1998年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ

1998年ナショナルリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム 勝数
サンディエゴ・パドレス 4
アトランタ・ブレーブス 2
シリーズ情報
試合日程 10月7日–14日
観客動員 6試合合計:32万3017人
1試合平均:05万3836人
MVP スターリング・ヒッチコック(SD)
NLDS SD 3–1 HOU
ATL 3–0 CHC
殿堂表彰者 トニー・グウィン(SD外野手)
トレバー・ホフマン(SD投手)
ジョン・シャーホルツ(ATL GM)
ボビー・コックス(ATL監督)
トム・グラビン(ATL投手)
チッパー・ジョーンズ(ATL内野手)
グレッグ・マダックス(ATL投手)
ジョン・スモルツ(ATL投手)
チーム情報
サンディエゴ・パドレス(SD)
シリーズ出場 14年ぶり2回目
GM ケビン・タワーズ
監督 ブルース・ボウチー
シーズン成績 098勝64敗・勝率.605
西地区優勝

アトランタ・ブレーブス(ATL)
シリーズ出場 4年(7大会)連続9回目
GM ジョン・シャーホルツ
監督 ボビー・コックス
シーズン成績 106勝56敗・勝率.654
東地区優勝

 < 1997
NLCS
1998

1999 > 

 < 1997
ALCS
1998

1999 > 
ワールドシリーズ

1998年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは9月29日に開幕した。ナショナルリーグの第29回リーグチャンピオンシップシリーズ英語: 29th National League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、10月7日から14日にかけて計6試合が開催された。その結果、サンディエゴ・パドレス西地区)がアトランタ・ブレーブス東地区)を4勝2敗で下し、14年ぶり2回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

両球団がポストシーズンで対戦するのはこれが初めて。パドレスは、地区シリーズではレギュラーシーズン102勝のヒューストン・アストロズを、今シリーズではレギュラーシーズン106勝のブレーブスを、それぞれ破った。レギュラーシーズン100勝以上の球団とのシリーズを同一年のポストシーズンで2度制したのは、1988年ロサンゼルス・ドジャース以来、パドレスが10年ぶり2球団目である[注 1][1]。一方のブレーブスは、レギュラーシーズンで106勝を挙げながらワールドシリーズ進出を逃した史上初の球団となった[注 2][2]シリーズMVPには、第3戦と第6戦の2試合に先発登板して計10.0イニングを投げ、2勝0敗・防御率0.90という成績を残したパドレスのスターリング・ヒッチコックが選出された。しかしパドレスはワールドシリーズでは、レギュラーシーズン114勝のアメリカンリーグ王者ニューヨーク・ヤンキースに0勝4敗で敗れ、球団創設30年目で初の優勝を逃した。

両チームの1998年[編集]

10月3日にまずブレーブス(東地区優勝)が、そして4日にはパドレス(西地区優勝)が、それぞれ地区シリーズ突破を決めてリーグ優勝決定戦へ駒を進めた。

リーグ優勝決定戦の第1・2・6・7戦を本拠地で開催できる "ホームフィールド・アドバンテージ" は、前年までは地区ごとの持ち回りで割り当てられていた。しかしこの年から規則が変更され、地区優勝球団どうしが対戦する場合はレギュラーシーズンの勝率がより高いほうの球団に、地区優勝球団とワイルドカード球団が対戦する場合は地区優勝球団に与えられることとなった[3]。したがって今シリーズでは、ブレーブスがアドバンテージを得る。この年のレギュラーシーズンでは両球団は9試合対戦し、ブレーブスが5勝4敗と勝ち越していた[4]

試合結果[編集]

1998年のナショナルリーグ優勝決定戦は10月7日に開幕し、途中に移動日を挟んで8日間で6試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月07日(水) 第1戦 サンディエゴ・パドレス 3-2 アトランタ・ブレーブス ターナー・フィールド
10月08日(木) 第2戦 サンディエゴ・パドレス 3-0 アトランタ・ブレーブス
10月09日(金) 移動日
10月10日(土) 第3戦 アトランタ・ブレーブス 1-4 サンディエゴ・パドレス クアルコム・スタジアム
10月11日(日) 第4戦 アトランタ・ブレーブス 8-3 サンディエゴ・パドレス
10月12日(月) 第5戦 アトランタ・ブレーブス 7-6 サンディエゴ・パドレス
10月13日(火) 移動日
10月14日(水) 第6戦 サンディエゴ・パドレス 5-0 アトランタ・ブレーブス ターナー・フィールド
優勝:サンディエゴ・パドレス(4勝2敗 / 14年ぶり2度目)

