LGBT史年表

LGBT史年表(LGBTしねんぴょう)では、LGBTレズビアンゲイバイセクシュアルトランスジェンダー)の歴史に関する年表を示す。

紀元前[編集]

  • 紀元前9600年から紀元前5000年 シチリア島の中石器時代の岩絵には、男根の男性像がペアで描かれており、狩猟者、曲芸師、宗教の修練者、男性の同性愛の描写など、さまざまに解釈されている。[1][2]
  • 紀元前7000年から紀元前1700年 地中海地域の新石器時代や青銅器時代の絵や置物に描かれた性的描写のうち、ある著者が言うように、女性の乳房と男性の性器を持つ、あるいは性徴のない「第三の性」の人間像である。新石器時代のイタリアでは、女性像は家庭的な文脈で発見され、性的特徴を併せ持つ像は埋葬や宗教的な場面で見られる。新石器時代のギリシアとキプロスでは、人物はしばしば両性具有であるか、識別できる性的特徴のないものである。[3]
  • 紀元前2900年から紀元前2500年 チェコ共和国プラハ郊外の埋葬では、通常は女性専用の衣装を着た男性が埋葬されている。考古学者らは、この埋葬者はトランスジェンダーか第三の性の人物に相当すると推測している。[4]
  • 紀元前25世紀から紀元前24世紀 エジプト第5王朝時代にカーヌムホテップとニアンカーカーヌムの墓が建てられる。この2人の男性は恋人同士との説があり、史上最古の同性愛関係の記録と考えられうる[5]

少年愛は古代ギリシア全体に広く見られたもので、スポーツ、文学、政治、哲学、芸術、戦争に影響を及ぼし、またその原因になり、文化を花咲かせもした。さらに、ギュムナシオン(体育館兼学校)と運動選手が全裸であることとも関連がある[6][7]

1世紀から10世紀[編集]

  • 54年 ネロローマ皇帝に即位する。ネロは2人の男性と法的な儀式を経て結婚し、少なくともそのうちの1人は皇后と同じ栄誉を認められた[10]
  • 98年 ローマ皇帝のなかで最も愛されている者の1人であるトラヤヌスの治世が始まる。トラヤヌスは同性愛と若い男性を溺愛したことでよく知られている。そして、このことはエデッサアブガル7世に利用された。アブガルは悪行でトラヤヌスの怒りを買った後、謝罪のため自分の美しく若い息子をトラヤヌスのもとに送り、許しを得ている[11]
  • 130年 ハドリアヌス帝が愛したアンティノウスナイル川で溺死し、ハドリアヌスは彼を神格化した。アンティノウスは実際皇族以外で神格化された最後の人物である。彼の肖像は数多くの彫像に見られ、多くの人が彼の顔は古代人の顔としては最もよく知られているものだと信じている。
  • 498年 男性の同性間の性交を禁止する法令があるにもかかわらず、キリスト教徒の皇帝はアナスタシウス1世の治世まで男娼から税金を徴収し続けた。この年ついにアナスタシウス1世はこの税金を廃止する[15]
  • 529年 キリスト教徒の皇帝ユスティニアヌス1世(在位:527-565)が同性愛者を「飢饉、地震、疫病」のような諸問題のスケープ・ゴートにした[16]
  • 589年 西ゴート王国アリウス派からカトリックへ改宗する。この改宗により、同王国の法がカトリック諸国の法に合わせて改定されることになる。この改定には男性同性愛者とユダヤ人を迫害する規定が含まれる[17]

11世紀から15世紀[編集]

