BOLERO (Mr.Childrenのアルバム)

Mr.Children > BOLERO
BOLERO
Mr.Childrenスタジオ・アルバム
リリース
録音 Studio Tokyufun
イギリスの旗 Abbeyroad Studio
Orchard Hall
Hitokuchizaka Studios
Victor Studio
On Air Azabu Studio
ジャンル J-POP
ロック
時間
レーベル トイズファクトリー
プロデュース 小林武史
Mr.Children
専門評論家によるレビュー
allmusic 星4.5 / 5 link
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 1997年度年間2位(オリコン)
  • オリコン歴代アルバムランキング14位
ゴールドディスク
3ミリオン(日本レコード協会
Mr.Children アルバム 年表
深海
1996年
BOLERO
(1997年)
DISCOVERY
1999年
EANコード
EAN 4988061880990
(TFCC-88099)
『BOLERO』収録のシングル
  1. Tomorrow never knows
    リリース: 1994年11月10日
  2. everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-
    リリース: 1994年12月12日
  3. 【es】 〜Theme of es〜
    リリース: 1995年5月10日
  4. シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜
    リリース: 1995年8月10日
  5. Everything (It's you)
    リリース: 1997年2月5日
ミュージックビデオ
「Everything (It's you)」 - YouTube
「タイムマシーンに乗って」 - YouTube
「Brandnew my lover」 - YouTube
「【es】 〜Theme of es〜」 - YouTube
「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」 - YouTube
「ALIVE」 - YouTube
「ボレロ」 - YouTube
「Tomorrow never knows」 - YouTube
テンプレートを表示
映像外部リンク
ライブ映像
「Everything(It's you)」 (2004)
「シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~」 (2017)
「everybody goes ~秩序のない現代にドロップキック~」 (2019)
「Tomorrow never knows」 (2015)
「Tomorrow never knows」 (2017)
「Tomorrow never knows」 (2019)

BOLERO』(ボレロ)は、Mr.Childrenの6枚目のオリジナルアルバム。1997年3月5日にトイズファクトリーから発売された。

背景とリリース[編集]

前作『深海』から約8か月ぶりのアルバムで、通常版のみの発売となっている。表記はないが、本作はHDCD仕様となっている[要出典]

ジャケットは異国の少女が1人、一面に咲き広がる向日葵の中でボレロの代名詞でもあるスネアを叩いている写真で、メンバー以外の人物がジャケットに起用されたのは本作が初。ウクライナで撮影された[1]。アートディレクターは信藤三雄

前作のアナログ・サウンドとは対照的に今作ではデジタル・サウンドを意識して制作され、一部の楽曲は1996年6月に10日間ほどロンドンに滞在し、アビー・ロード・スタジオでレコーディングが行われた。

前作に収録されたシングル曲が10thシングル『名もなき詩』・11thシングル『花 -Mémento-Mori-』の2曲のみで[注 1]、4thアルバム『Atomic Heart』以降に発売されたシングル曲はアルバム未収録となっていた。そのため、本作には6thシングル『Tomorrow never knows』・7thシングル『everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-』・8thシングル『【es】 〜Theme of es〜』・9thシングル『シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜』・13thシングル『Everything (It's you)』の5曲が余さず収録された。

本作は12曲中8曲でミュージック・ビデオが制作されており、自身のアルバムで最も多い数となっている。

発売前に一部雑誌には「青盤(『深海』)」と「赤盤(『BOLERO』)」による2枚組という情報が流れた経緯もあり、『深海』と同時期に制作されていたが同作のテーマにはそぐわないという理由で収録しなかった曲もあるため、対になっている面がある。当時の雑誌インタビューで桜井は「(『深海』と『BOLERO』は)3Dメガネの青と赤のようなもの。両方揃って初めて立体に見える」と述べた。大ヒットしたシングル曲が多く収録されたのは「ファンへの感謝の気持ち」とのこと。一方、小林は「(ベスト盤的な要素のある)このアルバムは、いいものなのかどうか解らない…」と評価を濁していた。

