M字カーブ

OECD各国の女性の労働参加率(2020年)
OECD各国の男性の労働参加率(2020年)

M字カーブ(えむじかーぶ)とは、労働分野において、女性の年齢階級別の労働力率を示す指標を表す語である。グラフ化した時のその形がアルファベットの「M」の字の形に似た曲線を描くことから名付けられた。

女性の年齢階級別の労働力率(15歳以上の人口に占める働く人の割合)をグラフで表すと、学校卒業後20歳代でピークに達し、その後、30歳代の出産育児期に落ち込み、子育てが一段落した40歳代で再上昇する。これをグラフに表すと、アルファベットの「M」に似た曲線を描く傾向が見られる。「M字カーブ」とはこのグラフの形態を指し、女性の就業状況の特徴を表している。

M字カーブと呼ばれる現象は、日本のほか、韓国においてもよりM字の底が深い特徴的な現象を示しているが、欧米諸国では見られない[1]

日本における状況[編集]

2015年(平成27年)の女性の労働力率を年齢階級別にみると、「25~29歳」(80.3%)と「45~49歳」(77.5%)を左右のピークとし、「30~34歳」(71.2%)を底とするM字型カーブを描いている[2]。1976年(昭和51年)からの変化を見ると、現在も「M字カーブ」を描いているものの、そのカーブの底は以前に比べて浅くなっている[3]。浅くなった理由として、有配偶者の労働力率が上昇してきたことがあげられる。

M字の底となる年齢階級も上昇している。昭和51年は「25~29歳」(44.3%)がM字の底となっていたが、25~29歳の労働力率は次第に上がり、平成28年では81.7%と、年齢階級別で最も高くなっている。M字の底は昭和54年に「25~29歳」から「30~34歳」に移動し、平成20年には「35~39歳」へと移動した。平成27年に僅差で再び「30~34歳」に戻ったものの、平成28年は再度「35~39歳」となっている。

脚注[編集]

関連項目[編集]

  • 働く女性
  • L字カーブ - 女性の年齢階級別の正規雇用労働者比率を示す。M字カーブは正規・非正規を合わせた労働力率であるのに対し、L字では雇用形態に注目している点で異なる。

外部リンク[編集]