3DCGソフトウェア
3DCGソフトウェアは、3次元コンピュータグラフィックス (3DCG) を制作するためのソフトウェアである。
3DCGは主に
- プリプロダクション(ストーリー/コンセプトアート/コンセプトモデリング/ストーリーボード/プレビズ/R&D)
- 映像素材作成(撮影/LiDARスキャン/フィルムスキャン/3Dトラッキング)
- 3Dスキャン/テクスチャスキャン (3D再構築/テクスチャ抽出/ライティング除去)
- アセット制作(モデリング/UV展開/テクスチャリング/Surfacing/シェーダー作成/シェーダー割り当て/リギング/キャラクターセットアップ)
- アセット配置(レイアウト)
- 動作付け(アニメーション/キャラクターFX/群集/エフェクト)
- ポストアニメーション(ショットスカルプト)
- 画像化(ライティング/レンダリング)
- 映像素材の下処理(フィルムクリーンアップ/ワイヤーリムーバブル/ステレオフッテージ修正/ロトスコープ)
- 画像合成及び調整(ペイントフィックス/コンポジット/マットペインティング/ポストエフェクト/カラーグレーディング)
- 2D-3D変換、ポストプロダクション(コンフォーム/フィニッシング/エンコード/オーサリング)
の工程に分かれている。作業の基幹となり多くの工程の調整が行える統合型ソフトウェアの他に、個別の機能に特化したソフトウェアも存在する。モデリングが中心となっているソフトウェアは「モデラー」、レンダリングが中心となっているソフトウェアは「レンダラー」と呼ぶ。
各種工程における機能においては、破壊的なものと、非破壊的なものが存在する。非破壊的なものは過去の操作の修正がしやすく、パラメータにキーフレームやドリブンキー/IPOドライバを入れることでアニメーションさせることもできる。しかし、メモリやディスク容量を消費するため、メモリサイズの大きなものを扱ったり細かな編集を繰り返したりといったことは苦手である。互換性の問題もあるため、他のソフトウェアとのやりとりには破壊的な形式に直すことも多かったが、最近は非破壊的な交換形式というものが開発されてきている。
3次元CADソフトウェアについては「CAD」、3次元GISソフトウェアについては「地理情報システム」を、仮想地球儀については「仮想地球」を、3次元プラネタリウムソフトウェアについては「プラネタリウムソフトウェア」を参照。
概要
[編集]3DCGが発案された当初は一部の用途にのみ用いられる技術であり、多くの処理能力に高価な高性能ワークステーションや専用のハードウェアが必要となることが多いために市場も小さく、ソフトウェアも高価であった。しかし、時代が進むにつれてコンピュータの性能が向上し、高性能なコンピュータが一般に普及することにより、3DCGの市場が拡大してソフトウェアの低価格化・高機能化が進んだ。
3DCGソフトウェアは、科学からエンターテイメント、純粋芸術までさまざまな用途に使われており、用途によって必要な機能、必要な品質、環境、納期などが異なるため、それに合わせて多くの種類が存在する。必要なレベルに達しているソフトウェアのことを「Production Ready」であると表現する。1つの用途を達成するために複数のソフトウェアが必要になることもあり、その場合にソフトウェア同士の連携が重要となる。
3DCGソフトウェアの主な用途としては、以下のものがある。
- 実写合成映像 (VFX)
- 映画
- CM・企業VP
- ドラマ
- ミュージック・ビデオ
- 3Dアニメーション
- 映画
- CM
- アニメ
- ミュージック・ビデオ
- ゲームのムービーシーン
- パチンコ・パチスロ機のCG
- 3Dモーショングラフィックス(#モーショングラフィクス)
- CM・企業VP
- タイトルCG
- テレビ番組のオープニングCG/ジングルCG
- 3Dアニメーションロゴ
- リアルタイム実写合成
- テレビ番組のバーチャルセット(#バーチャルセット)
- 拡張現実 (AR)(#インタラクティブVR/拡張現実 (AR)/複合現実 (MR))
- ビジュアライゼーション/ビジュアルコミュニケーション
- 製品ビジュアライゼーション
- テクニカルイラストレーション
- 建築パース/ウォークスルー(#ビジュアライゼーション向け)
- エクステリア
- インテリア
- 建築パース/ウォークスルー(#ビジュアライゼーション向け)
- 映像撮影のプレビジュアライゼーション
- 演劇舞台のデザイン
- 科学可視化
- 地理情報システム
- ニュース番組の再現CG/解説CG
- ドーム映像(#ドーム動画作成)
- プラネタリウム
- インタラクティブコンテンツ(#ゲーム及びインタラクティブコンテンツ作成)
- ゲーム
- バーチャルリアリティ (VR) - VR動画(#VR動画)およびインタラクティブVR(#インタラクティブVR/拡張現実 (AR)/複合現実 (MR))
- 博物館の展示物[1]
- 仮想遊園地・仮想水族館
- フライト/鉄道/ドライビングシミュレータ[2]
- 手術シミュレータ
- 防災シミュレータ
- バーチャルリアリティ療法
- 3D仮想観光
- インタラクティブウォークスルー
- インタラクティブ3Dコミュニケーション
- Web3D
- 出版物 (DTP)
- 商業ポスター
- 挿絵CG
- 漫画の背景CG
- 純粋芸術
- キャラクター/バーチャルアイドル
- 写真集
- ダンスCG
- デジタルフィギュア
- 3D印刷によるフィギュア作成(#3Dプリンタ出力)
- その他
- ゲームのMOD
- コンセプトデザイン
- 犯罪捜査
- CGによる囮捜査[3]
- 法廷アニメーション(#法廷アニメーション向け)
- 3Dエフェクト
- 3Dトランジション
歴史
[編集]ソフトウェア毎の差異
[編集]OS及びプラットフォーム
[編集]歴史的経緯により、建築業界や機械業界ではWindowsの使用が(SolidWorksやInventorやAutoCAD、3ds Maxなど)、グラフィックデザイン業界ではmacOSの使用が多い。映像業界ではWindowsだけでなくmacOSもよく使われており、ポストプロダクション会社ではUnix系ワークステーションも使われている(Autodesk Flameなど)。日本のアニメ業界ではWindowsの使用が多い[4]。ゲーム業界では、プラットフォームによってOpenGL/Vulkan/DirectX/その他の独自APIが使われており、複数APIに対応することも多く、開発ではWindowsの使用が増えている[注釈 1]。macOS/iOS用ゲームの開発ではmacOSも使われている。映画業界ではワークステーションや巨大なレンダーファームを必要としており、スケーラビリティの高いUnix系のOSの使用が多い。かつてはSGI IRIXが、現在はLinuxが主流となっている。業界によって使われるOSが異なるため、3DCGソフトウェアはマルチプラットフォームに対応したものが多い。例えば映画向けのハイエンド・ソフトウェアではLinux版が作られたあと、他のOSに移植されている(例えば3D-EqualizerやMARI、Autodesk Flameなど)。
また視覚効果協会 (VES) の協力によってソフトウェア間の互換性を高めるための複数OS対応共通プラットフォーム「VFX Reference Platform」が定められており[5][注釈 2]、3DCGソフトウェアではその規定にあるプログラミング環境およびライブラリの使用が一般的となっている。この VFX Reference Platform は複数のソフトウェアにまたがる製作パイプラインの構築を簡単にする[5]ほか、レンダリング共通API「Hydra Render Delegate」での連携時の互換性確保にも重要となっている[6]。
なおデスクトップ/ラップトップの3DグラフィックスAPIは長らくマルチプラットフォームで使えるOpenGLを採用したものが多く、今もその後継のVulkanがマルチプラットフォームで使えるものとして存在しているものの、WindowsはDirect3D APIを、AppleのmacOSはMetal APIを重視するようになっており(AppleのOpenGL対応は4.1止まりで非推奨[7][8])、それぞれのAPIに対応するソフトウェアも増えている。一方、モバイルデバイスの3DグラフィックスAPIは長らくOpenGLの簡易版であるOpenGL ESが標準となっていたものの、その後継ではデスクトップ同様Vulkanが使われるようになったほか、AppleのiOSでもデスクトップ同様のMetal APIが使われるようになっている。
また3DCGに使われる異種汎用計算のAPIではホストとゲストの分かれた汎用のOpenCLがだんだん使われなくなり、ホストとゲストの連携の密なCUDA/HIP/Intel oneAPI SYCLの使用が広がっている。なおAppleはその領域でもMetal APIを推し進めている(OpenCLは非推奨化され[8]、CUDAはmacOS対応を終了した[9])。
デスクトップ/ラップトップのCPUではx64アーキテクチャが、モバイルデバイスのCPUではARMアーキテクチャが一般的となっており、CPUアーキテクチャによる分断も存在した。しかしながら2012年にはMicrosoft Surfaceと共にARM版Windowsが登場し、また2020年にはAppleがデスクトップ向けCPUにもARMアーキテクチャを採用し、非モバイル向けソフトウェアでもARMアーキテクチャにネイティブで対応するものが増えていった[10]。
OS間の進む分断化によってmacOS版の提供を取りやめるソフトウェアも登場している[11]一方、モバイルデバイスがデスクトップに近づくにつれてモバイルデバイスに対応するデスクトップソフトウェアも登場している[12]。
用語
[編集]ソフトウェアによって用語の違いが存在する。アメリカ英語とイギリス英語の違い(ColorとColourなど)をはじめ、訳語の違い(ノーマルと法線、シームと継ぎ目など)や、呼び方が違うもの(カラーランプ〈Rampは傾斜〉とグラデーション、モーフとモーフィングとブレンドシェイプとShape Interpとモーフターゲットとシェイプキー[13][14]、エクスプレッションとドライバ、ShellとSolidifyとThickness、BMesh(Maya SoUP) とSkin Modifier(Blender) とアーマチャー (Metasequoia)、マグネットとAffect RegionとProportional Editなど)がある。
また、同じ用語でもソフトウェアによって意味するものが異なる場合(例えば、3ds MaxのSkin ModifierとBlenderのSkin Modifier、Maya SoUPのBMeshとBlenderのBMesh、BlenderのArmatureとMetasequoiaのアーマチャーなど)がある。
UI
[編集]ソフトウェアによってUIやショートカットは異なるが、共通点も多い。
画面 | 用途 | 操作 | 備考 |
---|---|---|---|
ツリービュー リストビュー | アウトライナ、アセット管理、ファイル表示 | ||
2Dビュー | レンダリング表示、画像編集、2Dペイント、UV編集、マスク編集、リグ選択、フリップブック | ||
2.5Dビュー | 2.5Dペイント | ||
3Dビュー | オブジェクト編集、スカルプト、3Dペイント、リギング、スキニング、オブジェクト配置、アニメーション付け、シミュレーション表示 | ||
ドープシート | アニメーション編集、コンポジット | タイミング調整 | |
グラフエディタ (カーブエディタ) | アニメーション編集、コンポジット | 補完設定 | |
シーケンサー | ノンリニアアニメーション、カメラシーケンサ、ノンリニア動画編集 | トラック複製、オーバーラップ制御 | |
スタックリスト ノードエディタ | ヒストリ保存、非破壊編集、コンストレイント、ソルバー制御、コンポジット、ゲームロジック | 上流の編集、グループ化による再利用、焼き付け・フリーズによる軽量化 | |
スプレッドシート | データインスペクタ、データ編集 | ||
テキストエディタ | スクリプト編集、シェーダー編集 | ||
ブラウザ | ヘルプ閲覧、イントラネット閲覧 | Softimage Netview、Maya 8.0以前[15]、Cinema 4D、Houdini 14以降、Modo 901以降などが組み込みブラウザを持っている。 |
3Dビューの視点の操作では、ポインティングデバイスとキーボードが使われている。ポインティングデバイス用UIでは、Autodesk製品が3DCG/3D CAD/3D GISの共通UIとして「ViewCube」を採用している (3ds Max、Maya 2008以降[16]、Softimage 2011 SAP以降[17]、Mudbox 2013以降、MotionBuilder 2009以降、Inventor 2009以降、Revit 2009以降、Autodesk Fusion、InfraWorks 360など)。
ショートカットキー(ホットキー)は基本操作を含めソフトウェアによって大きく異なっていた。基本操作の移動-回転-拡大縮小だけでも、Mayaや3ds MaxやModoではW-E-R、SoftimageではV-C-X 、BlenderではG-R-S、LightWaveではT-Y-H、Cinema 4DではE-R-T、HoudiniではT-R-Eというように、それぞれ異なるキーが使われている。ゲームエンジンなどでは他のソフトウェアのショートカットに似せることが多く (Unity[18]、UNIGINE[19]など)、Blenderも2.8で業界互換のキーマップが追加された[20]。
コンテキストメニューは、円形メニューを採用するものが増えている (Maya、Modo、Blender 2.81以降、Houdini 16以降など)。
なお、UIの配色は、3DCG寄りのソフトウェアでは標準で暗い色が基調にされること多く (Maya 2011以降、3ds Max 2011以降、LightWave 10以降など)、CAD寄りのソフトウェアでは標準で明るい色が基調にされることが多い (SketchUpやRhinocerosなど)。近年ではOSにも標準でダークテーマとライトテーマの両方が搭載されるようになってきている (macOS Mojave以降[21]、Windows 10 May 2019 Update以降[22]など)。
座標系
[編集]共通の3D APIが登場する前にソフトウェアが発展したという歴史的な経緯により、ソフトウェアによって使われる座標系が異なっている。3DCGでは、主に空間を前提に考えた右手系Z-upや左手系Z-upと、視点を前提に考えた右手系Y-upや左手系Y-upが使われている。なお、空間の座標系がZ-upのソフトウェアであっても、スクリーン座標系においては奥行きにZが使われている。
Z-upとY-upを変換するにはX軸で90度回転する必要があり、右手系と左手系を変換をするには負のスケールを使って一軸を反転する必要がある。
座標系 (前方) | グラフィクスAPIの既定値 | 3DオーディオAPIの既定値 | 統合ソフトウェアの既定値 | 統合ソフトウェアの代替値 | コンポジット | ゲームエンジン | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
右手系Z‑up (Y Forward) | 3ds Max[23], Carrara, Blender[23] | Maya[24][25], Houdini[26], modo[27] | CryEngine[28] | 工業/工学で良く使われている[29][30] | |||
右手系Y‑up (‑Z Forward) | OpenGL[23][24], WebGL[31], Java 3D[32], XNA[33], WPF 3D[34] | OpenAL[35], Oculus Audio SDK[36] | Maya[24][25], Softimage[37], Houdini[26], Shade[38], modo[38][27] | Nuke | OGRE | ||
左手系Z‑up (‑Y Forward) | Unreal Engine[39] | ||||||
左手系Y‑up (Z Forward) | Direct3D[40], Stage3D, Renderman[41] | DirectSound3D, XAudio2[42] | LightWave[24], Cinema 4D | After Effects | Unity[38], Irrlicht Engine | ゲーム業界で良く使われている |
また、ボーンの座標系(ボーンの長さ軸/主軸(Primary Axis)/ボーンの方向(Direction)、及び補助軸(Secondary Axis)/ボーンの軸(Axis))もソフトウェアによって異なる (modoやMayaは自由に指定可能、3ds Maxは主軸がX axisもしくはZ axis、Softimageは主軸がX axisもしくはY axisもしくはZ axis、Blenderは主軸がY axis)。
法線マップにおいては、画像の緑チャンネルを+Yにマッピングしたソフトウェアと、-Yにマッピングしたソフトウェアが存在し、緑チャンネルの反転が必要になる場合がある。接線空間法線マップの標準としては、MikkTspace (Mikk tangent space)が存在し、modo 901以降[43]、Blender 2.57以降[44]、Xnormal 3.17.5以降[44][45]、Unreal Engine 4.7以降[44][46]、Unity 5.3以降[47]、Knald[44]、Substance Painter 1.3以降[48]、3D-Coat、Marmoset Toolbag[49]、3ds Max 2021以降[50]、Maya 2024以降[51]、Houdini用プラグインのCompute Tangents SOPなどが採用している。
画像座標/スクリーン空間座標
[編集]画像の座標は、DirectXやGDIが左上原点、OpenGLやCore Graphicsが左下原点となっているため、3DCGソフトウェア及びそれに関連した2DCGソフトウェアにおいても、画像座標は統一されていない。
スクリーン空間の座標も基本的に画像座標と同じものの、DirectX 9以前には半ピクセルオフセットがあった[52]ため、古いシェーダーやDirectX 9以前のシステム等で互換問題の起きることがある。また、スクリーン空間のZ座標は、手前から奥にかけて、DirectXならば0.0~1.0に、OpenGLならば-1.0~1.0にマップすることが標準となっている。現在、深度の精度を改善するため、手前から奥にかけて1.0~0.0にマップするReversed-Zが普及してきている (Unreal Engine 4、Unity 5.5以降[53]、CRYENGINE 3.8.1以降[54]など)。
頂点順序
[編集]レンダリング高速化のための背面カリングにおいて、ポリゴンの表面は頂点順序によって決定されるが、ソフトウェアによって表面の指定が右回りと左回りで異なる。また、ファイル形式においても、法線方向が頂点順序によって決定されるものが多い。そのため、この方向の違いによって、モデルのやりとりで法線の反転する問題が発生する場合がある。