第1戦 10月7日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
5回表、トニー・グウィンがジョン・スモルツから適時打を放ちパドレスが同点に追いつく(44秒)
延長10回表、ケン・カミニティのソロ本塁打でパドレスが勝ち越し(53秒)
10回裏、ドン・ウォールがアンドレス・ガララーガを中飛に打ち取り試合終了、パドレスが先勝(39秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 R H E
サンディエゴ・パドレス 0 0 0 0 1 0 0 1 0 1 3 7 0
アトランタ・ブレーブス 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 2 8 3
  1. トレバー・ホフマン(1勝)  ケリー・ライテンバーグ(1敗)  Sドン・ウォール(1S)  
  2. 本塁打
    SD:ケン・カミニティ1号ソロ
    ATL:アンドリュー・ジョーンズ1号ソロ
  3. 審判
    [球審]テリー・テイタ
    [塁審]一塁: ラリー・ポンシーノ、二塁: トム・ハリオン、三塁: グレッグ・ボニン
    [外審]左翼: ジェリー・デービス、右翼: スティーブ・リプリー
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時15分 試合時間: 3時間27分 観客: 4万2117人 気温: 74°F(23.3°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
サンディエゴ・パドレス アトランタ・ブレーブス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 Q・ベラス 1 W・ワイス
2 T・グウィン 2 K・ロックハート
3 G・ボーン 3 C・ジョーンズ
4 K・カミニティ 4 A・ガララーガ
5 W・ジョイナー 5 R・クレスコ
6 S・フィンリー 6 J・ロペス
7 C・ヘルナンデス 7 A・ジョーンズ
8 C・ゴメス 8 M・タッカー
9 A・アシュビー 9 J・スモルツ
先発投手 投球 先発投手 投球
A・アシュビー J・スモルツ

第2戦 10月8日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
パドレス先発投手ケビン・ブラウンがブレーブス打線から11三振を奪い完封勝利(2分46秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
サンディエゴ・パドレス 0 0 0 0 0 1 0 0 2 3 11 0
アトランタ・ブレーブス 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 1
  1. ケビン・ブラウン(1勝)  トム・グラビン(1敗)  
  2. 審判
    [球審]ラリー・ポンシーノ
    [塁審]一塁: トム・ハリオン、二塁: グレッグ・ボニン、三塁: ジェリー・デービス
    [外審]左翼: スティーブ・リプリー、右翼: テリー・テイタ
  3. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時15分 試合時間: 2時間54分 観客: 4万3083人 気温: 62°F(16.7°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
サンディエゴ・パドレス アトランタ・ブレーブス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 Q・ベラス 1 W・ワイス
2 S・フィンリー 2 K・ロックハート
3 T・グウィン 3 C・ジョーンズ
4 K・カミニティ 4 A・ガララーガ
5 W・ジョイナー 5 R・クレスコ
6 C・ヘルナンデス 6 J・ロペス
7 R・リベラ 7 A・ジョーンズ
8 C・ゴメス 8 M・タッカー
9 K・ブラウン 9 T・グラビン
先発投手 投球 先発投手 投球
K・ブラウン T・グラビン

第3戦 10月10日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
パドレスの抑え投手トレバー・ホフマンが8回表二死満塁から登板、無失点の4アウトセーブで試合を締める(1分30秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
アトランタ・ブレーブス 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 8 2
サンディエゴ・パドレス 0 0 0 0 2 0 0 2 X 4 7 0
  1. スターリング・ヒッチコック(1勝)  グレッグ・マダックス(1敗)  Sトレバー・ホフマン(1勝1S)  
  2. 審判
    [球審]トム・ハリオン
    [塁審]一塁: グレッグ・ボニン、二塁: ジェリー・デービス、三塁: スティーブ・リプリー
    [外審]左翼: テリー・テイタ、右翼: ラリー・ポンシーノ
  3. 試合開始時刻: 太平洋夏時間UTC-7)午後1時15分 試合時間: 3時間0分 観客: 6万2799人 気温: 72°F(22.2°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
アトランタ・ブレーブス サンディエゴ・パドレス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 W・ワイス 1 Q・ベラス
2 G・ウィリアムズ 2 S・フィンリー
3 C・ジョーンズ 3 T・グウィン
4 A・ガララーガ 4 K・カミニティ
5 A・ジョーンズ 5 W・ジョイナー
6 E・ペレス 6 J・レイリッツ
7 D・バティスタ 7 J・バンダーウォール
8 T・グラファニーノ 8 C・ゴメス
9 G・マダックス 9 S・ヒッチコック
先発投手 投球 先発投手 投球
G・マダックス S・ヒッチコック

第4戦 10月11日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
7回表、先頭打者ハビー・ロペスの本塁打でブレーブスが同点に追いつく(47秒)
ブレーブスはその回さらに1点を勝ち越したあと、アンドレス・ガララーガの満塁本塁打で5点差に突き放す(46秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
アトランタ・ブレーブス 0 0 0 1 0 1 6 0 0 8 12 0
サンディエゴ・パドレス 0 0 2 0 0 1 0 0 0 3 8 0
  1. デニス・マルティネス(1勝)  ジョーイ・ハミルトン(1敗)  
  2. 本塁打
    ATL:ハビー・ロペス1号ソロ、アンドレス・ガララーガ1号満塁
    SD:ジム・レイリッツ1号ソロ
  3. 審判
    [球審]グレッグ・ボニン
    [塁審]一塁: ジェリー・デービス、二塁: スティーブ・リプリー、三塁: テリー・テイタ
    [外審]左翼: ラリー・ポンシーノ、右翼: トム・ハリオン
  4. 試合開始時刻: 太平洋夏時間UTC-7)午後4時15分 試合時間: 2時間58分 観客: 6万5042人 気温: 73°F(22.8°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
アトランタ・ブレーブス サンディエゴ・パドレス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 O・ギーエン 1 Q・ベラス
2 K・ロックハート 2 S・フィンリー
3 C・ジョーンズ 3 T・グウィン
4 A・ガララーガ 4 K・カミニティ
5 R・クレスコ 5 J・レイリッツ
6 J・ロペス 6 C・ヘルナンデス
7 A・ジョーンズ 7 R・リベラ
8 M・タッカー 8 C・ゴメス
9 D・ネーグル 9 J・ハミルトン
先発投手 投球 先発投手 投球
D・ネーグル J・ハミルトン

