ロブ・ネン

ロブ・ネン
*Robb Nen*
基本情報
国籍	アメリカ合衆国
出身地	カリフォルニア州・サンペドロ
生年月日	1969年11月28日（54歳）
選手情報
投球・打席	右投右打
ポジション	投手
プロ入り	1987年 MLBドラフト32巡目
初出場	1993年4月10日
最終出場	2002年9月28日
経歴（括弧内はプロチーム在籍年度）
	テキサス・レンジャーズ (1993); フロリダ・マーリンズ (1993 - 1997); サンフランシスコ・ジャイアンツ (1998 - 2002);
	この表について

ロバート・アレン・ネン（Robert Allen Nen、1969年 11月28日 - ）は、アメリカ合衆国・カリフォルニア州サンペドロ出身の元プロ野球選手（投手）。父は元メジャーリーガーのディック・ネン。

現役時代は、フロリダ・マーリンズ及びサンフランシスコ・ジャイアンツで、1994年から2002年にかけて、MLBを代表するクローザーとして活躍。2001年に最多セーブ投手に輝き、通算では314セーブを挙げた。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

ロスアラミトス高校では三塁手兼投手として活躍。チームメイトにはJ.T.スノーがいた。

レンジャーズ時代[編集]

1987年のMLBドラフトでテキサス・レンジャーズから32巡目に指名を受け入団。

1993年4月10日のボストン・レッドソックス戦でメジャーデビュー。しかし防御率6.35、22.2イニングを投げて26四球を記録。

マーリンズ時代[編集]

1993年7月17日にクリス・カーペンターとのトレードでカート・ミラーと共にフロリダ・マーリンズへ移籍。移籍後も防御率7.02と打ち込まれた。

1994年も当初は敗戦処理の役割だったが徐々に安定感を増し、6月からはクローザーとして起用される。1994年から1995年のMLBストライキでシーズンが打ち切られたが、15セーブ・防御率2.95の好成績を挙げた。

1995年は23セーブ、1996年は35セーブ・防御率1.95を記録し、メジャー屈指のクローザーに成長する。

1997年は前年と同じ35セーブをマークしたものの防御率は3.89と悪化。それでもチームはワイルドカードを獲得し、アトランタ・ブレーブスとのリーグチャンピオンシップシリーズでは2セーブを記録して、球団創設以来初のリーグ優勝に貢献。クリーブランド・インディアンスとのワールドシリーズでは本調子ではない投球内容であったが2セーブをマークし、シリーズ制覇の立役者となった。このポストシーズンではネンが登板した試合はすべて勝利を収めた。このシリーズで記録した102mph（164.1km/h）は、現在もシリーズ最速記録である。

ジャイアンツ時代[編集]

1997年11月18日にトレードでサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍。

1998年はオールスターゲームに初めて選出される。自身初の40セーブ・防御率1.52・110奪三振を記録。

2000年に、41セーブ・防御率1.50・92奪三振の成績で、チームの地区優勝に貢献。ニューヨーク・メッツとのディビジョンシリーズでは第3戦でセーブに失敗して延長の末敗れ、チームも1勝3敗で敗退した。サイ・ヤング賞の投票では4位に入った。

2001年は安定感はいまひとつだったが、45セーブを記録して最多セーブのタイトルを獲得した。

2002年は3度目のオールスターゲーム選出を果たす。8月6日のシカゴ・カブス戦で通算300セーブを達成。43セーブ・防御率2.20を記録し、チームのワイルドカード獲得に貢献。ディビジョンシリーズ、リーグチャンピオンシップシリーズでは計5セーブをマークし、チームは13年ぶりのリーグ優勝を果たす。アナハイム・エンゼルスとのワールドシリーズでは、第1戦及び第4戦でセーブを記録。3勝2敗と王手をかけた第6戦の8回、リードした場面で登板したが、トロイ・グロースに逆転の二塁打を浴びて痛恨のセーブ失敗（この試合が現役最後の登板になってしまった）。第7戦も敗れてシリーズ制覇はならなかった。

2003年、2004年は右肩の故障でプレイできなかった。

2005年2月に引退^[1]。ネンの300セーブを記念したプレートがAT&Tパークに飾られた。

選手としての特徴[編集]

投球前につま先を軽く叩くという独特の投法からの最速102mph（約164km/h）の速球と、ターミネーターの異名を持つスライダーを武器とし、特にホームベース上で縦方向に急激に変化するスライダーは90mph前半の球速を誇った^[2]。

