石山緑地

石山緑地
Ishiyama Open Space
スパイラルスプリング(水の広場)(2004年4月)
石山緑地の位置(札幌市内)
石山緑地
分類 都市緑地[1]
所在地
座標 北緯42度58分11秒 東経141度20分31秒 / 北緯42.96972度 東経141.34194度 / 42.96972; 141.34194座標: 北緯42度58分11秒 東経141度20分31秒 / 北緯42.96972度 東経141.34194度 / 42.96972; 141.34194
面積 11.8ヘクタール
設計者 キタバ・ランドスケープ
運営者 藻南・石山・常盤・さくらの森グループ(指定管理者
設備・遊具 広場、野外ステージ、噴水、遊水路、壁泉四阿パーゴラ遊具テニスコートゲートボール場、老人福祉施設
駐車場 3ヶ所計48台
アクセス 北海道中央バス西岡営業所)「石山東3丁目」バス停下車 徒歩4分
告示 平成5年3月31日[1]
事務所 藻南公園管理事務所
事務所所在地 札幌市南区川沿10条1丁目2-58
公式サイト 石山緑地〜施設案内
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「赤い空の箱」とネガティブマウンド(石の広場)(2004年4月)

石山緑地(いしやまりょくち)は、札幌市南区にある公園緑地)。

概要[編集]

札幌軟石の採掘跡地を公園化しており[2]、道路を挟んで北ブロックと南ブロックに分かれている。

[3][4] [5]

この石切り採った跡地は、何となく人を不安な気持にさせる場所でふだん目にすることがない不自然な地形には、人の手の跡が残って人間臭さが横溢しているし、露になった石肌は自然の裸身のようでもある一人でずっとそこにいるのは遠慮したい、というような所であった。[6] [7] その場所を市民が憩える公園に変えることになったもので、この特異な条件の下であるため、ここだけの特殊部隊が編成されることになった。[8] [9][10] 形の創り手は、彫刻家5人のグループ國松明日香永野光一丸山隆松隈康夫山谷圭司による造形集団「CINQ」(サンク)を結成。

北ブロックは展望テラスやテニスコート、ゲートボール場などがある。南ブロックは切り立った岩肌が露出したまま残されており、その景観を背景として「CINQ」(サンク)デザインの作品を野外展示している[11]。 ランドスケープデザイナーがデザインを吟味する傍ら、これを世に送り出す彼らの発想を公共事業のシステムに組み込み、定着させる役割を担った。また彫刻家や建築家、施工者と行政の混成チームの調整役になって、公園全体の像を組み立てていく。そのうえでこれはランドスケープ·アーキテクトの本来求められる役割をなした。[12]いろいろな場面で軋轢もあってもここに良いものを残す傍ら北の街の草創期に活躍した石達への鎮魂歌を刻もう、という目的を同じくし、お互い歩み寄るかたちであった。[13] [14] 石切場跡地は、このように時を得、人を得て、新しい姿に生まれ変わっていく。その場面を市民に見てほしい、それはこの公園だけでなく札幌のまちのためになると考え、平成6年8月にはすでに制作現場を公開している。[15] そこでは多くの市民からさまざまな反響があり、こうした意見を受けとめて公園をつくっていくかたちとなったことで、これも市民参加の公園づくりとみなすことができる。[16][17] [18]

平成9年度日本造園学会賞受賞。[19] 『第8回札幌市都市景観賞』を受賞しているほか[20]、『第1回さっぽろ景観総選挙』では第1位に選ばれている[21]。東日本大震災からの復興支援を目的とする活動の一環として、ボランティア団体がキャンドルナイト『いしやまキャンドルナイト』を開催している[22]

施設[編集]

北ブロック

  • 展望テラス
  • 休養広場
  • テニスコート(2面)
  • ゲートボール場(1面)
  • コンビネーション遊具

南ブロック

  • 札幌市南老人福祉センター[23]
  • 呼吸する門
  • スパイラルスプリング(水の広場)
  • てつなぎ石
  • 赤い空の箱
  • 沈黙の森
  • ネガティブマウンド(石の広場:野外ステージ)
  • 午後の丘(芝生広場)

脚注[編集]

  1. ^ a b c 特殊公園” (PDF). 札幌市. p. 7. 2016年11月9日閲覧。
  2. ^ 石山軟石採掘場跡”. 札幌市南区. 札幌市. 2016年11月9日閲覧。
  3. ^ Muse letter(49)2012年6月号 : 札幌市博物館活動センター情報誌. 札幌市博物館活動センター
  4. ^ 松江正彦[他]「景観デザイン規範事例集. 道路・橋梁・街路・公園編」 国土技術政策総合研究所資料. (433) 国土交通省, 2008年3月
  5. ^ 藤井美智子「地方創生とみち : 第13回 : シーニックバイウェイ北海道 : 札幌シーニックバイウェイ藻岩山麓・定山渓ルート」『開発こうほう』. 2017年(4月)(645) 北海道開発協会
  6. ^ 話題の公園 石山緑地(南ブロック)について / 札幌市 環境局 緑化 推進部 造園課『公園緑地』 57(1)1996年5月号 日本公園緑地協会
  7. ^ 石山緑地(南ブロック)の概要 / 札幌市環境局緑化推進部造園課『公園緑地建設産業』13(1)(283), 1998年1月号、日本造園タイムス社
  8. ^ Muse letter (41)2010年7月号 札幌市博物館活動センター情報誌. 札幌市博物館活動センター
  9. ^ パノラマSapporo : 札幌コンベンションビューローニュースレター. 2004 (Apr.) (29) (札幌国際プラザコンベンションビューロー
  10. ^ 地質研究所ニュース. 27 (2) 2011年7月号(102) 北海道立総合研究機構環境・地質研究本部地質研究所広報委員会
  11. ^ 石山緑地”. 札幌散策. 2016年11月9日閲覧。
  12. ^ 田村幸久[他]「土構造物の景観設計 : 8. 処理場跡地の景観」土と基礎. 50(4) 2002年4月号 土質工学会
  13. ^ Muse letter. (13) 2002年10月号、札幌市博物館活動センター
  14. ^ Muse letter (63) 2015年12月号: 札幌市博物館活動センター情報誌. 札幌市博物館活動センター
  15. ^ 『開発こうほう』 2005年(12月)(509)北海道開発協会
  16. ^ 『開発こうほう』2013年(11月)(604)北海道開発協会
  17. ^ 地質研究所ニュース. 26 (1) 2010年4月号(97) 北海道立総合研究機構環境・地質研究本部地質研究所広報委員会
  18. ^ 地質研究所ニュース. 26 (2) 2010年7月号(98) 北海道立総合研究機構環境・地質研究本部地質研究所広報委員会
  19. ^ 斉藤浩二「環境と建築 第2回「時の流れと人をつなぐ場所」札幌市石山緑地」『開発こうほう』 2005年(12月)(509) 北海道開発協会
  20. ^ 第8回都市景観賞”. 札幌市. 2016年11月9日閲覧。
  21. ^ 「第1回さっぽろ景観総選挙」で区内の景観が多数選出されました”. 札幌市南区. 札幌市. 2016年11月9日閲覧。
  22. ^ いしやまキャンドルナイトプロジェクト”. 2016年11月9日閲覧。
  23. ^ 札幌市南老人福祉センター”. 札幌市社会福祉協議会. 2016年11月9日閲覧。

参考資料[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]