横浜駅みなみ東口地区第一種市街地再開発事業

横浜中央郵便局(2007年3月)
アソビル(2019年3月)
みなみ東口暫定通路出口(2019年3月)

横浜駅みなみ東口地区第一種市街地再開発事業(よこはまえきみなみひがしぐちちくだいいっしゅしがいちさいかいはつじぎょう)は、神奈川県横浜市西区にある再開発計画2024年6月10日崎陽軒理事長として再開発準備組合が設立され、日本郵政不動産株式会社、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)、京浜急行電鉄株式会社が事業協力者として選定された[1][2]

再開発区域「横浜駅みなみ東口地区」は「エキサイトよこはま22(横浜駅周辺大改造計画)」の「センターゾーン」内にあり、「ステーションオアシス地区」とも呼ばれる[3]横浜駅東口(みなみ東口および中央東口)の駅前に位置し、準備組合による再開発検討範囲の広さは約1.3 haである[1]。現在は横浜中央郵便局アソビル[注 1]などの施設が立地する[6]

概要

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2006年日本郵政、JR東日本、京浜急行電鉄、横浜市の4者で、「横浜駅東口地区開発(ステーションオアシス)推進協議会」を設立[7][8]。その後、市では2013年度(2014年3月中)に当地区の再開発(対象となるビルや駅前広場歩行者デッキ市道)に関する大まかな概要などを盛り込んだ基本構想をまとめる方針を示し、さらに都市再生特別措置法の申請期限が2017年3月31日までとなっているため、それまでに都市計画を制定する方針を示していた[9]が、2017年度に歩行者ネットワークなどに関する「エキサイトよこはま22横浜駅みなみ東口地区」(約2.5 ha)の地区計画が決定された[10][11]

2024年6月10日に崎陽軒を理事長、日本郵政不動産、JR東日本、京浜急行電鉄を事業協力者として「横浜駅みなみ東口地区市街地再開発準備組合」が設立[1]、翌2025年4月15日には当地区の環境影響評価手続「計画段階配慮書」が公開され、地下3階・地上45階建て(塔屋含む最高高さ約231m/建築物の高さ約218m)の超高層ビルを建築し、工期予定(事業スケジュール案)として2028年度に着工し2037年度の完成・供用を目指す事業計画が明らかとなった[6][12]。なお、今回の再開発が実施されるのは前述の地区計画の範囲のうちJR根岸線の手前までとなり、JR線に囲まれた西側区域や東横線跡地などは除外されている[6][13]

事業計画などによると、建物には商業施設(低層部:地下2階〜地上6階)、オフィス(中層部:地上15階〜33階階)、ホテルサービスアパートメント(高層部:地上35階〜44階)などの施設が入居し、地下から地上、デッキレベルまでスムーズに移動できる「ターミナルコア」(結節空間)を整備することで、立体的な歩行者ネットワークを形成[6][10][11][12]。また、現状暫定的な見た目のみなみ東口通路出口付近に位置しており、当開発に合わせて再整備が見込まれている[11]ほか、地下ではみなみ通路(JR南改札)や地下街「横浜ポルタ」に接続[6][10][11][12]、さらにデッキレベルではエキサイトよこはま22における当地区と連携した整備方針として、「国道横断デッキ」により横浜新都市ビルそごう横浜店)と横浜スカイビル間にある2階デッキ「はまテラス」と、「帷子川横断デッキ」により高島二丁目地区方面の「万里歩道橋」と接続し、双方からみなとみらい地区との接続強化が図られる計画となっている[3][10][11][14][注 2]。この他、当開発区域のうちA街区に該当する前述の建物部分より、B街区に該当する京急本線上部まで跨ぐ低層部のデッキ(地上3階レベルの屋上ガーデンおよび下部はピロティ)を整備[注 3]し、屋上には空飛ぶクルマの離着陸場(バーティポート)の設置も検討されている[6][12]