表面の方向 (カリングの方向) | API | 統合ソフトウェア | ゲームエンジン | 備考 |
---|---|---|---|---|
右回り (左回り) | DirectX (標準), OpenGL (GL_CW) | |||
左回り (右回り) | OpenGL (標準), DirectX (D3DCULL_CW) |
長さの単位
[編集]3DCGにおいては、CADに比べて長さの正確性があまり必要とされてこなかった。しかし、物理演算や物理ベースのレンダリング、実写合成などが普及し、正確な長さの必要な場合が増えている。また、座標が浮動小数点数で表されるため、設定された単位と単位スケールによって表せる範囲や精度が異なり、それがモデリングやシーン配置にも影響を与えうる。そのため、多くのソフトウェアでは長さの単位と単位スケールが設定できるようになっている。
3DCGソフトウェアではそれぞれ汎用単位を持っており、Generic Unit (GU)と呼ばれる。独自の名前が付いているGeneric Unitも存在する (XSIのSI unit (SoftImage Unit)、BlenderのBU (Blender Unit)、PoserのPNU (Poser Native Unit)、Unreal EngineのUU (Unreal Units)など)。汎用単位の標準の単位設定はソフトウェアによってバラバラに異なっている。
一つの単位と単位スケールだけでは表現できるシーン範囲に限界があるため、オープンワールドのゲームなど広い地形を必要する場合にはタイル化された地形を動的に読み込むという手法が用いられる。
精度
[編集]内部計算に単精度を採用するソフトウェア (3ds Max[55]やBlender[56]など)と、倍精度を採用するソフトウェア(CINEMA 4D v12以降[57]など)が存在する。両方に対応するソフトウェアも存在する (UNIGINE[58]など)。単精度は高速だが、巨大なデータを扱う場合に問題が起きる。演算のアクセラレーションを行うGPUは、ゲーム用に単精度で速いもの(GeForceシリーズ)と、業務用で倍精度が得意なもの(Quadroシリーズ)に分かれている。
また、距離の計算においては、高速なsqrt(a*a+b*b)や高速な比較のためのa*a+b*bを使っているか、オーバーフローの起こしにくい低速なhypot(a,b)を使っているかでも、問題の起きる範囲が異なる。Blenderでは、通常-5000.0から5000.0の範囲の値が信用できるとされている[56]。
オブジェクトの種類
[編集]3DCGに使われるオブジェクトには幾つかの種類がある。ソフトウェアは通常、複数の種類に対応している。
タイプ名 | 主な用途 | 備考 |
---|---|---|
Empty/ Null/ Locator/ Dummy | 座標や座標系の定義 | |
ポイントクラウド | 3Dスキャン、 トラッキング、 エフェクト | |
パーティクル | エフェクト | パーティクルは、ポイントクラウドと異なり法線や大きさなどを保持している。 |
ボクセル / ボリューム | 流体シミュレーション、 スカルプト | |
ポリゴン | ソフトウェアやファイル形式によって、四角ポリゴン、非平面ポリゴン[59]、多角ポリゴン、穴空きポリゴン(ドーナツポリゴン)、凹型フェース、ぶら下がりエッジ(dangling edges)[60]、ぶら下がりフェース、浮き頂点、浮きエッジ、浮きフェース、独立頂点、独立エッジ、独立フェース、自己交差、Tシェープ、ボウタイシェープ、ラミナフェースなどのオーバーラップしたフェース、法線反転フェース (非連続法線)、退縮エッジ (長さ0のエッジ)、退縮フェース (面積0のフェース)などの対応具合に差異がある。 三角ポリゴンのみのポリゴンオブジェクトはゲームやレンダラーに使われており、3ds Maxではオブジェクトの種類として三角ポリゴンのみの編集可能メッシュを持っている[61]。 | |
曲線 | アニメーションの軌道、 オブジェクトの変形 | 曲線には2次ベジェ曲線、3次ベジェ曲線、B-スプライン、カーディナルスプライン、エルミートスプライン、TCBスプライン(Kochanek–Bartelsスプライン曲線)、秋間スプライン、NURBSなどが存在し、ソフトウェアによって対応具合が異なる。曲線の直接レンダリングに対応するレンダラーが存在する。 |
曲面パッチ | 同上。 | |
ボーン | キャラクタアニメーション | |
メタボール | エフェクト | ソフトウェアによって対応形状や使用する核関数などが異なる。例えば、StoneyDesignerはメッシュメタボールに対応していた。Rendermanでは独自の核関数が使われている[62]。 |
テキスト | 立体ロゴ、 キネティック・タイポグラフィ | ソフトウェアによってカーニングやアニメーションの扱いなどに差がある。例えばCinema 4DはMoTextというテキストアニメーション用の機能を持っており、R15でカーニングが強化されている。3ds Maxも2016 Extension 1でカーニングなどを強化した。 |
カメラ | カメラワーク | ステレオカメラや魚眼レンズに未対応のレンダラーなどがある。 |
ライト | ライティング | ポイントライト (点光源)、スポットライト (円錐光源)、シリンダーライト/ネオンライト (円筒光源)、スフィリカルライト/球形ライト (球形光源)、エリアライト/ライトボックス (面光源)、クラッドライト (四角光源)、ディスクライト (円盤光源)、メッシュライト (メッシュ光源)、スカイライト/アンビエントライト/ドームライト/Hemiランプ (天空光源)、サンライト/ディレクショナルライト/ディスタントライト/インフィニットライト (平行光源/無限遠光源)、レーザーなどがある。レンダラーにより対応具合は異なる。 |
スピーカー/ Ambient Sound Actor | 音響効果 | 主にゲームエンジンで使われているが、他にも音声レンダリングに対応しているソフトウェアが存在する(Blenderなど)。 |
画像形式
[編集]画像は内部で浮動小数点として扱うことが多いため、リニアカラースペースの32bpc浮動小数階調(float)画像が多く用いられているが、16bpc(half float)が使われる場合もある。フォーマット形式としては、OpenEXR (*.exr)、TIFF、DDS、KTX形式が良く使われている。歴史的経緯によりRadiance HDR (*.hdr)が使われることもあるが、Radiance HDR形式はOpenEXR形式に比べ色の正確性に劣る[63]。また、float画像の非可逆圧縮形式としては、OpenEXRのDWAA/DWABコーデックがある。half-float画像の非可逆圧縮形式ではDirectX及びOpenGL向けのBC6H (BPTC_FLOAT)形式やOpenGL及びDirectX 11.3以降向けのASTC形式も存在する[64]。なお、ASTCは3Dモードも持っており、三次元テクスチャを効率的に圧縮することもできる[64]。
ステレオ3D画像や多視点画像では、それらに標準で対応するOpenEXR形式が多く用いられており、その拡張子は一般的な.exrのほか、ステレオ画像で.sxr、多視点画像で.mxrが使われている[65]。また、画像を独立したペアの画像ファイル(例えば*_L.pngと*_R.png)として保存することも行われている。ステレオ3D画像では、フレームパッキングやインタレースやサイドバイサイドやトップアンドボトムなどの3D方式に変換してステレオ3D未対応の画像形式で保存することも行われている。
素材には16bpcレギュラー画像(Photoshop PSDなど)やLogカラースペースの10bpc画像(CineonやDPXなど)、デジタルカメラのRAW形式などが使われることもある。
テクスチャサイズは時代と共に拡大しており、DirectX 11世代以降、16Kテクスチャ (16384x16384) までが一般的となっているものの、32Kテクスチャ (32768x32768)に対応するソフトウェアも現れている (Mari、Substance Designer 6以降[66]、xNormalなど)。また、仮想テクスチャ(OpenGLではSparse Texture、DX11ではTiled Resources)により、256Kテクスチャ(Graniteなど)や2Mテクスチャ(Amplify Texture2[67]など)に対応することを謳うものも現れている。標準で仮想テクスチャに対応しているゲームエンジンもある (Unity 4.5以降[68][69]など)。また、マルチタイルテクスチャーのUDIMに対応するソフトウェアも増えている。UDIMに対応するゲームエンジンも登場した (Unreal Engine 4.23以降[70]など)。
レギュラー画像では、歴史的経緯により、Truevision TGA (別名Targa。Truevision社のグラフィックボード由来)、SGI (SGIワークステーション由来。16bpc対応)、Maya IFF (Autodesk Maya由来。16bpc対応)、Windows bitmap (BMP)なども使われていた。しかし、最近ではPNG (16bpc対応)のような一般的な形式を使うことも多い。
ゲーム用途でのテクスチャは、DDS形式 (Windowsが標準で対応)、KTX形式 (Khronos Groupが制定)、PVR形式 (iOSが標準で対応[71])、PKM形式 (Androidが標準で対応[72])などが使われている。
画像サイズは、B0サイズ/150dpiの静止画ポスターの場合、6083px*8598pxとなる。駅ナカ広告などでは、複数枚の大判ポスターを連貼りして一枚にすることが行われており、B0サイズ/150dpi/5連貼・2段の場合、12166px*42990pxとなる。一部のソフトウェアでは、大きな画素数に未対応となっている。
ベクター画像は、テクスチャとして使う場合、事前にラスター画像化する必要のある場合が多い。しかし、ベクター画像のままテクスチャとして使えるソフトウェアも存在する (modo 901以降など)。
アルファ値の扱い
[編集]アルファチャンネル付きの画像には通常のストレート(非事前乗算)なものと、アルファをRGBに事前乗算したものとがあり、画像形式によってアルファ値の扱いが異なっている。例えば、PNG形式ではストレートアルファにのみ対応しており、一般的にアルファの事前乗算には対応していない。一方、OpenEXRではアルファの事前乗算が標準となっている。
3DCGソフトウェアやコンポジットソフトウェアなどにおいてはレンダリングやコンポジットにアルファオーバーが多用されるため、それを高速化するために事前乗算した画像が良く使われている。 事前乗算形式にすると、RGBの情報が不可逆的に失われ、RGBがアルファに依存するようになるが、浮動小数点画像においては逆変換での精度の問題は起こりにくい。
動画形式
[編集]精度や速度やカラースペースの問題もあり、コンポジットの中間形式にはHDR画像の連番が使われることが多い (OpenEXRの連番など)。容量の大きさから、圧縮効率の良いYUV色空間で10ビット~12ビットの色深度を採用した非可逆な中間形式が使われることもある (Apple ProResやAvid DNxHD (VC-3)、GoPro CineForm (VC-5)など)。これらの動画形式は編集の容易さのために、圧縮率の高い予測フレーム(インターフレーム)を使わずに、キーフレーム(イントラフレーム)のみで構成されているものが多い。
実写素材においてもキーフレームのみの形式が使われることが多かったが(AVC-Intraなど)、記録媒体の容量や速度が制約となるために、圧縮率の高い予測フレームを使った動画形式が使われることも増えた (AVCHDやXAVCなど)。近年は、再圧縮での劣化の少ないVisually Losslessな中間形式 (ProResやDNxHDなど)で直接撮影できるカメラが増えている。色空間では、効率的にHDRを記録するために、Log系の色空間 (Cineon (*.cin)、Sony S-Log、RedLogFilm、ALEXA LOG-C ProRes、BMDFilm Log、P-10Log、Canon Logなど)で撮影することが増えている。また、大きな記録容量が必要になるものの、RAW形式 (CinemaDNG、ARRIRAW、Sony RAW MXFなど)での撮影も行われている。
一部のプロ向けカメラを除いて、多くのカメラではクロマ間引き(YUV 4:2:2やYUV 4:2:0など)が行われているものの、クロマ間引きはクロマキーで抜く場合やカラーコレクションを行う場合などに、ノイズやアーティファクトを発生させる要因となる[73]。同様に、編集時にもクロマ間引きを行わないことが望ましいが、一部の手順はクロマ間引きを行ってしまう (例えば中間コーデックにYUV 4:2:2なApple ProRes 422やGrass Valley HQX[74]を使うなど)。
オーサリングでは、メディアによって異なるフォーマットが用いられる。HDテレビ向けにおいては、以前はテープメディア (HDV、HDCAM、HDCAM-SR、HD-D5、DVCPRO HDなど)が主流だったものの下火となっていき、現在は光学ディスクのXDCAM HD (MPEG HDコーデック)や、フラッシュメモリのSRMASTER (MPEG-4 SStPコーデック)、P2-HD (AVC-Intraコーデック)、XDCAM EX (MPEG HDコーデック)などが伸びている。4Kテレビ向けでは、XAVC形式によるハードディスク/SSD納品やネットワーク経由での納品が行われている[75][76]。コンシューマー向けには、ブルーレイディスクムービー (Full HD解像度まで、Rec.709色空間、8bit、59.94iまで、H.264コーデック)、ブルーレイ3D (Full HD解像度まで、Rec.709色空間、8bit、Full HDで24p/HDで60pまで、H.264 Annex H (MVC)コーデック)、Ultra HD Blu-ray (UHD BD。4K解像度、Rec.709色空間またはRec.2020色空間、SMPTE ST 2084 EOTFまたはDolby PQ EOTF、10bit、60pまで、H.265コーデック)が使われている。デジタル映画向けには、未圧縮のデジタルシネマディストリビューションマスター(DCDM)形式 (4K解像度、XYZ色空間、16bit、TIFF)と、配布のために非可逆圧縮したデジタルシネマパッケージ(DCP)形式 (2K又は4K解像度、XYZ色空間、12bit、JPEG2000コーデック)が使われている。映画のフィルム配信向けには、DPX/ADX形式 (ADX-10又はADX-16色空間、10bit又は16bit、DPX)が使われている。ネット配信では、Netflixが、MPEG-2のNetflix Profile、Apple ProResのiTunes Profile、SMPTE IMF App 2e+での納品を採用している[77]。
3DCGではサブフレームを使った処理が行われているため、ソフトウェアによって異なる総フレーム数制限が存在する。例えば、Blenderでは最大500,000フレームまでしか対応しておらず、60fpsの場合に2時間18秒までの動画しか作ることができない[56]。一方、Mayaはほぼ無制限となっている[78]。
実験的には120fps以上のハイフレームレート(HFR)動画も作られている[79]が、一部のソフトウェアはHFR動画に未対応となっている (例えばAfter Effects 2017.2より前では99FPSまでにしか対応していなかった[80][81])。
I/O
[編集]多くの3Dソフトウェアは、3Dマウス(6軸コントローラ)に対応している。また、多くのスカルプト・3Dペイントソフトは、タブレットの筆圧感知に対応している。
MIDIデバイスに標準で対応しているソフトウェアも存在する (3ds Max[82]、Softimage[83]、MotionBuilder[84]、HoudiniのMIDI In CHOP[85]など)。
スクリプト
[編集]スクリプト言語としてはPythonが良く使われており、多くの3DCGソフトウェアがそれに対応している[86]。Pythonを使うことでスクリプトの再利用性を高めることができ、特にパイプライン構築で重要となる。ただしAPIの標準化などはされておらず、ソフトウェアによってAPIは大きく異なる。
ゲームエンジンの開発言語ではC#が良く使われており、WebGL方面ではJavaScriptが良く使われている (#ゲーム及びインタラクティブコンテンツ作成の開発言語参照)。
グラフィカルUIではQtのPythonバインディングであるPySide (または互換性のあるPyQt) が普及しており[87]、それを提供する3DCGソフトウェアが増えている。Qt未搭載のソフトウェアにおいても、PyQtやPySideを別途インストールすることによって、同じUIを使うことができる。
なお、古くから存在するソフトウェアには独自のスクリプト言語を持つものもある。MayaはPerlやTclに似た文法のMELスクリプト(旧Wavefront Sophia)を持っており、3ds MaxはMAXScriptを持っており、HoudiniはC Shellに似た文法のHScriptを持っている。また、Cinema 4DはC.O.F.F.E.E.スクリプトを持っていた (R20で廃止[88])ほか、LightWaveもLScriptを持っていた (LightWave 2020で非推奨[89])。Rubyを採用したもの (SketchUp等) やAngelScriptを採用したもの (3D-Coat等) も存在する。
また、標準規格の拡張をした言語を採用しているソフトウェアや、OSに依存するという欠点があるもののOSのスクリプト機能を採用したソフトウェアも存在する。Rhinocerosは、VBScriptを拡張したRhinoscriptが使われている。Adobe After EffectsにおいてはECMAScriptを拡張したAdobe ExtendScriptが使われている。DAZ Studioでは、ECMASciptを拡張したQtScriptを更に拡張したDAZ Scriptが使われている。Softimageにおいては、Active Scriptingに対応しており、JScriptやVBScriptを使用することができた。
シェーダー形式
[編集]リアルタイムではDirectX/Vulkan 1.2以降で採用されているHLSL言語[90]や、OpenGL/Vulkanで採用されているGLSL言語、Apple Metalで採用されているMSL言語が良く使われている。マルチプラットフォームのシェーダー言語としてはNVIDIAのCg (HLSLに近い) が存在していたものの廃止となり、シェーダー言語変換が行われるようになっている。ただしシェーダー形式によって制限が存在する (MSL言語におけるdouble型非対応[91]など)。
