日本理化学工業

日本理化学工業株式会社
Nihon Rikagaku Industry co.,ltd.
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
213-0032
神奈川県川崎市高津区久地2-15-10
設立 1937年(昭和12年)2月13日
業種 その他製品
法人番号 2010801009113 ウィキデータを編集
事業内容 事務用品等の製造販売
代表者 代表取締役社長 大山隆久
資本金 2000万円[1]
外部リンク http://www.rikagaku.co.jp/
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日本理化学工業株式会社(にほんりかがくこうぎょう)は、チョークをはじめとする文房具・事務用品の製造販売を行う企業。知的障害者の雇用に力を入れていることでも知られる[2]

概要[編集]

1937年2月大山要蔵によって設立[3]1960年3月に障害者雇用を始め、現在に至るまで障害者雇用を続けている(後述)。主に白墨関連の商品を取り扱い、現在は勿論、当時白墨業界で有名として誇られていた羽衣文具に勝る日本一の共有率を占めている。羽衣文具が蛍光色や色覚障害者対応色の白墨を新たに生み出していく中で、同社も負けじと蛍光色や色覚障害者対応色の製造に力を入れている。

因みに、同社の代表商品である「ダストレスチョーク」と不二白墨製作所の商品「ダートレスチョーク」は発音的には似ているが全く別の商品である。ダスト・レス=粉が少ない、ダート・レス=汚れが少ない。

主な製品[編集]

ダストレスチョーク
ダストレスラーフル

沿革[編集]

事業所[編集]

障害者雇用[編集]

1960年に都立青鳥養護学校(現・都立青鳥特別支援学校)卒業の2名の障害者(15歳、17歳)の女性を正社員として雇用し、以後もほぼ毎年障害者の雇用を続け、1975年には全国初の心身障害者雇用モデル工場第1号として川崎工場を開設。1981年には美唄工場も心身障害者雇用モデル工場となった。社長(当時)の大山泰弘や従業員が厚生労働大臣表彰・内閣総理大臣表彰を受けたほか、2005年には日本理化学工業が社団法人日本フィランソロピー協会より、企業フィランソロピー大賞社会共生賞を受賞した[9]

知的障害者による生産工程のオペレーションのため、制度や工程中に使う治具などに工夫が凝らされている。現在、川崎工場は従業員47名中重度知的障害者22名・軽度知的障害者10名、美唄工場は従業員28名中重度知的障害者13名・軽度知的障害者9名を雇用しており、全員が正社員で、製造部門は知的障害者が主力となっている。障害者雇用率は2013年6月時点で106.5%と算出されている[10]

なお、1960年に入社した第一期の知的障害者は、60歳の定年を迎えた後も嘱託社員として、それぞれ68歳(53年間)、65歳(48年間)まで勤務していた[10]

受賞[編集]

叙勲[編集]

大臣表彰[編集]

  • 1979年9月 労働大臣賞 美唄工場
  • 1981年12月 内閣総理大臣表彰 社長大山泰弘 国際障害者年により
  • 1989年9月 労働大臣賞 川崎工場
  • 1992年12月 内閣総理大臣表彰 勤続41年知的障害社員(川崎工場勤務)
  • 2002年8月 厚生労働大臣表彰 勤続33年知的障害社員(美唄工場勤務)
  • 2003年9月 厚生労働大臣表彰 社長大山泰弘
  • 2007年8月 経済産業省主催第2回ものづくり日本大賞地域貢献賞(北海道経済産業局長賞) 美唄工場
  • 2010年10月 農林水産大臣賞 リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰[11]
  • 2010年12月 第9回バリアフリーユニバーサルデザイン推進功労者 内閣総理大臣表彰(最高賞)[12]
  • 2011年11月 文部科学大臣発明奨励賞・実施奨励賞 ホタテ貝殻を活用したダストレスチョーク[13]

自治体表彰[編集]

  • 1972年10月 北海道善行賞 美唄工場
  • 2001年7月 川崎市市制77周年表彰 勤続20年以上の川崎工場社員
  • 2004年1月 神奈川県優良工場表彰 川崎工場
  • 2005年11月 北海道新技術・新製品開発賞奨励賞 美唄工場
  • 2009年2月 埼玉県主催第8回渋沢栄一賞 会長大山泰弘[14]
  • 2010年11月 川崎市社会功労賞 会長大山泰弘[15]

各賞[編集]

