NNNドキュメント

NNNドキュメント
ジャンル ドキュメンタリー
出演者 なし(ナレーションのみ)
ナレーター 週替わり
オープニング 作曲:高橋慶吉(2011年 - 2013年)
『A Spaceman Came Travelling』(2014年 - )
製作
製作 NNN系列局(週替わり)
放送
放送チャンネル日本テレビ系列(地上波)
BS日テレ
日テレNEWS24
映像形式文字多重放送
音声形式解説放送
(ステレオ2、2017年10月から)
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1970年1月4日 - 現在
放送時間月曜日 0:55 - 1:25
または1:50(日曜日深夜)
放送分30分または55分
回数2510
公式サイト

特記事項:
放送回数は2020年2月3日未明(2日深夜)放送分まで[1]
再放送:翌週日曜(2020年4月から放送時刻変更)
8:00~(BS日テレ
5:00~ 24:00~(日テレNEWS24
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NNNドキュメント』(エヌエヌエヌドキュメント)は、1970年から放送されているNNN系列ドキュメンタリー深夜番組である。放送時の番組タイトルでは「NNNドキュメント'○○」(○○は西暦の下2桁)と表記される。『Nドキュ』と呼ばれることもある[2]

概要[編集]

1970年1月4日に放送を開始。現在放送中の日本テレビの番組では『キユーピー3分クッキング(NTVバージョン)』(1963年1月放送開始)、『笑点』(1966年5月放送開始)に次いで歴代第3位の長寿番組である[3]。当初は「番組リーダー」という進行役を置き、山口崇(1970年)、寺田農1971年)、仲谷昇1972年)がそれぞれ担当[4]。中には番組リーダーが自ら取材するケースもあり、復帰直前の沖縄の様子は3人とも現地取材を行った[5]1973年に進行役は廃止している[6]

年々放送時間が後ろにずれていき、通常編成時には日曜23時台開始だったものが、1990年4月から月曜0時台(日曜24時台)開始となり、放送時間が繰り下がる傾向はあるものの、放送開始当初から日曜版の夜ニュースNNNきょうの出来事NNNニュースGoing!Sports&News)の次の枠で放送されている。

本番組のネット局は当初読売テレビのみだったが[6]、徐々にネット局が増え現在ではNNN加盟30局のうちテレビ宮崎を除く29局に加え、NNNに加盟していない沖縄テレビを含む全30局で放送されている。『ドキュメント'70』のように、番組開始当初はタイトルに「NNN」は入っていなかったが[7]1974年4月よりNNNネットワークの共同制作番組となったのを機にタイトルに「NNN」が入るようになった[6]。ただし、沖縄テレビはNNN非加盟を考慮し「NNN」のクレジットは外されており、オープニングはNNN加盟局と同様だがタイトルに「NNN」が入らない形のものにしているほか、CM終了後の画面ではNNNクレジットが見えないように独自で隠している。スポンサーについては、各局個別である。

1974年4月より日本テレビだけでなくNNN系列各社が制作に参加するようになった。また、複数社による共同制作の形を取ることもある(例:2006年10月2日未明(1日深夜)に放送した「震度7を待つ」の静岡第一テレビ・日本テレビ・読売テレビ[8])。通常は30分番組であるが、おおよそ月に1回の割合で55分枠に拡大して放送している。

放送テーマは平和福祉環境教育雇用など。7・8月には広島テレビ制作の原爆症問題など、太平洋戦争を扱った企画が放送される傾向にある。2011年3月の東日本大震災福島第一原子力発電所事故以後、これらの話題を取り上げる場合は「3・11大震災シリーズ」のサブタイトルが基本的に付くようになった[9]。ローカルなテーマでも全国ネットで放送されることもあり、競争率は高く、年間50本程度放送する枠に対し、数百本という企画がNNN各社から日本テレビに上がってくるため、別名「甲子園」とも呼ばれている[7]。なお、内容の一部を再編集したものが夕方のニュース番組などでも特集されることがある。

ギャラクシー賞文化庁芸術祭大賞、日本民間放送連盟賞最優秀賞、放送文化基金賞などを受賞している他、エミー賞国際賞を日本の番組で初受賞している(1975年6月29日放送、日本テレビ制作『明日をつかめ!貴くん〜4745日の記録』[10])。

