JR西日本683系電車
JR西日本683系電車 北越急行683系電車 | |
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683系電車の流線型先頭車(2006年4月) | |
基本情報 | |
運用者 | 西日本旅客鉄道 北越急行 |
製造所 | 川崎重工業・近畿車輛・日立製作所・日本車輌製造・新潟トランシス |
製造年 | 2001年 - 2011年 |
製造数 | 270両 |
運用開始 | 2001年3月3日 |
消滅 | 北越急行:2015年3月14日(JR西日本に譲渡) |
主要諸元 | |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 | 交流 20,000 V (60 Hz) 直流 1,500 V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 130 km/h(8000番台のみ160 km/h) |
設計最高速度 | 160 km/h (8000番台以外は準備工事) |
起動加速度 | 1.8 km/h/s |
減速度(常用) | 4.6 km/h/s |
減速度(非常) | 5.2 km/h/s |
車体 | アルミニウム合金(日立:A-train 川重:efACE) |
台車 | 軸梁式ボルスタレス台車(ヨーダンパ付) |
駆動方式 | WNドライブ |
歯車比 | 1:5.22 |
制御方式 | PWMコンバータ (WPC12) +PWM IGBT素子VVVFインバータ (WPC11) 1C1M制御(静止形インバータ一体型) |
制御装置 | 三菱電機及び東芝製 |
制動装置 | 電力回生併用電気指令式空気ブレーキ (直通予備・抑速・耐雪ブレーキ付き) |
保安装置 | ATS-P・ATS-Sw EB・TE装置 |
683系電車(683けいでんしゃ)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)の交直両用特急形電車である。かつては北越急行も保有した。
なお、683系を改造して製作した直流特急形電車である289系については「JR西日本289系電車」を参照のこと。
概要
国鉄以来北陸方面の特急列車で運用されていた485系はリニューアル工事を施工するなど延命を行ったが、経年が30年前後と老朽化が進行しており、その置き換え用として製造されたのが本系列である[1]。681系の増備車として2001年3月3日のダイヤ改正から運用を開始した[2]。
製造メーカーは川崎重工業車両カンパニー・近畿車輛・日立製作所笠戸事業所・日本車輌製造・新潟トランシスである。
構造
各番台の共通事項に関してここで記し、増備ごとの変更点は次節で詳述する。
車体
車体はアルミニウム合金製とし、妻構体を除く台枠および構体は中空トラス断面のダブルスキン構造を採用する[3]。先頭車両の形状には連結時の編成間の移動を考慮した貫通構造と非貫通構造が存在するが、多客時の増結[注 1]や他線への転用を考慮した結果、貫通型先頭車両の割合が増加している[注 2]。非貫通構造の運転台は、681系に倣って前頭部は大型曲面1枚ガラスの流線形とした。先頭部の密着連結器は681系の格納式から固定式に変更し、連結器カバーを簡素化している[4]。前部標識灯は腰部に2基と運転台直上に2基の計4基、後部標識灯は腰部に2基搭載する。
非貫通構造先頭車両に関しては灯具ガラス形状が681系から変更されており、前部標識灯と後部標識灯が一体化されている点が特徴である[4]。また、側窓が681系量産車の四角形タイプから先行量産車(1000番台)に近い直角三角形タイプのものに変更されている。
車体長は21,160 / 20,670 mm(先頭車/中間車)、車体幅は2,915 mmである。床面高さは681系比で35 mm低い1,125 mmとし、ホームとの段差をより小さくしている[3]。車体断面は既存車両との整合性を考慮して681系とほぼ同一であるが、アルミ押し出し形材を使用して屋根構体を構成することから屋根断面形状をすべて同一とし[注 3]、屋根高さを60 mm下げている[3]。曲線通過速度は681系と同様に半径700 mのカーブの場合で最大本則+25 km/hの走行が可能である。
側面窓はUVカットガラスを使用し、座席2列毎の独立窓になっているが、窓と窓の間を黒塗装で繋げることで連続窓の様に見せて681系と併結した時に違和感が出ないようにしている。
落成時から、中間車妻面に転落防止幌が取り付けられている[5]。
- 下枠交差式パンタグラフ(0番台)
主要機器
電動車(M車)は直流電車相当の機器のみを搭載し、付随車(Tp車)に集電装置・変圧器・整流器などの交直流対応装備が搭載されるというM-Tp(pはパンタグラフのp)ユニット構成となっている。これにより、電動車は直流電車と機器の共通化が容易となり、保守上も特高圧機器と高低圧機器の混在によるトラブル防止のメリットがある。それに加えて、ユニットを組まない付随車(T車)を組み込むことで編成を構成している。ユニット間に付随車を挟んでM-T-Tpといった組成も可能となっている[6]。
