ケブカサイ

ケブカサイ
復元図
復元図
地質時代
更新世後期
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 奇蹄目 Perissodactyla
: サイ科 Rhinocerotidae
: Coelodonta
: ケブカサイ C. antiquitatis
学名
Coelodonta
英名
Woolly rhinoceros

ケブカサイ (Coelodonta antiquitatis) は、更新世後期にユーラシア大陸北部に生息していたサイの一種。マンモスオオツノシカとともに氷期を代表する動物として知られる。学名は「中空の」の意。

概要[編集]

ケブカサイ骨格標本。

頭胴長約4メートル、体重は3、4トンに達したといわれる。鼻づらには2本のを持ち、前方は特に長大であった。歳をとった雄の中には、1メートルを超す角を持つものもいた。その姿は、旧石器時代の壁画にも描かれている。

イギリスからシベリア東部にかけて生息し、ツンドラ地帯に生息するため、厚い毛皮や熱の損失を防ぐための小さな耳など、寒冷地に適応した特徴を持つ。頬歯もまた、ツンドラ地帯の堅い草を食べるため高冠歯化していた。しかし、同時期にシベリアなどにも生息したマンモスとは違い、北アメリカ大陸からは化石が出土していない。そのためケブカサイはマンモスと異なり、ベーリング地峡を渡る機会がなかったのだと思われるが、その理由は不明である。

シベリア北東部では約3万年前に進出してきた人間と数千年間共生していたが、最終氷期の終わりごろに個体数が激減、絶滅した[1]

脚注[編集]

  1. ^ 「ケブカサイ」の絶滅、人間ではなく気候変動が原因か 研究”. AFP (2020年8月14日). 2020年8月14日閲覧。

関連文献[編集]

  • 冨田幸光『絶滅哺乳類図鑑』伊藤丙雄、岡本泰子、丸善、2002年。ISBN 4-621-04943-7 
  • ヘーゼル・リチャードソン、デイビッド・ノーマン(監修)『恐竜博物図鑑』出田興生(訳)、新樹社〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005年。ISBN 4-7875-8534-7 

関連項目[編集]

  • マンモス - 同じ場所から化石が発見されることも少なくなく、両者は混生していたのではないかといわれる。
  • エラスモテリウム - 同時代を生きたサイ。長大な1本の角を持つ。