入場曲は、ディープ・パープルの『スモーク・オン・ザ・ウォーター』だった。

好調時のネンの投球は、他球団の脅威であった。ナショナルリーグのライバルチームの監督は、「いかにネンを攻略するか」ではなく、「いかにネンをマウンドに上げさせないか」という結論に達していたという^[2]。

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]

年度	球団	登板	先発	勝利	敗戦	セ丨ブ	勝率	打者	投球回	被安打	被本塁打	与四球	敬遠	与死球	奪三振	暴投	ボ丨ク	失点	自責点	防御率	W H I P
1993	TEX	9	3	1	1	0	.500	113	22.2	28	1	26	0	0	12	2	1	17	16	6.35	2.38
1993	FLA	15	1	1	0	0	1.000	159	33.1	35	5	20	0	0	27	4	0	28	26	7.02	1.65
'93計		24	4	2	1	0	.667	272	56.0	63	6	46	0	0	39	6	1	45	42	6.75	1.95
1994		44	0	5	5	15	.500	228	58.0	46	6	17	2	0	60	3	2	20	19	2.95	1.09
1995		62	0	0	7	23	.000	279	65.2	62	6	23	3	1	68	2	0	26	24	3.29	1.29
1996		75	0	5	1	35	.833	326	83.0	67	2	21	6	1	92	4	0	21	18	1.95	1.06
1997		73	0	9	3	35	.750	334	74.0	72	7	40	7	0	81	5	0	35	32	3.89	1.51
1998	SF	78	0	7	7	40	.500	357	88.2	59	4	25	5	1	110	3	0	21	15	1.52	0.95
1999		72	0	3	8	37	.273	320	72.1	79	8	27	3	0	77	5	0	36	32	3.98	1.47
2000		68	0	4	3	41	.571	256	66.0	37	4	19	1	2	92	5	0	15	11	1.50	0.85
2001		79	0	4	5	45	.444	312	77.2	58	6	22	6	1	93	2	0	28	26	3.01	1.03
2002		68	0	6	2	43	.750	301	73.2	64	2	20	8	1	81	1	0	19	18	2.20	1.14
通算：10年		643	4	45	42	314	.517	2983	715.0	607	51	260	41	7	793	36	3	266	237	2.98	1.21

各年度の太字はリーグ最高

タイトル[編集]

最多セーブ投手：1回（2001年）

記録[編集]

MLBオールスターゲーム選出：3回（1998年、1999年、2002年）

脚注[編集]

^ “End Of The Line For Nen, Greer”. Reading Eagle: p. D4. (2005年2月21日) 2018年5月7日閲覧。
^ ^a ^b サンフランシスコの守護神『月刊スラッガー』2001年11月号、日本スポーツ企画出版社、雑誌15509-11、22-28頁。

外部リンク[編集]

選手の通算成績と情報 Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube

[1] “End Of The Line For Nen, Greer”. Reading Eagle: p. D4. (2005年2月21日) 2018年5月7日閲覧。

[sr200111-2] サンフランシスコの守護神『月刊スラッガー』2001年11月号、日本スポーツ企画出版社、雑誌15509-11、22-28頁。

[1]

[2]