  • 1000年-1100年  スカンディナヴィアでは, 宗教的 異性装が数世紀の間続いていた。また、中世初期のスカンディナヴィアでは父親の土地を相続した息子だけが結婚できた。これ以外の息子はその土地を去らなければならず、彼らは戦士たちの社会に加わった。女性は厳しく純潔であることを期待され、このルールの違反に対しては厳罰に処せられたのだが、おおむね女性は人に会うことができなかった。こうして、この戦士たちのクラブでは、少年愛が制度化された生活様式として習慣的に行なわれた。
  • 1051年 聖 ペトルス・ダミアニが『ゴモラの書』を著す。同書で彼は様々な種類の同性間の性交をどぎつく描写した上で、同性間の性交がきわめて広く、特に聖職者の間で行なわれている述べている。彼は同性愛が止めさせるべき重大な問題だと同時代の人々を説得することはできなかった。一方、レオ9世 (ローマ教皇)は同性愛を「重大な罪」だと考えたが、にもかかわらず, ペトルス・ダミアニが要求したように厳しく罰することには消極的だった。
  • 1100年 シャルトルイヴォ は同性愛が危険だとローマ教皇 ウルバヌス2世を説得しようとする。イヴォはトゥール大司教ラウル(またはラルフ)がフランス国王にジョンをオルレアン司教に叙任させたと告発した。ジョンがラウルの恋人だということはよく知られていて、ジョンは国王とさえ関係をもったことがあった。国王はこのことをおおっぴらに自慢していた。しかし、ウルバヌス2世はこの叙任を重大な問題とは考えなかった。ジョンはおよそ40年間司教職を務め、ラウルは有名で非常に尊敬され大司教であり続けた。
  • 1102年 ロンドン教会会議イングランドの人々が同性愛は罪深いことだと知るのを保障する措置をとった。この措置は教会の同性愛に対する態度を大きく変えるものだった。それまで教会は同性愛に対してほとんど関心がなく、最悪でも同性愛は軽い罪にしかならなかったからだ。聖職者の中にも同性愛者が多かったのだが、この教会の態度の変化の原因の1つは、クリュニーバーナードのような道徳改革者たちが変化を呼びかけたことと思われる。
  • 1250年-1300年 「1250年から1300年までの間に、同性愛行為はヨーロッパの大半の国ではまったく合法的な行為から同時代の数少ない国の法令では死刑をまねく行為へと変化した」 -- John Boswell, Christianity, Social Tolerance, and Homosexuality (1980) p. 293. しかし、他の歴史学者はこのボズウェルの主張に異を唱えている。
  • 1370年代  1370年代 アントウェルペン でJan van AersdoneおよびWillem Caseという2人の男性が処刑された。彼らの罪状は中世ヨーロッパでは違法であり激しくそしられた同性間の性交であった。AersdoneとCaseは目立ったので、彼らの氏名の記録が残っている。このほかに現在でも名前が知られている14世紀のカップルはヴェネツィアのGiovanni Braganza とNicoleto Marmagnaである[18]

16世紀から18世紀[編集]

  • 1649年 3月レズビアン行為に対して北アメリカで初の有罪判決が出る。Sarah White Normanはマサチューセッツ州プリマスでMary Vincent Hammonとベッドの上でお互いにみだらな行為をしたと告発されていた。Hammonは16歳未満だったので起訴されなかった[20]
  • 1716年 日本で武士道の心得の中で、男色の作法についても説いた『葉隠』が出される。
  • 1779年 アメリカ合衆国トーマス・ジェファーソンがバージニア刑法典の草案を準備する。この草案ではソドミーの処罰は去勢にすることが構想されていた。 法案には「強姦、重婚、ソドミーで有罪となった者は何人であれ罰せられる。男の場合、去勢されるものとする。女の場合、軟骨を通して鼻に小さくとも直径0.5インチの穴を1つ開けられるものとする」とある。
  • 1791年   フランス革命政府が新しい刑法典を採択する。この法典ではソドミーはもはや犯罪ではない。こうしてフランスは西ヨーロッパで最初に合意した成人間の同性愛行為を非犯罪化した国になった。

19世紀[編集]

  • 1863年 イギリスで人に対する犯罪法が改正され、「反自然的性交」(この用語は1830年代以降は用いられていない)に対する死刑が廃止され、刑罰が10年以上の懲役または終身刑になった。
  • 1880年  日本が同性愛行為の中で肛門性交のみを違法としていたのを取りやめ、非犯罪化する。ただし、違法とされたのは1872年11月の「鶏姦律条例」発令以降の約9年間(1873年7月施行の改定律例の鶏姦罪以降なら約8年半)のみであり、1880年制定の旧刑法からは削除され、1882年1月1日の旧刑法施行で消滅した。この期間は日本の歴史上唯一、同性愛行為の一部が犯罪とされた時期だった。(江戸期までは同性愛は男色衆道として非常に盛んに行われていた)。またこの期間も同性愛自体が違法化されたわけではなく、薩摩藩などでは男色は盛んに行われており、ザル法化していた(参照)。
  • 1895年 1885年刑法改正法に基づき重大な猥褻行為の罪で起訴されたオスカー・ワイルドの裁判が結審し、2年間の懲役という判決が出た。