ナレーションは基本的に声優タレントが行っているが、制作局のアナウンサーや解説委員もナレーションを務めることがある(特に読売テレビ・札幌テレビ制作分にこの傾向があり、日本テレビや山口放送でも稀にある)。また取り上げた題材が個人に関わる場合、ごく稀に本人自身が担当する場合もある。

1990年3月以前は日曜日の23時55分からの放送であったが、同年4月からは日曜の内に放送開始とはならず、月曜0時開始となった。前述の通り、バラエティスポーツニュース番組枠の増大などもあり、現在は月曜0時55分(日曜日深夜)からの放送[注 1]となっている。放送時間帯の件についてはNNNのキー局である、日本テレビ側でも2010年1月の定例記者会見1月25日)の中で、番組40周年を取り上げた際に、放送曜日と時間帯の変更も示唆していたが[11]、現時点で枠移動されることなく、従前通りの時間帯での放送を継続している。

西暦2000年代に入ると、タイトルに西暦が付く番組は上2ケタの省略を止めるケースが見られるが(例:フジテレビ系『LIVE'9x→20xx ニュースJAPAN』)、当番組は上2ケタの省略を継続している(同様のテレビ番組にTBS系『オールスター感謝祭』がある)。

番組のオープニングタイトルは、かつては毎年ごとに変更されていたが、西暦2000年代頃からは数年ごとの変更となる。映像は1980年代半ばまでフィルム撮影だった。2023年現在のオープニングタイトルは2020年から使用されている。

現行の1世代前、『NNNドキュメント'14』~『- '19』のオープニング曲は、クリス・デ・バー作曲の"スペースマン・ケイム・トラヴェリング"(1975年)のサビの部分をアレンジしたものである。(シリーズ「戦後70年」等、戦争について扱った企画、シリーズ「平成」を除く。)

在京キー局が制作し系列局が制作に参加するドキュメンタリー番組では、唯一全国同時ネットで放送している。ただし、テレビ宮崎は不定期放送、沖縄テレビは遅れネットでそれぞれ放送している。

スタッフ[編集]

  • チーフプロデューサー:原井聡明→谷原和憲→有田泰紀→納富隆治
  • プロデューサー:桂知子、加藤就一、今村忠、矢岡亮一郎
  • ディレクター:NNN各局、及川光昭
  • 編集:佐藤幸一

ネット局[編集]

