HTBカップ国際スキージャンプ競技大会

HTBカップ国際スキージャンプ競技大会札幌市大倉山ジャンプ競技場で開催されるスキージャンプの大会である。

概要[編集]

1974年に「HTB杯スキージャンプ競技大会」として創設された[1]

第17回(1990年)より「HTB杯国際スキージャンプ競技大会」と改称され、第18回(1991年)から第20回(1993年)まではコンチネンタルカップの前身である環太平洋カップが兼ねられた[1][2]。第21回(1994年)は国内戦の「HTB杯スキージャンプ競技大会」として開催されたが、第22回(1995年)より再び「HTB杯国際スキージャンプ競技大会」として、この大会以降はコンチネンタルカップを兼ねて行われている。

第25回(1998年)より現行の名称の「HTBカップ国際スキージャンプ競技大会」となった。コンチネンタルカップには国別の出場枠があり、出場枠から漏れた日本人選手はコンチネンタルカップの順位には反映されないため、HTBカップの順位とコンチネンタルカップの順位は異なることになる。第48回大会は、新型コロナウイルス感染症の影響により日本国内でのコンチネンタルカップが中止されたため、「HTBカップスキージャンプ競技大会」の名称で国内戦として開催された[3]。第49回大会も同様に国内戦となり、女子組も開催された。

2012年および2013年は女子組として「HTBカップ女子スキージャンプ競技大会」が開催されたが、2011/12シーズンより始まった女子ワールドカップの蔵王大会が2013/14シーズンからは1月の開催となったことから、その日程の兼ね合いによりこの2回で終了した。

歴代優勝者[編集]

回数 日付 会場 氏名 所属 得点 1本目(m) 2本目(m)
1 1974 3 10 大倉山シャンツェ 沢田久喜 雪印乳業 225.1 95.0 106.5
2 1975 3 2 大倉山シャンツェ 米倉正博 東京美装 227.1 102.5 106.5
3 1976 1 17 宮の森シャンツェ 若狭実 たくぎん 219.3 76.0 80.5
4 1977 1 22 大倉山シャンツェ 川端隆普美 明治大学 214.4 95.0 103.5
5 1978 1 7 大倉山シャンツェ 川端隆普美 たくぎん 225.9 110.0 96.0
6 1979 1 6 大倉山シャンツェ 川端隆普美 たくぎん 240.8 105.0 109.5
7 1980 1 5 大倉山シャンツェ 角田幸司 雪印乳業 227.9 104.0 102.0
8 1981 1 24 大倉山シャンツェ 八木弘和 たくぎん 229.5 103.0 102.0
9 1982 1 30 大倉山シャンツェ 秋元正博 地崎工業 229.4 97.0 109.0
10 1983 3 5 大倉山シャンツェ 八木弘和 たくぎん 241.3 106.0 103.5
11 1984 3 10 大倉山シャンツェ 木村謙 国鉄北海道 191.9 93.5 110.0
12 1985 2 2 大倉山シャンツェ 西方千春 雪印乳業 224.3 107.0 112.5
13 1986 2 1 大倉山シャンツェ 佐藤晃 東京美装 206.2 100.5 116.5
14 1987 1 31 大倉山シャンツェ 嶋宏大 地崎工業 215.8 116.5 108.0
15 1988 1 30 大倉山シャンツェ 清水貞雄 デサント 210.1 111.0 110.5
16 1989 2 15 大倉山シャンツェ 竹内卓哉 東洋実業グループ 189.0 101.0 105.5
17 1990 1 13 大倉山シャンツェ 安崎直幹 NTT北海道 225.5 109.0 121.5
18 1991 1 12 大倉山シャンツェ ヴラディミール・ポドジメック チェコスロバキア 194.6 102.5 111.5
19 1992 1 11 大倉山シャンツェ 竹内元康 東洋実業グループ 202.0 109.0 108.5
20 1993 1 16 大倉山シャンツェ 東輝 ニッカウヰスキー 249.5 118.0 122.0
21 1994 1 29 大倉山シャンツェ 葛西紀明 地崎工業 221.7 127.0 99.5
22 1995 1 14 大倉山シャンツェ 船木和喜 デサント 257.8 127.0 119.0
23 1996 1 13 大倉山シャンツェ 葛西紀明 地崎工業 235.7 115.5 113.5
24 1997 1 11 大倉山シャンツェ 原田雅彦 雪印乳業 256.6 127.0 127.5
25 1998 1 17 大倉山シャンツェ 宮平秀治 ミズノ 221.7 106.5 127.5
26 1999 1 16 大倉山シャンツェ 西方仁也 雪印乳業 269.7 123.0 136.0
27 2000 1 15 大倉山シャンツェ 船木和喜 フィットスキー 281.4 136.0 129.5
28 2001 1 13 大倉山シャンツェ 吹田幸隆 雪印 263.9 131.0 124.5
29 2002 1 12 大倉山シャンツェ ヤンネ・ハッポネン フィンランド 248.2 128.0 121.0
30 2003 1 11 大倉山シャンツェ 宮平秀治 ミズノ 296.6 138.0 139.0
31 2004 1 10 大倉山シャンツェ 葛西紀明 土屋ホーム 231.0 118.0 122.0
32 2005 1 15 大倉山シャンツェ 一戸剛 アインズ 279.5 133.0 132.0
33 2006 1 14 大倉山シャンツェ 岡部孝信 雪印 279.5 136.0 132.0
34 2007 1 13 大倉山シャンツェ バスティアン・カルテンベックドイツ語版 オーストリア 250.1 130.0 122.0
35 2008 1 12 大倉山シャンツェ ユレ・シンコベッツドイツ語版 スロベニア 257.9 139.0 119.0
36 2009 1 10 大倉山シャンツェ ベガール・スクレットドイツ語版 ノルウェー 249.1 115.0 137.0
37 2010 1 9 大倉山シャンツェ 葛西紀明 土屋ホーム 289.3 139.5 131.5
38 2011 1 8 大倉山シャンツェ 湯本史寿 東京美装 287.7 134.0 140.0
39 2012 1 21 大倉山シャンツェ 伊東大貴 雪印メグミルク 301.3 146.0 135.0
40 2013 1 12 大倉山シャンツェ グレゴア・デシュヴァンデンドイツ語版 スイス 275.1 135.5 131.5
41 2014 1 18 大倉山シャンツェ 葛西紀明 土屋ホーム 279.6 136.5 133.0
42 2015 1 17 大倉山シャンツェ フィリップ・ショーエンドイツ語版 ノルウェー 285.4 134.0 141.5
43 2016 1 23 大倉山シャンツェ 伊東大貴 雪印メグミルク 298.6 137.5 137.0
44 2017 1 21 大倉山シャンツェ クレメンス・アイグナードイツ語版 オーストリア 238.4 133.5 140.0
45 2018 1 27 大倉山シャンツェ ダニエル・フーバードイツ語版 オーストリア 246.0 128.5 139.5
46 2019 1 19 大倉山シャンツェ クレメンス・アイグナー オーストリア 249.4 126.5 133.0
47 2020 1 25 大倉山シャンツェ クレメンス・ライトナードイツ語版 オーストリア 220.8 134.5 137.0
48 2021 1 30 大倉山シャンツェ 渡部陸太 東京美装 214.7 138.5 122.0
49 2022 1 15 大倉山シャンツェ 内藤智文 古河市スキー協会 271.9 135.0 141.5
50 2023 1 14 大倉山シャンツェ ソンドレ・リンゲンドイツ語版 ノルウェー 244.5 134.5 138.0
51 2024 1 20 大倉山シャンツェ フランシスコ・メート オーストリア 249.8 130.5 124.0