20世紀[編集]

1900年代[編集]

1910年代[編集]

  • 1913年 ファゴット(faggot)という単語が、オレゴン州ポートランドで出版された犯罪に関する隠語集の中でゲイを指す単語として出版物で初めて用いられる。該当箇所は次の通り。「今夜舞踏会ですべてのファゴットが女装しているだろう」
  • 1917年 ロシア 10月革命により第995条を含む従来の刑法が廃止される。

1920年代[編集]

  • 1921年  イングランドでイギリス史上初めて女性同性愛を違法にしようという試みがあるが、失敗する。
  • 1923年  「ファッグ」(fag)という単語がNels Andersonの『ホーボー』で出版物では初めてゲイを指すものとして用いられる。該当箇所は次の通り。「フェアリーまたはファッグとは利益のために性を利用する男である」
ドイツのレズビアン雑誌Die freundin1928年5月14日号 (Friedrich Radszuweit)

1930年代[編集]

1940年代[編集]

  • 1940年  アイスランドが同性愛を非犯罪化する。
  • 1941年  性転換願望」という単語が同性愛と両性愛を指すものとして初めて用いられる。
  • 1942年  スイスが同性愛を非犯罪化する。性交同意年齢は20歳とされた。
  • 1944年 
  • 1945年  連合国軍によりナチスの強制収容所が解放されるが、そこに同性愛を理由として収容されていた人々は自由にはならず、ドイツ 刑法第175条に基づく判決で定められた刑期が終わるまで服役することを要求される。ポルトガルが同国史上2回目の同性愛の非犯罪化を行なう。
  • 1946年 最も古い同性愛擁護組織の1つCOC (文化・余暇センター)がオランダで創設される。これは現在存在しているLGBT組織としては最も古いものだ。
  • 1947年 北アメリカ初のLGBT出版物「ヴァイス・ヴァーサ」(Vice Versa)がロサンゼルスイーディス・エイディー により書かれ自費出版される。
  • 1948年 
    • デンマークで同性愛者団体「1948年連盟」が組織される。
    • ポーランドの共産主義政権が同性愛・異性愛を問わず、あらゆる性交の同意年齢を15歳とする。

1950年代[編集]

1960年代[編集]

  • 1960年 日本で男性同性愛専用ページや女装専用ページが常設されたSM雑誌「風俗奇譚」が創刊される。
  • 1961年 
    • チェコスロバキアハンガリーがソドミーを非犯罪化する。
    • ローマ教皇庁が「同性愛に対してよこしまな性癖に影響されている」者は誰であれカトリック教会内において聖職者になることも叙任されることも許されるべきではないと宣言する。
    • ホセ・サリアがアメリカ合衆国で最初に自分がゲイであることを明らかにした公職の候補となり、市政委員に当選する。
  • 1962年 イリノイ州が刑法からソドミー法を除いたアメリカ合衆国最初の州となる。
  • 1963年  イスラエルが(実際には実施されていなかった)1936年イギリス統治時代に制定された法律の関連する条項の執行を拒否する裁判所の判決により事実上ソドミーと男性同士の性行為を非犯罪化する。
  • 1966年 
    • ニューヨークマタシン協会ニューヨーク州アルコール飲料局がゲイにアルコール飲料を出すのを禁止していることに対抗して、ニューヨーク市にあるバーのジュリアスにてシップ・イン(Sip In、同性愛を公表した後に酒をオーダーする行動)を行なう。
    • 同性愛擁護組織全国計画会議(1967年にNACHO、北米同性愛擁護組織会議になる)が設立される。
    • コンプトンズ・カフェテリアの反乱が起こる。
  • 1969年 
    • 6月28日から7月にかけてニューヨークで ストーンウォールの反乱が起こる。
    • 西ドイツで刑法第175条が緩和される。
    • カナダでソドミーについては性的同意年齢21歳、非ソドミーについては同意年齢14歳で同性愛行為が合法化される。
    • ポーランドが同性間の売春を非犯罪化する。
    • カナダの首相の「政府は国民の寝室には立ち入らない」という発言が格言として引用される。
    • メルボルンでオーストラリア初の同性愛者権利組織といえる「ビリティスの娘たち」オーストラリア支部が設立される。

