ドリアーノ・スリス

ドリアーノ・スリス(Doriano Sulis、1947年[1] - )は、イタリア人琵琶職人で、筑前琵琶の製造、修復技術を伝承する唯一の人物[2]イタリア会館・福岡の館長でもある[1]

経歴[編集]

イタリアサルデーニャ島生まれ[2][3]ローマサンタ・チェチーリア国立アカデミアで、クラシックギターを学ぶ[1]。その後は、人形劇団に所属し、脚本や人形作りを手がけた[3]

ローマで日本人女性と知り合い、結婚し、1974年に来日した[2]

来日後、程なくして、ラジオで琵琶の音を聴いたことをきっかけとして、1975年に、当時唯一の筑前琵琶職人であった吉塚元三郎に弟子入りし、5年間に及ぶ修行生活を送る[2][3][4]

1981年イタリア語教室を併設するイタリア会館・福岡を設立し、館長となる[1][4]

1988年肥後琵琶山鹿良之から楽器の修復を依頼され、以降頻繁に交流する[4]。また、筑前琵琶のみならず、薩摩琵琶平家琵琶盲僧琵琶笹琵琶などの修復にあたり、琵琶の修復師として広く知られるようになった[3]

2022年、福岡市民文化活動功労賞を受賞し、福岡県指定無形文化財保持者に認定され、さらにJASRAC音楽文化賞を受賞した[3]

編著[編集]

  • 見て解るイタリア語 : アッベチェダーリオ. 増補・改訂版、福岡 : イタリア会館出版部、2011年

脚注[編集]

  1. ^ a b c d ドリアーノ スリス”. イタリア会館・福岡. 2023年1月16日閲覧。
  2. ^ a b c d 唯一の筑前琵琶職人ドリアーノ・スリスさんの思い”. Stellantis Japan Ltd. (2020年5月15日). 2023年1月16日閲覧。
  3. ^ a b c d e 日本には素晴らしい文化がある。ドリアーノ・スリスさん/琵琶職人”. JASRAC (2023年1月). 2023年1月16日閲覧。
  4. ^ a b c Doriano Biwa Project”. Doriano Biwa Project. 2023年1月16日閲覧。

外部リンク[編集]