乾いて候

乾いて候』(かわいてそうろう)は、小池一夫の作・原作による時代小説劇画。またそれを元に制作されたテレビドラマ・舞台劇。

主人公の腕下主丞(かいなげ もんど)は、原作者の小池が田村をイメージして描いたもので[1]田村正和の当たり役の一つである[2]

あらすじ[編集]

腕下主丞は表向きは8代将軍・徳川吉宗のお毒味役だが、裏では吉宗暗殺を企む尾張藩の刺客や甲賀忍者を斬り倒す凄腕の剣士。しかし、実は腕下主丞は吉宗に捨てられた過去を持つ隠し子であった[3]

小説[編集]

劇画[編集]

小島剛夕によって劇画化され、双葉社、後にスタジオ・シップから販売されたが、現在絶版。ただし、Yahoo!コミックとeBookJapanにより電子書籍として読むことが可能である。

テレビドラマ[編集]

1983年1984年フジテレビの単発時代劇枠『時代劇スペシャル』で特別番組としてドラマ化されたが、その評判が良かったため1984年に同局で連続ドラマ化され[4]、主要キャストに田村三兄弟をそろえたことで話題になった[5]。その後1993年にも再度特別ドラマ化された。

主人公・主丞の家紋が女性のキスマークだったり、「名君」として描かれる徳川吉宗を「権力ボケだが憎めないところのある馬鹿殿」として描いたりするなど、異色の脚色内容であった[4]

1983年版[編集]

お毒味役主丞 乾いて候』のタイトルで、1983年6月17日に放送された。

スタッフ
キャスト
フジテレビ 時代劇スペシャル
前番組 番組名 次番組
お毒味役主丞
乾いて候
(1983.6.17)

1984年版[編集]

乾いて候 お毒見役必殺剣』のタイトルで、1984年1月26日に放送された。引き続き『時代劇スペシャル』枠だが、前作とは放送枠が異なり、木曜21:02 - 22:48での放送となる。

スタッフ
  • 企画:高橋久仁男、佐伯明
  • プロデューサー:南條武史、大崎陽一郎
  • 脚本:志村正浩
  • 監督:原田雄一
  • 音楽:津島利章
  • 製作:フジテレビ、東映
キャスト
フジテレビ系 時代劇スペシャル
前番組 番組名 次番組
乾いて候
お毒味役必殺剣
(1984.1.26)
暗殺指令
(1984.2.2)

連続ドラマ版[編集]

1984年8月23日から同年9月27日まで木曜22:00 - 22:54で放送。全6回。本作をもって半年続いたこの枠は廃枠となり、次作『オレゴンから愛』からは『(ナショナル)木曜劇場』となる。

スタッフ
キャスト
各話タイトル
  1. お毒味役参上!
  2. 妖花・月光院始末
  3. 徳川暗殺記
  4. 女難人斬り旅
  5. 天一坊・疑惑の血脈
  6. お毒味役最後の賭け
フジテレビ系 木曜22時枠
前番組 番組名 次番組
乾いて候
フジテレビ系 木曜22時枠時代劇
夏の怪談シリーズ
乾いて候
(廃枠)

1993年版[編集]

乾いて候 母は生きていた!?その背後に潜む陰謀を田村三兄弟が斬る!!』のタイトルで、1993年4月7日水曜日)の19:30 - 21:24に放送された。

スタッフ
キャスト

舞台[編集]

乾いて候(1987年)大阪新歌舞伎座
 出演:田村正和、北村和夫、沖直美、志垣太郎(弟役)
    (1988年)新橋演舞場
 出演:田村正和、北村和夫、沖直美、丹羽貞仁(弟役)
    (1989年)大阪新歌舞伎座
出演:田村正和、久野綾希子沖直美坂上忍(弟役)
乾いて候 切なく生きて(1992年)新橋演舞場
出演:田村正和、長門裕之、波乃久理子、沖直美。吉川十和子、丹羽貞仁、大門正明、綿引勝彦
          (1993年)大阪新歌舞伎座
出演:田村正和、長門裕之、波乃久理子、沖直美。吉川十和子、丹羽貞仁、大門正明、綿引勝彦
          (2000年)大阪松竹座
出演:田村正和、北村和夫、平淑恵、片岡京子、奈良富士子、丹羽貞仁、滝田裕介、菅野菜保之、大和田伸也
新・乾いて候(2005年)
出演:田村正和

脚注[編集]

  1. ^ 乾いて候 切なく生きて 1992年9月特別講演 パンフレット 田村正和 インタビュー 参照 p.44-45
  2. ^ “田村正和さん、今見返したい名作10選。素敵なパパから色男まで”. 女子SPA. (2021年5月20日). https://joshi-spa.jp/1082049/3 2021年6月22日閲覧。 
  3. ^ お毒味役主丞 乾いて候”. 東映チャンネル. 2021年6月22日閲覧。
  4. ^ a b 小池一夫の名作伝説「乾いて候」 キスマークをチュッチュッ…前代未聞の唇紋2”. Zakzak. 2020年8月8日閲覧。
  5. ^ 俳優の田村正和さんが亡くなられました(享年77)” (2021年5月19日). 2021年7月16日閲覧。