IN PHYSICAL

IN PHYSICAL
Kenスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ロック
時間
レーベル Danger Crue Records
プロデュース Ken
チャート最高順位
Ken アルバム 年表
IN PHYSICAL
2009年
The Party
2010年
『IN PHYSICAL』収録のシングル
  1. Speed
    リリース: 2006年8月23日
  2. Deeper
    リリース: 2009年3月4日
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IN PHYSICAL』(イン・フィジカル)は、日本ロックバンドL'Arc〜en〜CielギタリストKenの1枚目のアルバム2009年4月22日発売。発売元はDanger Crue Records

解説[編集]

L'Arc〜en〜Cielのギタリスト、Kenの初となるソロ名義のアルバム。

L'Arc〜en〜Cielや2002年から活動を開始したロックバンド、SONS OF ALL PUSSYS、さらに他アーティストの楽曲プロデュースといった活動を行ってきたKenにとって、バンド・ユニット以外では初の単独名義でリリースとなった。

様々な音楽ジャンルからの影響を受けた楽曲が収録されているが、特にKenが長らく好んで聴いてきた1980年代のハードロックヘヴィメタルの要素が随所から感じられるアルバムとなっている[1]。Kenは「僕はハードロックとかが好きだから、そういう表現の仕方が自分的に盛り上がるから。だからそういう要素が増えれば増えるほどいいなと[2]」「「In Physical」とか「My Angel」のソロとかは、曲調はこうだけどこういう要素がほしいよなってとこでひらめいた瞬間にパッと弾いちゃってるから、やっぱハードロックが好きなんだなっていうところが出てるなって。後になって思います[1]」と述べている。

レコーディングでは、Kenがインストゥルメンタルを除く収録曲のボーカル、ギターならびに作詞、さらに収録曲すべての作曲・編曲・プロデュースを担当している。また、アルバム発表後に開催したライヴツアー「TOUR 2009 "LIVE IN PHYSICAL"」のサポートメンバーとなるTAKASHI(BUG、ex.DIE IN CRIES)やJOE44MAGNUMZIGGY)、秦野猛行がレコーディングに参加している。他にも、真矢LUNA SEA)、永井利光GLAYサポート)、長谷川浩二Cube-ray)、村石雅行(FAZJAZ.jp、ex.KENSO)、湊雅史(ex.DEAD END)がレコーディングに参加している。レコーディングに多くのミュージシャンを呼んだことについて、Kenは「演奏面で、あんまり心配したくない環境でやりたかった。まずそこは楽勝でクリアして、その上にプレイヤーの気持ちとか、プレイヤーのテクニックとか、テクニックがあるがゆえに出せる表現とかを乗せていきたいなと思った[2]」と述べている。また、各ミュージシャンの個性を取り込もうとした背景について、Kenは「僕は、カッコいいのを求めてるのは事実なんですけど、"細かく僕の言ったとおりにしてほしい"わけじゃなくて。呼んだ人の個性が出てこそ、もっとカッコ良くなるって思うから。(2008年からロックバンド、MUCCの)プロデュースをしたことで、そのへんがより、自分のソロに取りこめたかもしれないね[2]」と語っている。

収録曲として、2006年に発表したソロ名義初のシングル「Speed」と、先行シングルとして発表された「Deeper」を含む全11曲が収録されている。アルバム収録曲のうち「"S"」「In Physical」「Deeper」「Relax Over」の4曲は、アルバム制作を目指す前に手掛けていた楽曲だといい、Kenはこの4曲について「締め切りもないし、コレっていう枠もないから、脳内直結で許される環境で、自由に作曲出来た[3]」と述べている。他の収録曲も含め、ナチュラルな意識で制作するスタイルだったといい、Kenは「一番遠慮してはいけない環境の制作スタイルじゃないですか、ソロって。だから、より自然に出てくるものを出すのが一番いいんだろうなっていうか、気持ちよかったんですね。だから言うなればアドリブ作曲というか[4]」と語っている。

1曲目に収録された「Repose in Sound Sleep」は、インストゥルメンタルとなっており、Kenがピアノキーボードカリンバを演奏している。この曲の制作スタイルについて、Kenは「ピアノを弾いてますけど、あの抽象的な感覚ってギターを弾き始めた時の感覚と似てるんですよね。なんちゃってでもいいからギターを弾こうとしてた当時の俺と、ピアノを自分のイメージの通り弾きたくて弾いてる1曲目の俺。もちろんふたつの間には"技術"とか"経験"っていう距離はあるけど、何にもとらわれずに音に向かうという作曲の姿勢は似てるというか。思い通りに弾けるわけじゃないし、とくに作品にするとかも考えず、でもなんとなく気持ち良くて弾く感じ[1]」と述べており、音楽に触れ始めたころの感覚で制作していたという。

