刑事・鬼貫八郎

刑事・鬼貫八郎
ジャンル 刑事ドラマ
原作 鮎川哲也
脚本 佐伯俊道
坂上かつえ
監督 田中登
金澤克次
山田大樹
吉本潤
出演者 大地康雄
左時枝
オープニング オープニングテーマを参照
エンディング 主題歌を参照
製作
プロデューサー 田中芳樹(日本テレビ)
大塚恭司(日本テレビ)
服部比佐夫(日本テレビ)
大野哲哉(日本テレビ)
平松弘至(国際放映)
制作 日本テレビ
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1993年3月9日 - 2005年9月20日
放送時間放送時間の変遷を参照
回数18
火曜サスペンス劇場
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刑事・鬼貫八郎』(けいじ おにつらはちろう)は、1993年から2005年まで日本テレビ系「火曜サスペンス劇場」で放送された刑事ドラマシリーズ。全18回。主演は大地康雄

「火曜サスペンス劇場」の終了に合わせて終了した[注 1]

物語[編集]

このシリーズは、以下のような流れで物語が展開される。

  1. オープニング後、自宅で鬼貫と妻子の間に一悶着(糖尿病関連の話題)が起こり、その最中に電話があり、事件の発生を知らされる。
  2. 事件現場に駆けつけ、刑事から事件の概要を説明され、捜査が始まる。このシリーズではアリバイの有無を中心に捜査が進んでいく。犯人の目星がついているところに、鬼貫だけ別の人物に目を付け、その人物のアリバイや動機などを執念深く探っていく場合が多い。
  3. 自宅の書斎で事件の表を作り「アリバイ」などを考えているところ、妻が飲み物(水割り)を持ってきて「一杯だけよ」と言って書斎を出ていく。その飲み物を飲んでいる時、書斎の外で娘と妻が他愛もない会話をする。話を背中で聞いているうち、事件のトリックが閃き、事件の全貌を明らかにする。
  4. 犯人を呼び出す、或いは出向いて、証拠やアリバイを崩したことを突きつけ、自供させる。
  5. 事件が終わる。
  6. 自宅でオープニングと同様、糖尿病関連の一騒動が起こり、エンドロール。エンドロール中は土手を妻子と運動している事が多いが、ここでも一騒動が起こる。

キャスト[編集]

警視庁東中野警察署[編集]

鬼貫八郎
演 - 大地康雄[1]
主人公。刑事課の刑事。階級は巡査部長[注 2]
クラシック音楽と太極拳、畑仕事[注 3] を趣味としているが、それ以上に大の甘党でもあり[注 4]、糖尿病の持病を持っている。故に甘い物等を食べる時は妻である良子の目を盗んで食べている。
第6作より借家[注 5] ではあるが庭付き一戸建てに住み、家の前にある畑の作業をするようになる。第17作の冒頭で真奈美と恋人とのキスシーンを目撃し良子に相談する。
丹那孫六
演 - 川野太郎(第1作 - 第3作)
刑事課の刑事。第4作の開始前に本庁に栄転になる。
清水幣吉
演 - 宍戸開(第4作 - 第6作)
刑事課の刑事。丹那の後任。
松村
演 - 米山善吉(第7作・第8作)
刑事課の刑事。第9作の開始前に本庁に栄転になる。
碓氷道夫
演 - 羽場裕一(第9作 - 第18作)
刑事課の刑事。鎌田警察署から転任。第14作で良子の知り合いの紹介で旅館の娘と見合いをする。
※上記4名は鬼貫と組み共に捜査を担当。第2作から妻・良子の意向により、鬼貫への食べ物見張り番をし始めるようになる[注 6]。(松村刑事を除く)
佐々木
演 - 斉藤あきら[2](第3作)、西田静志郎(第4作)
刑事課の刑事。
島田
演 - 小宮健吾(第4作)、十貫寺梅軒(第6作 - 第18作)
刑事課の刑事。
田代
演 - 筒井巧(第7作)、森本浩[3](第10作 - 第15作・第17作・第18作)
刑事課の刑事。
黒川利夫
演 - 天田俊明
刑事課長。

鬼貫家[編集]