エフェクト用の形式ではCg/HLSL言語を基にしたCgFX/DirectX FX形式や、GLSL言語を基にしたCOLLADA FX形式、汎用のnvFX形式が使われている。ゲームエンジンのUnityでは、HLSL言語等を内包可能なShaderLab言語が使われている[92]。VJソフトウェアでは、GLSL派生のISF形式 (Interactive Shader Format)が普及している (VDMX、COGE 1.6.4以降[93]、Magic 1.6以降[94]など)。
シェーダーを中間コンパイルして中間言語バイナリにすることも行われている。
API | プログラミング言語 | 中間言語アセンブラ | 中間言語バイナリ |
---|---|---|---|
DirectX (Shader Model 4 / 5) | HLSL言語 (*.hlsl) | Shader Model 4 / 5 アセンブリ | DXBC[95] (*.cso) |
DirectX (Shader Model 6以降) | DXIL | DXILバイトコード[95] (*.cso) | |
OpenGL/Vulkan | GLSL言語 (*.vert、*.tesc、*.tese、*.geom、*.frag、*.comp[96]、*.mesh、*.task、*.rgen、*.rint、*.rahit、*.rchit、*.rmiss、*.rcall) | SPIR-Vアセンブラ (*.spvasm) | SPIR-Vバイナリ (*.spv) |
Vulkan 1.2以降 | HLSL言語[90] (*.hlsl) | ||
Apple Metal | MSL言語 (*.metal) | ? | AIR (*.air) |
Web向けでは、HTML5のWebGLやCSS Shadersで採用されているGLSL ES言語が良く使われている。また、GLSL ES言語を基にして、音声やマルチパス処理に対応させたものとして、ShaderToyで使われているShaderToy形式(*.stoy)が存在する。かつては、Adobe Flashに採用されていたPixel Bender言語やAGAL言語も使われていた。
オフラインレンダリングでは、オープンソースのOSL言語やNVIDIAのMDL言語が良く使われている。また、C++言語によるシェーダー作成も行われている (RenderMan[97]やArnoldなど)。かつてはRenderManのRSL言語(及びその派生のHoudiniのMantraレンダラのVEX言語 (*.vfl)やNVIDIA GelatoのGSL言語)、NVIDIA mental rayのMetaSL (*.msl/*.xmsl)が良く使われていた。シェーダーの事前コンパイルが行われており、OSLは*.osoに、RSLやその派生はレンダラーに依り様々な拡張子に (RenderMan#RenderMan互換レンダラーの比較参照) ネイティブコンパイルされる。
コンポジットソフトウェアでは、 ソフトウェアにより使用可能なシェーダー言語が異なる。FlameのMatchboxではGLSL言語[98]、Fusion 6.0以降ではCg言語[99]、NukeはC++に似たBlink Script言語[100]、After Effectsは独自のPixelBender言語[101]が使われている。
使用するソフトウェアによってシェーダー形式が異なるため、シェーダー変換ソフトウェアが存在する (#シェーダー変換)。
ステレオ3D/多視点/VR動画ワークフロー
[編集]ステレオ3D/多視点
[編集]ステレオ3Dの3DCGを作る場合、ビューポート表示からレンダリング、コンポジット、レビュー、動画ノンリニア編集 (NLE)、オーサリングに至るまでステレオ3Dワークフロー対応のものを使うことが望ましい。既に多くのソフトウェアがステレオ3Dワークフローに対応してきているが、ステレオ3Dワークフロー未対応のソフトウェアや機能も残っている。
多視点(Multi-View)ワークフローに対応するソフトウェアも存在する (Blender 2.75以降など)。マルチカメラ編集に対応するNLEソフトウェアは多いものの、多視点(マルチアングル)なDVDやBlu-rayのオーサリングに向けて、マルチトラック動画のエクスポートが可能なNLEソフトウェアはまだ少ない。多視点は、多視差動画を作成するためにも使うことができるが、多視差動画に対応するソフトウェアは少ない。
VR動画
[編集]VRデバイス向け動画には、一般的な球形ステレオ3D形式と、ライトフィールド形式が存在する。360°の球形ステレオ3D形式は、全方向ステレオ (ODS)とも呼ばれる。球形ステレオ3Dの3DCGを作る場合、球形ステレオ3Dワークフローに対応するソフトウェアを使うことが望ましい。以前はワークフローで多くの問題が指摘されていた[102]ものの、その後、球形ステレオ3Dに対応するソフトウェアが増えていっており、解決に向かってきている。360°動画や360°ステレオ3D動画のファイル形式としては、GoogleによるSpatial Media仕様が一般的となっている。かつては、360°動画用としてQuickTimeのQuickTime VR形式も使われていた (3ds MaxのPanorama Exporter Utilityがその出力に対応していた)。360°動画や360°ステレオ3D動画の再生及びオーサリングについては「オーサリングツール#360度動画・VR動画」を参照。
ライトフィールドワークフローに対応するソフトウェアはまだ極少数だが、ライトフィールドへのレンダリングに対応するレンダラーが存在する(OctaneRender 3以降[103]など)。
ソフトウェア間のやりとり
[編集]ソフトウェア間のデータのやりとりには主に、データ交換用の標準であるCOLLADA形式 (.dae。OpenGLと同じくKhronos Groupが制定)又はAutodeskのFBX形式 (元々MotionBuilder(旧Filmbox)で使われていた形式)が使われる。昔は事実上の標準であった3D Studio形式(.3ds)、SoftimageのdotXSI形式(.xsi)も使われていた。ソフトウェアによって仕様や実装の違いがあるため、やりとりで問題が起きることも多い。AutodeskはFBXの互換チャートを公表していた[104]。
また、やりとりには汎用形式以外も使われている。統合型ソフトウェアと外部レンダラー間のデータのやりとりにはレンダラ独自のプラグインの使用が多い (内部的にはRIB形式(Rendermanクローンなど)、ply形式(Luxrenderなど)、ASS形式 (Arnold)、vrmesh形式(V-Ray)、Alembic形式(.abc)などが使われている)。モデルデータのやりとりには、汎用モデルフォーマットとしてWavefrontフォーマット(.obj/.mtl。Wavefront The Advanced Visualizerで使われていた形式)やLightWave Object形式(*.lwo)があるものの、様々な情報が失われるためにデータ交換用フォーマットやモデラー独自形式でやりとりすることも多い。モーションのやりとりにはBiovision Hierarchyフォーマット(.bvh)が使われることが多い。ポイントキャッシュのやりとりには、3dsMax PC2 (Point Cache 2)やLightWave MDD (Motion Designer Data)、Maya Cache (.xml/.mc)、FBX (Maya式とMAX式のキャッシュが存在)、Alembicなどの形式が使われる。ポイントクラウドのやりとりは、PTS、PTX、LAS形式などが使われる。パーティクルキャッシュのやりとりでは、Alembic形式、RenderMan PTC形式、Houdini BGEO形式、Real Flow BIN形式、Krakatoa PRT形式などが使われる。
ゲーム向けの汎用モデル形式としては、DirectXのレガシーなx形式や、可逆圧縮のOpenCTM形式が存在するものの、多くはゲームエンジン固有の形式が使われている (id TechエンジンのMDL/MD2/MD3/BSP形式、Source EngineのSMD/DMX形式、CryENGINEのCGF/CAF形式[105]、 Unreal Engine 3のPSK/PSA形式[106] (現在はFBXパイプラインに移行)、Gamebryo/Creation EngineのNIF形式、LithTechのABC形式、SAGEのW3D形式、OGREのOGRE XML、Torque Game EngineのDTS/DSQ形式など)。VR向けのシーン形式では、かつてはVRML形式 (*.wrl) やOpenSceneGraph形式 (*.osg)等が良く使われていたものの、現在はゲームエンジンが普及し使われなくなった。
Web向けのアセット形式では、古くはAway3DのAWD形式やthree.jsのJSON Model format等が存在したものの、現在はKhronos Group制定のglTF形式が普及してきている。glTFは拡張として、非可逆圧縮のDraco[107]及びmeshopt[108]に対応している。
3D印刷向けのモデル形式では、カラー未対応のSTL形式、カラー対応のVRML形式 (*.wrl)、3MF形式などが使われる。
また、3DCGソフトウェアでもノンリニア編集のファイル交換に使われるEDL形式やその他の交換形式に対応するものが存在する。BlenderのビデオシーケンサがCMX3600のインポートに、MayaのカメラシーケンサがAAFのインポート及びFCP XML形式のインポート/エクスポートに、Unreal EngineのSequencerがCMX EDL及びFCP XML形式のインポート/エクスポートに対応している。Pixarが中心になって開発しているオープンソースのOpenTimelineIOライブラリは、それら形式の多くに対応している。
マテリアル形式
[編集]最初のマテリアルは完全拡散反射に光沢やフレネル効果や完全鏡面反射を足すものであったが、その後、微細表面 (マイクロファセット) のラフネス (粗さ)を考慮したシェーダーが使われるようになり、その後、誘電体や導体 (金属)などの物性別のシェーダーが現れ、現在はメタルネス (金属さ)が導入されて誘電体と導体の両者に使用可能な物理ベースシェーディング (PBS)に対応するソフトウェアが増えている。
Disney式PBSシェーダーの普及により、OBJ+MTL形式やFBX形式、glTF形式などの一般的な3D形式もPBSシェーダーに対応した (物理ベースシェーディング#PBS対応の3Dファイル形式参照)。ただし、ソフトウェアによっては高速化のために近似計算を行っている[109]ため、ソフトウェア間のやりとりで見た目の変わることがある。
なお、Disney式PBSシェーダー以外の特殊シェーダー (ヘアシェーダー、ボリュームシェーダーなど) は標準が無いため、マテリアルのやりとりで問題となる。そのため、LucasfilmとIndustrial Light&Magicがマテリアルをやりとりするための新規格であるMaterialXを開発している[110]。
ボクセル/ボリューム形式
[編集]ボクセル/ボリューム形式は、流体シミュレーション、3D印刷、医療、一部のモデリングソフトウェア (3D-Coat等)などに使われている。3DCGでは、3Dテクスチャ (DDS形式、KTX形式等) や、オープンソースのOpenVDB形式 (*.vdb) が事実上の標準形式となっている。オープンソースのField3d形式 (*.f3d) に対応するソフトウェアもある。
3D印刷では、Shapewayのsvx形式や、NVIDIA及びHPの推進するGVDB形式 (*.vdx)があるものの、2017年現在普及していない。医療ではDICOM形式が使われている。
色空間
[編集]画像や映像のやりとりでは色空間が重要となる。色空間には、カメラの撮像素子の出力の色空間、圧縮のための色空間、作業のための色空間、保管のための色空間、頒布のための色空間、表示デバイスの表示素子の出力の色空間などが存在する。入出力デバイスによって表現可能な色空間が異なるため、目的によって色空間を使い分ける必要がある。
カメラの撮像素子の出力は、固有の色空間を持っており、カメラで撮られたRAW画像やRAW動画は固有の色空間となっている[111]。ガンマは基本的にリニアとなっている[112]。バス幅や帯域幅や保存領域などのサイズの問題から画像や動画の非可逆圧縮が必要となる場合、見た目の劣化が少なく非可逆圧縮に向く色空間への変換が行われている (DPXのLog、ProPhoto RGB、YUV 4:4:4 12bit、YUV 4:2:2 10bit[113]など)。
作業のための色空間では、光の物理的性質を利用した処理とアーティスティックな処理が行われるため、色差が物理的に均一で、かつ色域が人間の見える範囲により近く、かつ人間が扱いやすいRGBの色空間であるACEScg(リニア、D60ホワイトポイント)やRec.2020リニア(D65ホワイトポイント)がよく使われている。ACEScgは色域がRec.2020リニアに近い上に映画に使われてきたDCI-P3色空間を包括しているなどの利点がある[114]ものの、非物理的な色を含むなどの様々な問題が存在する[114]。そのため、狭い色域のRec.709リニア(D65ホワイトポイント、Nuke[115]やBlenderの標準)が使われることも多い。また、法線マッピングやバンプマッピングや透過マップや深度マップやIDマップなどでは、RGBを色ではなく単なる数値として使うため、リニアなカラースペースが使われる。レイトレーシングレンダリングにおいては、RGBだけでなく、スペクトルカラーも使われている (スペクトルレンダリング)。コンポジット作業においては、RGB特有の処理が多用されるため、RGB色空間を使う場合が多い。編集作業では、RGBだけでなく、YUVも使われている。カラーコレクションには、RGBだけでなく、YRGBも使われている (Davinci Resolveなど)。
保管のための色空間では将来に備えたより広い色空間も使われている (デジタルシネマの保管におけるDCDMの16bit DCI-X'Y'Z' ガンマ2.6 5900K、ACES2065-1 (別名Linear ACES、SMPTE2065-1)[116]など)。
頒布のための色空間では、出力機器(ブラウン管(CRT)、液晶、有機EL、プロジェクター、プリンター等)の特性と人間の識別(XYZ表色系やバートンランプなど)に適したものが使われる (SDTVにおけるRec. 601、HDTVにおけるRec. 709、デジタルシネマにおけるDCI-P3、UHDTVにおけるRec.2020、WebにおけるsRGB、プリンタにおけるAdobe RGBなど)。目的とする出力機器では出せない色も出てくるため、作業では出力機器を模した色空間も使われているが、その場合でも作業用ディスプレイの色空間への変換が行われるため、完全に同一にはできない。表示デバイスの表示素子の出力の色空間はそれぞれ固有の色空間を持っており、例えばブラウン管 (CRT)のガンマ値は2.2に近く、液晶のガンマはS字カーブを描いており[117]、プロジェクターのガンマは1.5に近かった[118]。これらの差異を吸収するために、表示デバイスのファームウェアは、頒布のための色空間からデバイス固有の色空間への変換を行っている[119]ものの、未対応の色空間があったりズレが生じたりと完璧ではないため、OSのカラーマネージメントシステム(WindowsのWindows カラー システム (WCS)、macOSのColorSync、Linuxのcolordなど)がモニターのカラープロファイルを管理して色空間変換の補正を行っている。しかし、OSのカラーマネージメントに対応していないソフトウェアも存在する (Mac版DaVinci Resolveの12.1より前[120]など)。また、一部のモニターは10bit表示に対応しているものの、一部のソフトウェアは8bitへのトーンマッピングを行うなどして、10bit表示に未対応となっている(Mac版DaVinci Resolveの12.1より前[120]など)。ディスプレイ機種固有の色空間を直接出力する仕様も登場している (FreeSync 2[121]など)。
かつてPCモニターでは、sRGBが主流であったが、その後、Adobe RGB対応のPCモニターが広まってきている。そのため、Webにおいても、従来sRGBが使われてきたが、現在Webブラウザの多くはICCプロファイルv2に対応しており、様々なカラースペースを使うことが可能となっている。しかし、Adobe RGB色空間での画像出力や、ICCプロファイルv2の埋め込みに対応していない3DCGソフトウェアも存在する。
色空間の変換方式はカラーマトリクス、1D-LUT、3D-LUT、曲線当てはめなどが存在し、色空間の変換パラメータの形式には、ICCプロファイルv2/v4、Autodeskのlut、Autodeskの3dl、Autodesk CTF、Adobe SpeedGrade(旧Iridas SpeedGrade)のlookやitxやcube、Cinespaceのcsp、Houdiniのlut、Sony Pictures Imageworksのspi1dやspi3dやspimtx、Pandora Pogleのm3dやmga、ASC CDL、ASC CCC、ACESのCTL、Nukeのvf、DaVinci Resolveのdctlなど多くの形式(LUT形式)が存在している[122][123]。オープンソースのOpenColorIOは、その多くに対応している[123]。
オープンソース
[編集]互換性に関わるオープンソース
[編集]独自仕様にするとアプリケーション同士の連携が難しくなるため、やりとりに関わる部分においてオープンソースのミドルウェアが増えてきている。主にスタジオ側がミドルウェアをオープンソースとして開発・公開しており、商用ソフトウェアにおいてもそれらのミドルウェアを使った機能が標準で搭載されるようになってきている。2018年には映画芸術科学アカデミーにより Academy Software Foundation が設立され[124]、当財団がオープンソースの取りまとめをすることが多くなっていった (OpenEXR、OpenColorIO、Open Shading Language、OpenVDB、MaterialXなど)。
2000年1月、Robert McNeel & Associatesは、openNURBS Initiativeを設立し、openNURBS Toolkitをリリースした[125][126]。openNURBS (*.3dm)は現在、Rhinoceros、MoI 3D[127]、modo[128]などに使われている。
2003年1月、オープンソースのHDRI画像フォーマットであるOpenEXR (*.exr)が、インダストリアル・ライト&マジックによって公開された[129]。2007年11月には、OpenEXRにステレオ3D画像や多視点画像を埋め込むための仕様がWeta Digitalによって公開された[65]。2013年4月には、Deep Data画像に対応した2.0がリリースされた[130]。2014年8月には、DreamWorks Animationにより開発された非可逆圧縮のDWAA/DWABに対応する2.2がリリースされた[131]。