  • 2003年9月 日本障害者雇用促進協会会長表彰 社長大山泰弘 
  • 2005年2月 第3回企業フィランソロピー大賞特別賞社会共生賞[9]
  • 2009年7月 ISOT2009第18回日本文具大賞機能部門グランプリ キットパスきっず12色
  • 2009年7月 第3回キッズデザイン賞 キットパスきっず12色
  • 2010年10月 第8回勇気ある経営大賞東京商工会議所主催) 
  • 2011年12月 第8回エコプロダクツ大賞エコサービス部門審査委員長特別賞(奨励賞) ホタテ貝殻を活用したダストレスチョーク 
  • 2015年7月 2015夏の文紙フェアで貼って剥がせるテープ黒板が文紙フェア大賞金賞[16]
  • 2016年3月 第6回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 [17]

関連作品[編集]

書籍
  • 『働く幸せ 仕事でいちばん大切なこと』(大山泰弘:著 WAVE出版 2009年7月)
  • 『利他のすすめ チョーク工場で学んだ幸せに生きる18の知恵』(大山泰弘:著 WAVE出版 2011年4月)
  • 『虹色のチョーク 働く幸せを実現した町工場の奇跡』(小松成美:著 幻冬舎 2017年5月)
舞台
  • 幸福な職場(脚本・演出:きたむらけんじ、2009年・2017年) - 日本理化学工業が知的障害者の雇用を取り入れた話を舞台化した作品[18]
テレビドラマ

脚注[編集]

  1. ^ 【神奈川発 元気印】日本理化学工業 チョーク生産首位、障害者が下支え (3/5ページ)”. 産経ビジネスオンライン (2014年7月25日). 2018年3月23日閲覧。
  2. ^ 日本理化学工業はなぜ知的障害者を雇うのか”. 東洋経済オンライン (2015年5月29日). 2018年3月23日閲覧。
  3. ^ 会社案内 | 日本理化学工業株式会社”. www.rikagaku.co.jp. 2022年1月4日閲覧。
  4. ^ 障害者雇用で超ビッグな存在感——日本理化学工業”. 一般財団法人ニッポンドットコム (2013年6月27日). 2018年3月23日閲覧。
  5. ^ 平成25年度 ダイバーシティ経営企業100選 - 経済産業省”. 経済産業省 (2014年). 2018年3月23日閲覧。
  6. ^ 青いものを身につけて街へ集まろう!!”. Get in touch! project (2017年). 2018年3月23日閲覧。
  7. ^ 27時間テレビ、「林修が日本一のチョーク工場へ社員7割が知的障がい者”. Gatchan (2017年8月27日). 2018年3月23日閲覧。
  8. ^ 虹色のチョーク4つの幸せとは?日本理化学工業を世界一受けたい授業で紹介!9/2日テレ”. Get in touch! project (2017年9月2日). 2018年3月23日閲覧。
  9. ^ a b トップページ>会社案内>企業フィランソロピー大賞 特別賞 社会共生賞”. 日本理化学工業株式会社 (2015年2月). 2018年3月23日閲覧。
  10. ^ a b 平成25年度ダイバーシティ経営企業100選ベストプラクティス集p.73
  11. ^ 平成22年度 リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰 農林水産大臣賞受賞”. 日本理化学工業 (2010年). 2018年3月23日閲覧。
  12. ^ 平成22年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰式(第9回)受賞事例集”. 内閣府 (2010年). 2018年3月23日閲覧。
  13. ^ 平成23年度北海道地方発明表彰 文部科学大臣発明奨励賞 ホタテ貝殻を活用したチョーク(特許第4565074号)”. 公益社団法人発明協会 (2011年). 2018年3月23日閲覧。
  14. ^ 第1回から第15回までの渋沢栄一賞受賞者”. 埼玉県 (2002年8月19日). 2018年3月23日閲覧。
  15. ^ 市文化賞 社会功労賞など決まる 和太鼓演奏家 小林政高さんら8人1団体”. 多摩川新聞ブログ (2010年10月25日). 2018年3月23日閲覧。
  16. ^ 日本理化学工業、貼って剥がせる『テープ黒板』 文紙フェア大賞金賞受賞”. オフィスマガジンonline (2015年7月27日). 2018年3月23日閲覧。
  17. ^ 第6回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 受賞者の決定について”. 日本でいちばん大切にしたい会社大賞 (2016年3月2日). 2018年3月23日閲覧。
  18. ^ “きたむらけんじの代表作「幸福な職場」に安西慎太郎、松田凌、前島亜美”. ステージナタリー. (2016年9月5日). https://natalie.mu/stage/news/200633 2016年9月5日閲覧。 

外部リンク[編集]