JIS漢字字典

JIS漢字字典』(ジスかんじじてん)は、JIS漢字コード規格のJIS X 0208及びJIS X 0213に収録されている漢字を網羅した字典である。日本規格協会が発行し、芝野耕司により編纂された。これまでに初版と増補改訂版とが発行されている。

構成と出典[編集]

初版[編集]

1997年に発行され、JIS X 0208:1997の全漢字(JIS第一、第二水準)6355文字を収録し[1]、符号順に配列している。各漢字の字形例、コード値、読み、人名地名などの用例、異体字参照等を示した。また、JIS X 0208の規格票の縮刷版を収録している。

増補改訂版[編集]

2002年発行され、JIS X 0213:2000(JIS第一~第四水準)11223文字に対応している。漢字以外の全ての文字・記号についても、漢字同様にコード値や名称、用法等を示すよう拡充された。漢字の配列は部首画数順に改められ、巻末には符号位置から文字をひける索引がある。また、JIS X 0208:1997とJIS X 0213:2000の規格票の縮刷版を収録している。

特色[編集]

この字典の特色として、大量の用例に基づく人名・地名の読みの徹底した掲載がある。「生」のように、見開き2ページ以上にわたって人名・地名用例が掲載されている文字もある[2]

ただし、通常の漢字字典とは異なり、漢字の意味は記載されていない。

用例の出典[編集]

地名や駅名は地方自治情報センター国土地理協会、駅名地名研究家・石野哲のデータが用いられた[3]。また、人名はNTTの電話帳が用いられた[4]。ただし、電話帳に掲載されていた雅号芸名を用例として挙げていたり、地名の誤植やふりがなの間違いなども見受けられる。

参考文献[編集]

  • 芝野耕司・池田証壽・芳賀進他「スポットライト 増補改訂 JIS漢字字典発刊記念座談会」『標準化と品質管理』第55巻第9号、日本規格協会。2002年9月、pp. 30-36。

書誌情報[編集]

  • 芝野耕司 編著、『増補改訂 JIS漢字字典』、日本規格協会、2002年、ISBN 4-542-20129-5
  • 芝野耕司 編著、『JIS漢字字典』 日本規格協会、1997年11月 ISBN 4-542-20127-9

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 標準化ジャーナル 27(11)(405)」国立国会図書館デジタルコレクション
  2. ^ 芝野耕司『増補改訂版JIS漢字字典』日本規格協会、2002年、419〜422頁。
  3. ^ 芝野耕司『増補改訂版JIS漢字字典』日本規格協会、2002年、序文XV。
  4. ^ 標準化ジャーナル 朝日総研リポート (130)」国立国会図書館デジタルコレクション
  5. ^ 芝野耕司『増補改訂版JIS漢字字典』日本規格協会、2002年、序ⅷ。