『NNNドキュメント』ネット局
放送対象地域 放送局 系列 放送日時 ネット状況 備考
関東広域圏 日本テレビ(NTV) 日本テレビ系列 月曜 0:55 - 1:25
(日曜深夜)
または
月曜 0:55 - 1:50
(日曜深夜)
同時ネット NNN基幹局
NNN加盟局が無い沖縄県についても取材対象[12]
北海道 札幌テレビ(STV)
青森県 青森放送(RAB)
岩手県 テレビ岩手(TVI)
宮城県 ミヤギテレビ(MMT) 1970年10月4日開始。
秋田県 秋田放送(ABS)
山形県 山形放送(YBC)
福島県 福島中央テレビ(FCT) 1971年10月3日開始。
山梨県 山梨放送(YBS)
新潟県 テレビ新潟(TeNY) 1981年4月5日開始。
1981年3月29日まで新潟総合テレビで放送。
長野県 テレビ信州(TSB) 1984年10月1日開始[13]
開始から1987年4月13日までは遅れネット。
1987年4月26日からは同時ネット[14]
静岡県 静岡第一テレビ(SDT) 1979年7月1日開始。
1978年7月2日から1979年6月24日まで
静岡けんみんテレビで放送。
富山県 北日本放送(KNB)
石川県 テレビ金沢(KTK) 1990年4月2日未明(1日深夜)開始。
福井県 福井放送(FBC)[注 2]
中京広域圏 中京テレビ(CTV) 1973年4月1日開始。
1973年3月25日まで名古屋テレビで放送。
近畿広域圏 読売テレビ(ytv)
鳥取県・島根県 日本海テレビ(NKT) 1972年9月24日までは鳥取県のみ、
1972年10月1日以降は島根県も加わる。
広島県 広島テレビ(HTV)
山口県 山口放送(KRY)
徳島県 四国放送(JRT)
香川県・岡山県 西日本放送(RNC) 1983年3月27日までは香川県のみ、
1983年4月3日以降は岡山県も放送対象地域に加わる。
(取材対象はそれ以前から両県が対象[15]
愛媛県 南海放送(RNB)
高知県 高知放送(RKC)
福岡県 福岡放送(FBS) 佐賀県も取材対象。
1990年10月7日から1991年3月31日まで
長崎県も取材対象。
長崎県 長崎国際テレビ(NIB) 1991年4月8日未明(7日深夜)開始。
1990年10月1日未明(9月30日深夜)までテレビ長崎で放送。
熊本県 くまもと県民テレビ(KKT) 1982年4月4日開始。
同局が開局するまでの熊本県の取材(特に水俣病関係のもの)は
主に日本テレビが行っていた[16]
大分県 テレビ大分(TOS) 日本テレビ系列
フジテレビ系列
1970年4月5日開始。
鹿児島県 鹿児島読売テレビ(KYT) 日本テレビ系列 1994年4月4日未明(3日深夜)開始。
1994年3月28日未明(27日深夜)まで鹿児島テレビで放送。
沖縄県 沖縄テレビ(OTV) フジテレビ系列 月曜 1:45 - 2:15
(日曜深夜)
遅れネット 唯一のNNN非加盟局。
「NNN」の冠を外して放送。[注 3]
宮崎県 テレビ宮崎(UMK) フジテレビ系列
日本テレビ系列
テレビ朝日系列
不定期放送 正式放送開始は2006年4月3日未明(2日深夜)から。
(以降、不定期で放送)
日本全域 日テレNEWS24 CSデジタル 日曜 5:00 - 5:30
または
日曜 5:00 - 6:00
(再放送)
月曜 0:00 - 0:30
(日曜深夜)
または
月曜 0:00 - 1:00
(日曜深夜)
遅れネット 「BREAKING NEWS」・「地震速報」が
入った場合等は中断または休止されることがある。
BS日テレ BSデジタル 日曜 8:00 - 8:30
または
日曜 8:00 - 8:55
制作参加局ではないが、
2010年4月4日より放送開始。[注 4]
その他のネット局
  • 石垣ケーブルテレビ(沖縄テレビの石垣島中継局が開局するまでは制作に参加していたことがある。例えば石垣空港移転問題)
  • NHK BSプレミアムで、2015年9月28日に放送された「ザ・ベストテレビ2015」では、中京テレビ製作の「マザーズ~特別養子縁組と真実告知」(2014年4月20日放送分)が放送された。これは、この回が「日本放送文化賞」を受賞した為[17]

ネット局等に関する備考[編集]

  • 北日本放送は、1976年頃の一時期は火曜23:50からの遅れネットだった[18]
  • 読売テレビは、第1次オイルショックによる電力節減の一環として放送終了時間の繰り上げ措置がとられた期間(1974年1月20日 - 5月5日)は当番組の放送を一時休止していた[19]
  • 鹿児島テレビ(KTS)は、1992年4月の改編に伴い日本テレビ系の深夜番組枠が廃止されたが、それ以降も当番組のみが残存。鹿児島読売テレビ(KYT)開局直前の1994年3月28日未明(27日深夜)まで引き続き放送された。
  • 動画配信サービスによる動画配信はHuluで行われ、TVer等による無料見逃し配信は2019年現在実施されていない。また、2022年3月からは『Nドキュポケット』と題して、過去に放送した作品の中からインターネット配信の許可が得られた作品のダイジェスト版を製作し、日テレNEWSのYouTubeチャンネルにて配信公開している[2]

特記事項[編集]

異時放送[編集]

2011年10月は日本テレビ系列フルネット28局[注 5]にて、「ラグビーワールドカップ2011」中継の関係で3週連続して通常の放送時間での放送が不可能だったため、以下のような措置がとられた。

  • 10月10日放送分(30分枠):10月3日放送分(30分枠)の直後に続けて振替放送。結果、10月3日は60分枠での放送。日テレNEWS24では10月9日にこの60分枠を18:00 - 19:00に放送。
  • 10月17日放送分(55分枠):10月22日 10:30 - 11:25[注 6]に振替放送。日テレNEWS24では10月30日にこの55分枠を18:00 - 19:00に放送。
  • 10月24日放送分(30分枠):10月31日の通常の放送時間帯で振替放送を行った後に、10月31日放送分(30分枠)を放送。結果、10月31日は60分枠での放送。日テレNEWS24では11月6日にこの60分枠を18:00 - 19:00に放送。
    • 日テレNEWS24における10月17日・24日の通常の放送時間帯には、何れも15:00から放送の「ニュース30+」を19:00まで延長して放送。
    • BS日テレでは日本テレビ系列フルネット28局で本来放送されるはずの日の放送分を、何れもその6日後の日曜日11:00から放送。

