TBSラジオ ボクシング中継

TBSラジオ ボクシング中継(ティービーエスラジオ ボクシングちゅうけい)では、日本TBSラジオで制作・放送するプロボクシング中継について記述する。

歴史・概要[編集]

局名が「ラジオ東京」だった1952年2月9日に日本バンタム級タイトルマッチ白井義男堀口宏戦を[1]録音[2]中継したのが最初である[1](日本の民間放送としても初だった[3]。放送時間は23:10 - 23:30[4])。解説担当は『ボクシング・ガゼット編集長郡司信夫[3]、実況担当は同局アナウンサーの若林漸だった[1]。『TBS50年史』P54では、「泥縄式の特訓による中継だった」と記述されている。

同年5月19日には、白井が日本人初の世界王座を獲得した試合である世界フライ級タイトルマッチ対ダド・マリノ(米国)戦[5](開催場所:東京後楽園特設リング[6][7])を、新日本放送(NJB。のちのMBSラジオ)との共同制作により[2]、全国9局ネットで独占生中継[2](20時から放送[8][9][7])、5局でテープネット[2]という形で放送された[9](番組タイトルは、資料によって異なる[10])。解説は平沢雪村[5][8][9]と郡司信夫[5][8][9]。実況は前半に[5]NJBアナウンサーの杉本隆平[8][9][7]、後半に[5]小坂秀二[8][11][9][7]がそれぞれ担当した。提供スポンサーアサヒビール[12][8][9](提供名義は、「朝日麦酒」「バャリース・オレンヂ[13])。名勝負として話題となり、のちにNHKアナウンサーの志村正順が雑誌インタビューでNHKが全国放送しなかったことを嘆いたというエピソードも残っている[12]。また、聴取率は80%を記録し[5]、ラジオ東京→TBSラジオ歴代最高記録として残っている[14]

その後も1970年代前半から中期頃のブランク[15]をはさみつつ、具志堅用高らの世界戦中継を実施。1998年を最後に途絶えた時期もあったが、2006年8月2日には『WBA亀田興毅vsファンランダエタ実況中継』として8年ぶりに実況中継(解説:川島郭志、実況:新タ悦男)[16]。その後も亀田または内藤大助の出場する試合を不定期で中継している。中継は基本的にMBSラジオとの2局ネットで放送。

出演者[編集]

解説[編集]

※2001年までの解説者については、『TBS50年史』資料編234ページ「主なスポーツ番組解説者」で、出演期間とともに掲載されている(ラジオ・テレビの区別は無い)。

実況[編集]

備考[編集]