1970年代[編集]

  • 1970年 
    • コソボが同性愛を非犯罪化する。
    • ニューヨーク市で最初のゲイ・リベレイション・デイ・マーチが行なわれる。
    • ロサンゼルスで最初のゲイ・フリーダム・デイ・マーチが行なわれる。
    • サンフランシスコで最初の「ゲイ・イン」が行なわれる。
    • オーストラリアでCAMP (Campaign Against Moral Prosecution、道徳的起訴反対キャンペーン)が組織される。
  • 1972年 
    • スウェーデンが世界で最初にトランスセクシュアルに法律上性の変更を認め、無料でホルモン投与を受けられるようにする。
    • スウェーデンが同性間の性的同意年齢を異性間と同じ15歳に統一する。
    • ハワイ州が同性愛を合法化する。
    • 南オーストラリア州で労働党のドン・ダンスタン政権が私生活における同意成人(consenting adult)というタイプの抗弁を導入する。この抗弁はロバート・ヒル元国防大臣の父マリー・ヒルが提出した法案によって始められたことだが、1975年に州のソドミー法を廃止することになる。
    • ノルウェーが同性愛を非犯罪化する。
    • ミシガン州イーストランシングおよび アナーバーならびにサンフランシスコがアメリカ合衆国で最初に同性愛者の権利条例を制定した都市となる。
    • サンフランシスコのジム・フォスター(Jim Foster)とバッファロー (ニューヨーク州)マデレン・D・デイヴィス(Madeline D. Davis)がマイアミで開かれた民主党 (アメリカ)大会にゲイとレズビアン初の代表となり、民主党綱領に同性愛者の権利という項目を入れるように主張する初の演説を行なう。
    • 初の同性愛讃歌「ストーンウォール・ネイション」がマデレン・D・デイヴィスによって作曲・録音され、ナイアガラ・フロンティアのマタシン協会によって45 rpmレコードからリリースされる。
    • アメリカ合衆国初の女性同性愛を扱った科目「女性同性愛101」がバッファロー大学でマーガレット・スモール(Margaret Small)およびマデレン・D・デイヴィスにより教えられる。
  • 1975年 
    • エレイン・ノーブル英語版が同性愛者であることを公表しているアメリカ人としては2番目に公職に選ばれ、マサチューセッツ州議会下院議員となる。
    • 南オーストラリア州が同意成人の間での私生活における同性愛を合法化したオーストラリアで最初の州となる。
    • パナマが性別適合手術を受けたトランスセクシュアルに新しい性別を反映した個人用文書の交付を認めた世界で2番目の国となる。
  • 1977年 
    • 3月、日本でゲイ団体「フロントランナーズ」結成、6人前後で数年間活動する。
    • 5月、日本で既成のゲイ雑誌に不満を持った人たちが、ゲイリブを編集趣旨としてゲイマガジン『プラトニカ』発刊。後にプラトニカ母体のサークル「プラトニカ・クラブ」結成。プラトニカ・クラブが発展的に解消し、「JGC」(Japan Gay Center、ジャパンゲイセンター)になり、機関紙『GAY』(1979年7月創刊)、『CHANGE』(1981年5月創刊)を刊行。
    • サンフランシスコで ハーヴェイ・ミルクが市会議員に選出される。すでに現職として公職にあるものが同性愛者だと公表して再当選を果たしたケースはアメリカではこれ以前に2例があるが、在野にあって同性愛者だと公表して公職に立候補し、選挙によって選ばれたのはこのミルクが初めてのケースとなる。
    • フロリダ州マイアミ・デイド郡が人権条例を制定するが、同年 アニタ・ブライアントによって率いられた戦闘的な反同性愛者人権運動の後に廃止される。
    • カナダのケベック州 が公的および私的領域での性的指向による差別を禁止した世界で最初の市や郡よりも大きい管轄地域となる。
    • クロアチアモンテネグロスロベニアおよびヴォイヴォディナが同性愛を合法化する。
  • 1979年 
    • 3月、日本で「プラトニカクラブ」から数人が参加して「JGC」(ジャパン・ゲイ・センター)結成、ミニコミの「GAY」を8号まで、「CHANGE」を2号まで出し82年に解散。
    • 8月24日、日本で東郷健が同性愛者の政治団体、「雑民の会」を結成する。
    • ワシントンD.C.で最初の全国的同性愛者権利マーチが行なわれる。
    • ハリー・ヘイ(Harry Hay)がアリゾナ州の集会で初めて ラディカル・フェアリー(Radical Faerie)の結成を呼びかける。
    • キューバスペインが同性愛を非犯罪化する。

