アカシカ

アカシカ
アカシカ Cervus elaphus
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
: 偶蹄目 Artiodactyla
亜目 : 反芻亜目 Ruminantia
: シカ科 Cervidae
亜科 : シカ亜科 Cervinae
: シカ属 Cervus
: アカシカ C. elaphus
学名
Cervus elaphus
Linnaeus, 1758
和名
アカシカ
英名
Red deer

アカシカ(赤鹿、学名:Cervus elaphus、英名:Red Deer)は、哺乳綱偶蹄目シカ科シカ属に分類されるシカの一種。アメリカ合衆国では最近まで近縁と考えられていたアメリカアカシカ C. canadensis と同様にエルク(Elk)と呼ばれることがあるが、ヨーロッパではエルクというとヘラジカを指す(大陸間の名称の齟齬の由来については、アメリカアカシカを参照)。中国語の漢字表記では、馬鹿(ばろく[1])と書く。

分布[編集]

分布

アナトリア半島カフカース地方からヨーロッパ北アフリカにかけての広範な地域に分布し、多くの亜種が知られる。アフリカ大陸に現存する唯一のシカである。北米北部とユーラシア大陸北東部に分布するワピチ C. canadensis中央アジアに分布するアジアアカシカ C. affinis とは、飼育下で種間雑種ができることから同種とされたこともあった(アメリカアカシカを参照)。

オーストラリアニュージーランドアルゼンチンに狩猟獣として移入され、帰化している。

形態[編集]

体高120-150 cm、体重90-250 kg。体毛は赤褐色の個体が多く、短いを持つ。オスは枝分かれした枝角)を持つ。

生態[編集]

森林に生息する。最年長のメスを中心とした群れを形成する。オスは繁殖期以外は単独もしくはオスのみで群れを形成する。

食性は草食性で草や木の葉を食べる。

繁殖形態は胎生で、1回に1-2頭を出産する[2]。繁殖期は9-10月で、繁殖期になるとオス同士は角を突き合わせて争い、勝負に勝ったオスがハーレムを形成する。

保全状況評価[編集]

LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))

亜種[編集]

NEAR THREATENED (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))
ワシントン条約付属書III
  • コルシカアカシカ Cervus elaphus corsicanus Corsican Red Deer
ENDANGERED (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))

人間との関係[編集]

食肉や狩猟用に飼育されている。袋角(角を覆うビロード状の皮)と鹿角は漢方薬韓方薬として用いられる。

世界の侵略的外来種ワースト100リストに掲載されており、ヨーロッパ系移民により導入されたオセアニア南アメリカでは駆除の対象となっている一方で、北アフリカなど生息地の環境破壊により絶滅の危機に瀕している亜種もある。

本種を含むシカ属 Cervus外来生物法によって特定外来生物に指定されている[2]

写真[編集]

関連項目[編集]

  • シカ
  • エクスムーアの皇帝 - イギリス・エクスムーア国立公園に生息していたアカシカ。2010年10月に狩猟によると見られる遺体が発見され、話題となった。

参考文献[編集]

  1. ^ 馬鹿(ばろく);馬鹿(ばか)の項目の中に馬鹿(ばろく)として出ている
  2. ^ a b 多紀保彦(監修) 財団法人自然環境研究センター(編著)『決定版 日本の外来生物』平凡社、2008年4月21日。ISBN 978-4-582-54241-7