脚注

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注釈
  1. ^ 複合型体験エンターテインメント施設「アソビル」は、1966年に建設された横浜中央郵便局別館を改装利用し2019年3月に開業した、当地区の再開発が本格化するまでの暫定施設である[4][5]
  2. ^ 前者のデッキでは「はまテラス」からはまみらいウォークに接続し、日産グローバル本社内の「NISSANウォーク」を経由してみなとみらい歩道橋まで、後者のデッキでは「万里歩道橋」から高島二丁目地区の複合ビル「ファーストプレイス横浜」の2階通路に接続し、同ビルを経由して国道1号を横断する「高島二丁目歩道橋」により横濱ゲートタワーの低層棟「テラスモール」の2階デッキまで接続可能で、いずれのデッキも整備されることでみなとみらい地区との大幅なアクセスの向上が期待できる。
  3. ^ このデッキを含むB街区の整備や空地(広場・道路等)部分は、JR根岸線より西側区域における将来の開発を見据えた準備(接続できるように備えておく)の一環でもある[15]
出典
  1. ^ a b c 横浜駅みなみ東口地区市街地再開発準備組合の設立について”. 京浜急行電鉄 (2024年6月11日). 2025年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月3日閲覧。
  2. ^ 横浜駅東口再開発へ準備組合 JR東・京急・日本郵政系など(日本経済新聞 2024年6月11日)、2025年6月11日閲覧
  3. ^ a b エキサイトよこはま22第14回エキサイトよこはま22懇談会懇談会資料アーカイブ (PDF) 」(横浜市都市整備局都心再生課 2024年7月31日開催)
  4. ^ 横浜中央郵便局別館が「複合型体験エンターテインメント施設」に!? 2019年春開業予定”. はまれぽ.com (2018年8月3日). 2025年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月11日閲覧。
  5. ^ 横浜駅直通、複合型エンタメ施設の名称を「アソビル」に決定 最新VRからものづくりまで幅広い体験コンテンツを提供』(プレスリリース)株式会社アカツキライブエンターテインメント〈PR TIMES〉、2018年11月15日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000064.000010379.html2025年6月11日閲覧 
  6. ^ a b c d e f (仮称)横浜駅みなみ東口地区第一種市街地再開発事業計画段階配慮書”. 横浜市 (2025年3月). 2025年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月3日閲覧。
  7. ^ 都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域の一覧 > 横浜都心・臨海地域のプロフィール(令和6年〈2024年〉4月1日現在)” (PDF). 内閣府地方創生推進事務局. 2025年6月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月11日閲覧。
  8. ^ 横浜駅東口地区開発(ステーションオアシス)の取り組み状況についてアーカイブ (PDF)横浜市会:建築・都市整備・道路委員会 平成28年〈2016年〉9月12日)
  9. ^ 横浜駅大改造を縮小、線路上空には建てない”. 日経BP (2014年3月10日). 2020年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月11日閲覧。
  10. ^ a b c d C-106:エキサイトよこはま22横浜駅みなみ東口地区(横浜市:地区計画)
  11. ^ a b c d e 横浜駅の「みなみ東口」はいつまで仮設通路なの?”. はまれぽ.com (2017年3月8日). 2025年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月11日閲覧。
  12. ^ a b c d 21万平米超の超高層/屋上に空飛ぶクルマ離着陸場/横浜駅みなみ東口地区再開発”. 建設通信新聞 (2025年4月16日). 2025年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月3日閲覧。
  13. ^ いつまで変わり続けるのか「横浜駅」、南側の東口・西口ともに駅前再開発へ進行(新横浜新聞 2024年9月17日)、2025年6月11日閲覧 / 2025年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ
  14. ^ 横浜駅東口、万里歩道橋が利用されない理由とは?”. はまれぽ.com (2011年12月5日). 2025年1月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月11日閲覧。
  15. ^ 令和7年度 横浜市環境影響評価審査会 開催記録:第1回横浜市環境影響評価審査会「(仮称)横浜駅みなみ東口地区第一種市街地再開発事業 計画段階配慮書について」の資料「計画段階配慮書の概要【事業者資料】/審査会会議録 (PDF) 」(横浜市みどり環境局 2025年4月21日開催)

外部リンク

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