1980年代[編集]

  • 1980年 
    • アメリカ民主党が党大会でアメリカ合衆国の主要政党としては初めて同性愛者の権利に関する綱領を承認する。
    • スコットランドが同性愛を非犯罪化する。
    • アメリカ合衆国社会党デヴィッド・マックレイノルズ (David McReynolds)がLGBTだと公表している初のアメリカ合衆国大統領候補となる。
    • 人権運動基金」(Human Rights Campaign Fund)がゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーの平等を主張するスティーヴ・エンディアン(Steve Endean)により創設される。
  • 1984年 
    • 国際ゲイ連盟日本支部(IGA日本)発足。
    • 香港でレズビアンとゲイの団体「10パーセント・クラブ」が組織される。
    • マサチューセッツ州でゲリー・スタッズが前年にカミングアウトしていたにもかかわらず再選される。
    • オーストラリアでニューサウスウェールズ州とノーザンテリトリーが同性愛行為を合法化する。
    • あらたにイギリス議会議員に選出されたクリス・スミス(Chris Smith)が「わたしの名はクリス・スミス。わたしはイズリントン・サウスおよびフィンズベリー選出の労働党所属の国会議員で、ゲイである」と宣言して、イギリス議会で最初に自分が同性愛者だと明らかにした政治家となる。
    • 複数の異なった既存の団体が合併して、アルゼンチン同性愛者共同体 (Comunidad Homosexual Argentina, CHA)が結成される。
    • バークレー (カリフォルニア州)がアメリカ合衆国で最初に市の職員を対象としたドメスティック・パートナーシップ健康給付金プログラムを採択した都市となる。
  • 1985年 
    • フランスが雇用およびサービスにおいてライフスタイルを理由とする差別を禁止する。
    • ゲイ・ホロコーストの犠牲者に対する最初の慰霊祭が行なわれる。
    • ベルギーが性的同意年齢を統一する。
  • 1986年 
    • 3月、日本で「動くゲイとレズビアンの会」(現・アカー)が結成される。
    • 5月、日本で、「ILGA日本」(ILGA-Japan)主催の「第1回アジアゲイ会議」が開催される。
    • ニュージーランド同性愛法改正法が制定され、16歳を超えた男性同士の性交が合法化される。
    • 6月「バウアーズ対ハードウィック事件英語版」(Bowers v. Hardwick)判決において、アメリカ合衆国最高裁判所はオーラル・セックスおよびアナル・セックスを禁止するジョージア州の法律を是認し、プライバシーに関する憲法上の権利は同性愛関係には及ばないと決定したが、同法が異性愛者に対して執行されるかどうかについては言及しなかった。
  • 1988年 
    • スウェーデンが社会福祉、税、相続について同性愛者を保護する法律を制定した最初の国となる。イングランドおよびウェールズで地方政府法第28条が制定される。スコットランドがこれとほぼ同じ法律を制定する。
    • カナダ連邦議会議員 スヴェンド・ロビンソン英語版(Svend Robinson)がカミング・アウトする。カナダがソドミーの性的同意年齢を18歳に引き下げる。
    • ベリーズイスラエルがソドミーと男性同士の性行為を法律上非犯罪化する(イギリス委任統治時代の1936年に制定された法律の関連する規定はイスラエルでは実施されることがなかった)。

1990年代[編集]

