金久美子

金 久美子(김구미자 / キム クミジャ、1958年10月11日 - 2004年10月1日[1])は、日本女優

長野県佐久市出身。在日韓国人3世で[1]、日本名は金村 久美子(かねむら くみこ)。

人物・来歴[編集]

東京経済大学短期大学部卒業。1978年から、佐藤信が主宰する劇団「68/71黒色テント」で活動した後[1]、1987年に金守珍の主宰する劇団「新宿梁山泊」に参加[2]。中心的な俳優として『千年の孤独』などの作品に主演した[1]。韓国映画『愛乱』、『狂った愛の詩』(1990年)では主演を務め、後者ではアジア太平洋映画祭の主演女優賞を受賞した[2]。『愛乱』への出演を機に、それまで話せなかった韓国語を勉強し始め、一年ほどで通訳を必要としなくなった[2]。1996年、新宿梁山泊を退団[2]。その後も様々な舞台やテレビドラマ、映画に出演する。

2003年に癌が見つかり、胃を摘出する。翌年3月、金の復活を願う演劇人たちが企画し、黒色テント時代からの仲間だった鄭義信が書き下ろした『アジアン・スイーツ』で舞台に立ち[1]、これが最後の舞台となった[1]。2004年10月1日に胃癌のため死去[1][3]

鄭義信は在日コリアン一家を描いた自作の舞台『焼肉ドラゴン』のソウル公演が2008年に行われた際、金の遺影を携えて渡韓した[4]

出演[編集]

舞台[編集]

68/71黒色テント[編集]

※特に記載のないものはすべて佐藤信の演出。

  • ブランキ殺し上海の春(1979年、作:佐藤信)
  • 与太浜パラダイス(1979年、作:山元清多
  • 西遊記(1980年、作:佐藤信)
  • 夜と夜の夜(1981年、作:佐藤信)
  • 比置野ジャンバラヤ(1982年、作:山元清多 演出:加藤直
  • 灰とダイヤモンド(1983年、作:佐藤信)
  • アメリカ(1983年、作:加藤直)
  • ヴォイツェック(1984年、作:ゲオルク・ビューヒナー

新宿梁山泊[編集]

※すべて金盾進の演出。

その他[編集]

映画[編集]

テレビドラマ[編集]

NHK

日本テレビ

TBS

フジテレビ

テレビ朝日

テレビ東京

ゲーム[編集]

  • ALIVE(1998年) - オンダ・ヨウコ 役

受賞歴[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g 笑顔で疾走の45年 金久美子さん無念の死(04.10.20)”. www.mindan.org. 在日本大韓民国民団. 2023年1月19日閲覧。
  2. ^ a b c d ◆女優・金久美子の早すぎた死◆ | 鳳仙花 | ニュース | 東洋経済日報”. www.toyo-keizai.co.jp. 2023年1月19日閲覧。
  3. ^ 朝日新聞2004年11月8日掲載の追悼記事。
  4. ^ 内田洋一「『焼肉ドラゴン』のドラマトゥルギー」(新国立劇場『焼肉ドラゴン』2011年再演時の公演パンフレット所収)

参考リンク[編集]