M車には車両制御装置[注 4][注 5]と空気圧縮機を、Tp車には主変圧器、主整流器、集電装置を搭載する。主変圧器 (WTM27) は走行風利用自冷式を採用し、1,200 kVAの容量を備える[7]。
主整流器 WPC12 は、通商産業省資源エネルギー庁によって示された「高圧又は特高圧で受電する需要家の高調波ガイドライン」に対応するために、自励式PWMコンバータが採用されている[8]。2群構成となっており、故障時には1群を開放することで継続運転が可能となっている[9]。
車両制御装置は、IGBT素子を使用した3レベル電圧形PWMインバータ WPC11 である。1基の装置中にインバータを5基(主回路部4基+補助電源部1基)搭載し、インバータ1基で1台の主電動機を制御する1C1M制御方式を採用している。補助電源部が故障した際には主回路用インバータをCVCF制御することで補助電源のバックアップとしている。
空気圧縮機は除湿装置と一体化した、低騒音型スクリュー式 WMH3098-WRC1600 を搭載する[8]。スクリュー式空気圧縮機は223系2000番台などでの採用実績がある。
集電装置は、681系と同一の下枠交差式パンタグラフ WPS27C である。4000番台は集電装置への着雪防止が考慮されたためシングルアーム式 WPS28D に変更された。
主電動機はかご形三相誘導電動機 WMT105 が採用され、電動車両に4基搭載する[8]。信越本線などの勾配線区への乗り入れを考慮し、1時間定格出力を245 kWに増強している[8][10]。
空調機器は、集中式の WAU704B が1両あたり1基搭載される[8]。ロールフィルタ部に空気清浄機機能[注 6]を搭載し、送風機の制御段数が2段から3段へと増加させることでより細かな制御が可能になっている[4]。また、環境対策から冷媒がフロンから3種混合ガスに変更されている[4]。冷凍能力は36,000 kcal/hである。
デッドセクション通過時は運転席の交直切替スイッチを操作することで主回路が切り替わる。車内照明は直流電源方式で、デッドセクション通過時には蓄電池からの供給に切り替わるため、基本的に消灯しない[10]。
台車は、軸はり式のボルスタレス台車WDT301(電動台車)・WTR301(付随台車)である。乗り心地改善のために空気ばね中心間隔が30 mm拡大されて1,980 mmとなり、床面高さの低下から、側枠の形状を変更し枕ばね取り付け位置が20 mm引き下げられた[10]。また、走行中のローリングを抑制するアンチロール装置のトーションバーを、車体から遠ざかる形になる台車枠側に取り付けることで客室内の騒音低減を図っている[10]。ヨーダンパも設置されている。
WDT301 の基礎ブレーキ装置は踏面ユニット方式である。これは、130 km/hを超える速度での運用を考慮していないためであり、将来的には681系で採用されたキャリパ式ディスクブレーキ方式に変更できるよう準備工事がなされている[注 7]。WTR301の基礎ブレーキ装置は、踏面ブレーキとディスクブレーキ(1軸2枚)の併用である。
保安装置は、新製当初からATS-SWおよびATS-Pのほか、EB・TE装置が搭載される[8]。警笛は、タイフォン、ホイッスルおよび電子笛が先頭車両床下に搭載されている。
運転席速度計のデジタルメーター計から、アナログメーター系に変更された。
車内
編成中の付随車(3両に2両の割合)でトイレ・洗面所が設置され、そのうち編成中の1か所は車椅子に対応したものである。
客室両端には、3色LED式の車内案内表示装置が設置されており、4000番台は大型化されている。また、乗降扉にはドアチャイムが設置されている。音色は223系などと同一である。 デッキと客室との仕切扉は自動ドアであるがタッチセンサー式とすることで混雑時の仕切扉の無駄な開閉が見直された。
普通車は通路を挟んで横2列+2列の4アブレストでリクライニングシートが配置されており、肘掛内蔵テーブルやシートバックテーブル・読書灯(網棚底部に設置)が備えられている。シートピッチは970 mmで、座席モケットの色は奇数号車がサーモンピンク・偶数号車がグレーブルーと分けられている[注 8]が、4000番台では全車がブルーに統一され腰掛の形状変更により乗り心地の向上が図られている。
グリーン車は通路を挟んで横2列+1列の3アブレストでリクライニングシートが配置されている。シートピッチは1,160 mmで、肘掛内蔵テーブルやフットレストが備えられている。681系や新幹線500系電車のグリーン席と同様に、背もたれ上部にヘッドレストが装備されているのが特徴である。