11曲目に収録された「Save me」は、Kenの内面が色濃く表れた楽曲となっている[4]。この曲の歌詞のイメージについて、Kenは「他人任せの平安を求めてる感じですね。そういう考え方もそろそろ卒業しなきゃいけないんですけど(笑)[4]」と述べている。また、このような歌詞になった経緯について、Kenは「何を幸せとするかっていうのがね、すごく難しいなぁと思って。自分では決めきれないんですよね。(中略)どれを幸せと引き換えにして、どれが自分にとって"ああ、よかったね"と思えるのかを見極めようとしすぎてる感じもしたり。多分なりゆきでそうなっちゃうことも多いと思うけど、見極めようとしすぎて、何だかわかんなくなってるのが多分、そういう詞になるんじゃないかな。だから、"助けて"、と(笑)[4]」と述べている。

初回生産限定盤(CD+DVD)と通常盤(CD)の2種類で発売された。初回盤には、2曲目に収録された「"S"」のミュージック・ビデオと3曲目に収録された「In Physical」のイメージビデオ、及びレコーディング映像を収録されたDVDが付属している。

収録曲[編集]

CD
#タイトル作詞作曲編曲時間
1.「Repose in Sound Sleep」 KenKen
2.「"S"」(テレビ朝日系『業界技術狩人 ギョーテック』エンディングテーマ)KenKenKen
3.「In Physical」KenKenKen
4.「Spin Along」KenKenKen
5.「ETERNAL REST」KenKenKen
6.SpeedKenKenKen
7.DeeperKenKenKen
8.「Gimme Your Name」KenKenKen
9.「Relax Over」KenKenKen
10.「My Angel」KenKenKen
11.「Save me」KenKenKen

初回生産限定盤DVD[編集]

  1. "S"(Music Video)
    ディレクター:マサオ
  2. In Physical(Image Video)
    ディレクター:マサオ
  3. Recording映像

参加ミュージシャン[編集]

Repose in Sound Sleep
"S"
In Physical
  • Ken:ボーカル、ギター、キーボード、プログラミング
  • 長谷川浩二:ドラム
  • 比留間整:レコーディング、ミックス
Spin Along
  • Ken:ボーカル、ギター、キーボード、プログラミング
  • TAKASHI:ベース
  • 永井利光:ドラム
  • 比留間整:レコーディング、ミックス
ETERNAL REST
  • Ken:ボーカル、ギター、キーボード、ホイッスル、プログラミング
  • TAKASHI:ベース
  • 永井利光:ドラム
  • 比留間整:レコーディング、ミックス
Speed
  • Ken:ボーカル、ギター
  • TAKASHI:ベース
  • 村石雅行:ドラム
  • 秦野猛行:アコースティック・ピアノ
  • 比留間整:レコーディング、ミックス

Deeper
  • Ken:ボーカル、ギター、キーボード、プログラミング
  • TAKASHI:ベース
  • 長谷川浩二:ドラム
  • 比留間整:レコーディング、ミックス
Gimme Your Name
  • Ken:ボーカル、ギター
  • TAKASHI:ベース
  • 湊雅史:ドラム、タンバリン
  • 比留間整:レコーディング、ミックス
Relax Over
  • Ken:ボーカル、ギター、キーボード、プログラミング
  • TAKASHI:ベース
  • 宮脇“JOE”知史:ドラム
  • 秦野猛行:エレクトリック・ピアノ
  • 比留間整:レコーディング、ミックス
My Angel
  • Ken:ボーカル、ギター、キーボード、タンバリン、プログラミング
  • TAKASHI:ベース
  • 真矢:ドラム
  • 比留間整:レコーディング、ミックス
Save me
  • Ken:ボーカル、ギター、キーボード、タンバリン、プログラミング
  • TAKASHI:ベース
  • 真矢:ドラム
  • 比留間整:レコーディング、ミックス


[Produce & Mastering]

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c Ken(L'Arc〜en〜Ciel)インタビュー 曲が先にあって、作品として出す延長線上にソロがあった - @ぴあ
  2. ^ a b c 『音楽と人』、p.21、USEN、2009年3月号
  3. ^ 音楽と人』、p.22、USEN、2009年3月号
  4. ^ a b c d 『音楽と人』、p.23、USEN、2009年3月号
  5. ^ クレジットはCo-produced by Hitoshi Himura