  • 1995年 
    • スウェーデンが登録制パートナーシップ法を制定する。
    • カナダ最高裁判所が性的指向を差別の理由とすることはカナダ権利と自由の憲章の下では禁止されていると決定する。
    • アルバニアおよびモルドバが同性愛を非犯罪化する。
    • アメリカの団体「人権運動」が団体名から「基金」という単語をけずり、その任務を「ゲイ、レズビアン、バイセクシュアルおよびトランスジェンダーの人々が平等を保障され、家庭、職場およびすべてのコミュニティでアメリカのファミリーの完全なメンバーとして受け入れられるアメリカ」を促進することまで広げる。
  • 1997年
    • 中華人民共和国が同性愛行為を非犯罪化。
    • 南アフリカ共和国が憲法で性的指向を理由とする差別を明示的に禁止した最初の国となる(同憲法は同年発効)。
    • イギリスが結婚に類似した同性カップルまで移民権を広げる。
    • フィジーが憲法で性的指向を理由とする差別を明示的に禁止した2番目の国となる。
    • オーストラリアのタスマニア州で私的な同性愛行為を禁止する法律が廃止され、オーストラリアでこのような法律のある州はなくなった。
    • エクアドルが同性愛を非犯罪化する。
    • ロシアが性的同意年齢を統一する。

21世紀[編集]

2000年代[編集]

この図はヨーロッパで国ごとに同性結婚に関する規則が異なっていることを示している。
  同性結婚が認められている
  シビル・ユニオンが認められている
  未登録の同棲が認められている
  政治的審議中
  未承認または不明
  同性結婚が禁止されている

2010年代[編集]

  • 2016年
    • 4月28日、コロンビアで同性結婚が合法化。
    • 10月1日、中華民国(台湾)の蔡英文政権において、トランスジェンダー(MtF)の唐鳳(オードリー・タン)が無任所閣僚のデジタル担当政務委員に就任。

2020年代[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ただし、オランダ王国構成国のうちアルバキュラソーシント・マールテンは除く。

出典[編集]

