旧造幣寮鋳造所正面玄関

旧造幣寮鋳造所正面玄関

旧造幣寮鋳造所正面玄関(きゅうぞうへいりょうちゅうぞうしょしょうめんげんかん)は、大阪府大阪市北区大川沿いにある、造幣寮(現:造幣局)の金銀貨幣鋳造所の正面玄関を移築保存した建築物。

国指定の重要文化財。隣接する泉布観とともに、現存の近代建築としては、日本で最も古いものの一つ。

沿革

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  • 1871年(明治4年) - 造幣寮としてトーマス・ウォートルスの設計で竣工。
  • 1927年(昭和2年) - 老朽化のため取り壊しとなったが、正面玄関の石材が保存される。
  • 1935年(昭和10年) - 保存石材を明治天皇記念館(のち、聖徳館に改称)の正面玄関として、創建当時の姿に復元。
  • 戦後 - 桜宮公会堂となる。
  • 1950年(昭和25年) - 2階部分に大阪市立図書館が移転。
  • 1956年(昭和31年)6月 - 旧造幣寮鋳造所正面玄関が国の重要文化財に指定される。
  • 1961年(昭和36年) - 大阪市立図書館を桜宮図書館と名称変更。
  • 1980年(昭和55年) - 桜宮図書館廃館。
  • 1984年(昭和59年) - 大阪市教育委員会により、学校教育の振興施設ユースアートギャラリーとして改装。市立学校の児童・生徒の絵画展などに利用される。
  • 2007年(平成19年)3月末 - ユースアートギャラリー廃止。
  • 2009年(平成21年) - 日本経済新聞社によって「日本の近代遺産50」に選ばれる[1]
  • 2012年(平成24年)秋 - 民間活力を利用し、一般公開しレストランとなった[2][3]
  • 2014年度(平成26年度) - 旧桜宮公会堂としてグッドデザイン賞受賞[4]

建物

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  • 玄関部分に青竜山石を使用したトスカナ式の6本の列柱の上に、軒蛇腹をはさんで三角形の切妻屋根(ペディメント)が載っている。桁行2.85m余、梁間15m余。
  • 屋根は一重切妻造銅板葺である。
  • 正面戸口の両脇には、円形アーチ状の窓がある。
  • 明治天皇記念館として整備された当時は、1階部分が講堂、2階部分が陳列室となっていたが、ユースアートギャラリーとしての改装時には1階部分も陳列室となった。

所在地・アクセス

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参考文献

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  • 「建築と社会」第18輯第21號(発行:日本建築協会、1935年12月)
  • 「大阪市の文化財」(監修:大阪市教育委員会、発行:大阪市文化財協会、1997年)

脚注

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外部リンク

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