2010年1月17日には、劇画作品『あしたのジョー』作中の一戦を題材とした架空実況中継「『あしたのジョー』40周年特別番組 今!蘇る!!宿命の対決 矢吹丈VS力石徹」を放送。解説は薬師寺保栄、実況は土井敏之が担当した[19][20]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 『TBS50年史』資料編P235および『TBSアナウンサーの動き』に明記された、若林漸の情報を参照。
  2. ^ a b c d 『TBS50年史』P54
  3. ^ a b c 『私とTBS』4ページに掲載された、郡司信夫のコメントより。
  4. ^ 『TBS50年史』DVD-ROM『ハイブリッド検索編』に収録のラジオ番組リストより、『全日本バンタム級選手権』を参照。
  5. ^ a b c d e f 『東京放送のあゆみ』P500
  6. ^ 『東京放送のあゆみ』P500では、「東京後楽園特設スタジアム」と記述。
  7. ^ a b c d 『毎日放送50年史』資料編のラジオ番組データベースより、ラジオ番組『フライ級世界選手権』のデータを参照。
  8. ^ a b c d e f 『TBS50年史』資料編P191のラジオ番組一覧表より、『世界フライ級選手権争奪戦 ダド・マリノ対白井義男』を参照。
  9. ^ a b c d e f g 『TBS50年史』DVD-ROM『ハイブリッド検索編』に収録されたラジオ番組『世界フライ級選手権 マリノvs白井』のデータカードを参照。
  10. ^
    • 白井義男vsダド・マリノ 世界フライ級ボクシングタイトルマッチ実況放送』…外部リンク(ほろにがの群像 第13回)
    • 世界フライ級選手権争奪戦 ダド・マリノ対白井義男』…『TBS50年史』資料編P191のラジオ番組一覧表。
    • 世界フライ級選手権 マリノvs白井』…『TBS50年史』DVD-ROM『ハイブリッド検索編』に収録されたラジオ番組データベース。
    • フライ級世界選手権』…『毎日放送50年史』資料編のラジオ番組データベース。
  11. ^ 『TBSアナウンサーの動き』より、1952年の情報を参照。
  12. ^ a b 外部リンク(ほろにがの群像 第13回)を参照。
  13. ^ 『東京放送のあゆみ』P500より、「朝日麦酒とバャリース・オレンジの提供」との記述あり。
  14. ^ 株式会社東京放送第57期営業報告書より、「TBSテレビ・ラジオミニ百科」を参照。
  15. ^ TBSラジオ・TBSテレビでは、ボクシングがらみのトラブルで中継を取り止めていた(『炎の声』24ページに掲載された、1976年に具志堅用高初のタイトル奪取戦実況を担当した岡部達の発言を参照)。
  16. ^ WBA亀田興毅vsファンランダエタ実況中継 - 『+++954写真缶~TBSラジオの放送現場から~+++』2006年8月4日
  17. ^ 『TBS50年史』DVD-ROM『ハイブリッド検索編』より、『全日本ライト級・ウェルター級選手権』(1954年7月19日)に出演していたことが確認できる(「ラジオ番組」→「出演者別リスト」→「わ」→「渡辺謙太郎」の節を参照)。
  18. ^ 『TBS50年史』DVD-ROM『ハイブリッド検索編』より、
    • 『世界Jr.ウェルター級タイトルマッチ』(1964年1月4日)
    • 『世界Jr.ライト級選手権』(1967年6月15日)
    に出演していたことが確認できる(「ラジオ番組」→「出演者別リスト」→「お」→「岡部達」の節を参照)。
  19. ^ 参考:『あしたのジョー40周年特別番組“矢吹丈 対 力石徹”完全実況中継』|TBS RADIO 954 kHz トピックス&ニュース - インターネットアーカイブ2010年1月16日付保存キャッシュより。
  20. ^ 参考:時を超えて名勝負再び。TBSラジオ「丈vs力石」を架空中継 2010年1月15日 コミックナタリー

参考資料[編集]

  • 東京放送のあゆみ(1965年5月、東京放送社史編集室編・東京放送発行)…国立国会図書館の所蔵情報
  • TBS50年史(2002年1月、東京放送編・発行)…国立国会図書館の所蔵情報
    • 資料編
    • DVD-ROM『ハイブリッド検索編』
      • PDFファイル
        • 『TBSアナウンサーの動き』(ラジオ東京→TBSの歴代アナウンサーの記録を、同社の歴史とともにまとめた文書)
        • 『TBS社報』No.360(1971年5月10日、東京放送発行)20 - 29ページ掲載記事『私とTBS -TBS20周年におもう-』(創立20周年を記念した、TBSゆかりの人物によるコメントが掲載)の再録
        • 『座談会 炎の声』(1997年に東京放送から発行された社内報掲載記事。新旧TBSスポーツアナウンサーによる座談会を書き起こしたもの)の再録
      • 営業報告書のハイパーメディア再編集版
        • 株式会社東京放送第57期営業報告書(1983年4月1日~1984年3月31日。1984年発行)
      • ラジオ番組データベース(リスト・データカード)
  • 毎日放送50年史(2001年9月、毎日放送50年史編纂委員会事務局編・毎日放送発行)
  • 各種外部リンク

関連項目[編集]

以下、TBSテレビのプロボクシング中継。

外部リンク[編集]

  • ほろにがの群像 第13回 - 『右文書院』より、白井vsダド・マリノ戦中継(リンク先の日付は、5月7日となっている)を含む民間放送草創期の朝日麦酒スポンサー提供番組について記述した、ウェブ記事(文:濱田研吾)。