  1. ^ Mussi, Margherita (31 October 2001). Earliest Italy: An Overview of the Italian Paleolithic and Mesolithic. Kluwer Academic. pp. 343–344. ISBN 978-0-306-46463-8. https://books.google.com/books?id=yrTVXIpWMakC&pg=PP1 
  2. ^ Schott, Landon (2016). “In the Beginning: Sexual History”. Gay Awareness: Discovering the Heart of the Father and the Mind of Christ On Sexuality. Austin, Texas: Famous Publishing. ISBN 978-1942306481. https://books.google.com/books?id=fMRijwEACAAJ&q=gay+awareness+discovering+the+heart 
  3. ^ Talalay, Lauren E. (2005). “The Gendered Sea: Iconography, Gender, and Mediterranean Prehistory”. The Archaeology of Mediterranean Prehistory. Blackwell. pp. 130–148, especially p. 136. ISBN 978-0-631-23267-4 
  4. ^ “Grave of stone age transsexual excavated in Prague”. Archeology News Network. Czech Positions. (2011年4月5日). オリジナルの2014年2月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140204003857/http://archaeologynewsnetwork.blogspot.ca/2011/04/grave-of-stone-age-transsexual.html 
  5. ^ Reeder, Greg (October 2000). “Same-sex desire, conjugal constructs, and the tomb of Niankhkhnum and Khnumhotep”. World Archaeology 32 (2): 193?208. doi:10.1080/00438240050131180. 
  6. ^ Devereaux, George, "Greek Pseudo-homosexuality and the Greek Miracle", Symbolae Osloenses, 13 (1967), pp.70?92
  7. ^ (Percy III, 1996)
  8. ^ Suetonius, Julius 2-3; Plutarch, Caesar 2-3; Cassius Dio, Roman History 43.20
  9. ^ Martial attests to same-sex marriages between men during the early Roman Empire, q.v. Martial Epigrams 1.24, 12.42
  10. ^ Ancient History Sourcebook: Suetonius: De Vita Caesarum-Nero, c. 110 C.E Although this action was criticized by contemporary historians, these same historians do not criticize emperors such as Hadrian and Trajan who also had male lovers. The real reason behind the criticism of Nero and Elagabalus is that both of these emperors ignored the Senators (who wrote the surviving historical accounts) and appointed low class men (such as freedmen) to important positions of power, thereby incurring the hatred of the Senatorial class.
  11. ^ Dio Cassius, Epitome of Book 68.6.4; 68.21.2?6.21.3
  12. ^ Augustan History, Life of Elagabalus 10
  13. ^ Theodosian Code 9.8.3: "When a man marries and is about to offer himself to men in womanly fashion {quum vir nubit in feminam viris porrecturam), what does he wish, when sex has lost all its significance; when the crime is one which it is not profitable to know; when Venus is changed to another form; when love is sought and not found? We order the statutes to arise, the laws to be armed with an avenging sword, that those infamous persons who are now, or who hereafter may be, guilty may be subjected to exquisite punishment.
  14. ^ (Theodosian Code 9.7.6): All persons who have the shameful custom of condemning a man's body, acting the part of a woman's to the sufferance of alien sex (for they appear not to be different from women), shall expiate a crime of this kind in avenging flames in the sight of the people.
  15. ^ Evagrius Ecclesiastical History 3.39
  16. ^ Justinian Novels 77, 144
  17. ^ Visigothic Code 3.5.5, 3.5.6; Online at: http://libro.uca.edu/vcode/vg3-5.htm; "The doctrine of the orthodox faith requires us to place our censure upon vicious practices, and to restrain those who are addicted to carnal offences. For we counsel well for the benefit of our people and our country, when we take measures to utterly extirpate the crimes of wicked men, and put an end to the evil deeds of vice. For this reason we shall attempt to abolish the horrible crime of sodomy, which is as contrary to Divine precept as it is to chastity. And although the authority of the Holy Scriptures, and the censure of earthly laws, alike, prohibit offences of this kind, it is nevertheless necessary to condemn them by a new decree; lest if timely correction be deferred, still greater vices may arise. Therefore, we establish by this law, that if any man whosoever, of any age, or race, whether he belongs to the clergy, or to the laity, should be convicted, by competent evidence, of the commission of the crime of sodomy, he shall, by order of the king, or of any judge, not only suffer emasculation, but also the penalty prescribed by ecclesiastical decree for such offences, and promulgated in the third year of our reign."
  18. ^ Crompton, Louis. Homosexuality and Civilization. Cambridge & London: Belknap Press of Harvard University Press, 2003
  19. ^ Godbeer, Richard (2002). Sexual revolution in early America. Baltimore: Johns Hopkins University Press. ISBN 0-8018-6800-9  p.123
  20. ^ Borris, Kenneth (2004). Same-sex desire in the English Renaissance: a sourcebook of texts, 1470?1650. New York: Routledge. ISBN 0-8153-3626-8  p.113
  21. ^ (Chauncey, 1995)
  22. ^ The Boys in the Band lortel.org, retrieved November 2, 2017.
  23. ^ Getting Rid of Sodomy Laws: History and Strategy that Led to the Lawrence Decision
  24. ^ Sodomy Laws, Idaho
  25. ^ フランスLGBT・知られざる抑圧の歴史 | LGBT最前線 変わりゆく世界の性”. 東洋経済オンライン (2013年3月1日). 2019年1月19日閲覧。
  26. ^ “Les GOUINES ROUGES (1971-1973)” (フランス語). La page de Marie-Jo Bonnet. https://mariejobon.net/2009/08/les-gouine-rouges-1971-1973/ 2019年1月19日閲覧。 
  27. ^ Warner, Tom. ‘’Never Going Back: A History of Queer Activism in Canada’’, 2002 University of Toronto Press, ISBN 0-8020-8460-5 p41
  28. ^ Hong Kong Gay Sex Law Dead
  29. ^ Gay sex at 16 legal, Man
  30. ^ of anti gay law in Missouri
  31. ^ Fiji legalizes consensual homosexuality
  32. ^ World Legal Wrap Up ? November, 2006
  33. ^ South Australia gays get new rights
  34. ^ Timeline of lesbian and gay history
  35. ^ Island Chain Votes To Ban Discrimination Against Gays
  36. ^ BBC: State votes for consent age drop
  37. ^ Sexual Offences (Jersey) Law 2007
  38. ^ ペニー・ウォンはマレーシア生まれのオーストラリアの政治家”. celeb-true. 2022年6月9日閲覧。
  39. ^ Historic decision: Estonia legalizes same-sex marriage”. エストニア公共放送 (2023年6月20日). 2023年9月10日閲覧。

関連文献[編集]

関連事項[編集]

外部リンク[編集]