横浜日劇

横浜日劇
Yokohama Nichigeki
地図
情報
正式名称 横浜日劇
完成 1953年
開館 1953年12月29日
閉館 2005年2月18日
客席数 385席
設備 ドルビーステレオ
用途 映画上映
運営 中央興業有限会社
所在地 231-0056
神奈川県横浜市中区若葉町3-50
位置 北緯35度26分25.9秒 東経139度37分33.8秒 / 北緯35.440528度 東経139.626056度 / 35.440528; 139.626056 (横浜日劇)座標: 北緯35度26分25.9秒 東経139度37分33.8秒 / 北緯35.440528度 東経139.626056度 / 35.440528; 139.626056 (横浜日劇)
最寄駅 京急本線黄金町駅西口徒歩5分
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横浜日劇(よこはまにちげき)は、横浜市中区に所在した映画館

データ[編集]

  • 所在地:横浜市中区若葉町3-50(いわゆる伊勢佐木町地区の西端にあたる)
  • 観客定員数:385席(閉館時)

沿革[編集]

1953年昭和28年)12月29日に開業[2]。もともとは邦画専門館としてスタートしたが、当時最先端のシネマスコープを導入して洋画専門館に移行。正面に飾られた「CINEMASCOPE NICHIGEKI」のネオンサインで人気を博した。主に洋画の話題作や名作を二本立てで安価で上映。「洋画は日劇、邦画は名画座」(名画座とは日劇に隣接する映画館で現在はシネマ・ジャック&ベティとして営業)のフレーズで地元密着型の映画館として親しまれてきた。その後、林海象監督の映画『私立探偵 濱マイク』シリーズ(1993年1996年)や、同作品のテレビドラマ版(2002年)の舞台として全国的に有名となり、昭和の面影をのこすその佇まいへの人気とあいまって、遠方から訪れる映画ファンも多かった。横浜市に生まれ育った作家・伊東潤1960年〜)は、中学時代に近所の書店「有隣堂」で本を買った後、日劇でよく映画を観ていたという[3]

しかし同館を経営していた中央興業有限会社が、興行不振などの理由により廃業。近年ではシネマコンプレックスの台頭による業績悪化に加え、2004年9月の会長死去、同年10月の同社経営のヨコハマ・シネマ・ソサエティ(旧横浜西口名画座)の台風22号による深刻な浸水被害(その後休館となり同年11月20日に正式に廃館)が同社廃業のきっかけとされる。同社経営の映画館は前出のヨコハマ・シネマ・ソサエティやシネマ・ジャック、シネマ・ベティの他、シブヤ・シネマ・ソサエティ、関内MGA(旧関内アカデミー)と相次いで経営譲渡ないしは廃館となった。横浜日劇は2005年2月18日に閉館となった。

閉館後、取り壊しの話もあったが、TVKなど地元のマスコミから「横浜の象徴」としての存在が消えゆくことを惜しむ声が高かったことから、2005年12月に有限会社フレンダム(当時)がイベントスタジオとして営業を開始、いったんは取り壊しを免れる。さらに2006年5月には日劇再生準備委員会が設立され、再び映画館として再生させる道が模索された。

取り壊される横浜日劇

しかし耐震強度や空調設備の問題などから、2007年4月の取り壊しが決定。同年3月17〜18日、2日限りの最後の特別上映会(無料)と内覧会が開催され、その歴史に幕を閉じた。特別上映会には前出の『濱マイク』シリーズの映画撮影で使用された実車(AMC社製ナッシュ・メトロポリタン)も展示され、多くの映画ファンが集まった。この時の『ニュー・シネマ・パラダイス』が最後の上映作品となった[4]

取り壊しに先立ち、正面玄関上に飾られたネオンサインは撤去され、横浜市に寄贈された。市ではイベントでの展示活用などを検討している。もぎり台は前出の林海象監督に寄贈され、川崎の映画スタジオに移設された。解体後は2009年1月に地上10階建のマンション「ライオンズ横濱伊勢佐木」が建てられ、現在に至る[1]

関連項目[編集]

  • シネマ・ジャック&ベティ - かつて中央興業が経営した隣接する映画館。現在の運営は株式会社エデュイットジャパン。
  • 映画作品・テレビドラマ『私立探偵 濱マイク』 - 映画では同館の2階部分(テレビドラマでは同館の屋上)で主人公が探偵事務所を開業しているという設定で、ロケ地として使用された。
  • 出没!アド街ック天国テレビ東京) - 2005年2月5日放送分で日劇が取り上げられた[5]。ちなみに日劇で使用された椅子の一部は2014年現在、シネマ・ジャック&ベティのロビーに置かれている[6]
  • あぶない刑事第23話「策略」でロケ地として登場

出典[編集]

  1. ^ a b ライオンズ横濱伊勢佐木 中古マンション物件情報”. 住宅サーチ×SUUMO. 日本経済新聞社 (2015年4月30日). 2015年5月3日閲覧。
  2. ^ ykoba_cinemas (2015年4月5日). “1953年12月29日に新築落成した映画館「横浜日劇」の広告。”. 横浜の映画館から. Twitter. 2015年9月30日閲覧。
  3. ^ 第26回:伊東潤さん”. 図書カード使い放題?! 作家さんの本選び. 日本図書普及株式会社. 2015年5月3日閲覧。
  4. ^ “「横浜日劇」4月に取り壊しが決定 - 最後の上映会開催へ”. ヨコハマ経済新聞 (みんなの経済新聞ネットワーク). (2007年3月8日). https://www.hamakei.com/headline/2240/ 2015年5月3日閲覧。 
  5. ^ "(17)横浜日劇". 出没!アド街ック天国. 5 February 2005. テレビ東京. 2015年5月3日閲覧
  6. ^ "シネマ・ジャック&ベティ(横浜 伊勢佐木町)". 出没!アド街ック天国. 4 October 2014. テレビ東京. 2015年9月30日閲覧

外部リンク[編集]