テメレーア (戦列艦)

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「解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号」 ターナー画(1838)ロンドン・ナショナル・ギャラリー
「解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号」 ターナー画(1838)ロンドン・ナショナル・ギャラリー
基本情報
建造所 チャタム工廠
艦種 ネプチューン級戦列艦
艦歴
発注 1790年12月9日
起工 1793年7月
進水 1798年9月11日
その後 1838年解体
要目
全長 185ft(56m)
最大幅 51ft(16m)
吃水 21ft(6.4m)
機関 帆走(3本マストシップ
兵装

上砲列:18ポンド(8kg)砲30門
中砲列:18ポンド(8kg)砲30門
下砲列:32ポンド(15kg)砲28門
後甲板:12ポンド(5kg)砲8門

艦首楼:12ポンド(5kg)砲2門
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テメレーアHMS Temeraire, 1798) はイギリス海軍の軍艦で98門搭載の2等戦列艦トラファルガー海戦に参加した。世界的にはターナーの絵画に描かれたことで著名。同名の軍艦としてはイギリス海軍では2代目である。

経歴[編集]

戦列艦テメレーアは1798年9月11日に進水した。艦名は1759年ラゴスの海戦で捕獲されたフランスの74門艦テメレール Téméraire, (イギリス海軍の初代テメレーア;1784年退役)の名を継承したものである。英語の Temerarious(向こう見ずな)でなくフランス語由来の艦名なのは、武勲を新造艦に引継ぐイギリス海軍の慣習による。

テメレーアはトラファルガーの海戦でネルソン提督の旗艦ヴィクトリーの戦列の2番艦であり、エライアブ・ハーヴェイ艦長のもと、ネルソンとその旗艦を助けて奮戦し、大きな被害を受けた。海戦においてテメレーアはヴィクトリーと交戦していたフランス74門艦ルドゥタブルを降伏させ、また74門艦フグーを捕獲した。

テメレーアは1812年から1815年まで監獄船として、また1836年まで新兵収容艦(receiving ship)として使用された後、解体のため1838年に売却された。廃材は教会の建設などに利用された。

絵画[編集]

テメレーアはターナーによる絵画によって有名になった。1838年に描かれた掲出の「解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号」(ロンドン・ナショナル・ギャラリー)は世界的な名画であり、2005年に行われたイギリス国内の一般投票により「最も偉大なイギリス絵画」に選ばれた。

この絵のタイトルは日本語では「戦艦テメレール号」となっているが、原語では「Fighting Temeraire」であり、トラファルガーでの奮闘をたたえる愛称となっている。