SUITE CHIC

SUITE CHIC
出身地 日本の旗 日本東京都
ジャンル ヒップホップR&B
活動期間 2002年 - 2003年
レーベル avex trax
メンバー #参加アーティストを参照

SUITE CHIC(スイート・シーク)は、日本ヒップホップR&Bアーティストおよびプロデューサー陣と安室奈美恵によるスペシャルプロジェクトである[1][2]

概要[編集]

日本のヒップホップ/R&B界を担うクリエイター陣が作り出すサウンドをバックに安室奈美恵が歌うというプロジェクト[3]

2003年2月26日にオリジナルアルバム『WHEN POP HITS THE FAN』をリリース。ヒップホップR&Bのアルバムでは異例のヒットとなり、オリコンでは最高4位を記録。累計セールスでも20万枚近くを売り上げた。

発足のきっかけは、VERBAL (m-flo) と今井了介が「日本ジャネット・ジャクソンって誰だろう?」という会話をしたこと。「安室奈美恵」という答えに行き着いた二人は、勝手に彼女が歌うことを想定したデモ曲を制作して本人に提案。それを聴いた安室が好反応を示し、逆に参加アーティストをリクエストしてプロジェクトが本格的に始動[3]。もともと安室の方も、誰か一緒にやりたい人間はいるかと聞かれた時に「VERBALさんと一緒に」と答えるほどm-floが好きで、すでに彼に曲も書いてもらっていた。「これからはこういう曲を歌って行きたい」と思っていたところに来た話なので、初めは自分のシングルとしてリリースするつもりだった。しかし次第に話が大きくなり、ソロとは別のプロジェクトとして作品を発表することとなった[1][4]

SUITE CHICというプロジェクト名はVERBALが命名したもので、「ハイクラス (= suite)でクール (= chic)」という意味[3]。また"Suite" には「揃い」「組」という意味もあるため、そこから安室は「オシャレ組合」と呼んでいる[3]

このプロジェクトは「安室奈美恵」とまったく違うものにしようという本人の意志もあり、ラップ・シンギング[注 1]、当時R&B界隈で行われていたメロディよりコーラスを先に録るレコーディング、それまでの作品には無かった低音域での歌唱など、様々なことに初挑戦している[5][6]。「安室奈美恵」では名前が邪魔して出来なかったり、やっても意図したようには受け取ってもらえなかったR&Bやヒップホップなどの音楽を、このプロジェクトをやることで将来的にソロでの活動に結び付けられればと言うのが安室の意図だった[7]。そして実際にこのプロジェクトへの参加以降、安室はソロ活動でもR&B、ヒップホップ色を強く押し出すようになり、本人による選曲やアイデアを楽曲に反映させるセルフプロデュース路線を歩み始めた[8][9]

参加アーティスト[編集]

ディスコグラフィ[編集]

シングル[編集]

# 発売日 タイトル 規格 品番 備考
1st 2002年12月18日 GOOD LIFE/Just Say So CCCD AVCD-30428 ジャケット全3種類、3万枚限定生産盤。
Just Say So: 京セラ「A1013K」CMソング
2nd 2003年2月5日 “Uh Uh,,,,,,”/baby be mine AVCD-30442 3万枚限定生産盤。

アルバム[編集]

発売日 タイトル 規格 品番 順位 備考
オリジナル 2003年2月26日 WHEN POP HITS THE FAN CCCD AVCD-17233 4位 2003年度年間80位。
コピーコントロールCD規格となっていたが、2017年時点では、コピーコントロールCDは廃止してCD-DA仕様に切り替えて流通している。
リミックス 2003年3月26日(廃盤) WHEN POP HITS THE LAB AVCD-17288 圏外

DVD[編集]

発売日 タイトル 品番 備考
2003年3月26日 WHEN POP HITS THE PIX AVBD-91151 唯一のDVDシングル。
「GOOD LIFE feat.FIRSTKLAS」「“Uh Uh,,,,,,” feat.AI」のミュージック・ビデオが現時点で観れるのは、この作品のみである。

アナログ[編集]

発売日 タイトル
2003年3月12日 GOOD LIFE feat. FIRSTKLAS
Just Say So feat. VERBAL (m-flo)
2003年4月30日 WHEN POP HITS THE FAN
2003年6月30日 WHEN POP HITS THE LAB:01
WHEN POP HITS THE LAB:02

参加・収録作品[編集]

リリース日 曲名 収録された作品
2003年9月25日 Wet'N Wild feat. SUITE CHIC Heartsdales『Sugar Shine』
2004年2月25日 Wet'N Wild feat. SUITE CHIC (Deckstream REMIX) Heartsdales『Heart Attack! 〜The Remixes & Video Clips〜』
2005年3月24日 “Uh Uh,,,,,,” feat. AI (Ver. 2K5) JHETT a.k.a. YAKKO for AQUARIUS『JHETT』
2011年4月27日 Wet'N Wild feat. SUITE CHIC 安室奈美恵『Checkmate!

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ラップのような韻がアクセントになりつつもメロディーはちゃんとある歌唱法。

出典[編集]

  1. ^ a b WHAT'S SUITE CHIC?”. SUITE CHIC OFFICIAL SITE. avex. 2003年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月25日閲覧。
  2. ^ bounce.com インタビュー(インタビュアー:猪又孝)「SUITE CHIC」『『bounce』 239号』、TOWER RECORDS ONLINE、2003年2月20日https://tower.jp/article/interview/2003/02/20/1000385042017年11月9日閲覧 
  3. ^ a b c d bounce.com インタビュー(インタビュアー:猪又孝)「SUITE CHIC(2)」『『bounce』 239号』、TOWER RECORDS ONLINE、2003年2月20日https://tower.jp/article/interview/2003/02/20/100038504/1000385052017年11月9日閲覧 
  4. ^ 安室奈美恵『『Queen of Hip-Pop』インタビュー』(インタビュアー:平賀哲雄)、Billboard JAPAN、2005年7月13日https://www.billboard-japan.com/special/detail/722017年11月25日閲覧 
  5. ^ bounce.com インタビュー(インタビュアー:猪又孝)「SUITE CHIC(3)」『『bounce』 239号』、TOWER RECORDS ONLINE、2003年2月20日https://tower.jp/article/interview/2003/02/20/100038504/1000385062017年11月9日閲覧 
  6. ^ bounce.com インタビュー(インタビュアー:猪又孝)「SUITE CHIC(4)」『『bounce』 239号』、TOWER RECORDS ONLINE、2003年2月20日https://tower.jp/article/interview/2003/02/20/100038504/1000385072017年11月9日閲覧 
  7. ^ bounce.com インタビュー(インタビュアー:猪又孝)「SUITE CHIC(5)」『『bounce』 239号』、TOWER RECORDS ONLINE、2003年2月20日https://tower.jp/article/interview/2003/02/20/100038504/1000385082017年11月9日閲覧 
  8. ^ 『永遠ていう安室奈美恵なんて知らなかったよね。』第1回”. 耳マン. リットー・ミュージック (2017年11月16日). 2017年11月19日閲覧。
  9. ^ 安室奈美恵がJ-POPシーンに与えた影響は? デビュー以降の音楽的変遷を辿る”. リアルサウンド (2017年9月24日). 2017年11月25日閲覧。

外部リンク[編集]