ダンビュライト (競走馬)

ダンビュライト
第84回東京優駿パドック(2017年5月28日)
欧字表記 Danburite[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 黒鹿毛[1]
生誕 2014年3月3日(10歳)[1]
抹消日 2022年3月25日
ルーラーシップ[1]
タンザナイト[1]
母の父 サンデーサイレンス[1]
生国 日本の旗 日本北海道安平町[1]
生産者 ノーザンファーム[1]
馬主 (有)サンデーレーシング[1]
調教師 音無秀孝栗東[1]
競走成績
生涯成績 31戦4勝
中央競馬:29戦4勝
地方競馬:1戦0勝
海外:1戦0勝
[1]
獲得賞金 3億2384万7000円
中央競馬:3億1808万7000円
地方競馬:576万円
[1]
勝ち鞍
GII AJCC 2018年
GII 京都記念 2019年
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ダンビュライト(欧字名:Danburite2014年3月3日 - )は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍は2018年アメリカジョッキークラブカップ2019年京都記念

経歴[編集]

デビュー前[編集]

2014年3月3日、北海道安平町ノーザンファームで誕生。一口馬主法人サンデーサラブレッドクラブより「タンザナイトの14」として総額3,600万円(1口90万円×40口)で募集された[2]。父ルーラーシップと同じく、ノーザンファーム早来で育成された[3]

パワーストーンダンブリ石を意味する「ダンビュライト」と命名され[2]栗東トレーニングセンター音無秀孝厩舎に入厩した。

2歳(2016年)[編集]

7月9日に中京競馬場の新馬戦でデビュー。不良馬場を苦にせず5馬身差の圧勝でデビュー勝ちを飾った[4]。2戦目はサウジアラビアRC(GIII)に出走。直線で内にもたれる場面もあり、ブレスジャーニーの決め手に屈して2着に敗れる[5]。続く朝日杯FS(GI)では単勝2番人気に支持されるも流れに乗れず13着と大敗した[6]

3歳(2017年)[編集]

きさらぎ賞(GIII)、弥生賞(GII)はいずれも3着となり、武豊に乗り替わった皐月賞(GI)では単勝12番人気まで評価を下げていた。しかし、レースでは2度の不利がありながらも勝ち馬アルアインから0.1秒差の3着に健闘し、クラシック史上4番目となる3連単106万4,360円の高額配当を演出した[7]。最内枠からの発走となった東京優駿(GI)では超スローペースに巻き込まれ、内で動けないまま6着に敗退した[8]

秋は神戸新聞杯(GII)で4着となった後、菊花賞(GI)に出走。極度の不良馬場の中、積極的に動いて4コーナーでは先頭に立ったが、直線で後続馬に交わされて5着に終わった[9]。年末の自己条件戦サンタクロースS(1600万下)で新馬戦以来となる待望の2勝目を挙げる[10]

4歳(2018年)[編集]

アメリカジョッキークラブカップ(GII)ではミルコ・デムーロと初コンビを組み、2番手追走から直線で逃げるマイネルミラノを交わして先頭に立ち、追い込んできた1番人気ミッキースワローに2馬身差を付けて待望の重賞初制覇を果たした[11]大阪杯(GI)には浜中俊とのコンビで出走。2番手を追走していたが、勝ち馬スワーヴリチャードが動いた場面で離され、6着に敗れた[12]。その後は父子制覇を目指して4月29日の香港クイーンエリザベス2世カップ(GI)に挑戦したが、直線で失速して8頭立ての7着に沈んだ[13]宝塚記念では武豊が史上初の500回目のGI騎乗となったが、4コーナーでごちゃつく場面があり、掲示板を確保するのが精一杯だった[14]

秋初戦のオールカマーでは出遅れによって位置取りが想定より後ろになり、4コーナーでも包まれて位置取りを上げられずレイデオロアルアインから離された3着に敗れた。戸崎圭太に乗り替わった天皇賞(秋)では本馬場入場時に騎手を振り落として放馬。しばらく競馬場内を全力疾走してしまい、疲労が著しいとして競走除外になった[15]。仕切り直しの一戦となったチャレンジカップは4着だった。

5歳(2019年)[編集]