鬼貫良子
演 - 左時枝
八郎の妻。八郎の健康を考えて低カロリーの料理を出す。第2作以降、良子の目が届かない八郎の仕事中は、八郎に同行する後輩刑事(松村を除く)に八郎が口にする食べ物の見張りと制限をさせている[注 6]。しかし、八郎が事件のことで家で悩んでいると、普段は制限している酒を「一杯だけ」と差し出す優しい一面もある[注 7]
鬼貫真奈美
演 - 間下このみ(第1作 - 第9作)、安田芽衣子(第10作 - 第16作)、須藤温子[4](第17作・第18作)
八郎の娘。父・八郎への節制に余念がない母・良子の肩を持つだけでなく、八郎への同情心も持っている。

その他[編集]

TVレポーター
演 - 森みつえ(第9作・第10作)

ゲスト[編集]

第1作「死びとの座」(1993年)
第2作「擬装心中」(1993年)
第3作「完全犯罪」(1994年)
第4作「ゆすり」(1994年)
  • 亀取薫(旅行雑誌「旅の人」副編集長) - 高畑淳子
  • 江藤(旅行雑誌「旅の人」旅行ライター) - 篠塚勝
  • 亀取薫(港南貿易 社員) - 生瀬勝久
  • 川俣(東京地方検察庁特捜部 検察官) - 久富惟晴
  • 東日本旅客鉄道新前橋駅 車掌 - 久保田篤
  • 亀取薫(室内装飾デザイナー) - 沢村一閒
  • 木牟田盛隆(芸能評論家) - 北島道太
  • 河井真二(無職・元弁護士事務所調査員) - 山中篤
  • 木牟田家の家政婦 - 千葉裕子
  • 神奈川県警多摩警察署 刑事 - 及川以造
  • 目撃者 - 坂本万里子
  • 妙子(ホステス・河井の同棲相手) - 麻生侑里
  • 鑑識 - 小寺大介
  • 井上ゆかり(2年前交通事故死) - 五十嵐瑞穂
  • 山口香織(女優) - 一色采子
第5作「妬み」(1995年)
第6作「十六年目の殺人」(1996年)
  • 野上恭子(女性評論家) - 高畑淳子
  • 藤木江美子(バーのママ) - 水木薫
  • 鈴木(塾講師・痴漢の被疑者にされたバス乗客) - 酒井敏也
  • 田辺(田辺探偵事務所 所長) - 藤井びん
  • 海里明子(中学の体育教師) - 工藤啓子
  • 柏木常雄(医師・16年前の容疑者であった柏木雅常の息子) - 京本政樹友情出演
  • 出版社社員 - 越村公一
  • 松崎幸一郎(恭子の元夫) - 菅原大吉
  • バス運転手 - 加藤満
  • 常雄の同僚医師 - 山路和弘
  • 斉藤功一(バーテンダー・本名「久道肇」) - 沢村一閒
  • 服部香織(野上恭子の親友・16年前に殺された岩坂善次郎の娘) - 金久美子
第7作「憎悪の化石」(1997年)
第8作「青の殺意」(1998年)
  • 宗像秋子(高校の美術教師・バー「銀の靴」元ホステス) - 西山水木
  • 岩本光枝(美術雑誌の編集者) - 山下容莉枝
  • 菅原紀夫(高校の美術教師・秋子の同僚) - 伊藤洋三郎
  • 川瀬(長野県警飯田中央警察署 刑事) - 鈴木一功
  • 杉本明(バー「銀の靴」元マスター) - 飯島大介
  • 警視庁東中野警察署刑事課 刑事 - 渡辺寛二
  • 秋川渓谷「のんび茶屋」女将 - 榎本由希
  • 風見荘の不動産屋 - 森一
  • バイクの出前 - 外川貴博
  • 寿司屋 - 石井洋祐
  • 杉本の元妻 - 篠倉伸子
  • 仲田玲子(銀座「いずみ画廊」オーナー) - 金久美子
  • 仲田伸吾(画家・玲子の夫) - 国広富之
第9作「沈黙の函」(1999年)
第10作「風の証言」(1999年)
第11作「積木の塔」(2000年)
第12作「まだらの犬」(2001年)
  • 斎藤逸子(バーの経営者・若槻の愛人) - 石井苗子
  • 若槻俊二(菊田建設新規事業開発部 元担当役員) - 草薙良一