表話編歴ナショナルリーグ最多セーブ
1950年代	50 ジム・コンスタンティー 51 テッド・ウィルクス（英語版） 52 アル・ブレイズル（英語版） 53 アル・ブレイズル（英語版） 54 ジム・ヒューズ（英語版） 55 ジャック・マイヤー（英語版） 56 クレム・ラビーン（英語版） 57 クレム・ラビーン（英語版） 58 ロイ・フェイス 59 リンディ・マクダニエル（英語版）、ドン・マクマホン（英語版）
1960年代	60 リンディ・マクダニエル（英語版） 61 ロイ・フェイス、ステュ・ミラー（英語版） 62 ロイ・フェイス 63 リンディ・マクダニエル（英語版） 64 ハル・ウッデシック（英語版） 65 テッド・アバーナシー 66 フィル・リーガン（英語版） 67 テッド・アバーナシー 68 フィル・リーガン（英語版） 69 フレッド・グラディング（英語版）
1970年代	70 ウェイン・グレンジャー（英語版） 71 デーブ・ジュスティ（英語版） 72 クレイ・キャロル（英語版） 73 マイク・マーシャル 74 マイク・マーシャル 75 ロウリー・イーストウィック（英語版）、アル・ラボスキー（英語版） 76 ロウリー・イーストウィック（英語版） 77 ローリー・フィンガーズ 78 ローリー・フィンガーズ 79 ブルース・スーター
1980年代	80 ブルース・スーター 81 ブルース・スーター 82 ブルース・スーター 83 リー・スミス 84 ブルース・スーター 85 ジェフ・リアドン 86 トッド・ウォーレル 87 スティーブ・ベドローシアン 88 ジョン・フランコ 89 マーク・デービス
1990年代	90 ジョン・フランコ 91 リー・スミス 92 リー・スミス 93 ランディ・マイヤーズ 94 ジョン・フランコ 95 ランディ・マイヤーズ 96 ジェフ・ブラントリー（英語版）、トッド・ウォーレル 97 ジェフ・ショウ 98 トレバー・ホフマン 99 ウーゲット・ウービナ
2000年代	00 アントニオ・アルフォンセカ 01 ロブ・ネン 02 ジョン・スモルツ 03 エリック・ガニエ 04 アーマンド・ベニテス、ジェイソン・イズリングハウゼン 05 チャド・コルデロ 06 トレバー・ホフマン 07 ホセ・バルベルデ 08 ホセ・バルベルデ 09 ヒース・ベル
2010年代	10 ブライアン・ウィルソン 11 ジョン・アックスフォード、クレイグ・キンブレル 12 クレイグ・キンブレル、ジェイソン・モット 13 クレイグ・キンブレル 14 クレイグ・キンブレル 15 マーク・マランソン 16 ジェウリス・ファミリア 17 グレッグ・ホランド、ケンリー・ジャンセン 18 ウェイド・デービス 19 カービー・イエーツ
2020年代	20 ジョシュ・ヘイダー 21 マーク・マランソン 22 ケンリー・ジャンセン 23 デビッド・ベッドナー、カミロ・ドバル

表話編歴サンフランシスコ・ジャイアンツ
球団	歴史選手監督成績
歴代本拠地	ポロ・グラウンズオークランド・パークセント・ジョージ・グラウンズヒルトップ・パークシールズ・スタジアムキャンドルスティック・パークオラクル・パーク
文化	『想い出のサンフランシスコ』『ザ・ファン』
永久欠番	NY NY 3 4 11 20 22 24 25 27 30 36 42 44
ジャイアンツ球団殿堂	フェリペ・アルーゲイリー・ラベールジム・バージョニー・レマスターロッド・ベックジェフリー・レナードヴァイダ・ブルーカート・マンウォーリングボブ・ボーリンフアン・マリシャルジェフ・ブラントリーウィリー・メイズボビー・ボンズマイク・マコーミックボブ・ブレンリーウィリー・マッコビージョン・バーケットステュ・ミラーオーランド・セペダグレッグ・ミントンジャック・クラークケビン・ミッチェルウィル・クラークランディ・モフィットジム・ダベンポートジョン・モンテフュスコチリ・デービスロブ・ネンディック・ディーツゲイロード・ペリーダレル・エバンスリック・ラッシェルティト・フエンテスカーク・ルータースコット・ギャレルツ J.T.スノートム・ハラークリス・スパイアーアトリー・ハマカーロビー・トンプソンジム・レイ・ハートマット・ウィリアムズマイク・クルーコウジェフ・ケントリッチ・オーリリアショーン・エステスマービン・ベナードジェイソン・シュミットバリー・ボンズマット・ケインブライアン・ウィルソンライアン・ボーグルソンピーター・マゴワン
ワールドシリーズ優勝（08回）	1905 1921 1922 1933 1954 2010 2012 2014
ワールドシリーズ敗退（12回）	1911 1912 1913 1917 1923 1924 1936 1937 1951 1962 1989 2002
リーグ優勝（23回）	1888 1889 1904 1905 1911 1912 1913 1917 1921 1922 1923 1924 1933 1936 1937 1951 1954 1962 1989 2002 2010 2012 2014
できごと	1960年の日米野球 1970年の日米野球
傘下マイナーチーム	サクラメント・リバーキャッツ（AAA級）リッチモンド・フライングスクウォーレルズ（AA級）ユージーン・エメラルズ（High-A級）サンノゼ・ジャイアンツ（Low-A級）アリゾナ・コンプレックスリーグ・ジャイアンツ（Rookie級）ドミニカン・サマーリーグ・ジャイアンツ（Rookie級）