2010年1月、Walt Disney Animation StudiosがUV展開不要のテクスチャマッピングシステムのPtex (*.ptx)をオープンソースとして公開した[132]。
2010年1月、Sony Pictures ImageworksはGIレンダラ向けプログラマブルシェーディング言語のOpen Shading Language (OSL、*.osl)、ボクセル・データ保存ライブラリのField3d (*.f3d)などを、同年7月にはカラーマネージメントライブラリのOpenColorIO (OCIO)をオープンソースとして公開した[133][134]。
2012年8月、PixerはRenderMan互換サブディビジョンサーフェスを実装するためのGPU対応ライブラリOpenSubdivを、DreamWorks Animationは疎ボリューメトリックデータ形式及びツールのOpenVDB (*.vdb)をオープンソースとして公開した。OpenVDBは各統合ソフトや各レンダラーの他、RealFlow 7.1.2.0147以降[135]、Phoenix FD 2.2以降[136]、FumeFX 4.0以降[137]、Stoke MX 2.0以降[138]などで使われている。
Sony Pictures Imageworksとインダストリアル・ライト&マジックによってVFXのためのシーンファイル共有フォーマットAlembic (*.abc)が開発された[139]。各統合ソフトや各コンポジットソフトの他、Unreal Engine 4.13以降、CryEngine、Poser 11以降、RealFlow、thinkingParticles 6.3以降[140]、Vue xStream 2015以降PFTrack 2015以降、V-Ray、RenderMan、Maxwell Render V3以降、OctaneRender、Guerilla Render 1.3以降、KATANA、Esri CityEngine 2016以降など、多くのソフトウェアがAlembicに対応している。
ハードウェアメーカーによるオープンソース
[編集]ハードウェアメーカーがハードウェアの需要を起こすためにオープンソースで開発することもある。
2005年、Sony Computer Entertainmentの開発者によって開発された物理エンジンのBullet Physicsがオープンソースとして公開された。その後、2009年よりAMDがBullet Physicsの開発を支援している[141]。Bullet Physicsに対応する3DCGソフトウェアは増えており、Blender、LightWave、Maya、Cheetah3D、Cinema 4D、modo、Houdini、Maya付属のMayaBulletプラグイン等が対応している (ソフトウェアによって対応具合は異なる)。
2011年7月、Intelが高速なレイトレースカーネルのEmbreeをオープンソースとして公開した。
パック/シリーズ
[編集]映像向け
[編集]括弧内は、搭載されているレンダラー。
会社/共同体 | パック名 | モデリング | 3Dペイント | アニメーション | 配置・3Dレンダリング | コンポジット | ノンリニア編集 | カラー グレーディング | エンコード |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Autodesk | M&E Collection | Maya (Software[142]、Hardware 2.0[143]、Arnold) 3ds Max (Scanline、Quicksilver、Arnold、ART) | No | No | No | No | |||
Mudbox | MotionBuilder[144] | ||||||||
Flame単体 | No | No | Flame[145] (Action render) | Flame | |||||
SideFX | Houdini単体 | Houdini | No | Houdini (Mantra/Karma) | No | No | No | ||
LightWave Digital | LightWave | Modeler | No | Layout (標準、Octane) | No | No | No | No | |
Blender | Blender単体 | Blender (EEVEE、Cycles) | |||||||
Foundry | Education Collective | Nuke Studio[146] | Mari | Nuke Studio | Nuke Studio (ScanlineRender[147]、RayRender[148]、ScanlineRender2[149]) | Nuke Studio、 Frame Server | |||
MAXON | Maxon One | Cinema 4D (Redshift、CineRender) | (After Effects) + VFX | (様々な動画編集ソフト) + Magic Bullet | |||||
ZBrush | |||||||||
Adobe | Creative Cloud | No | Cinema 4D Lite[150] Photoshop[151][152][153] | After Effects | Premiere Pro[154] | Media Encoder | |||
After Effects (Classic 3D、Ray-traced 3D、CineRender) | |||||||||
BMD | Davinci Resolve | No | No | Davinci Resolve[155] (Software[156]、OpenGL[156]) | Davinci Resolve | ||||
Apple | Pro Apps Bundle for Education | No | No | Motion[157] | Motion | Final Cut Pro | Compressor | ||
Artlist | Proプラン | No | No | HitFilm Pro[158] | HitFilm Pro | HitFilm Pro | |||
会社/共同体 | パック名 | モデリング | 3Dペイント | アニメーション | 配置・3Dレンダリング | コンポジット | ノンリニア編集 | カラー グレーディング | エンコード |
ゲーム向け
[編集]会社/共同体 | パック名 | モデリング | 3Dペイント | テクスチャベイク | レベルエディタ | ゲームエンジン |
---|---|---|---|---|---|---|
Autodesk | Maya | Maya | Turtle | (Unity)[159]、(Unreal Engine)[160] | ||
SideFX | Houdini単体 | Houdini | No | Mantra | (Unity又はUnreal Engine)及び(Houdini Engine) | (Unity) (Unreal Engine) |
Houdini Indie単体 | Houdini Indie | No | Mantra | (Unity又はUnreal Engine)及び(Houdini Engine Indie) | (Unity) (Unreal Engine) | |
Foundry | MODO indie単体 | MODO indie | MODO Renderer | (Unity)[161]、(Unreal Engine)[161] | ||
Unity Technologies | Unity単体 | ProBuilder | No | OctaneRender、Progressive Lightmapper | Unity Editor | Unity |
Epic Games | Unreal Engine単体 | Modeling Tools Editor Modeプラグイン | ? | Unreal Editor | Unreal Editor | Unreal Engine |
会社/共同体 | パック名 | モデリング | 3Dペイント | テクスチャベイク | レベルエディタ | ゲームエンジン |
ビジュアライゼーション向け
[編集]会社/共同体 | パック名 | 設計 | 形式変換/接続 | オブジェクトアニメーション | ライティング等 | レンダリング |
---|---|---|---|---|---|---|
Autodesk | AutoCAD単体 | AutoCAD | N/A | No | AutoCAD | ART (別名RapidRT) |
Revit単体 | Revit | N/A | No | Revit | ||
Inventor単体 | Inventor | N/A | Inventor Studio | |||
PDM Collection | ||||||
AutoCAD | 3ds Max (ファイルリンク) | 3ds Max | ART、Arnold | |||
AEC Collection | AutoCAD Revit | |||||
3ds Max単体 | (様々なCADソフト) | 3ds Max (ATF) | ||||
Alias AutoStudio | Alias AutoStudio[162][163] | VRED Design | ||||
Maya | Arnold | |||||
Maya単体 | (様々なCADソフト) | Maya (ATF) | Maya | Arnold | ||
Nemetschek グループ (MAXON、VectorWorks、 Graphisoft、 Allplan) | Cinema 4D単体 | (様々なCADソフト) | Cinema 4D[88] | Redshift / CineRender | ||
(VectorWorks+ Cinema 4D) | VectorWorks[164] | Cinema 4D | ||||
(ArchiCAD+ Cinema 4D) | ArchiCAD | Cinema 4D Exchange アドオン[165] | Cinema 4D | |||
Allplan単体 | Allplan | N/A | No | Allplan | CineRender | |
(上記+Cinema 4D) | Allplan[166] | Cinema 4D | Redshift / CineRender | |||
VectorWorks単体 | VectorWorks | N/A | No | VectorWorks | ||
ArchiCAD単体 | ArchiCAD | N/A | No | ArchiCAD | ||
Dassault Systèmes | SOLIDWORKS Professional以上 | SOLIDWORKS | N/A | SOLIDWORKS | PhotoView 360 (MODO Rendererベース) | |
SOLIDWORKS Visualize (旧Bunkspeed) | Iray / Radeon ProRender | |||||
CATIA単体 | CATIA | N/A | CATIA | Iray | ||
Bentley Systems | MicroStation単体 | MicroStation | N/A | MicroStation | MODO Renderer | |
McNeel | (Rhino及びBongo) | Rhinoceros | N/A | Bongo | Rhinoceros | RhinoCycles |
シーメンス | NX単体 | NX | N/A | NX | Advanced Studio、 Ray Traced Studio (Irayベース) | |
会社/共同体 | パック名 | 設計 | 形式変換/接続 | オブジェクトアニメーション | ライティング等 | レンダリング |
インタラクティブビジュアライゼーション向け
[編集]会社/共同体 | パック名/シリーズ名 | 設計 | 形式変換/接続 | ライティング等 | インタラクティブ 可視化 |
---|---|---|---|---|---|
Autodesk | AEC Collection | Autodesk Revit | 3ds Max | 3ds Max Interactive | |
Dassault Systèmes | (SOLIDWORKS及び SOLIDWORKS Composer) | SOLIDWORKS | SolidWorks Composer | ||
(CATIA及びCATIA Composer) | CATIA | CATIA Composer | |||
Bentley | MicroStation単体 | MicroStation | LumenRT[167] | ||
Act-3D | Lumion 3D単体 | (様々なCADソフト) | Lumion LiveSync / Lumion DWGプラグイン | Lumion 3D[168] | |
Unity Technologies | Unity Industry | (様々なCADソフト) | PiXYZ Plugin | Unity | |
Epic Games | Unreal Engine単体 | (様々なCADソフト) | Datasmith[169] | Unreal Engine | |
Twinmotion単体 | (様々なCADソフト) | Live linkingプラグイン[170][171]、Datasmith | Twinmotion[170] | ||
会社/共同体 | パック名/シリーズ名 | 設計 | 形式変換/接続 | ライティング等 | インタラクティブ 可視化 |
統合型ソフトウェアの例
[編集]統合型はシーンセットアップを基本に、モデリング、アニメーション、レンダリングなど多くの機能を備えた物である。最近はコンポジットやマッチムーブまで行えるソフトウェアが増えている。プラグインで機能を拡張できるものが多く、一つのソフトウェアだけで多くの作業が行えるほか、他のモデラー・レンダラー・モーション付けソフトウェアなどと組み合わせて作業パイプラインの中心の役割を担える。その他、モデリングなどの単機能目的のみで使われることも多い。一般的に統合ソフトは、標準機能同士の連携は優れているものの、他のソフトウェアに比べて一部の標準機能が古かったり低機能だったり直感性・操作性に乏しい場合が多々あるため、スクリプトやプラグインやソフトウェアを組み合わせて作業パイプラインを作ることが重要となる。
大きなプロジェクトでは、外部参照やアセットの軽量な代理表現、アセット管理 (#管理システムも参照)が重要となる。
OpenGLやDirectXの高機能化に伴い、ビューポートにおいてPBR (物理シェーダー)やエフェクト等によるリッチな表示が可能となった。また、3Dゲームや3D CADの可視化で使われるウォークスルー(歩行)/フライスルー(飛行)のような一人称視点ナビゲーションにも対応するソフトウェアが増えており、オーサリングせずに直接VR表示できるソフトウェアまで登場している。
GPUの汎用化(GPGPU)及びGPUに搭載されたレイトレーシングアクセラレータの普及によって高品質なレンダリングが高速となり、最終レンダリングと同等のインタラクティブレンダリングに対応するソフトウェアが増えている。レイアウトとレンダラーの統合は、特にライティング作業の効率化において重要となる[172]。また、内外レンダラのビューポートへの統合も進んでいる。
ソフトウェア | スクリプティング | ビューポート | レンダリング | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Python | PyQT / PySide対応 | PBR | ポストエフェクト | フローティング | 一人称視点ナビゲーション | VR表示 | VR編集 | PBR | インタラクティブ | |
3ds Max | Yes[173] | Yes[174] | Nitrous | 部分的 | Yes[175][g 1] | Walkthrough Navigation | No | Arnold[176] | ||
Maya | Yes[177] | Yes[178] | Viewport 2.0 | 部分的 | Tear Off Copy | Walk Tool | (VR-Plugin[179][g 2]、MARUI) | Arnold[181] | ||
C4D | Yes[g 3][182][183] | 部分的[g 4] | Yes | Magic Bullet Looks | New View Panel | 削除[g 5][184] | No | Redshift / CineRender | ||
Houdini | Yes[185] | 14以降[186] | 16以降 | ? | Yes[187] | First person navigation | No | Mantra[188] / Karma | ||
LW | Yes[189] | 部分的[g 4] | Yes[190] | ? | Yes[190] | 2019.1以降[191] | No | 2018以降[190] | VPR | |
Modo | Yes | Yes[192] | Yes | ? | Yes | Game Navigation | 12.1以降[193] | Modo Render / mPath / Radeon ProRender / Octane | ||
Blender | Yes | 部分的[g 4] | Eevee | Viewport Compositor | Yes[194] | Walk/Flyモード | VR Scene Inspectionアドオン[g 6] | No | Cycles | |
Unreal Engine | Python Editor Script Plugin | 部分的[g 4] | Yes | Yes[g 7] | Yes | Yes[195] | 4.12以降[196] | 4.22以降 (RTGI) | ||
Unity | Python for Unityパッケージ[197] | 部分的[g 4] | Yes | Yes[g 8][198] | Yes | Flythrough mode | EditorXRパッケージ[g 9] | HDRPのRTGI |
ソフトウェア | 依存グラフの並列評価 | アセット管理 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
外部参照 | アセットシステム | オーバーライド/Takeシステム | 軽量な代替表現 | ネットワーク共有 | 公式マーケット / コミュニティ共有 | ||
3ds Max | ? | XRef/Containers | (Connector、KstudioのProject Manager)[g 10] | Scene States | ? | ? | No[g 11][g 12] |