  • 寺島繁雄(菊田建設新規事業開発部 元経理担当部長・故人) - 山上賢治
  • 警視庁東中野警察署刑事課 刑事 - 江端英久関戸将志
  • 村山(タクシードライバー) - 田口主将
  • 寿司屋 - 大槻修治
  • 玉川不動産 社員 - 佐川大輔
  • ホームレス - 小宮孝泰
  • 串田(荒川中央警察署 刑事・鬼貫の知り合い) - 得丸伸二
  • 寺島扶美子(寺島書道教室 先生・寺島の妻) - 涼風真世
  • 大町英一郎(元商社マン) - 前田吟
第13作「誰の屍体か」(2001年)
第14作「表と裏」(2002年)
第15作「愛の軌跡」(2003年)
  • 新関さつき(東和生命 外務員) - 川上麻衣子
  • 伊吹忠生(伊吹企画 社長) - 天宮良
  • 筒井英樹(伊吹企画 社員) - 江端英久
  • うなぎ屋「野田岩」店主 - 鈴木一功
  • 大橋美智子(東和生命 外務員・さつきの後輩) - 鷹城佳世
  • 松井(警視庁下北沢警察署生活安全課 刑事) - 外川貴博[12]
  • 斎藤(警視庁東中野警察署生活安全課 刑事) - 税所伊久磨[13]
  • カフェ「COLORADO」店員 - 有本梨花
  • 警視庁東中野警察署刑事課 刑事 - 関戸将志
  • 中島雅子(伊吹企画 経理係) - あめくみちこ
  • 鏑木博文(洛旺書房 企画室長) - 河原崎建三
  • 木原二郎(高円寺交通 タクシードライバー・洛旺書房 元編集長) - 平田満
第16作「死のある風景」(2004年)
  • 岡田孝治(緑山総合病院 事務長) - 半海一晃[14]
  • 佐伯(緑山総合病院 外科部長) - 勝部演之
  • 警視庁東中野警察署刑事課 刑事 - 森下哲夫
  • 石山(智子の父) - 有川博
  • 飯田線・車掌 - 深沢敦
  • おばんざい屋「菜の花」女将 - 日向明子
  • 石山(智子の母) - 池田道枝
  • 長谷川千明(緑山総合病院 看護師) - 川俣しのぶ
  • 石山智子(おばんざい屋「菜の花」店員・2か月前死亡) - 渡辺典子
  • 桑原義典(医療機器メーカー「ミサワメディカル」営業マン) - 藤井びん
  • 大川(学会事務局) - 越村公一
  • 天竜峡駅 駅員 - 伊藤幸純
  • 患者の妻 - 東佳代子[15]
  • 石山真(智子の息子) - 斉藤隆成[16]
  • 鳥居達彦(明南大学経済学部 助教授・幸子の夫) - 益岡徹
  • 鳥居幸子(緑山総合病院 外科医) - 川島なお美
  • 田中啓三
第17作「炎の記憶」(2004年)
  • 原田和則(自動車修理工場「谷中モータース」社長・宇野の幼馴染) - 野村祐人
  • 原田千春(和則の妻・妊婦) - 濱田万葉
  • 藤木(警視庁捜査一課 警視) - 西川忠志
  • 宇野英生(中央銀行新宿支店 支店長代理・融資担当) - 山本陽一(中学3年生:上森寛元
  • 沢村ゆかり(中央銀行新宿支店 行員・宇野の部下) - 松永玲子
  • 佐藤(警視庁科学捜査研究所 技官) - 朝倉伸二
  • 警視庁大森山王警察署 刑事 - 笠井一彦
  • 警視庁本郷警察署 刑事 - 古川康大
  • 警視庁東中野警察署刑事課 刑事 - 佐藤尚宏
  • 鬼貫真奈美の恋人 - 畠中正文
  • 犬吠崎売店店員 - 片岡明日香
  • 隣家の主婦 - 辻千春[17]
  • 下山総(下山と亜希子の息子・10年前焼死) - 中曽根康太[18]
  • 神保亜希子(スナック「アキコ」ママ・下山の元妻) - 山口果林
  • 下山剛(警視庁本郷警察署 刑事・鬼貫の先輩) - 竜雷太
第18作「真夜中の乗客」(2005年)

スタッフ[編集]

放送日程[編集]

