌などの情報”. ap bank. 2021年12月23日閲覧。
    22. ^ 僕らの音楽”. フジテレビ. 2021年3月11日閲覧。
    23. ^ 「音楽の日」の全歌唱曲とタイムテーブル発表、初披露のBank Band×MISIA新曲タイトル決定”. 音楽ナタリー (2021年3月10日). 2021年3月11日閲覧。
    24. ^ TBS「音楽の日」にBank Band、Coldplay、ENHYPEN、セブチ、TXT、TWICE、BTSら追加”. 音楽ナタリー (2021年7月9日). 2021年7月15日閲覧。
    25. ^ Bank Bandが「SONGS」出演、宮本浩次&櫻井和寿のコラボ曲初パフォーマンス”. 音楽ナタリー (2021年9月16日). 2021年9月16日閲覧。
    26. ^ 「レコ大」にオーサム、Da-iCE、NiziU、乃木坂46、氷川、LiSAらノミネート!新人賞はINIやマカえん”. 音楽ナタリー (2021年11月19日). 2022年1月5日閲覧。

    参考文献[編集]

    • 『ap bank fes '05 Official Book』2005年。
      • 川口美保「連鎖しながら繋がりあって生きていくことの喜びを、「環境」という名のもとに 櫻井和寿」22 - 31頁。
      • 「足跡を辿って見えてきたもの」70 - 80頁。
    • 小貫信昭「小林武史 + 櫻井和寿 ap bank fes '06を語る」『WHAT's IN?』第19巻第7号、ソニー・マガジンズ、2006年7月15日、62 - 65頁。
    • 「櫻井和寿 響き合う先にある『新しい扉』」『A sense of Rita 小林武史 対談集』ap bank、2021年8月11日、299 - 315頁。

    外部リンク[編集]