Maya | 2016以降 | ファイル リファレンス | Yes[199][g 13][g 14] | レンダー レイヤ | シーン アセンブリ | (ShotGrid) | No[g 11] |
C4D | ? | XRef | Yes[200][g 15] | Takeシステム | ? | ? | ? |
Houdini | ? | LOPのReference等 | HDA | Takes | ? | ? | (Orbolt) |
LW | ? | Object Referencing | ? | No | ? | ? | ? |
Modo | ? | Import Reference | Preset Browser | Render Passes | ? | ? | Share | Foundry Community |
Blender | Yes | Link/Proxy Object | 3.0以降[g 16][g 17] | Library Overrides | No | No | Blender Market |
Unreal Engine | ? | ? | Yes | ? | ? | ? | UE4 Marketplace |
Unity | ? | ? | Yes | ? | ? | ? | Unity Asset Store |
ソフトウェア | 対応プリミティブ | 細分割曲面 | 対応UV形式 | ジオメトリキャッシュ | 疎ボリューム | 色管理 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ポリゴン | OpenSubdiv | UDIM | Ptex | Alembic | OpenVDB | OpenColorIO | |
3ds Max | Yes | Yes | 2017以降 | No | Yes[g 18] | 読み込みのみ[201] | Yes[202] |
Maya | Yes | 2015以降 | Yes | Yes[g 18] | Yes[203] | Yes[204] | |
C4D | Yes | Yes | 部分的[g 19] | No | Yes | Yes[88][205] | Yes[206] |
Houdini | Yes | 13以降 | 14以降 | Yes[207] | Yes | Yes[208] | 16以降[209] |
LW | Yes | No | 2018以降 | No | Yes | 2018以降[190] | ? |
Modo | Yes | Yes | Yes | No | Yes | 読み込みのみ[192] | Yes[210] |
Blender | Yes | Yes | 2.82以降 | No | 2.78以降 | 2.77以降 | Yes[211] |
Unreal Engine | Yes | 開発中[g 20] | 4.23以降[70] | No | 読み込みのみ | No | 4.22以降 |
Unity | Yes | No | No | No | Alembicパッケージ[212][g 21] | OpenVDBForUnity | No |
ソフトウェア | モデル/シーン出力 | レンダリング出力 | コンポジット連携 | ゲームエンジン連携 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
glTF | USD | ステレオ3D | VR動画 | After Effects | Nuke | Unity | Unreal Engine | |
3ds Max | 2023以降[213] | 2021.1以降[214][215] | Yes | 2018以降[216] | Compositor Link | ? | Unity側[217] | Unreal側 (Datasmith)[169] |
Maya | No | 2020.2以降[218][g 22] | Yes | 2018以降[216] | Send to AE[219] | ? | Yes[159][217] | Yes[160] |
C4D | S22以降 [220][g 23] | R23以降 [221] | Yes | R19以降 [g 24] | Yes | ? | No[g 25][217] | Unreal側 (Datasmith)[169] |
Houdini | 17以降 | 18以降 | Yes | 15.5以降 | (Houdini 2 AE[224]) | ? | FBX形式経由、(Houdini Engine) | |
LW | No | No | Yes | 2018以降[190] | GoAE[225] | ? | AppLink[226] | 2019以降 |
Modo | 11.2v3以降 | 14.2以降 | Yes | 902以降 | (Modo After Effects I/O Bridge) | Yes[227] | Yes[228] | Yes[228] |
Blender | 2.8以降 | 2.82以降 | Yes | 2.78以降 | Export: Adobe After Effectsアドオン | ? | Unity側[217] | FBX形式経由、(Send to Unrealアドオン[229])[g 26] |
- ^ 以前はNewViewプラグイン (Boomer Labs製) が必要だった
- ^ 旧mOculus.io[180]。
- ^ 旧Py4Dプラグイン
- ^ a b c d e 別途Qt及びPyQt/PySideをインストールすることで可能。ただしメインウインドウへのドッキングは不可能。
- ^ R23より前はVirtual Walkthrough機能が搭載されていた。
- ^ 2.83より前はVirtual Reality Viewportアドオンが必要であった
- ^ コンポジットにはComposureプラグインが必要となる。
- ^ ビルトインレンダーにはPost-Processingパッケージが必要となる。
- ^ 旧EditorVRアセット
- ^ 以前は別ダウンロードの3ds Max Asset Libraryがあり、内蔵されていたAsset Browserの後継となっていた。また以前はサードパーティ製スクリプトにChico Hermida製のHCG Asset Browserなども存在した。
- ^ a b 2014年から2017年はAutodeskがCreative Marketを所有していた。
- ^ 1.7.50より前の3ds Max Asset LibraryはCreative Market、CGTrader、BIMコンテンツ用のAutodesk Seek (現BIMobject Cloud) に対応していた。
- ^ Content Browser (Visorの後継) も搭載されている。
- ^ 以前はシェーダー用のFULL.BLOWN|IMAGES製FBI_shaderLibraryやSHADER MONGER製(元Brillstudio製)のShaderMongerも存在した。
- ^ R25より前はContent Browserも搭載されていた。
- ^ 3.0より前はPitiwazou製Asset ManagementやEdgeflow製Aqueductなどのサードパーティー製アドオンを使う必要があった。
- ^ Thumbnailsモード付きのFile Browserやマテリアル向けのMaterial Libraryアドオン (旧Matlib VXアドオン)も搭載されている。
- ^ a b 以前はExocortex製のExocortex Crate (オープンソース) が必要であった。
- ^ 対応するRedshiftを搭載している。
- ^ 開発中のメッシュ編集モード (MeshEditor.Enableコマンド) で対応
- ^ Alembic Importerパッケージの後継
- ^ 以前はMaya USDプラグインが必要であった
- ^ 以前はMAXON LabsのglTF Exporterプラグインが必要であった
- ^ 以前はCV-VRCamプラグインが必要であった
- ^ 2019.3より前のUnityはCinema 4D形式に標準対応していた。またそれ以降はCinewareが存在した[222]が、こちらも廃止された[223]。
- ^ 以前はUE4 Toolsアドオンも存在した。またUE4 Export HelperアドオンやBlender For Unreal Engineアドオンもある。
並びは順不同である。
商用製品
[編集]※以下▽はアニメーション対応、▼はアニメーション対応(キャラクタアニメーション有り)、■はアニメーション対応(ダイナミクス有り、キャラクタアニメーション有り)、★はアニメーション対応(キャラクタアニメーション有り、ダイナミクス有り、パーティクル有り)のソフトウェア。

- ★3ds Max(オートデスク←ディスクリート・ロジック←Kinetix)
- Windows専用。NPR向けプラグインのPencil+に定評があり、アニメ業界で使われている[4]。
- ポイントクラウド、パラメトリックなアーキテクチャルオブジェクト[230]、他のCG/CAD/CFDソフトウェアとの連携機能(ファイルリンク[231]、ATF、CFD Data Object)、AutoCAD Civil 3D (土木設計向け)等との連携が可能なCivil View (旧DynamiteVSP)機能[232]、2Dエフェクト (レンダリング効果)、簡易コンポジット機能 (ビデオポスト及びステートセット)、Exposure照明シミュレーションも内蔵している。2018.1では、VR向けとしてゲームエンジンの3DS Max Interactive (旧Autodesk Stingray)が付属された。
- エフェクトでは、イベントベースのParticle Flowや液体シミュレーションのBifrostが搭載されている。また、エフェクト用のプラグインが豊富に存在しており、ルールベースのthinkingParticlesや、気体流体シミュレーションのFumeFXなどが良く使われている。
- ポリゴンモデリングだけでなく、NURBSによるパッチモデリングにも対応しているものの長らく更新されておらず、制限がある。外部プラグインとしてPowerNURBSも存在する。
- 使用するプロジェクトの年間総収入に制限のある廉価な3ds Max Indieも存在する[233]。過去には無料の簡易版であるGmaxや、可視化向けの3ds Max Designも存在した。
- ★Maya(オートデスク←エイリアス・システムズ)
- クロスプラットフォームのハイエンド3DCGソフトウェア。映画業界のデファクトスタンダードとなっている。ゲーム業界でも使われている。CAD形式のインポートにも対応している(ATF[234])。
- 依存グラフが並列評価・GPU対応であり、キャラクターアニメーションに強い。Mudboxのスカルプトも統合されている[235]。
- 描画から3Dオブジェクトを生成するペイントエフェクトという独自の機能がある。効率的にスキニングを行えるインタラクティブスキンバインドに対応している。
- エフェクトでは流体のMaya Fluid Effectsや、ノードベースのBifrostが搭載されている。またモーショングラフィクス機能のMASHもある[219]。ツール集のBonus Toolsも付属している[236]。
- ポリゴンモデリングだけでなく、NURBSによるマルチパッチモデリングにも対応している。Power Animatorを前身の一つとするMayaは、Autodesk Alias (旧Alias StudioTools)と兄弟関係にあり、Autodesk Alias AutoStudioパッケージにはAliasとMayaの両方が含まれている。
- 使用するプロジェクトの年間総収入に制限のある廉価なMaya Indie[233]、サブセットかつ従量制のMaya Creativeも存在する[237]。また以前は商用不可の試用版であるMaya PLEや廉価なインディーズゲーム開発者向けのMaya LTも存在した。
- ★Cinema 4D (MAXON Computer)
- モーショングラフィクスに強い3DCGソフトウェア。After Effectsとの連携が優れており、放送業界で良く使用されている。After Effects CCに機能制限版のCinema 4D Liteとリアルタイム連携ツールのCinewareが付属している。また、Illustrator CC向けにCineware for Illustratorが無料頒布されている。
- 3Dサウンドレンダリング、文字アニメーションツール、モーショントラッカーなどを持っている。エフェクトでは、ノードベースのXPressoがある。そこにはルールベースのThinking Particlesも統合されている。
- 新しいバージョンはサブスクリプションのみとなっている[238]。サブスクリプションにはチュートリアル及びプラグイン集 Cineversity へのアクセス権が付属している。Cineversity はプラグインやスクリプト管理のための CV Toolbox が用意されている。
- ★Houdini (Side Effects Software←Omnibus Computer Graphics。国内総代理店はインディゾーン)
- ノードベースの統合ソフトウェア。高度なパーティクル生成機能、APIC法による流体シミュレーション、砂シミュレーション、有限要素法による破壊シミュレーション、群集シミュレーションなどエフェクトに飛び抜けて強いため、映画やCMのVFXで重用されている。15では、雪及び溶岩のシミュレーション、オブジェクトの融解にも対応した。コンポジットやオーディオフィルタにも対応している。
- エディションにはHoudini FX、エフェクトを削ったHoudini、独立プロ向けのHoudini Indieがある。追加ツールセットSideFX Labs (旧Game Development Toolset←Game Development Shelf)も同梱されている[239]。また、外部ソフトウェアでHoudini用アセットを使うためのプラグインとしてHoudini Engineがあり、Maya、3ds Max、Unity、Unreal Engine、Cinema 4D用が存在している (Indie版は制限付きで無料)。
- ポリゴンモデリングだけでなく、NURBSによるパッチモデリングにも対応している。3Dペイントには未対応。
- ★LightWave (LightWave Digital←NewTek←Aegis Software。国内販売はディストーム[240]←エヌジーシー ディ・ストーム ディビジョン[241]←ディストーム[241])
- モデラーとレイアウトが分かれている統合ソフトウェア。Aegis Videoscape及びAegis Modelerの後継[242]。3Dペイント未対応。姉妹ソフトに、モーションリターゲティングとKinectによるモーションキャプチャに対応する「NevronMotion」が存在した。
- 2023でツール集 LightWave Pro (旧Origami Digital製OD Tool Set) を[243]、2024でリギング及びアニメーションのRHiggit (元RebelHill製)を[244]、2025でプロシージャルツール集のDP Toolsを統合した[245]。また2025ではビューポート用リアルタイムパストレーシングレンダラーのRiPRも搭載された[245]。
- 単体の他に、ケージ変形/スカルプトなどに対応する3rd Powers製プラグインを同梱したLightWave + 3rd Powers Full Plugin Suiteもある[246]。
- ★Cheetah3D (Martin Wengenmayer)
- macOS専用の3DCGソフト。スカルプトやノードベースのプロシージャルモデリングには未対応。
- Silo (Nevercenter)
- スカルプトモデリング及びポリゴンモデリングに対応したソフトウェア。レンダリングには2021以降Unreal EngineベースのリアルタイムレンダラーMiloを搭載している[247]。トポロジーブラシを使ったモデリングが特徴的。
- Substance 3D Collection (アドビ)
- 総合的な3DCGソフトウェア集。VR対応モデリングのSubstance 3D Modeler(旧Medium、元Oculus VR製[248])[249]、レイアウト及びレンダリングのSubstance 3D Stager (Adobe Dimensionの後継[250])、プロシージャルのSubstance 3D Designer(旧Substance Designer[251]、MaPZone及びProFXの後継[252]、元Allegorithmic製)、パーティクルブラシやフローマップ対応の2D/3DペイントのSubstance 3D Painter(旧Substance Painter[251]、元Allegorithmic製)、写真からの3Dモデル生成のSubstance 3D Sampler[253](旧Substance Alchemist[251]、Bitmap2Materialの後継[254]、元Allegorithmic製)が含まれている。StagerとModelerを除く製品はSubstance 3D Texturingとしても提供されている[255]。
- また、今後Substance 3D StagerにキャラクターアニメーションのMixamoが統合される予定となっている[250]。
- Substance 3D Samplerでは写真からのテクスチャ取り込み、テクスチャのマルチアングルライトスキャン[256]、機械学習ベースのデライティング[257]やマテリアル化[258]、タイル化、2Dペイント[258]、布の織目生成[259]、その他のテクスチャフィルターにも対応。
- Substance 3D Designerではプロシージャルモデリング[260](廃止[261])、プロシージャルテクスチャ[262]、IBL用HDRIテクスチャ編集[263]、ノードベースのMDLシェーダー作成[264]などに対応している。テクスチャ作成ではプリセットが豊富に用意されており、物質(substance)ベースでの編集が可能。作成したSubstanceテクスチャはUnreal Engine[262]、Unity[262]、3ds MAX[262]、modo[262] (廃止)、Cinema 4D[265]、Houdini[266]、iClone[262]などから直接使うことができる。Substanceテクスチャの調整及び画像出力が可能な無料のSubstance Playerツールもある。
ポリゴンモデリング非対応
[編集]- ★Hash Animation:Master (Hash。過去の国内代理店はアートウェア)
- Windows・Mac用のスプラインベースの3DCGソフトウェア。ステレオレンダリングに対応している。
- ▽Element 3D (Video Copilot)
