ClearSpace-1

ClearSpace-1ClearSpace One)は、欧州宇宙機関(ESA)との契約に基づき、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)からのスピンオフ企業であるClearSpace SAとその産業チームが実施するスペースデブリ除去ミッションである。ミッションの目的は、Vega(ヴェガロケット)の打ち上げ時に残されたペイロードアダプタ(Vespaの上段部分)を軌道から取り除き、積極的デブリ除去(ADR: Active Debris Removal)の完全なバリュー・チェーンを実証することである。使用済み衛星を対象とするランデブー、捕捉、軌道離脱などの技術を実証し、宇宙ゴミ除去への道筋を構築する[1][2]再突入(リエントリー)による破壊で、捕捉した衛星とClearSpace-1機自体の両方を破壊する[3]

なお、JAXAによれば、本ミッションは実質的にEOLサービス(End Of Life service、故障衛星の除去を行う)をビジネスとして提供することを視野に入れている[4]

2019年、ESAの積極的デブリ除去/軌道上サービス(ADRIOS: Active Debris Removal/In-Orbit Servicing)プロジェクトにおける宇宙安全プログラム契約を、ClearSpace社が落札した。2013年に打ち上げられたベガ・フライトVV02の二次ペイロードアダプタを対象として軌道離脱を行う[5]。落札額は8600万ユーロ。2020年11月に契約の署名が行われ、打ち上げは2025年を予定している[6]。ClearSpace-1以前のプログラムとしては、ESAが2010年代に計画していた宇宙デブリ除去ミッションが存在した。最終的に、e.Deorbitミッションは実行に移されることなく、衛星も建造されなかった。e.Deorbitミッション全体が中止となり、ClearSpace-1がESAの宇宙デブリ除去計画を継承している。

出典[編集]

  1. ^ McGlaun, Shane (2020年11月27日). “ESA signs contract with ClearSpace to clean up space debris”. 2020年11月27日閲覧。 “ClearSpace SA will launch the first active debris removal mission known as ClearSpace-1”
  2. ^ EPFL's CleanSpace One satellite will "eat" space junk”. Gizmag (2015年7月7日). 2015年11月7日閲覧。
  3. ^ EPFL's CleanSpace One: clearing up cosmic clutter (video)”. Engadget. AOL (2012年2月16日). 2015年11月7日閲覧。
  4. ^ 宇宙開発利用部会(第63回) 議事録:文部科学省, (2020), https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/059/gijiroku/1399775_00015.htm 2022年12月19日閲覧。 
  5. ^ ESA commissions world’s first space debris removal
  6. ^ Call for Media: ESA and ClearSpace SA sign contract for world’s first debris removal mission” (英語). www.esa.int. 2020年12月1日閲覧。

外部リンク[編集]