第5戦 10月12日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
8回表、マイケル・タッカーの3点本塁打でブレーブスが2点差をひっくり返す(1分7秒)
9回裏、グレッグ・マダックスがトニー・グウィンを一ゴロに打ち取り試合終了、ブレーブスが2勝目(33秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
アトランタ・ブレーブス 0 0 0 1 0 1 0 5 0 7 14 1
サンディエゴ・パドレス 2 0 0 0 0 2 0 0 2 6 10 1
  1. ジョン・ロッカー(1勝)  ケビン・ブラウン(1勝1敗)  Sグレッグ・マダックス(1敗1S)  
  2. 本塁打
    ATL:マイケル・タッカー1号3ラン
    SD:ケン・カミニティ2号2ラン、ジョン・バンダーウォール1号2ラン、グレッグ・マイヤーズ1号2ラン
  3. 審判
    [球審]ジェリー・デービス
    [塁審]一塁: スティーブ・リプリー、二塁: テリー・テイタ、三塁: ラリー・ポンシーノ
    [外審]左翼: トム・ハリオン、右翼: グレッグ・ボニン
  4. 試合開始時刻: 太平洋夏時間UTC-7)午後5時10分 試合時間: 3時間17分 観客: 5万8988人 気温: 72°F(22.2°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
アトランタ・ブレーブス サンディエゴ・パドレス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 O・ギーエン 1 Q・ベラス
2 K・ロックハート 2 S・フィンリー
3 C・ジョーンズ 3 T・グウィン
4 A・ガララーガ 4 K・カミニティ
5 R・クレスコ 5 W・ジョイナー
6 J・ロペス 6 J・バンダーウォール
7 A・ジョーンズ 7 C・ヘルナンデス
8 M・タッカー 8 C・ゴメス
9 J・スモルツ 9 A・アシュビー
先発投手 投球 先発投手 投球
J・スモルツ A・アシュビー

第6戦 10月14日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
6回表二死満塁、パドレスのスターリング・ヒッチコックが放った飛球を左翼手ダニー・バティスタが落球し2走者が生還、パドレスが4点差に突き放す(12秒)
9回裏、トレバー・ホフマンがマイケル・タッカーを中飛に打ち取り試合終了、パドレスの優勝が決定(1分2秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
サンディエゴ・パドレス 0 0 0 0 0 5 0 0 0 5 10 0
アトランタ・ブレーブス 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 1
  1. スターリング・ヒッチコック(2勝)  トム・グラビン(2敗)  
  2. 審判
    [球審]スティーブ・リプリー
    [塁審]一塁: テリー・テイタ、二塁: ラリー・ポンシーノ、三塁: トム・ハリオン
    [外審]左翼: グレッグ・ボニン、右翼: ジェリー・デービス
  3. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時15分 試合時間: 3時間10分 観客: 5万988人 気温: 77°F(25°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
サンディエゴ・パドレス アトランタ・ブレーブス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 Q・ベラス 1 W・ワイス
2 T・グウィン 2 G・ウィリアムズ
3 G・ボーン 3 C・ジョーンズ
4 K・カミニティ 4 A・ガララーガ
5 J・レイリッツ 5 J・ロペス
6 W・ジョイナー 6 A・ジョーンズ
7 S・フィンリー 7 D・バティスタ
8 C・ゴメス 8 T・グラファニーノ
9 S・ヒッチコック 9 T・グラビン
先発投手 投球 先発投手 投球
S・ヒッチコック T・グラビン

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 1988年のドジャースは、ナショナルリーグ優勝決定戦ではレギュラーシーズン100勝のニューヨーク・メッツを、ワールドシリーズではレギュラーシーズン104勝のオークランド・アスレチックスを、それぞれ下した。当時はまだ地区シリーズは創設されていない。
  2. ^ 1904年にはニューヨーク・ジャイアンツが106勝を挙げたが、ワールドシリーズそのものが開催されなかった。当時はアメリカンリーグが創設4年目であり、ナショナルリーグと優勝球団どうしを戦わせる仕組みが定着していなかった。
    ワールドシリーズ進出を逃した球団のレギュラーシーズン最多勝記録は、のちの2001年シアトル・マリナーズが116勝に更新する。

出典[編集]

外部リンク[編集]