Wikipedia:ブック

Wikipedia ブックの印刷が仕上がったところ

概要

Wikipedia ブックとはウィキペディアに掲載された記事を整理してまとめ、外部サービスに送信してデータからPDF形式に変換したり、書籍の印刷を注文したりできるものです。サービスがブックのコンテンツを検索するごとに新たに編集され、アップロードは常にその時点の最新版の記事を反映しています。

ウィキペディアはブック毎に専用のページを作成、それぞれに記事の目次と章の題など書式設定のメタデータを保存します。ブックの保存先は自分の利用者ページのサブページにしたり、コミュニティ用ならBook:名前空間が選べます。ブック作成ツール「Book Creator」はブックのデザイン面をほぼすべて自動化しますが、使い慣れた編集者ならコードを手書きしてブックをデザインすることもできます。

以前はウィキペディアで電子ブックを作り、その場でダウンロードするサービスがありましたが、廃止されています。現在はブックを完成させたら、外部の会社PediaPress宛てにアップロードしてオンデマンド印刷で好きな部数を注文できるほか、MediaWiki2LaTeXなどの外部サービスから検索をかけ、印刷させることもできます。

ウィキペディア・ブックス全般に関する情報やご質問は、Help:ブック(一般的なヒント)やHelp:ブック/フィードバックをご参照ください。

ブックの検索

ブックはカテゴリで検索するか、特定の題名や話題を指定して検索すると見つかります。

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秀逸な記事と良質な記事
秀逸な記事良質な記事には、ウィキペディア日本語版でも高品質な記事を集めてあります。

経緯

Wikipedia ブックは2009年に英語版に実装されたときは、主に2つのパートで構成されていました。

  • ブック作成用UIはデータを加工してブックのデザインを決め、電子書式を選択して1冊ずつ電子書籍としてレンダリングする準備に使いました。
  • en:Wikipedia:Offline Content Generator (OCG) (英語)はバックエンドのサービス。選択した書式でブックをレンダリングし、ダウンロードの準備と実行ができました。

ただしウィキペディアでは経費がかかるため、直接、ブックを印刷したり注文の取次ぎはしていませんでした。そこで外部企業のPediaPressとの契約でウィキペディア用のレンダラを開発、出版用ウェブサイトを開設して利用者にWikipedia ブックのアップロードと、オンデマンド印刷の注文をしてもらいました。

やがてOCGサービスが陳腐化、維持不可能になったため2017年に停止しました(phab:T150871参照)。それ以来、Wikipedia ブックの印刷版はPediaPressなど外部サービスからしか入手できませんでした。

代わりとして名前が挙がったのは、オープンソースのChrome HTML-to-PDFレンダラエンジンを採用したElectronでした。Electronはブックには不向きと評価されたが、それでもOCGの後継として単一記事をPDF形式でダウンロードする機能を引き受けました。次にProtonが検討されたが、これもブックレンダリングには失敗し、2019年以降はElectronの後継として単一記事をPDF形式でダウンロードする機能で使用された。2018年4月にPediaPressがそれまでの自社内レンダラの経験に基づき、実行可能な代替品「Collector」の開発を試みました。新レンダラは初期機能を限定し、時間の経過とともに徐々に改善していく予定です。しかし、Collectorのコアサービスのアルファ版リリースは2019年4月時点でまだ使用できず、さらにクローズドソースだったためウィキメディア財団のサポートを受けられません。これとは別に、Dirk HünnigerがWikipedia ブックのPDFレンダリングを行うMediaWiki2LaTeXサービスを作成しましたが、Haskellで書かれたサービスだったため、ウィキメディア財団はサーバーを提供するにとどまった。

2021年9月現在、ブック作成用のデザインツール、PediaPressの印刷サービスが利用できます。

ウィキペディア日本語版ではBook名前空間が導入されておらず、「Book:」で始まるページは2021年9月に利用者サブページに移動されました。

関連項目