拡大放送[編集]

2020年2月3日(2日深夜)放送分は番組50周年を記念して、「あなたは、いま幸せですか?」をテーマにNNN系列29局(テレビ宮崎を除く)が取材した3~5分間のショートドキュメンタリーを30本連続して放送。180分(3時間)の拡大版として、0:55 - 3:55に放送した[1][7][注 7][20]

  • 日テレNEWS24でも2月15日15:00から放送したが、BS日テレでは編成上の都合で、この週のみ放送休止にした[21]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 特別番組やスポーツ中継の延長など、日本テレビ系列の編成によってはさらに放送開始時間が遅れる場合がある。
  2. ^ テレビ朝日系列(サブ)とのクロスネット局でもあるが、テレビ朝日系列の一般番組供給部門には非加盟で、日本テレビの公式ウェブサイト上でも単独ネット扱い。
  3. ^ 編成上の都合により放送時間が変更されることがある。
  4. ^ 2020年3月までは日曜 11:00 - 11:30または11:00 - 11:55で放送していた。
  5. ^ もともと単独加盟だった、現在はテレビ朝日系列(サブ)とのクロスネット局である福井放送も含む。
  6. ^ 当該時間帯はローカル枠につき、日本テレビ山形放送福島中央テレビテレビ新潟以外では別日時での放送となった。
  7. ^ 沖縄テレビでは2月24日1:15 - 4:15に放送した。

出典[編集]

  1. ^ a b 「NNNドキュメント50周年特番」放送へ”. 日本テレビ放送網(2020年2月1日作成). 2020年2月4日閲覧。
  2. ^ a b 中島優 (2022年12月11日). “長寿ドキュメンタリー番組の二大巨頭がYouTubeに進出 『NNNドキュメント』『ザ・ノンフィクション』が見据える先”. マイナビニュース. p. 1. 2022年12月12日閲覧。
  3. ^ 『“NNNドキュメント” 放送開始40年』 - 日本テレビ放送網 2010年1月25日
  4. ^ 『NNNドキュメント・クロニクル1970-2019』, p. 30.
  5. ^ 『NNNドキュメント・クロニクル1970-2019』, p. 79.
  6. ^ a b c 日本テレビ放送網『大衆とともに25年 -沿革史-』1978年、244-245頁。 
  7. ^ a b c 『NNNドキュメント』制作者の“誇り”が継承された50年 有田CPに聞く”. マイナビニュース(2020年2月2日作成). 2020年2月9日閲覧。
  8. ^ 『NNNドキュメント・クロニクル1970-2019』, p. 1022.
  9. ^ 『NNNドキュメント・クロニクル1970-2019』, p. 48.
  10. ^ 『NNNドキュメント・クロニクル1970-2019』, p. 193-195.
  11. ^ 『2010年1月25日 日本テレビ 定例記者会見』 - 日本テレビ放送網 2010年1月25日 (PDF)
  12. ^ 希望と翻弄の狭間で 基地の島 沖縄で暮らす”. 日本テレビ放送網(2014年11月16日作成). 2020年3月12日閲覧。
  13. ^ 1984年10月1日 信濃毎日新聞 テレビ欄
  14. ^ 1987年4月13日、4月26日 信濃毎日新聞 テレビ欄
  15. ^ 日本テレビ放送網株式会社社史編纂室 編『大衆とともに25年 沿革史』日本テレビ放送網、1978年8月28日、373 - 374頁。NDLJP:11954641/203 
  16. ^ 『NNNドキュメント・クロニクル1970-2019』, p. 96.
  17. ^ 「マザーズ」が日本放送文化大賞グランプリを受賞!! - 番組ホームページ
  18. ^ 富山新聞 1976年6月22日付朝刊テレビ欄より。
  19. ^ 読売テレビ50年社史編纂委員会 編纂『読売テレビ50年社史』2009年、106頁。 
  20. ^ NNNドキュメント【公式】@n_docuのツイート(2020年1月29日作成)”. 2020年1月30日閲覧。
  21. ^ NNNドキュメント 50周年特番 あなたは、いま幸せですか?”. 日本テレビ放送網. 2020年1月30日閲覧。

参考文献[編集]

  • 丹羽美之 編『NNNドキュメント・クロニクル1970-2019』東京大学出版会、2020年。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]