連覇を狙ったアメリカジョッキークラブカップでは決め手比べの展開となったこともあり6着に敗れた。次走の京都記念では直線に入ると早めに先頭に立ち、外から差を詰めた1番人気ステイフーリッシュをクビ差退けて重賞2勝目を挙げた。騎乗した松若風馬は3度目のコンビで3連勝となった[16]。大阪杯は中団から得競馬を進めたが9着に終わる。その後、左第1指骨剥離骨折が判明し休養となる[17]。6か月ぶりの実戦となった京都大賞典は先手を取って逃げ粘ったもののドレッドノータスに交わされ1馬身1/4差の2着となった。次走、ジャパンカップはブービーの14着と惨敗に終わった。

6歳(2020年)[編集]

6歳になり、気性の改善のために去勢手術を行い騸馬となる。5か月半ぶりとなった天皇賞(春)は9着、続く宝塚記念も9着に敗れる。前年2着の京都大賞典は先手を打つも7着に敗れた。その後はステイヤーズステークスを予定していたがフレグモーネを発症し馬番決定前に出走を取り消した[18]

7歳(2021年)[編集]

フレグモーネ明けとなった7歳初戦、京都記念は前有利の展開のなか、3番手からレースを進め3着に入る。続く日経賞は2番手追走もバテてしまい12着と惨敗。このあと休養し、京都大賞典で復帰したが9着に沈んだ。初のダート戦となったみやこステークスは13着に終わるも、12月の名古屋グランプリでは3着と好走した。

8歳(2022年)[編集]

8歳初戦としてアメリカジョッキークラブカップに出走し、12着。続く阪神大賞典ではレース中に心房細動を発症し、終盤大きく失速して勝ったディープボンドから14.7秒差の最下位13着となる[19]。レース後の3月25日付けで競走馬登録を抹消され現役を引退した。

引退後[編集]

引退後は、岡山県の蒜山ホースクラブ内のオールド・フレンズ・ジャパン乗馬となる[20][21][注 1]

競走成績[編集]

