エオトリケラトプス

エオトリケラトプス
エオトリケラトプス
E. xerinsularis
地質時代
後期白亜紀
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 鳥盤目 Ornithischia
亜目 : 周飾頭亜目 Marginocephalia
下目 : 角竜下目 Ceratopia
: ケラトプス科 Ceratopidae
亜科 : カスモサウルス亜科 Chasmosaurinae
: トリケラトプス族 Triceratopsini
: エオトリケラトプス属 Eotriceratops
学名
Eotriceratops
Wu, Brinkman, Eberth & Braman, 2007
  • E. xerinsularis Wu, Brinkman, Eberth & Braman, 2007模式種

エオトリケラトプス (Eotriceratops) は中生代後期白亜紀カナダアルバータ州に生きていた角竜類ケラトプス科恐竜。長さ約3メートルの頭骨を含む骨格一点で知られている。推定全長は約7~9メートル。その化石ホースシューキャニオン累層で発見された。

発見と命名[編集]

1910年初秋、バーナム・ブラウンアメリカ自然史博物館の探検に参加し、アルバータ州南部レッドディア川西岸に位置するドライアイランドで大きな化石を発見した。 だがブラウンは同じロケーションで大量のアルバートサウルスの標本が見つかった関係でそちらの方に気を取られ、前者の化石は見なかったことにした。ブラウンの発見は2001年にロイヤル・ティレル古生物学博物館カナダ自然史博物館がドライアイランドを探検するまでの90年間、現場に放置され続けた。その探検隊の料理人グレン・ガスリー(Glen Guthrie)がその年、アクシデントによりその骨格に気づいた[1]

復原図

エオトリケラトプスはシャオチュン・ウー (Xiao-Chun Wu)、ドナルド・ブリンクマン (Donald B. Brinkman)、デビッド・エバース(David A. Eberth)そしてデニス・ブラマン(Dennis R. Braman)によって2007年に記載された。模式種はエオトリケラトプス・ゼリンスラリス Eotriceratops xerinsularis属名の意味は「夜明けのトリケラトプス」を指す古代ギリシャ語種小名ラテン語で「乾いた島」を意味し、化石が見つかったドライアイランド・バッファロージャンプ州立公園に因んでいる[1]

ホロタイプRTMP 2002.57.5はホースシューキャニオン累層上部で見つかった。年代は白亜紀後期マーストリヒチアン、約6760万年前。下顎骨を欠く頭骨を含む部分的な骨格で構成される。フリル側の部分的な頭骨を保存しており、近縁のトリケラトプスのように目の上に巨大な角、鼻の上に小さな角がある。最低でも7つの頸椎、5つの胴椎、肋骨、そして骨化した腱が修復された。この標本は頁岩による保存が甘く、ほとんどの骨が壊れてしまっていた為、大部分が関節していない状態で見つかった[1]

2010年、グレゴリー・ポールはこの恐竜は属としての独自性に欠くため、トリケラトプス・ゼリンスラリス Triceratops xerinsularisにするべきであると提案した[2] が、これは他の研究者たちのフォローが得られず無視された。

参照できる他の標本として、別の種に分類されたオジョケラトプストロサウルス・ユタヘンシスがある。それらは同時代にニューメキシコに暮らしていた動物で、実際はエオトリケラトプスであった可能性がある[3]

分類的な位置付け[編集]

ネドケラトプストリケラトプストロサウルス、ないし、最近の子孫の直接の祖先。アリノケラトプスの子孫。

系統[編集]

系統[編集]

カスモサウルス亜科

ヴァガケラトプス

コスモケラトプス

カスモサウルス・ベリ

カスモサウルス・ルッセリ

モジョケラトプス

アグジャケラトプス

ユタケラトプス

ペンタケラトプス

ブラヴォケラトプス

コアフイラケラトプス

アンキケラトプス

アリノケラトプス

トリケラトプス族

レガリケラトプス

エオトリケラトプス

オジョケラトプス

ティタノケラトプス

ネドケラトプス

トロサウルス・ラトゥス

トロサウルス・ユタヘンシス

トリケラトプス・ホリドゥス

トリケラトプス・プロルスス

出典[編集]

  1. ^ a b c Wu, X-C.; Brinkman, D.B.; Eberth, D.A.; Braman, D.R. (2007). “A new ceratopsid dinosaur (Ornithischia) from the uppermost Horseshoe Canyon Formation (upper Maastrichtian), Alberta, Canada”. Canadian Journal of Earth Sciences 44 (9): 1243–1265. Bibcode2007CaJES..44.1243W. doi:10.1139/E07-011. 
  2. ^ Paul, G.S., 2010, The Princeton Field Guide to Dinosaurs, Princeton University Press p. 265
  3. ^ Wick, S. L.; Lehman, T. M. (2013). “A new ceratopsian dinosaur from the Javelina Formation (Maastrichtian) of West Texas and implications for chasmosaurine phylogeny”. Naturwissenschaften 100 (7): 667–82. Bibcode2013NW....100..667W. doi:10.1007/s00114-013-1063-0. PMID 23728202.