IBM メインフレーム ユーティリティプログラム

IBM Mainframe Utility Programs(IBMメインフレームユーティリティプログラム)とは、MVSのようなIBMメインフレームコンピュータ用のオペレーティングシステム向けに供給されている、データセットの操作、データセットとデータセットを結びつけることを実施するプログラム群のことである。


ICKDSF[編集]

ICKDSF はDASDをインストールしたり、初期化したり、保守するのに用いられる。オペレーティングシステムに繋いでいても、切り離されていても使用できる。

サンプル (VTOCをデフォルトサイズで作成) //ICKDSF1 JOB (ICKDSF,,TEST),'DISK INIT',CLASS=A,MSGCLASS=A, //         MSGLEVEL=(1,1) //ICKDSF01 EXEC PGM=ICKDSF //SYSPRINT DD  SYSOUT=* //SYSIN    DD  *   INIT UNIT(unitaddr) NOVERIFY VOLID(volume) VTOC(END) /* 

IDCAMS[編集]

IDCAMS は VSAM データセットを生成したり、変更を加えたりするのに用いる。

サンプル(DB2の一時表領域の作成をしている) //WRKFILE EXEC PGM=IDCAMS //SYSPRINT DD SYSOUT=*    //SYSIN DD *               DEFINE  CLUSTER -        ( NAME(DSNCAT.DSNDBC.WRKFILE.DSN4K01.I0001.A001) -          LINEAR -          REUSE -          VOLUMES(volume)  -          CYLINDERS(1000 50) -          SHAREOPTIONS(3 3) ) -     DATA -        ( NAME(DSNCAT.DSNDBD.WRKFILE.DSN4K01.I0001.A001) ) -      CATALOG -        ( DSNCAT ) 

IEBCOMPR[編集]

IEBCOMPR は順次データセットまたは区分データセットを比較(コンペア)するのに用いる。

サンプル(順編成ファイルの比較している)  //STEP001  EXEC PGM=IEBCOMPR  //SYSPRINT DD  SYSOUT=*  //SYSUT1   DD  DISP=SHR,DSN=COMPARE.DATA  //          UNIT=3390,VOL=SER=WRKVOL  //SYSUT2   DD  DISP=SHR,DSN=TARGET.DATA  //          UNIT=3390,VOL=SER=GYOVOL  //SYSIN    DD  *     COMPARE   TYPORG=PS  /* 

IEBCOPY[編集]

IEBCOPY は区分データセットをコピー、圧縮(コンプレス)、合併(マージ)するのに用いられる。コピーする際、メンバーの選択 (select, exclude)、メンバー名の変更 (rename)、メンバーの置換 (replace) ができる。

サンプル(メンバーコピー)  //STEP01   EXEC PGM=IEBCOPY,REGION=4M  //SYSPRINT DD SYSOUT=*  //SYSUT3   DD SPACE=(CYL,400),UNIT=SYSDA  //SYSUT4   DD SPACE=(CYL,400),UNIT=SYSDA  //I1       DD DISP=SHR,DSN=USER.LIBRARY1  //O1       DD DISP=SHR,DSN=USER.LIBRARY2  //SYSIN    DD *    COPY I=I1,O=O1      S M=(PGM001)  /* 

IEBDG[編集]

IEBDG ('Data Generator') は、パターン化されたデータから成るテストデータセットを作成する。

IEBEDIT[編集]

IEBEDIT は、JCL の一部分をコピーする。

IEBGENER[編集]

IEBGENER は、順次データセットのレコードをコピーする。あるいは、区分データセットに格納する。


サンプル(順次データのコピー)  //STEP01   EXEC PGM=IEBGENER,REGION=4M  //SYSPRINT DD SYSOUT=*  //SYSUT1   DD DISP=SHR,DSN=USER.SEQDETA1  //SYSUT2   DD DSN=USER.SEQDATA2,  //          DISP=(NEW,KEEP,DELETE),UNIT=3390,VOL=SER=volume,  //          SPACE=(TRK,(850,100),RLSE)  //SYSIN    DD DUMMY 

IEBIMAGE[編集]

IEBIMAGE は IBM 3800 プリントサブシステムのロードモジュールを扱う。

IEBISAM[編集]

IEBISAM は ISAM データセットの印刷やデータのロード、アンロードを行う。

IEBPTPCH[編集]

IEBPTPCH は順次データセットまたは区分データセットを印刷、またはパンチする。

IEFBR14[編集]

IEFBR14 はダミープログラムで、通常はデータセットのアロケーション(作成)やデリート(削除)に使用する。IEFBR14 は最初、機械語命令の1つ "Branch to Register" 14 のみで出来ていた。IBMのアセンブリ言語では記憶するのに BR 命令を使用した。そこから、IEF BR 14 の名が付いた。この命令が1つだけのプログラムは、エラーを内包する。それはリターンコードをセットしない、というものだ。そこで、リターンコードをクリアするために2つめの命令が付け加えられた。現在では、正しいステータスとともに終了する。

IEBUPDTE[編集]

IEBUPDTE は順次データセットと区分データセットの変換を実施する。

IEHINITT[編集]

IEHINITT ('INIT Tape') は、ラベルを書き込むことによってテープを初期化する。

IEHLIST[編集]

IEHLIST はデータセットのリストを取る。

IEHMOVE[編集]

IEHMOVE は、データの集まりを移動したりコピーしたりするのに用いる。

IEHPROGM[編集]

IEHPROGM はシステム制御データを作成したり (build) 保守したりするのに用いる。また、データセットを消したり (scratch) 、名前を変更する (rename) のに用いられる。

関連項目[編集]