ライフ・ライン

ライフ・ライン』は、1980年より、タイトルなどを変えながら日本各地の民放テレビ局で放映している宗教番組プロテスタント伝道番組)。現タイトルは1986年より放送。1989年以降は太平洋放送協会の制作。ラジオ番組世の光』のテレビ番組版に当たる。

番組コンセプトは「あなたの心に安らぎと希望を」。

前史:太平洋放送協会でのテレビ伝道[編集]

テレビ版「世の光」 (15分番組)[編集]

1952年にスタートしたラジオ版『世の光』が放送8年目を迎えた1960年10月、テレビ版『世の光』が信越放送にて放送開始された。13週間にわたって羽鳥明牧師らが信越放送のテレビスタジオから生放送でキリストの福音を伝えた。それから4年4か月後の1964年4月、テレビ版『世の光』が再び製作放送され、信越放送を含む全国8局ネットで放送された。半年後の10月には東京12チャンネル(現在のテレビ東京)でも放送を開始、さらに1年後の1965年11月には日本海テレビ北海道放送でも放送を開始した。同年12月24日(または25日)には同番組のクリスマス特別番組『メリー・クリスマス』(企画:太平洋放送協会、製作:東京12チャンネル)が東京12チャンネル、北海道放送福島テレビ信越放送日本海テレビの5局ネットで放送された。

「生きる」「見えますか、愛」[編集]

1979年1月、テレビ伝道番組『生きる』を同年3月まで東京12チャンネルにて放送した。テレビ版「世の光」以来、13年ぶりのテレビ伝道番組である。1984年4月には『見えますか、愛』がテレビ東京にて放送開始された。1985年1月には沖縄テレビ、1986年1月からはテレビ大阪もネット局として加わり、3局ネットで3月まで放送された。同年4月にはその続編と言うべき『見えますか、愛Ⅱ』がサンテレビにて放送された。

沿革[編集]

『PTLクラブ・主をほめよ』の開始[編集]

1980年10月に開始した『PTLクラブ・主をほめよ』(The PTL Club "Praise the Lord" アメリカのテレビ番組)の日本版に端を発する。アメリカノースカロライナ州で同名の団体を率いていたジム・ベイカー(またはジム・バカー、Jim Bakker)、タミー・フェイTammy Faye)夫妻のテレビ伝道のダイジェストを、日本語吹き替え、説教の前後に日本でスタジオ収録(主にテレビ埼玉のスタジオで収録)した素材を挿入したもので、馬橋キリスト教会ペンテコステ派単立)主任牧師の新井宏二と、町田クリスチャンセンター の初代牧師だった中川健一[1] が司会を務めた。

1984年4月、諸般の事情から新井が降板して中川がメイン司会者に昇格し、元ファッションモデルヨアンナ・ディック(現姓:スィラヴァン)をアシスタントに起用したものの、1985年には乱脈経営からPTLクラブ本部の財政難が深刻化したため、受入先の日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団本部内に置かれていた『PTLクラブジャパン』への資金供与が途絶。これにより教団で内紛が勃発し、同年末を以って中川が離脱、降板した(翌年以降は、主幹として立ち上げた新団体ハーベスト・タイム・ミニストリーズが、親イスラエルを掲げる別番組『ハーベスト・タイム』の制作配給に着手する)。

『ライフ・ライン』へのタイトル変更[編集]

1986年1月以降、中川が出演しなくなった『PTLクラブ・主をほめよ』は、スティーブ・フォックス(元ゴダイゴ)とヨアンナの司会になったが、1987年4月にはネット局が半減。

さらにベイカー夫妻に女性・麻薬・背任・脱税スキャンダルが続々と発覚してPTLクラブ本部が活動停止状態に陥ったため、事件直後にPTLクラブジャパンは『CTMジャパン』へ改称し、同年7月以降『ライフ・ライン』に番組名と内容を刷新した。ベイカー色の払拭に努め、ヨアンナ、ルーシー・ディック(ヨアンナの妹)、井上博元久米小百合(芸名:久保田早紀)らが司会するようになった。

CTMジャパンは、『ライフ・ライン』のみならず、劇的な説教と辛辣な他宗派攻撃で知られた『ジミー・スワガート・アワー』や、聖霊のバプテスマを強調する汝矣島純福音教会全日本福音宣教会)の『幸福への招待』といった、ペンテコステ派メガチャーチのテレビ伝道番組の日本版の制作配給も手掛けていたが、1988年2月スワガートにも姦通スキャンダルが発覚し、アッセンブリーズ・オブ・ゴッド総会で除名決議が下されたため、『ジミー・スワガード・アワー』までもが急遽中止された。

太平洋放送協会への制作組織移行[編集]

再々の混乱を受け同年12月、CTMジャパンは全資産を太平洋放送協会(PBA)に譲渡し、PBAテレビ部(PBA・CTM / Christian Television Ministries, Pacific Broadcasting Association)として吸収合併されたことで、ペンテコステ派の単独番組だった『ライフ・ライン』は、1989年2月より題名同一のまま新教系超教派の内容に一変し、出演者とスポンサーも全面的に刷新(対象地域別の放送伝道協力会方式)して現在に至る。