以下の内容は、netkeiba.comの情報[22]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 馬場・距離
馬場状態
頭数 枠番 馬番 オッズ
(人気)
着順 タイム
上がり3F
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2016.07.09 中京 2歳新馬 芝1600m(不) 13 2 2 4.9(3人) 1着 1:40.7(37.2) -0.8 松若風馬 54 (キクノルア) 464
0000.10.08 東京 サウジアラビアRC GIII 芝1600m(稍) 9 7 7 3.5(2人) 2着 1:34.7(34.2) 0.2 C.ルメール 55 ブレスジャーニー 464
0000.12.18 阪神 朝日杯FS GI 芝1600m(良) 18 4 8 4.5(2人) 13着 1:36.5(35.5) 1.1 C.ルメール 55 サトノアレス 472
2017.02.05 京都 きさらぎ賞 GIII 芝1800m(重) 8 4 4 5.6(2人) 3着 1:50.4(36.1) 0.3 C.ルメール 56 アメリカズカップ 472
0000.03.05 中山 弥生賞 GII 芝2000m(良) 12 4 4 9.1(5人) 3着 1:50.4(36.1) 0.3 C.ルメール 56 カデナ 470
0000.04.16 中山 皐月賞 GI 芝2000m(良) 18 5 10 56.1(12人) 3着 1:57.9(34.3) 0.1 武豊 57 アルアイン 466
0000.05.28 東京 東京優駿 GI 芝2400m(良) 18 1 1 14.5(7人) 6着 2:27.3(33.8) 0.4 武豊 57 レイデオロ 464
0000.09.24 阪神 神戸新聞杯 GII 芝2400m(良) 14 3 3 8.6(4人) 4着 2:25.2(35.0) 0.6 武豊 56 レイデオロ 480
0000.10.22 京都 菊花賞 GI 芝3000m(不) 18 7 15 8.3(4人) 5着 3:19.7(40.8) 0.8 武豊 57 キセキ 478
0000.12.24 阪神 サンタクロースS 1600万下 芝2000m(良) 10 6 6 2.0(1人) 1着 2:01.7(33.8) -0.1 松若風馬 56 (クリノヤマトノオー) 478
2018.01.21 中山 AJCC GII 芝2200m(良) 11 6 7 3.9(2人) 1着 2:13.3(35.4) -0.3 M.デムーロ 55 ミッキースワロー 474
0000.04.01 阪神 大阪杯 GI 芝2000m(良) 16 7 14 20.1(8人) 6着 1:58.8(34.5) 0.6 浜中俊 57 スワーヴリチャード 482
0000.04.29 沙田 QEIIC G1 芝2000m(Gd[注 2] 8 5[23] 4 25.0(6人) 7着 2:01.74 1.53 T.ベリー 57 Pakistan Star 482
0000.06.24 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(稍) 16 4 8 10.3(5人) 5着 2:12.3(36.4) 0.7 武豊 58 ミッキーロケット 480
0000.09.23 中山 オールカマー GII 芝2200m(良) 12 2 2 3.8(2人) 3着 2:11.7(34.9) 0.5 武豊 57 レイデオロ 482
0000.10.28 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 12 6 8 競走除外 戸崎圭太 58 レイデオロ 488
0000.12.01 阪神 チャレンジC GIII 芝2000m(良) 12 3 3 6.3(3人) 4着 1:59.0(33.8) 0.7 北村友一 57 エアウィンザー 496
2019.01.20 中山 AJCC GII 芝2200m(良) 11 5 5 7.3(3人) 6着 2:14.4(34.9) 0.7 北村友一 57 シャケトラ 490
0000.02.10 京都 京都記念 GII 芝2200m(良) 12 6 8 8.5(6人) 1着 2:14.8(34.9) -0.0 松若風馬 56 ステイフーリッシュ 492
0000.03.31 阪神 大阪杯 GI 芝2000m(良) 14 8 14 57.6(11人) 9着 2:01.6(35.8) 0.6 松若風馬 57 アルアイン 482
0000.10.06 京都 京都大賞典 GII 芝2400m(良) 17 7 14 17.4(6人) 2着 2:23.7(35.4) 0.2 松若風馬 57 ドレッドノータス 494
0000.11.24 東京 ジャパンC GI 芝2400m(重) 15 6 10 30.7(10人) 14着 2:29.2(40.1) 3.3 松若風馬 57 スワーヴリチャード 488
2020.05.03 京都 天皇賞(春) GI 芝3200m(良) 14 3 4 27.1(8人) 9着 3:17.6(36.7) 1.1 松若風馬 58 フィエールマン 490
0000.06.28 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(稍) 18 7 13 82.9(10人) 9着 2:16.6(39.3) 3.1 松若風馬 58 クロノジェネシス 488
0000.10.11 京都 京都大賞典 GII 芝2400m(稍) 17 1 1 8.8(5人) 7着 2:26.1(35.5) 0.5 松若風馬 56 グローリーヴェイズ 498
2021.02.14 阪神 京都記念 GII 芝2200m(良) 11 7 9 11.1(6人) 3着 2:10.7(35.1) 0.3 松若風馬 56 ラヴズオンリーユー 504
0000.03.27 中山 日経賞 GII 芝2500m(良) 15 7 12 18.0(7人) 12着 2:34.9(36.4) 1.6 松若風馬 56 ウインマリリン 492
0000.10.10 阪神 京都大賞典 GII 芝2400m(良) 14 5 7 24.7(8人) 9着 2:25.2(37.1) 0.7 松若風馬 56 マカヒキ 492
0000.11.07 阪神 みやこS GIII ダ1800m(良) 16 8 15 16.6(7人) 13着 1:52.4(38.3) 1.6 松若風馬 57 メイショウハリオ 486
0000.12.23 名古屋 名古屋GP JpnII ダ2500m(稍) 11 4 4 8.4(4人) 3着 2:46.8(41.2) 1.4 松若風馬 57 ヴェルテックス 489
2022.01.23 中山 AJCC GII 芝2200m(良) 14 5 7 64.9(10人) 12着 2:13.7(36.7) 1.0 松若風馬 56 キングオブコージ 480
0000.03.20 阪神 阪神大賞典 GII 芝3000m(良) 13 1 1 68.1(9人) 13着 3:19.7(46.2) 14.7 松若風馬 56 ディープボンド 488

血統表[編集]

ダンビュライト血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 キングマンボ系
[§ 2]

ルーラーシップ
2007 鹿毛
父の父
キングカメハメハ
2001 鹿毛
Kingmambo Mr. Prospector
Miesque
*マンファス *ラストタイクーン
Pilot Bird
父の母
エアグルーヴ
1993 鹿毛
*トニービン *カンパラ
Severn Bridge
ダイナカール *ノーザンテースト
シャダイフェザー