- After Effects用の3Dパーティクルプラグインを謳っているが、パーティクル放出やダイナミクスには未対応[267]。モデリングやキャラクタアニメーションにも未対応だが、単純なアニメーションは可能。レンダリングはラスタライズベース。
- ▽Marmoset Toolbag (Marmoset)
- リアルタイムのマテリアルエディタ、レンダラー、Webオーサリングソフトウェア。2で複数オブジェクトに[268]、3でテクスチャベイクやアニメーション付けに[269]、4で3Dペイントに対応した[270]。無料の単体版Marmoset Viewerもある。
非営利または個人による物
[編集]
- Blender
- 無料のソフトウェアであるが高価な商用ソフトウェア並に多機能・高性能である。かつては商用ソフトであったが、紆余曲折を経て自由ソフトウェアとなった。以前はショートカットキー主体の操作が特徴だったが、その後タブレットも考慮されるようになった。4.2でOnline Extensionsシステムも導入された[271]。
- 各種プリミティブ(ポリゴン、曲線、NURBS、メタボール、テキスト)に対応しており、モデリング機能(スカルプト、動的トポロジスカルプト、プロシージャルモデリング、髪、法線転送)やテクスチャ機能(賢いUV展開、UVスカルプト、プロシージャルテクスチャ、2D/3Dペイント、テクスチャベイク)、アニメーション機能(ボーン、モーフ、パーティクル、モーション合成(NLA)、モーションリターゲティング)、各種シミュレーション(力場、剛体、軟体、布、髪、流体、炎・煙、海洋、群集、動的ペイント)、ポストエフェクト/コンポジット機能(グレア、レンズ歪み、高度なキー抜き、カラー調整など)、マッチムーブ(点/面トラッキング、カメラ/オブジェクトトラッキング、画像スタビライザ)、ベクトルマスク編集、リニアワークフロー対応のカラーマネージメント、ステレオ3Dや球状ステレオや多視点への対応、FBX形式の入出力、特徴予測ベースの3Dオーディオ、動画編集、3D印刷用機能(メッシュ解析、3D印刷ツールボックス)まで備えている。レンダラはリアルタイムのEEVEE、GPU対応パストレースレンダラのCycles、ベクター出力も可能なNPR(非写実的)レンダラのFreestyleが搭載されている。また、インテリアのレンダリングに強いLuxCoreRenderなどのオープンソースの外部レンダラも使うことができる。高度なスケッチ機能(グリースペンシル、ストロークスカルプト)が付いており、3D手書きアニメーションも可能。簡易テキストエディタも付いている。
- 2.8で旧来のBlender Internalレンダラー及びBlender Game Engineが廃止された。
- 他のソフトウェアと比較すると付属プリセットは少ない(3.5の標準アセットはヘアのみ)ものの、外部では無料アセットの取得可能なBlenderKitアドオンやBlendSwapというアセット共有サイトが存在する。また、穴あきポリゴンに未対応、状態機械ノードに未対応、RAW現像に未対応、フィルムのクリーンアップに未対応、コンポジットでの高度なリタイムに未対応、個々の機能が専用ソフトに劣るなどの欠点がある。
開発停止中のソフトウェア
[編集]- trueSpace (マイクロソフト←Caligari←Octree Software。日本語版は住友金属システムソリューションズ(SMI))
- 統合ソフトウェア。物理シミュレーションにも対応していた。無料化されていた。
- Autodesk Softimage(オートデスク←Avid Technology←マイクロソフト←Softimage。国内総代理店はAutodesk Ltd. Japan←AVID Japan←ダイキンCOMTEC)
- ハイエンド3DCGソフトウェア。非破壊編集に強く、ICEというノードベースの機能もあり、複雑なエフェクトが作りやすかった。コンポジット&ペイント(ラスター・ベクター)機能のSoftimage Illusionもあった。かつては、姉妹ソフトウェアとして、動画ノンリニア編集のSoftimage DS (後のAvid DS)や3Dタイトル作成のSoftimage Marquee (後のAvid Media Composer付属のAvid Marquee)、2DアニメーションのSoftimage Toonz (現OpenToonz)があった。
- NURBSによるマルチパッチモデリングやトリムサーフィスにも対応していた。
- 以前は無料で商用不可の簡易版であるSoftimage Mod Toolと、その有料版のMod Tool Proも存在した。
- 最終版は、2014年4月14日にリリースされたSoftimage 2015[272]。
- ▼六角大王Super (セルシス←終作)
- 国産のモデラーおよびトゥーンレンダラ。アニメーション作成も可能。下絵をなぞるだけで立体化できる「3Dマンガ機能」や「人体作成機能」が特徴的。無料版の無印も存在した。
- 最新バージョンは2012年にリリースされた6.4.1。セルシスは、六角大王Superの技術を取り入れた次期3Dソフトウェアの開発を始め[273]、2013年10月にCLIP STUDIO MODELERをリリースした[274]。
- K-3D
- オープンソースのモデリング/アニメーションソフトウェア。RenderManによるレンダリングに対応している[275]。
- ★Carrara (DAZ 3D←Eovia←MetaCreations。過去の国内代理店はイーフロンティア←ホロン)
- 安価な統合ソフトウェア。おもに地形や風景・環境の作成に適したソフト。大気や樹林の設定も容易となっている。元々DAZ Studioに実装されていたパペッター機能や、オートフィット機能が搭載されている。CAD形式のインポータも搭載されていた (旧CadStyle、Amapi用CADanceの姉妹製品[276])。
- 3DペイントやDisplacement Paintingに対応している。スカルプトには未対応。
- モデリングソフトAmapi (イーフロンティア←Eovia←Template Graphics Software)の後継ソフトHexagon (DAZ 3D←Eovia)のモデリング機能が統合されている。
- ■Electric Image Animation System (Tomas Egger及びthe Igors[277]←EITG[278]←Play[278]←Electric Image[278]。過去の国内代理店はStudio PON[278]←イメージワン)
- 略称EIAS。アニメーション制作ソフトウエア。モデリング未対応。ステレオレンダリング対応。かつてモデラーが同梱されていた時期はElectric Image Universe (EIU)と呼ばれていた。また、dvGarageより、EIUの学習版として、安価な3D Toolkitがリリースされていた[279]。最終バージョンは2013年6月リリースのv9.1。2010年12月3日、Power Particles Pro等のプラグインの開発元TripleDToolsが解散した[280]。
- PhotoAnim
- かつては写真をアニメーションするソフトウェアであったが、写真や絵からの3Dモデル生成及びアニメーションに対応し、3Dモデルのインポート/エクスポートも可能となっている。
- Clara.io (ThreeKit[281]←Exocortex Technologies)
- WebGLベースの統合型3Dソフトウェア。無料。バージョン管理やV-Rayによるクラウドレンダリングに対応していた。3DS Max用の連携プラグインが存在した。提供終了[281]。
- Clarisse (Isotropix)
- 下位のiFX版とノードベースのシーン構築/コンポジットに対応したBUiLDER版が存在した[282]。モデリングには未対応。
- Mayaから転送する外部のMaya/Clarisse Bridge Toolも存在した[283]。
- ★modo(The Foundry Visionmongers←Luxology。国内代理店はディストーム MODO JAPAN グループ[284]←イーフロンティア[284][285]←マーズ[285])
- 開発は LightWave 3D の初期開発者が中心となっていた。安価なIndie版も存在するが、エクスポートが10万ポリゴンまで、テクスチャベイクが4Kテクスチャまでなどの制限があった[286]。開発終了[287]。
- アクションセンターを使ったモデリングに定評があった。ベクター画像テクスチャ、ダイナミクス(旧Recoil)、オーディオ再生にも対応していた。NukeやMariとの連携もあった[227]。17.1でキャラクタアニメーション向けのAuto Character System (ACS; 旧Auto Character Setup kit[288]) プラグインが統合された[289]。
- ノンリニアアニメーション(NLA)には未対応。エフェクトでは、ノードベースのパーティクルモディファイア(pMods)やパーティクルスカルプトに対応していた。
- Modo、Mari、Nuke StudioをセットにしたProduction Collectiveも存在した。
教育向け統合ソフトウェア
[編集]- PLAY Animation (プロジェクトチームDoGA)
- Windows用の3DCG学習向け統合ソフトウェア。ポリゴンモデリングには未対応だが、パーツを組み合わせてモデリング可能。「とてかんCG」(DoGA-L/Eシリーズの後継)の英語版。Child's PLAY AnimationとTeen's PLAY Animationがある。UnityでDoGA形式を読み込む為のアセットもある[290]。また、DoGA向けポリゴンモデラーとしてPolyEditがあった。
- Muvizu (MeshMellow←Digimania)
- 教育等に向けた3Dアニメーション作成ソフトウェア。
VR向け
[編集]- Masterpiece Studio (Masterpiece Studio←MasterpieceVR)
- VR用。モデリング向けのMasterpiece Createとアニメーション向けのMasterpiece Motionが存在する。非商用無料[291]。
- Quill (Smoothstep←Facebook Technologies←Oculus VR)
- VRイラスト及びアニメーションツール。
汎用プラグイン/スクリプトの例
[編集]- INSYDIUM Fused (Insydium)
- Cinema 4D用のサブスクリプションパッケージ。メッシュ非破壊編集のMeshTools、地形作成のTerraformFX (旧Terraform4D・元Frank Willeke製[292])、植物作成のTaiao、パーティクル及びマルチ物理のX-Particles、GPUパーティクルのNeXus、レンダラーのCycles 4D(Cyclesの派生)、各種マテリアルを含んでいる。
- X-Particles では様々なパーティクルモディファイア、パーティクルのメッシュ化、流体・気体流体シミュレーション(炎はExplosiaFX (元Blackcore tech製)の技術を統合)、稲妻エフェクト、布シミュレーション、ストレンジアトラクター、2Dセルオートマトン、2D/3D拡散律速凝集、万有引力などに対応している。マルチ物理プラグインDPIT Effex (元NAVIÉ製[293]) の一部技術も統合されている[294]。
- Greyscalegorilla Plus (Greyscalegorilla)
- サブスクリプションパッケージ。アセットは様々なソフトウェアに対応したが、多くのプラグインはCinema 4D向けとなっている[295]。ライティング向けの Light Kit Pro、HDRI Link、HDRI Studio Rig、アニメーション向けの Signal 3.0、Transform、カメラワーク向けの GorillaCam、街生成の City Kit、リアルな反射マテリアル作成の Topcoat プラグインが含まれている(追加される前は個別またはスイートで販売されていた[296])。
- keKit
- 多数のツールを収録したBlender用アドオンであり、MODOのアプローチが実装されている[297]。MODO用のプラグインもあった[298]。
開発停止中
[編集]- Dara (9b Studios←Mechanical Color)
- Modo用。モデリングやライティング(Kelvin)やレンダリングの強化(RenderMonkey)などに対応。オープンソース化された[299]。
- SLiB SUITE (DGDM)
- Maya用のスクリプト集。床生成のSLiB FloorGen、アセットブラウザのSLiB Browser Pro、受光物へのペイントによるライト作成のSLiB Leuchtkraft、写真へのパース合わせのSLiB Match[300]を搭載していた。それらの単体版も存在した。
- SLiB Browser ProはKitbashにも対応していた[301]。
- Ninja Dojo (Brian Keffer)
- Maya用[302]。メッシュ編集用のNinja Mesh、UV編集用のNinja UV、破壊シミュレーション用のNinja Fracture、ライティング用のNinja Light、リネーム用のNinja Rename、アセット管理用のNinja Asset、街生成用のNinja City (Grandmaster版のみ) を含む。Maya 2018まで対応。
- Unity Wētā Tools (Unity Technologies[303]←WETAデジタル)
- ツール集。元々Houdini向けのWetaHとしてマルチ物理ソルバーのLokiや街生成のCityBuilderなどが[304]、Maya向けのWetaMとしてヘアのBarbershopや環境シミュレーターのTOTARA、フェイシャルアニメーションのFACIALなどが含まれる予定であった[305]。また買収にはレンダラーのManuka及びGazeboも含まれていた[306]。
- 2023年時点では買収したZiva DynamicsのZiva、IDVのSpeedTreeがUnity Wētā Toolsの一部という扱いとなっていた[307][308]。
キャラクターCG / 漫画制作ソフトウェアの例
[編集]3Dキャラクターはメタバースを含むソーシャルVRでも使われており、VRChatではUnity向けのHumanoid互換FBX形式が、Virtual CastやClusterではVR向けのVRM形式がキャラクター入力形式として使われている。
ソフトウェア | キャラクター作成 | 服のフィッティング | キャラクター入力 | 公式コンテンツストア | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
FBX形式 | Poser形式 | DAZ形式 | FBXKEY形式 (iClone) | DNA形式 (MetaHuman) | PMD/PMX形式 | ||||
Poser | Yes | Fitting Room | ? | Yes | No[x 1] | No | No | No | Renderosity |
DAZ Studio | Yes | "Fit to" | ? | Yes[309] | Yes | No | No | No | Daz 3D Shop |
iClone | (Character Creator) | Conforming Clothing | (Character Creator)[310] | No | No | Yes | No[x 2] | No | Content Store |
Blender | MPFB[注釈 3] / (MB-Labアドオン) / (CharMorphアドオン) | Yes | (Blender-PT2アドオン[x 3]) | (DAZ Importerアドオン) | (CC3 Blender Toolsアドオン)[311][x 4] | (Meta-Human DNAアドオン)[312] | MMD Toolsアドオン[注釈 3][313] | No | |
Unreal Engine | No[x 5] | ? | Yes | ? | ? | ? | Quixel Bridgeプラグイン[315][x 6] | ? | Fab[x 7] |
ソフトウェア | リップシンク | 表情アニメーション | モーションキャプチャー | |||
---|---|---|---|---|---|---|
FACSシステム | フェイシャル | 深度カメラ | Webカメラ | Mocapスーツ | ||
DAZ Studio | (Anilip)[x 8] | (Genesis 3 & 8 Face Controls) | ? | ? | ? | ? |
iClone | AccuLips | (Character Creator)[318] | (AccuFace / Live Face Profile & Live Face App[x 9])[319] | Mocap Device Plug-in[320] | (Motion LIVE) | |
Blender | ? | (MB-Labアドオン) | No | (KinectMocap4Blender) | (BlendArMocap[321]) | No |
ソフトウェア | 搭載レンダラー | レンダリングアルゴリズム / シェーダー | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
リアルタイム | オフライン | 表面下散乱の異方性(肌)[322][323] | 高速な屈折コースティクス(目)[x 10][322][323] | メラニン量によるヘア(髪) | トゥーン | |
Poser | ? | FireFly (独自) / Superfly (Cycles) | ? | No | Cycles NodesのPrincipledHairBsdf | Yes |
DAZ Studio | Filament | 3Delight / Iray | ? | ? | ? | 部分的[x 11] |
iClone | NVIDIA VXGIベース | Iray (別売)[x 12] | ? | ? | ? | Yes |
Blender | EEVEE | Cycles | 3.0以降 | 3.2以降 | Yes | Yes |
3ds Max | Nitrous | Arnoldなど | Yes[324] | ? | Standard Hair | Yes |
Maya | Viewport 2.0 |
- ^ 以前はDAZ 3D製のDSON Importerが存在した。
- ^ iClone MetaHuman Live Link Kitは存在するがダミーのアバターを読み込む形となっている。
- ^ Poser Toolsの派生
- ^ Blender Addon Reallusionアドオンの実質的後継
- ^ 同社のMetaHuman Creatorはブラウザベースとなっている[314]。
- ^ MetaHumanプラグインも存在する[316]