桜井はこのアルバムについて「当初の予定では、ヘヴィな『深海』を作ったあと、今度はポップにスコーンと抜けた『BOLERO』を作る予定だったのが、当時の心境と『深海』の音楽性がリンクし過ぎて、思った以上に深いところへ行ってしまい、いざ『BOLERO』を作り始めても、『深海』を引きずったところがあった」と語っている[2]

活動休止直前にリリースされたため、本アルバムを引っ提げたツアーは行われていない。収録曲自体は『Mr.Children TOUR "REGRESS OR PROGRESS" '96〜'97 FINAL』のドーム公演で演奏された。

チャート成績[編集]

初週で173.5万枚を売り上げ、自身のシングル・アルバム通じて自己最高を記録した。累計売上は328.3万枚(オリコン調べ)で、4thアルバム『Atomic Heart』に次いで2番目に高く、オリコン集計でアルバム2作品で300万枚を達成したのはMr.Childrenが初だった。

収録内容[編集]

全作詞: 桜井和寿、全編曲: 小林武史 & Mr.Children。
#タイトル作詞作曲時間
1.「prologue」(オーケストレーション: 中西俊博) 桜井和寿
2.Everything (It's you) 桜井和寿
3.「タイムマシーンに乗って」 桜井和寿
4.「Brandnew my lover」 桜井和寿
5.【es】 〜Theme of es〜(ストリングス・アレンジ: 小林武史 & 桑野聖) 桜井和寿
6.シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜 桜井和寿
7.「傘の下の君に告ぐ」 桜井和寿
8.「ALIVE」 桜井和寿
9.「幸せのカテゴリー」 桜井和寿
10.everybody goes -秩序のない現代にドロップキック- 桜井和寿・小林武史
11.「ボレロ」(オーケストレーション: 中西俊博) 桜井和寿
12.Tomorrow never knows (remix)」 桜井和寿
合計時間:

楽曲解説[編集]

  1. prologue
  2. Everything (It's you)
    • 13thシングル表題曲。
    • シングルバージョンと同一音源だが、前曲の余韻が僅かに残っている。
  3. タイムマシーンに乗って
  4. Brandnew my lover
    • 「Fuckする豚だ」「Kill me」などの過激なフレーズが散りばめられた攻撃的なロックナンバー。
    • ギター用の機材であるワーミーを買ったことがきっかけで作られた曲。歌詞はツアー中にホテルまで移動する際のバンの窓ガラスに書いて作られた。
    • ミュージック・ビデオが制作されており、ビデオ・クリップ集『music clips ALIVE』に収録されている。監督は丹修一で、ツアー『Mr.Children TOUR "REGRESS OR PROGRSS" '96-'97 FINAL』では桜井がカプセルに入り、ミュージック・ビデオの世界観を再現したような演出で披露された。
  5. 【es】 〜Theme of es〜
    • 8thシングル表題曲。
  6. シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜
    • 9thシングル表題曲。
  7. 傘の下の君に告ぐ
    • リフが1994年頃に浮かんできたという。
    • 「傘の下」とは「在日米軍の傘下」という意味。歌詞に「車寅次郎」が登場する。
  8. ALIVE
    • 当時桜井はプライベートな問題で「精神的にかなり苦しんでいた」と語っており、この曲には厭世観無常観が色濃く反映されている。
    • 曲はシンプルなコード進行で、デジタルとアナログを使い分けている。フェードアウトして終わる。
    • 世界一周レコーディングの最中にレコーディングを行ったロンドンで書き下ろされ「まるで降りて来るように」あっという間に完成し、歌入れも軽い気持ちで仮で歌ったものがそのまま採用された[4]
    • 手塚治虫の『ブッダ』に影響されたとも語っている[4]
    • 本作のタイトル候補だったためか、発売時のCMにはこの曲が流された。
    • ミュージック・ビデオが制作されており、ビデオ・クリップ集『music clips ALIVE』に収録されている。監督は丹修一で、埼玉県にある森の中で撮影された[5]
    • 後にベスト・アルバムMr.Children 1996-2000』にも収録された。
  9. 幸せのカテゴリー
    • ポップなメロディーとは対照的に、桜井はこの曲を「寒い詞」と語っている。
    • 桜井は本曲のミックスに悩んだと語っているほか、冒頭が「星になれたら」の頃のMr.Childrenを彷彿とさせることを語っている[3]
    • 2014年に開催されたファンクラブ限定ツアー『Mr.Children FATHER&MOTHER 21周年ファンクラブツアー』の直前に行われた「会員が最もライブで聴きたい曲」アンケートでは15位に選ばれた[6][注 2]
  10. everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-
    • 7thシングル表題曲。
    • 当初は再録する案もあったが、歌詞との相乗関係を考慮しそのまま収録されたという。
  11. ボレロ
    • 今作の表題曲。
    • タイトルや作風はモーリス・ラヴェルのボレロから来ている。「prologue」と同様、本来のボレロは3拍子であるが4拍子にアレンジされている[5]
    • ミュージック・ビデオが制作されており、ビデオ・クリップ集『music clips ALIVE』に収録されている。監督は丹修一で、大勢のオーケストラを迎えて撮影された。ワンカットで撮られている[5]
  12. Tomorrow never knows (remix)
    • 6thシングル表題曲のリミックス。明らかに録り直した方が良くなるだろうという事でシングルバージョンで打ち込みとなっていたドラム等が生演奏に差し替えられている。
    • ベスト・アルバム『Mr.Children 1992-1995』『Mr.Children 1992-2002 Thanksgiving 25』でもこのバージョンで収録されている。

