祖国 (ビゼー)

序曲祖国』(そこく、Patrie作品19は、ジョルジュ・ビゼーが作曲した演奏会用序曲である。「ポーランド戦争の挿話」という副題が付けられている。

概要[編集]

数少ないビゼーの管弦楽作品で、この演奏会用序曲は1873年に、当時依頼を受けていたオペラ『ドン・ロドリーグ』のために作曲された作品である。しかし『ドン・ロドリーグ』は初演直前にパリ・オペラ座(当時の劇場、現在のガルニエ宮とは異なる)が火事で焼失したため、結果的にオペラは未完のまま放棄された。

後にビゼーはこの作品を演奏会用序曲に改作し、1874年2月15日コンセール・ポピュレールにてジュール・パドゥルーの指揮で行われ、成功を収めたと伝えられる。

普仏戦争を念頭に、愛国心が表現された作品である。

編成[編集]

フルート2(2はピッコロ持ち替え)、オーボエ2(2はコーラングレ持ち替え)、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2(任意)、コルネット2、トロンボーン3、オフィクレイド(任意)、ティンパニトライアングルバスドラムシンバルタンブリンハープ弦楽合奏

構成[編集]

冒頭のフォルティッシモで奏される第1主題と、勇ましい第2主題が続く。牧歌的な主題を経た後に再度2つの主題が現れ終える。演奏時間は約12分。

外部リンク[編集]