中川の後任としてPTLクラブジャパン→CTMジャパンで日本側コーディネーターを務めた吉山宏は、太平洋放送協会への併合を不服として、1991年に自前の伝道番組『ゴスペルアワー』(ゴスペルアワー伝道団こと日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団 小岩栄光キリスト教会)を持ち独立した。

2009年には『ライフ・ライン』番組開始20周年記念イベントが行われた。これにより、太平洋放送協会はCTMジャパン時代の『ライフ・ライン』(1986年7月 - 1989年1月)を番組の沿革に数えていない事が明らかになった。

出演[編集]

司会[編集]

2023年3月までは関根が司会者として進行を務めていたが、翌4月より、スタジオパートはなくなり、女性ナレーションによる進行に変わった。

メッセンジャー[編集]

オープニング曲[編集]

  • ((タイトル不明))(インスト)(作曲:久米大作、1989年4月 - 2007年3月?)
  • きょうのわたしに(歌:コパン、2007年4月? - 2012年3月)
  • 一歩(歌:平野翔一(ナイトdeライト)、2013年4月 -)

ネット局[編集]

オープニング終了後の30秒枠と聖書通信講座の後と今月の賛美(うた)の合間は地域によって教会の存在場所が異なるため差し替えを行う。このうち前者は差し替えない地域では番組の支援パートナー会員募集が流れる。BBCとSUNは双方を差し替えて近放伝加盟の教会案内となる。また、プレゼント応募の宛先部も地域により異なるため、差し替えが起こる。また日曜正午更新のYouTube配信は割愛

現在[編集]

放送対象地域 放送局名 放送系列 放送時間 開始時期 備考
静岡県 静岡第一テレビ(SDT) 日本テレビ系列 土曜 4:30 - 5:00 1989年4月 - [2]
青森県 青森テレビ(ATV) TBS系列 土曜 5:00 - 5:30 [3]
新潟県 新潟放送(BSN) TBS系列 土曜 5:15 - 5:45[4] 1997年4月 - [3]
沖縄県 沖縄テレビ(OTV) フジテレビ系列 土曜 5:30 - 6:00 2010年4月 - [5]
京都府 KBS京都(KBS) 独立局 土曜 6:30 - 7:00
千葉県 千葉テレビ(CTC) 土曜 7:00 - 7:30 2001年4月 -
滋賀県 びわ湖放送(BBC) 1989年4月 - [6]
埼玉県 テレビ埼玉(TVS) 土曜 8:00 - 8:30 1993年10月 -
北海道 北海道放送(HBC) TBS系列 日曜 4:45 - 5:15 1991年4月6日[7] - [3][8]
福島県 福島テレビ(FTV) フジテレビ系列 日曜 5:30 - 6:00 2013年4月 -
群馬県 群馬テレビ(GTV) 独立局 日曜 7:00 - 7:30 1998年10月 -
兵庫県 サンテレビ(SUN) 1989年4月 - [6]
神奈川県 テレビ神奈川(tvk) 日曜 8:30 - 9:00 [9]

過去[編集]

放送対象地域 放送局名 放送系列 放送時期 備考
愛知県 テレビ愛知(TVA) テレビ東京系列 1995年4月 - 終了時期不明
三重県 三重テレビ(MTV) 独立局 1997年10月 - 終了時期不明
福島県 福島放送(KFB) テレビ朝日系列 開始時期不明 - 2013年3月 福島テレビへ移行
香川県岡山県 西日本放送(RNC) 日本テレビ系列 開始時期不明 - 終了時期不明

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 大阪府大阪市生野区出身。一橋大学卒、日本マクドナルド設立初期のプロパー社員を経て、イリノイ州のトリニティ神学大学で牧会学修士号を取得。帰国後、日本バプテスト教会連合から内紛で独立、町田クリスチャンセンターを設立した。
  2. ^ 2023年3月25日までは土曜 5:00 - 5:30に放送されていたが『ズームイン!!サタデー』の放送開始時間が5:59から5:30に繰り上げになったため、全体が繰り上がって4月1日から現在の時間で放送。
  3. ^ a b c 毎年4月にTBS系列で中継されるPGAメジャートーナメントマスターズ・トーナメント』放送時は番組休止。
  4. ^ 2017年3月までは土曜 5:30 - 6:00に放送していた。
  5. ^ ハーベスト・タイム」の終了に伴い、後番組として放送開始した。
  6. ^ a b 近畿福音放送伝道協力会(近放伝)の提供で放送している。
  7. ^ 北海道新聞』(縮刷版) 1991年(平成3年)4月6日付朝刊、テレビ欄。
  8. ^ ラジオでも「世の光 いきいきタイム」が放送されており、事実上民放局で唯一、テレビ・ラジオ双方で「世の光」が放送されている。
  9. ^ 原則年末年始も休止とはならないが、横浜マラソン開催時に限り、2016年まではは放送休止。2017年はその前日の土曜 8:00 - 8:30、2022年は6時間半繰り下げの14:00 - 14:30、2023年は3時間半繰り下げの11:00 - 11:30に放送した。

資料文献[編集]

  • 「キリスト新聞」(キリスト新聞社)
  • 「PBA創立50周年記念誌・福音を恥としない」(2001年11月1日発行、太平洋放送協会)

外部リンク[編集]