- ^ Unreal Engine MarketplaceとSketchfab Storeの後継[317]
- ^ 以前はプラグインのMimicが別売されていたほか、そのMimicが32bit版のDAZ Studioに付属していた。
- ^ サードパーティー製にはFaceware Realtime for iCloneもある。
- ^ 単方向パストレーシングにおけるMNEE (Manifold Next Event Estimation) など。
- ^ 以前は別売として元Poseworks製のpwToonが存在した。
- ^ 以前はIndigo RTプラグインも存在した。
- ■Poser (Bondware[325]←Smith Micro Software←イーフロンティア←Curious Labs←MetaCreations←Fractal Design。国内代理店はイーフロンティア←ソフトウェア・トゥー)
- 人体や動物の静止画・動画を作成することに特化したソフトウェア。人物・動物のモデルが標準で付属しており、パラメトリックモデリングが可能。3Dオブジェクトやシーンの出力も可能。ポリゴンモデリングには非対応。
- PoserのシーンをMaya、3ds Max、CINEMA 4D、LightWaveに転送にするPoserFusionが頒布されていたほか、ゲームエンジン向けのPoser Pro Game Devも存在した。
- ■DAZ Studio (DAZ 3D)
- Poser類似のソフト。無料。有料プラグインが豊富に存在する。インディーゲーム開発者向けに、DAZ3Dのキャラクターの使用を許可するIndie Game Developer Licenseが発売されている。
- ★iClone (Reallusion)
- 3Dアニメーションソフトウェア。Windows専用。ステレオ3D / VR動画の出力にも対応している。Alembic形式の出力も可能。モデルの作成やエクスポートはCharacter Creatorが必要となる。
開発停止中のソフトウェア
[編集]- MikuMikuDance (VPVP)
- MikuMikuMoving
- AniCast Maker (Avex Technologies)
漫画向け
[編集]- コミPo! (CRI・ミドルウェア←ウェブテクノロジ)
- 3DCGによるマンガ作成ソフトウェア。キャラクタ等をパラメトリックに変更可能。3Dオブジェクトのインポートは可能だが、独自のパラメトリックオブジェクトの作成やオブジェクトのエクスポートは不可能。
- CLIP STUDIO PAINT (セルシス)
- 2Dペイントソフト。3D素材から線画抽出する3DLT変換機能を有している。3D素材作成のために3Dモデリング及びセットアップソフトウェアのCLIP STUDIO MODELERが無料で提供されている (CLIP STUDIO COORDINATEを統合)。
- PSOFT ShotBooth (P SOFTHOUSE)
- 漫画およびイラストレーション向け。β版。
キャラクター作成
[編集]PBR対応
[編集]- Character Creator (Reallusion)
- キャラクター作成ソフトウェア。iClone Proのライセンスに付属していた[326]。
- 2.0でPBRに対応した[327]。非PBRマテリアルからPBRマテリアルへの変換にも対応している[328]。3.0でInstaLODを内蔵し、ゲーム向けにも最適化された。4で外部形式とiCloneとのモデル変換用アドオンであった3DXchangeが統合された[329]。
- CharMorph
- Blender用アドオン。MB-Labの再実装版。ライセンスはコード部分がGPLv3、データ部分がAGPL。
- MetaHuman Creator (Epic Games)
- MPFB
- Blender用アドオン。MakeHumanの再実装版[330]。ライセンスはGPLv3。
PBR未対応
[編集]- MakeHuman
- パラメータから人間をモデリングするオープンソースソフトウェア。リグ付きでエクスポート可能。出力したモデルはCC0のため自由に使うことができる。後継のMakeHuman pyside6は開発中[331]。
- ZBuilder (Tsvetomir Georgiev)
- ZBrush用のキャラクター作成プラグイン。人類向けのHuman Zbuilderや動物向けのZbuilder Animalsもある。
- FaceGen (Singular Inversions)
- パラメータから顔のモデルを生成するソフトウェア。写真からパラメータを算出することができる。
NPR向け
[編集]- VRoid Studio (Pixiv)
- 無料。VRM形式への出力に対応している。
開発停止中
[編集]- Species (Exocortex Technologies)
- Softimage用のキャラクター作成プラグイン。Softimage 2012まで対応。
- Adobe Fuse CC (Adobe←Mixamo)
- モジュールベースのキャラクター作成ソフトウェア。無料。Photoshopとの連携に対応。開発終了[332]。
- Autodesk Character Generator (Autodesk←Darwin Dimensions)
- 旧Evolver及びProject Pinocchio[333]。部分毎にプリセットキャラクターを選択して合成し、新たなキャラクターを生成するWebサービス。
- かつては基本無料(ダウンロードは有料)であった[334]が、その後、Media & Entertainment Collectionの付属サービスとなった[335]。生成されるモデルはAutodesk HumanIKミドルウェアと互換性がある[334]。
- MB-Lab
- Manuel Bastioni Labの後継[336]。パラメータから人間をモデリングするBlender用アドオン。ライセンスはコード部分がGPLv3、データ部分がAGPL。1.6.5でマテリアルがPrincipled BSDFシェーダーベースとなった。2024年開発終了。
キャラクター向けプロシージャルシェーダー
[編集]- ZBrush Multi-Eye Shader
- ZBrush用のプロシージャルな眼球シェーダー[337]。
- cell skins node for cycles
- Blender用のプロシージャルな皮膚シェーダー。
- eyez
- Blender用のプロシージャルな眼球シェーダー。
建築および製品可視化ソフトウェアの例
[編集]キャラクターアニメーションやエフェクトが弱いものの、NURBSやベジェサーフィスに強く、建築および製品可視化に使われる3DCGソフトウェアも存在する。また、マルチオブジェクト、アニメーション、ライティング及びレンダリング対応の3D-CADもある。これら用途には一般的な3DCGソフトウェアも使われている。
可視化に向けてオフラインレンダリング後にライトやテクスチャを変更できるソフトウェアも登場した(Motiva COLIMOやColorwayなど)が、リアルタイムレンダリングの進化と共に終了していった。
ソフトウェア | 対応プリミティブ | CAD形式入力 | BIM形式入力 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
NURBS曲面 | トリムNURBS曲面 | DXF | DWG | STEP | IGES | 3DM | IFC | |
Maya | Yes | Yes | Autodesk Translation Framework (ATF)[338][v 1] | No | No | |||
3ds Max | Yes | Yes | Autodesk Translation Framework (ATF)[v 1] | No | (IfcMax) | |||
Cinema 4D | Yes | ? | Yes[339] | R20以降[88] | (Rhino.io) | No | ||
modo | No | No | Yes[340] | (Power Translators for MODO) | Yes[340] | No | ||
LightWave | (LWCAD) | Yes[341] | No | No | No | No | No | |
Houdini | Yes | Yes | Yes[342] | No | No | No | No | No |
Blender | Yes | No | Import AutoCAD DXF Format addon[343] | No | (STEPper addon) | No | (import_3dm addon) | Bonsai addon[344][v 2] |
Shade 3D | Yes | Yes | Yes[345] | No | No | Yes[345] | No | BIM/CIM 設計照査ツール[346][v 3] |
Unreal Engine | No | No | No | Datasmith[347] | ||||
Unity Industry | No | No | PiXYZ Plugin[348][v 4] |
ソフトウェア | プロシージャルテクスチャ | マテリアル集 | レンダリング | |
---|---|---|---|---|
木材 | タイル | カットアウェイ[v 5] | ||
3ds Max | Advanced Wood OSL[v 6][353] | Simple Tiles OSL[354][v 7] | Autodesk Material Library[v 8][355] | Clip Geo[356] |
Cinema 4D | ? | Tile Shader[v 9] | Yes[357] | カスタムシェーダー[358] |
modo | ? | ? | Preset Browser[v 10] | Render Boolean |
LightWave | Rman Collection[359] | ? | ? | |
Blender | (ProWoodなど) | ? | No | Booleanモディファイア |
- ^ a b Maya 2016 Extension 2及び3ds Max 2016以降に搭載。Autodesk DirectConnectの後継。以前はサードパーティー製インポーターのPower Translators(IntegrityWare製)などを使う必要があった。
- ^ 旧BlenderBim
- ^ Civil版およびUltimate版は同梱、Professional版は別売
- ^ 以前はPixyz Pluginの単独版も存在した[349]。Unity Technologies Japanとプロノハーツの共同開発であったCAD importer for Unity (旧Unity CAD Importer) もあり、こちらはIGES形式、STEP形式、STL形式に対応している[350][351]。またBIMソフトウェアとの同期ではディックスのBIMImporter (旧Unity BIM Importer) [352]やAMC Bridge製のWalk-Through-3D (Rhinoceros版は旧Unity@Rhino) も存在する。
- ^ レンダータイムブーリアン対応なら緑、非破壊ブーリアン対応なら黄色とする。
- ^ 以前はオープンソースのBerconMapsなどが必要であった。
- ^ 以前は外部プラグインのMighty Instruments製のMighty Tiles Pro、VIZPARK製のMaxTiles、Firsteye (商号CG-Source.com) 製のFloorGeneratorなどが必要であった。
- ^ Inventor、AutoCAD、Revitなどと共通となっている。
- ^ Redshiftでは3.5.12以降
- ^ 別売としてMatPak Interiors/Metals/Coatingsも存在した。
- ★Shade3D(フォーラムエイト←Shade3D←イーフロンティア(海外パブリッシャーはMirye Software)←エクス・ツールス)
- ポリゴン、ベジェサーフィス (自由曲面)及びNRUBS(CADモード)、点群(24.1以降)に対応している。Basic、Standard、Professional、Civil、Ultimateの五つのグレードがある。同社のUC-win/Roadと連携可能。Civil版は別売のBIM/CIM 設計照査ツールとパラメトリックモデリングツールが、Ultimate版はそれに加えて別売のブロックUIプログラミングツールが同梱されている。
- 3Dペイントやスカルプトには未対応。アニメーションではボーン、モーフに対応している。ノンリニアアニメーション未対応。
- Strata Design 3D (Strata←Corastar←Chequemate International (商号C3D Digital[360])←Strata。日本語版はソフトウェア・トゥー)
- 旧Strata 3D←Strata Studio Pro/StrataVision 3D。Linux未対応。ポリゴン及びベジェサーフィスに対応している。Power Macintosh時代に、3DCADのMiniCAD (現Vectorworks)のレンダリングに使われていた。
- 通常版のCXの他、AIやPDFの入力を削った安価なCXi版、無料版のSE版も存在する。SE版は、アニメーションに非対応であり、モデリングやライティングや入出力やテクスチャ付けにも制限がある。
- VR17でVR動画出力に対応した[361]。
- パーティクルにも対応している。ボーンやIKには対応しているが、スキニングには未対応。また、3Dペイントやスカルプト、ノンリニアアニメーション(NLA)や物理演算、SSSシェーダー、Pythonスクリプトに未対応。
- Rhinoceros 3D (Robert McNeel & Associates。国内総代理店はアプリクラフト)
- NURBSサーフィス/ソリッドモデラー。Linux未対応。6でプロシージャルモデリングプラグインのGrasshopperや物理エンジンプラグインのKangaroo、レンダリングプラグインのRhinoCyclesが標準搭載となり、7でSubdivision Surfaceモデリングに対応した。VRビューポートプラグインのRhinoVRもある。
- アニメーションには商用プラグインのBongoが必要となる。スカルプトモデリングにはGemvision製 (元TDM Solutions製) のMatrixGoldなどが必要となる。
- デザイン方面で使われることが多いが、マルチメディアやグラフィックデザイン目的でも使われている。
- Autodesk Fusion (Autodesk)
- 旧Fusion 360。ソリッド及びサーフィスモデラー。無料版あり。NURBSだけでなく、T-スプラインやポリゴンにも対応している。また、アニメーション及びレンダリングにも対応している。
- 以前は簡易ソリッドモデラーの123D Designも存在した。
- Altair Inspire Studio (Altair Engineering←solidThinking)
- 旧Altair Evolve←solidThinking Evolve。ソリッドモデリング、NURBSサーフィスモデリング、ポリゴンモデリングに対応するモデラーおよびレンダラー。アニメーションにも対応。ポリゴンモデルのNRUBSサーフェス化も可能。工業デザイン向けだが、CGにも使われている。Linux未対応。
- レンダリングとアニメーションのみのAltair Inspire Renderも存在する[362]。
- SketchUp Studio(Trimble Navigation←Google←@Last Software)
- 人工物のモデリングに向くサーフィスモデラーであり、Push-Pullモデリングが特徴。点群からの3Dスキャンに対応するScan Essentials機能も持つ。簡単なアニメーションにも対応しているほか、レンダリングは独自のNPR (非写実) レンダラーに加えてV-Rayが搭載されている。Web版とデスクトップ版が付属する。
- V-RayやScan Essentials非搭載の下位版のPro、Web版のみのShop、Web版の無料版のSketchUp Free (旧my.SketchUp) も存在する。かつてはデスクトップ版が無料であったがその後、無料版はSketchUp Makeとなり、バージョン2018で廃止された[363]。
- form•Z (AutoDesSys。国内総代理店はアルティマグラフィックス←イメージ ワン)
- ソリッドモデリング/レンダリングソフトウェア。アニメーションにも対応。Subdivision Surfaceにも対応している[364]。
- Pro、Jr (旧Bonzai3D)及び無料版のFreeの三バージョンが存在する。Bonzai3D (現form•Z Jr)はSketchUpに似たものとして注目されていた[365]。レンダラーにはLightworks Authorが搭載されている。
モデリング非対応
[編集]シーン構築、アニメーション、ライティング、レンダリングに対応する3D可視化ソフトウェアや3Dビジュアルコミュニケーションソフトウェアなど。
- KeyShot (Luxion)
- アニメーション及びレンダリングソフトウェア。レンダリングはBunkspeed HyperShotの技術を引き継ぐ[366]フォトンマッピング技術をベースとしている[366]。リアルタイムレンダリングや直接NRUBSレンダリングにも対応している。HDRI編集機能もある[367]。VR向けのKeyVRも存在する[368]。11で剛体シミュレーションや3Dペイントやカラーマテリアルフィニッシュ(色・素材・仕上げ)管理にも対応したほか、WebビュワーのKeyShotWebも追加された[369]。
- 3ds Max、Maya、Cinema 4D、Rhinoceros、SketchUp、SolidWorks、Creo、AutodeskFusion、NX、Onshape用のプラグインが提供されている。また、サードパーティーによって、ZBrush、solidThinking、Delcam、Geomagic Design、IronCAD、JewelCAD Pro、Solid Edge、Spaceclaim、ZW3D等用のプラグインも提供されている。
- Autodesk VRED (Autodesk ← PI-VR)
- 可視化ソフトウェア。UV編集、アニメーション及びレンダリングに対応している。レンダリングにはOpenGLレンダラ及びリアルタイムレイトレースレンダラーを搭載している。直接NURBSレイトレースやスペクトルレンダリング、測定マテリアル(BTF、AXF、IESライト、rayファイル)にも対応している。Autodesk Alias AutoStudioに付属している。
- NURBSレイトレースレンダラーであったRenderGin (Autodesk[370]←Numenus)の技術が取り込まれた[371]。
