小島輝正

小島 輝正(こじま てるまさ、1920年1月27日 - 1987年5月5日)は、日本フランス文学者翻訳家文芸評論家

人物[編集]

父の任地札幌に生まれる。本籍地東京東京府立高等学校から、1941年東京帝国大学仏文科をくりあげ卒業。仏印で貿易の仕事をするが敗戦で46年帰国。49年洛陽書院を興すがうまく行かず、50年神戸大学文理学部講師、55年助教授。『新日本文学』などに寄稿。64年教養部教授となり1983年定年退官、松蔭女子学院大学教授。1980年大阪文学協会理事長となり大阪文学学校の運営に携わり、織田作之助賞を創設。84年フランス政府よりパルム・アカデミー勲章を授与される。没後、大阪文学学校は小島輝正賞を創設した。

ルイ・アラゴンなどシュールレアリズム、ジャン=ポール・サルトルの実存主義を紹介するほか春山行夫を論じるなどした。大門充(おおもんじゅう)は別名義。著作集全5巻がある。(著作集の年譜による)『小島輝正ノート』中尾務(浮游社、2001)がある。

著書[編集]

作品名 出版社 出版年月 共著者
実存主義 三一書房(文芸思想史) 1957
サルトル文学論 青木書院 1957
西洋文学入門 青春出版社 1959
女子学生への手紙 青春出版社(青春新書) 1959 清水正徳、田口寛治
サルトルの文学 その理論と作品 ぺりかん社 1966
年表世界の文学 (編)創元社 1972
文学への誘い 読書案内/ホメロスからソルジェニツィンまで 文研出版 1973
アラゴン・シュルレアリスト 蜘蛛出版社 1974
春山行夫ノート 蜘蛛出版社 1980.11
ディアボロの歌 編集工房ノア 1984.3
素顔の大学教師たち 小島輝正対談授業 神戸新聞出版センター 1984.4
をんな学入門 冬鵲房 1986.10 大門充共著
小島輝正著作集(全5巻) 小島輝正著作集刊行会 1988-1989
関西地下文脈 葦書房 1989.1
始めからそこにいる人々 編集工房ノア 2000.1

翻訳[編集]

  • ハートの女王 マリア・ル・アルドゥーアン ダヴィッド社 1951
  • 心は太陽にみちて シモオヌ・テリー ダヴィッド社 1953
  • レ・コミュニスト 全10巻 ルイ・アラゴン 小場瀬卓三安東次男共訳 三一書房 1954-1957
  • 暗黒の青春 ピエール・クールタード 万里閣新社 1956
  • ソヴェト文学論 アラゴン 大月書店 1956
  • ゴーリキーの光 ルイ・アラゴン 世界文学大系 第49:筑摩書房 1960
  • 聖週間 アラゴン 平凡社 1963
  • 現象学的文学論 時間と小説 ジャン・プイヨン ぺりかん社 1966
  • アニセ またはパノラマ アラゴン 白水社 1975
  • ルイ・アラゴン詩集 土曜美術社 (世界現代詩文庫) 1984.5
  • アラゴン、自らを語る ドミニック・アルバンとの対談 玄善允共訳 冨岡書房 1985.10
  • 空があった 野口豊子詩集 境涯準備社 1986.9
  • メロヴィング王朝史話 オーギュスタン・ティエリ 岩波文庫(上下) 1992