HTBカップ女子スキージャンプ競技大会[編集]

回数 日付 会場 氏名 所属 得点 1本目(m) 2本目(m)
1 2012 1 21 大倉山シャンツェ 伊藤有希 下川商業高校 225.1 95.0 106.5
2 2013 1 12 大倉山シャンツェ 竹田歩佳 ライズJC 176.1 104.5 112.5
(49) 2022 1 15 大倉山シャンツェ 葛西春香 東海大学付属札幌高等学校 183.8 130.5 119.5

放送[編集]

  • 基本的には協賛社の北海道テレビ(HTB)で当日録画放送されている。
    • 2007年(第34回)まではテレビ朝日系列全国24局ネット・ネットワークセールスでの放送。
    • 2008年(第35回)以降はローカルセールスに降格。HTBは大会当日夕方に、テレビ朝日は大会当日深夜に時差ネット(年度により行わない)。その他系列局では年度により放送の有無が異なる。またHTB公式YouTubeチャンネルでも配信。
    • 2020年以降『クレヨンしんちゃん』及び『ドラえもん』が土曜の夕方の放送になってからは本番組を放送するため当該2番組は後日遅れネットで放送される。データ放送は実施されない。2020年は実施。

備考[編集]

  • 2000年以降、同じく大倉山ジャンプ競技場で行われるFISコンチネンタルカップに指定されているSTVカップ国際スキージャンプ競技大会と2日連続で開催されており、多くの有力外国人選手があわせて出場する。また、年によっては札幌オリンピック記念国際スキージャンプ競技大会HBCカップジャンプ競技会NHK杯ジャンプ大会と組み合わさって3日連続、4日連続で開催されることもある。
  • 2012年の第39回大会では1本目で81番スタートの竹内択が145.5mと従来のバッケンレコード(145.0m)を更新した直後、82番スタートの伊東大貴が146.0mを飛びさらに更新した。また伊東の301.3点は日本国内で史上初の300点越えである。
  • 2017年の第44回大会の優勝者・クレメンス・アイグナーの2本目の飛距離(140.0m)は、大倉山シャンツェの新プロフィール(K=123m、HS=137m)におけるバッケンレコードとなった。

脚注[編集]

  1. ^ a b SKI JUMP DATA BANK、2007年10月7日のアーカイブ
  2. ^ List of all FIS international ski jumpings cups and tournament
  3. ^ 2021年ジャンプ競技日程”. 2021年2月1日閲覧。

外部リンク[編集]