参加ミュージシャン[編集]

テレビ出演[編集]

番組名 日付 放送局 演奏曲
FAN 1997年2月14日 日本テレビ Everything (It's you)
ALIVE
everybody goes -秩序の無い現代にドロップキック-
HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP 1997年3月17日 フジテレビ Tomorrow never knows
everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-
シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜
名もなき詩
Everything (It's you)

ライブ映像作品[編集]

曲名 作品名
Everything (It's you)
タイムマシーンに乗って regress or progress '96-'97 tour final IN TOKYO DOME
Brandnew my lover regress or progress '96-'97 tour final IN TOKYO DOME
【es】 〜Theme of es〜
シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜
傘の下の君に告ぐ regress or progress '96-'97 tour final IN TOKYO DOME
ALIVE regress or progress '96-'97 tour final IN TOKYO DOME
wonederful world on DEC 21
Mr.Children DOME TOUR 2009 〜SUPERMARKET FANTASY〜 IN TOKYO DOME
Mr.Children Stadium Tour 2015 未完
everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-
ボレロ regress or progress '96-'97 tour final IN TOKYO DOME
Tomorrow never knows

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ただし「マシンガンをぶっ放せ」は後に12thシングル『マシンガンをぶっ放せ -Mr.Children Bootleg-』としてシングルカットされた。
  2. ^ 11thアルバム『シフクノオト』収録の「PADDLE」と同数。

出典[編集]

  1. ^ 【Mr.Children特集】アートディレクター信藤三雄が、爆発的ヒット作とともに歩んだ10年間のアートワークを振り返る”. pen (2022年6月3日). 2022年7月14日閲覧。
  2. ^ 『Mr.Children 道標の歌』水鈴社、2020年11月20日
  3. ^ a b 『WHAT's IN?』エムオン・エンタテインメント、1997年3月号
  4. ^ a b Mr.Children 1996-2000』ライナーノーツ
  5. ^ a b c "【Mr.Children特集】「口笛」「光の射す方へ」「ボレロ」…名MVを生んだ映像作家、丹修一の証言". Pen. CCCメディアハウス. 2022年5月25日. 2022年5月26日閲覧
  6. ^ 映画『Mr.Children REFLECTION』パンフレットより。

外部リンク[編集]