話数 放送日 サブタイトル 原作 脚本 監督 視聴率
1 1993年03月09日 死びとの座 『死びとの座』(光文社文庫) 佐伯俊道 田中登 18.6%
2 11月30日 擬装心中 『人それを情死と呼ぶ』(光文社文庫) 22.5%
3 1994年07月26日 完全犯罪 『戌神はなにを見たか』(光文社文庫) 19.6%
4 11月08日 ゆすり 『王を探せ』(光文社文庫) 20.3%
5 1995年09月12日 嫉み 『鍵孔のない扉』(光文社文庫) 佐伯俊道
坂上かつえ
金澤克次 18.1%
6 1996年08月13日 十六年目の殺人 『準急ながら』(光文社文庫) 坂上かつえ 山田大樹 20.7%
7 1997年12月02日 憎悪の化石 『憎悪の化石』(創元推理文庫・光文社文庫) 16.9%
8 1998年09月22日 青の殺意 『砂の城』(青樹社文庫) 16.3%
9 1999年04月27日 沈黙の函 『沈黙の函』(光文社文庫) 田中登 14.9%
10 10月12日 風の証言 『風の証言』(創元推理文庫) 山田大樹 17.2%
11 2000年04月04日 積木の塔 『積木の塔』(青樹社文庫・光文社文庫) 15.3%
12 2001年04月03日 まだらの犬 短編「まだらの犬」
『わるい風』(光文社文庫)所収
17.7%
13 8月28日 誰の屍体か 短編「誰の屍体か」
『白昼の悪魔』(光文社文庫)
『誰の屍体か』(春陽文庫)
『下り〝はつかり〟』(創元推理文庫)各所収
田中登 18.7%
14 2002年07月23日 表と裏 『偽りの墳墓』(光文社文庫) 15.9%
15 2003年06月17日 愛の軌跡 『宛先不明』(光文社文庫) 山田大樹 17.3%
16 2004年03月16日 死のある風景 『死のある風景』(創元推理文庫) 田中登 17.0%
17 11月30日 炎の記憶 『準急ながら』(第6作と同じ[24] 吉本潤 15.5%
18 2005年09月20日 真夜中の乗客 山田大樹

参考文献[編集]

  • 古崎, 康成『テレビドラマ原作事典』日外アソシエーツ、2010年1月。ISBN 9784816922305 

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 最終話のエンドロール後に鬼貫による感謝文のカットが用意された。
  2. ^ 第5作の名刺より
  3. ^ 第7作より
  4. ^ 特にプリンと砂糖を大量に入れるコーヒーが好き。目安として、角砂糖なら5個入れる描写が多々ある。
  5. ^ 第9作の冒頭、妻・良子の愚痴より
  6. ^ a b 特に、碓氷の2回目の登場時(第10作)からは妻・良子からの依頼により制限が露骨になり以後、砂糖大量投入、隠れて買い食い、碓氷による制限、碓氷が度々鬼貫家に招待されたり立ち寄った際の良子への報告、の各シーンはこのシリーズの見どころの一部となる。
  7. ^ 第1作のみ八郎自身が人差し指で「1杯だけ」と所望した。

出典[編集]

  1. ^ a b c 絵本で町おこしの北海道剣淵町 大地康雄が映画「じんじん」で伝える親子の絆”. 映画.com (2013年7月12日). 2015年11月7日閲覧。
  2. ^ 齊藤あきら プロフィール”. 合同会社 現代. 2023年12月9日閲覧。
  3. ^ プロフィール - 出海企画(アーカイブ)
  4. ^ プロフィール - オスカー電子カタログ
  5. ^ 出演作品・テレビ - 岡村洋一の公式サイト
  6. ^ プロフィール - ATプロダクション
  7. ^ プロフィール - 宝井プロジェクト
  8. ^ プロフィール - 宝井プロジェクト(アーカイブ)
  9. ^ プロフィール - スーパー・エキセントリック・シアター(アーカイブ)
  10. ^ プロフィール - 宝井プロジェクト(アーカイブ)
  11. ^ プロフィール - オフィス松田(アーカイブ)
  12. ^ プロフィール - オフィス松田(アーカイブ)
  13. ^ プロフィール - ailes(アーカイブ)
  14. ^ プロフィール - マックスプロモート
  15. ^ プロフィール - エビス大黒舎(アーカイブ)
  16. ^ プロフィール - ウェスタ
  17. ^ プロフィール - 宝井プロジェクト(アーカイブ)
  18. ^ プロフィール - キャロット(アーカイブ)
  19. ^ プロフィール - スタッフ・テン
  20. ^ プロフィール - 劇団「Sparks」
  21. ^ プロフィール - オフィス松田
  22. ^ プロフィール - 黒田浩二ブログ
  23. ^ プロフィール - 舞夢プロ(アーカイブ)
  24. ^ (古崎 2010, p. 257)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]