- SimLab Composer (SimLab Soft)
- 3Dビジュアルコミュニケーションソフトウェア。シーン構築、アニメーション及びレンダリングに対応。
- nStyler (GRAPS←エヌテクノロジー)
- リアルタイム単体レンダラー。リアルタイム・レイトレーシングにも対応しているほか、アニメーション機能も備えている。HMDやウォールスクリーンなどのVRにも対応している。32bit版は無料[372]。
- Rhinoceros用としてHayabusa Renderer (Griffin Design Systems←AppliCraft)も存在した[373]。
- Maverick Studio (Random Control)
- 可視化向けのレイアウト、ライティング、レンダリングツール。GPU対応スペクトルレンダラーを搭載している[374]。2024.1でアニメーション機能が強化された[375]。
- 3ds Max及びRhinoceros向けであったArionの後継であり[374]、Arionはfryrenderを吸収していた[376]。
- SAP 3D Visual Enterprise (SAP)
- Author (旧Deep Exploration CAD、元Right Hemisphere製[377])、Viewer及びGeneratorが含まれている[378]。多くの3DCG形式、CAD形式、ラスター画像形式、ベクター画像形式、音声形式、動画形式、モーションキャプチャー形式の変換に対応するコンバータ、アニメーション、レンダリング及び3Dオーサリングソフトウェア[379]。以前はCAD形式に未対応の通常版であるStandard版も存在した。Adobe Acrobat 3Dには、Deep ExplorationのOEMであるAdobe Acrobat 3D Toolkitが付属していた[380]。
- NuGraf (Okino Computer Graphics)
- 様々な形式に対応するコンバータ、シーン構築及びレンダリングソフトウェア。
- コンバータのみのPolyTransも存在する[381]。一部のDCC形式はDCC Packが、CAD形式はCAD Packが必要。
- CINEMA 4DのEngineering Editionには、Engineering Extension KitとしてPolyTransが含まれていた[382]。
開発停止中のソフトウェア
[編集]- Motiva COLIMO (Motiva)
- プロトタイプ段階での製品可視化ツール。レンダリング後にライトや色やテクスチャを変更可能であった[383]。開発中止。
- Colorway (Foundry)
- Motiva COLIMOに似たものとして開発された[384]。開発中止[385]。
建築可視化向け
[編集]建築可視化には旧来3ds Maxなどの統合ソフトウェアが使われてきたが、2022年現在Unreal EngineなどのゲームエンジンやLumion、Twinmotion、Enscape、D5 Render、Chaos Vantageなどの専用ソフトウェアや専用プラグインが使われることも増えている[386]。専用ソフトウェアには地形作成、植生作成、季節の設定、人混み及び都市交通シミュレーション、それらのためのアセットライブラリの含まれているものが多い。
ソフトウェア | シミュレーション | 2D図面 | 照明解析 | 環境解析 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
交通 | 歩行者 | 天候[d 1] | 日照解析 | エネルギーシミュレーション | 気流シミュレーション | |||
3ds Max | Civil View[387][d 2][388] | Populate[d 3][389] | ? | No | (V-Ray[d 4][390]) | No | No | No |
Blender | (CrowdSim3D) | (WeatherFX) | Bonsai[注釈 3][d 5] | (LuxCoreのIrrandiance AOV) | Bonsai[注釈 3][d 6] | (VI-Suiteアドオン) | ||
Shade 3D | No | No | No | 2D図面 | ? | ? | ? | ? |
SketchUp | No | No | No | LayOut | ? | (Sefaira)[d 7][391][392] | ||
LumenRT | Traffic Tool | Pedestrian Walk | ? | ? | ? | ? | ? | ? |
Twinmotion | Path Tool | Yes | ? | ? | ? | ? | ? | |
D5 Render | Path Tool[393] | Yes[393] | ? | ? | ? | ? | ? | |
Enscape | ? | ? | ? | ? | ? | ? | Enscape Impact[d 8][394] | ? |
- ^ 雨と雪に対応していたら緑、それ以外でも天候システムを持っていたら黄色とする。
- ^ 2011にはPixelActive製のCityScapeも搭載されていた。
- ^ 旧Project Geppetto
- ^ 2019より前は「照明分析アシスタント」が搭載されていたが、mental rayプラグインの開発終了に伴って廃止された。
- ^ 外部アドオンとしてオープンソースのMeasureIt_ARCHもある。
- ^ 外部アドオンとしてオープンソースのVI-Suiteもある。
- ^ Sefairaは2019以降のStudio版に付属していたが2021年に削除された。
- ^ Integrated Environmental Solutionsとの共同開発
- LumenRT (Bentley Systems[395]←e-on Software)
- リアルタイム建築ビジュアライゼーションツール。制限のあるDesigner版がMicroStationに搭載されている[167]。
- Lumion 3D (Act-3D。国内代理店はLivingCG)
- Windows専用[396]。通常版とPro版が存在する[397]。AXYZ design製の3D人物モデルも付属している[397]。
- Twinmotion (Epic Games[398]←ABVENT←KA-RA[399]。国内代理店はAlphacox)
- Windows専用[399]。作成したものを他人に見せるための無料ビューアとしてTwinmotion Presenter (BIMmotionの後継) が提供されている[171]。
- Enscape (Chaos[400]←Enscape GmbH)
- リアルタイムの建築可視化ソフトウェア。
- D5 Render (Dimension 5)
- リアルタイムの建築可視化ソフトウェア[393]。たくさんのアセットが付属している。地形スカルプトにも対応している[401]。無料のCommunity版もある。SketchUp、Revit、3ds Max、Blender、Rhinoceros、ArchiCAD向けのプラグインも存在する。
- Chaos Vantage (Chaos)
- 旧Project Lavina。リアルタイムの建築可視化向けプラグイン[402]。多数のアセットを含むChaos Cosmosが付属している[402]。V-Rayとセットで使うことが想定されている[402]。3ds Max、SketchUp、Rhinoceros、Revit、Cinema 4Dとのライブリンクに対応している。V-Ray Premiumの一部。
- Bonsai (IfcOpenShell)
- 旧BlenderBIM。Blender用のBIMアドオン。IfcBlenderの後継[403]。IFC形式を含む様々なBIM形式に対応している。オープンソース。
- 姉妹ソフトウェアにはIFC形式からのコンバータのIfcConvertもある。また以前は3ds Max用IFCインポータのIfcMaxも存在した。
- HAL Archviz Toolkit (Hoyt Architecture Lab)
- Unreal Engine用の建築ビジュアライゼーション向けツール[404]。販売終了。
照明解析/環境解析
[編集]物理ベースのレンダラーは現実をシミュレーションするため、照明解析に使うことができ、それに対応するソフトウェアも存在する (Radiance[405]、irayのIrradianceレンダーエレメント[406]、V-RayのVRayLightMeterヘルパー[407]及びVRayLightingAnalysisレンダーエレメント[408]、Luxrender 1.5以降のIRRADIANCE AOV[409]など)。
- VI-Suite
- Blender用のノードベースの環境解析アドオン[410]。照明可視化のLiVi、エネルギーシミュレーションのEnVi、気流シミュレーションのFloViを含む。バックエンドにRadiance、EnergyPlus、matplotlib、evalglare、OpenFOAMを使用している[410]。
- ClimateStudio (Solemma)
- Rhinoceros 3D用の環境解析プラグイン。DIVA-for-Rhinoの後継[411]。バックエンドにRadiance、EnergyPlusを使用している。
- Ladybug Tools
- Rhinoceros 3D用。Ladybug、Honeybee、Butterfly、Dragonflyが含まれている。オープンソース。
- Light Stanza
- IES Virtual Environment (Integrated Environmental Solutions Ltd)
開発停止中
[編集]- ODS Studio (ODS Engineering)
- Blender用の環境解析アドオン[412]。バックエンドにRadiance、EnergyPlus、OpenFOAMを使用していた[413][412]。最新版はBlender 2.71向けのv2.x[414]。
建物作成
[編集]建物作成には ArchiCAD のような建物向け3D CADが強いものの、標準で建物作成向け機能を持っている統合3DCGソフトウェアも存在する。
ソフトウェア | 間取り | 床 | 壁 | ドア | 窓 | 階段 | 屋根 | 梁 | 床スラブ | 柵 | パイプ | キッチン | 植物 | 蔦 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Blender | Archimesh[注釈 3] / (Archipackアドオン[h 1])[h 2] | (Archipackアドオン[h 1]) | (PyClone) | Sapling Tree Gen[注釈 3] | Ivy Gen[注釈 3][w 1] | |||||||||
BagaPie[注釈 3] | BagaPie[注釈 3] | BagaPie[注釈 3] | BagaPie[注釈 3] | BagaPie[注釈 3] | ||||||||||
Cinema 4D | 廃止[h 3] | ? | ? | ? | ? | Content BrowserのStaircases | ? | ? | ? | ? | ? | ? | (Maxon Capsules)[h 4][415] | (Maxon Capsules) |
3ds Max | ? | ? | Architectural Objects[416][h 5] | ? | ? | ? | Railing[416] | ? | ? | Foliage[416] | ? | |||
LightWave | ? | ? | ? | ? | ? | Construct[245] | ? | ? | ? | ? | ? | ? | ? | Tendril[244] |
- ^ a b 2.79から2.93まで付属していた。
- ^ 以前は床生成に外部アドオンのFloorboard-Generator(Plancher←Parquetの実質的後継)などが必要であった。
- ^ Content BrowserにHouse Builderがあった。
- ^ Laubwerkのアセットであり同社の買収に合わせて追加された。
- ^ 外部プラグインに階段やエスカレーターを作るcebas製のstairMAXなどが存在した。
- Architron (WTools3D)
- 建造物を作るのに適したCinema 4D用モデリングプラグイン。旧LWCAD Lite←FuturArch[417]。元々はLightWave用モデリングプラグインのLWCADであり、LWCAD 5以降はNURBSサーフィスにも対応していた。3ds Max版もあったが廃止された[418]。
- PyClone
- Blender用のパラメトリックアセットアドオン。
- Blender派生ソフトウェアであったMicrovellum製Fluid Designerの実質的後継[419]。
- Archipack
- Blender用の建造物作成向けアドオン。Blender 2.79から2.93に古いバージョンが付属していた。
開発停止中のソフトウェア
[編集]- Shade ドリームハウス (Shade3D←イーフロンティア)
- 旧名Shade Home Design。
- Xpresso Floor Generator
- パラメトリックに床を生成するためのCinema 4D用プラグイン[420]。
- Floor Generator Pro (C4DTools)
- パラメトリックに床を生成するためのCinema 4D用プラグイン[421]。
- JARCH Vis
- Blender用アドオン。
- Arch-E Kit (Third Guild)
- Modo用の建造物作成向けツール集。Labs、Window Maker、mARCH Classicsを含んでいる[422]。ディスコンになったmARCH[423] (Foundry←Luxology)の実質的後継。販売停止中。
可視化向けアセット集および配置ツール
[編集]アセットの付属する統合ソフトウェアやレンダラー(Thea Render[424]やLuxCoreRender 2.4以降[425]など)も存在する。
- VP COMPLETE (VIZPARK)
- 建築可視化向けのアセット及びツール集。植物、岩、食品、床および地面テクスチャ、空のHDRIテクスチャなどを搭載している。以前は植物だけのPLANTS CompleteやタイルだけのMaxTilesも存在した。3ds Max、Cinema 4D、SketchUp、Blender、MODO向け及びFBX、OBJ形式版がある。
- Archmodels / Archmaterials / Archinteriors / Archexteriors (EVERMOTION)
- 建築可視化向けのアセット集。なおAXYZの3D PeopleもEVERMOTIONで提供されている。
- Design Connected (Design Connected)
- インテリアデザイン向けのオンラインアセット集。3ds Max、Revit、Cinema 4D、Rhino、Blender、SketchUp、Unreal Engine用のアセットブラウザのConnecterもある。
- Skatter (Lindalë)
- SketchUp用のスキャッタープラグイン。植物や岩や人物や家具や食物アセットなどを提供する3D Bazaarが付属している[426]。
- BagaPie (Antoine Bagattini)
- Blender用のストーリーボードや建築可視化に向けたスキャッター及びオブジェクト変形アドオン。無料。壁や窓、階段、手すり、床、梁、パイプ、柱、ツタ (旧Ivy Generator) の生成にも対応している[427]。7でケーブル、フェンス、タイル(瓦屋根含む)、金属サイディングの生成にも対応した[428]。草木や岩のアセットを追加した有料版のBagaPie Assetsもある[427]。
- Flow (digital.ARCH)
- アセット管理および配置アドオンであるが、別売として建築可視化向けのInterior Essentials And Flow[429]とArchitecture Elements & Flowも用意されている。
- engon (polygoniq)
- Blender用のアセットブラウザアドオンであり、独自のスキャッターツールを持っている[430]。オープンソース[430]。同社製のアドオンに付属していたものが独立した[430]。有料アセットパックとして植物のbotaniq、車両のtraffiq、水景物のaquatiq、マテリアルのmaterialiqが存在する(以前はそれぞれ単独アドオンだった)[430]。
- またBotaniqはMaya版も存在する[431]。
開発終了
[編集]- BlendFab
- Blender用の可視化向けアセットライブラリ[432]。マテリアルや各種3Dモデル (植物含む[433]) を含むほか、アドオンとしてBlendFab Sync Asset Managerがある。
パッケージ構築
[編集]パッケージ折り曲げ機能のあるものもある (Cinema 4D内蔵のFold My Design!機能など)。
- PACK kit (The Foundry Visionmongers)
- Modo用のパッケージ向けプリセット及びツール集。
コンセプトデザイン向け
[編集]- uMake (uMake Inc)
- スケッチ機能を備えたコンセプトデザイナー向けのNURBSモデラーであり[434]、レイアウトやプレゼンテーション機能[435]なども搭載されている。元Autodeskのチームによって開発されている[434]。
景観生成ソフトウェアの例
[編集]VueやTerragenなどの景観作成ソフトウェアは、マットペイントにも使われている[436][437]。スキャッタリングについては#プロシージャル / モーショングラフィックス / アブストラクトを参照。
ソフトウェア | プロシージャル地形[w 2] | GIS形式入力 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
高さマップ | ボクセル | USGS DEM | USGS SDTS (.ddf) | GeoTIFF | シェープファイル | OSM | その他 | |
Maya | ? | ? | ? | ? | ? | ? | ? | |
3ds Max | ? | ? | Yes[438] | Yes[438] | ? | ? | ? | LandXML[438] |
Cinema 4D | ? | ? | Yes | ? | ? | ? | ? | |
LightWave | ? | ? | Ground Controlプラグイン[439] | ? | ? | ? | ? | |
Houdini | 16以降[209] | ? | ? | ? | ? | ? | Yes[w 3][239] | Mapbox[w 3][239] |
Blender | No[w 4] | No | No |
|