タンザナイト
2000 黒鹿毛
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
母の母
*キャサリーンパー
Catherine Parr
1987 青鹿毛
Riverman Never Bend
River Lady
Regal Exception Ribot
Rajput Princess
母系(F-No.) (FN:16-a) [§ 3]
5代内の近親交配 アウトブリード [§ 4]
出典
  1. ^ [24]
  2. ^ [25]
  3. ^ [24]
  4. ^ [24]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 吉備中央町の岡山乗馬倶楽部で乗馬になるとの報道もあったが、誤報である。
  2. ^ Good。日本では良に相当する。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ダンビュライト”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年10月12日閲覧。
  2. ^ a b Sunday Thoroughbred Club サンデーサラブレッドクラブ”. 2018年5月1日閲覧。
  3. ^ AJCC G2 | 重賞ウイナーレポート. 競走馬のふるさと案内所. 2018年5月1日閲覧
  4. ^ 【2歳新馬】中京5R ダンビュライトが5馬身差圧勝!. sanspo.com(2016年7月9日付). 2018年5月1日閲覧
  5. ^ 【サウジアラビアRC】(東京)~ブレスジャーニーが決め手を発揮して重賞初制覇. netkeiba.com(2016年10月8日付). 2018年5月1日閲覧
  6. ^ 朝日杯FS】レースを終えて…関係者談話. sanspo.com(2016年12月19日閲覧). 2018年5月1日閲覧
  7. ^ 【皐月賞】12番人気ダンビュライト3着 3連単106万馬券演出. sanspo.com(2017年4月16日付). 2018年5月1日閲覧
  8. ^ 【日本ダービー】ダンビュライト6着、武豊ダービー6勝目ならず. スポーツ報知(2017年5月28日付). 2018年5月1日閲覧
  9. ^ 【菊花賞】1勝馬ダンビュライトは5着 武豊「最後に力尽きた」. スポーツ報知(2017年10月22日付). 2018年5月1日閲覧
  10. ^ 【サンタクロースS】(阪神) ダンビュライトが待望の2勝目. netkeiba.com(2017年12月24日閲覧). 2018年5月1日閲覧
  11. ^ [1]. sanspo.com(2018年1月21日付). 2018年5月1日閲覧
  12. ^ 【大阪杯】8番人気のダンビュライトは6着 浜中「バテずに頑張っている」. スポーツ報知(2018年4月1日閲覧). 2018年5月1日閲覧
  13. ^ 【香港クイーンエリザベス2世C】日本のダンビュライトは7着 Tベリー騎手「最後はワンペースに」. スポーツ報知(2018年4月29日付). 2018年5月1日閲覧
  14. ^ ダンビュライト5着、武「すごく残念」/宝塚記念. 日刊スポーツ(2018年6月25日付). 2018年8月7日閲覧
  15. ^ 【天皇賞・秋】G1で放馬…大歓声が一転、悲鳴へ ダンビュライトは無念の競走除外. スポーツニッポン(2018年10月28日付). 2018年10月29日閲覧
  16. ^ 【京都記念レース後コメント】ダンビュライト松若風馬騎手ら. netkeiba.com(2019年2月10日付). 2019年2月12日閲覧
  17. ^ ダンビュライト号が故障”. 競馬のおはなし. 2021年10月12日閲覧。
  18. ^ 【ステイヤーズS】ダンビュライトは出走取消、左前脚球節フレグモーネのため | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年10月12日閲覧。
  19. ^ 【阪神大賞典】13着ダンビュライトは心房細動を発症”. netkeiba.com. 2022年3月23日閲覧。
  20. ^ ダンビュライトが競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2022年3月25日). 2022年3月25日閲覧。
  21. ^ Old Friends Japan オールド・フレンズ・ジャパンのツイート - Twitter、2022年5月5日閲覧。
  22. ^ ダンビュライト”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2018年5月1日閲覧。
  23. ^ ゲート番号(日本と異なり、欧州・香港競馬ではゲート番号と馬番号は異なる)
  24. ^ a b c ダンビュライト 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 2018年4月30日閲覧。
  25. ^ ダンビュライト - 競走馬詳細 - UMATOKU”. 馬トク. 報知新聞社. 2022年2月14日閲覧。
  26. ^ a b c ダンビュライトの血統表 、netkeiba.com

外部リンク[編集]