2000番台には普通車の最前列・最後尾列の座席にモバイル用コンセントが設置されており、4000番台は普通車車端席に加えてグリーン車の全席にも設置が拡大されている。
4000番台は携帯電話の普及を受けて車内公衆電話は製造当初から設置されておらず、携帯電話の通話などに利用できるフリースペースを2・6・8号車に設置している。このスペースは当初喫煙ルームを予定していた[11]が、製造中に在来線特急全面禁煙化の方針に転換したため、『鉄道ファン』『鉄道ピクトリアル』両誌に掲載された形式平面図では業務用室扱いとなっていた。その後、営業運転開始とともに携帯電話の通話などに利用できるフリースペースとして機能することになった[12]。
- グリーン車(4000番台)
- グリーン車(2000番台)
- 普通車(2000番台)
- 普通車(2000番台)
- 4000番台デッキ部。右側がフリースペースの入口。
形式
- 電動車は奇数形式、付随車については電動車とユニットを組み集電装置と特高圧機器を搭載するTp車が偶数形式、単独付随車であるT車が奇数形式を称する。車両の向きによる形式区分はされていない。
- クモハ683形(Mc)
- 車体前位に運転台をもつ普通車で、クハ682形・サハ682形とユニットを組んで使用される。後位に車椅子対応設備を設け、車両制御装置・電動空気圧縮機などが搭載されている。
- モハ683形(M)
- 編成の中間に組成される運転台のない普通車で、クロ682形・クハ682形・サハ682形とユニットを組んで使用されている。車両制御装置・電動空気圧縮機などが搭載されている。
- クロ683形(Tsc)
- 車体後位に運転台を持つグリーン車である。前位にトイレ・洗面所を設ける。
- クロ682形(Tpsc)
- 車体後位に運転台を持つグリーン車で、モハ683形とユニットを組んで使用されている。前位にトイレ・洗面所・喫煙コーナー[注 9]を設け、主変圧器・主整流装置・集電装置などが搭載されている。
- クハ683形(Tc)
- 車体前位に運転台をもつ普通車である。後位にトイレ・車椅子対応設備を設ける。
- クハ682形(Tpc')
- 車体後位に運転台を持つ普通車で、クモハ683形・モハ683形とユニットを組んで使用されている。前位にトイレ・洗面所を設け、主変圧器・主整流装置・集電装置などが搭載されている。
- サハ683形(T)
- 編成の中間に組成される、運転台のない普通車である。トイレ・洗面所・車内販売準備室・車椅子対応設備・多目的室・自動販売機・業務用室・車掌室が備えられている。
- サハ682形(Tp)
- 編成の中間に組成される、運転台のない普通車で、クモハ683形・モハ683形とユニットを組んで使用されている。前位にトイレ・洗面所・公衆電話を設け、主変圧器・主整流装置・集電装置などが搭載されている。
- クハ683(0番台)
- モハ683(0番台)
- クハ682(0番台)
- クモハ683(4000番台)
- サハ682(4000番台)
- サハ683(4000番台)
- モハ683(4000番台)
- サハ682(4000番台)
- モハ683(4000番台)
- サハ682(4000番台)
- クロ683(4000番台)
編成
- 2015年3月改正以降のもの。
← 和倉温泉・名古屋 大阪・米原(北陸本線) → | |||||||||
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0番台 | クロ683 -0 | サハ682 -0 | モハ683 -1000 | サハ683 -300 | サハ682 -0 | クモハ683 -1500 | |||
クハ682 -500 | モハ683 -1300 | クハ683 -700 | |||||||
2000番台 | クロ682 -2000 | モハ683 -3400 | サハ682 -2200 | サハ683 -2500 | クモハ683 -3500 | ||||
クハ682 -2700 | サハ683 -2400 | クモハ683 -3500 | |||||||
4000番台 | クロ683 -4500 | サハ682 -4300 | モハ683 -5000 | サハ682 -4400 | モハ683 -5400 | サハ683 -4700 | サハ683 -4800 | サハ682 -4300 | クモハ683 -5500 |
← 米原 金沢・名古屋 → | ||||||
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8000番台 | クモハ683 -8701 | サハ682 -8001 | サハ683 -8001 | モハ683 -8001[注 10] | サハ682 -8002 | クロ683 -8001 |
クハ683 -8701 | モハ683 -8301[注 10] | クハ682 -8501 |
編成表
新製落成時
「サンダーバード」編成
← 金沢・和倉温泉 大阪 → | |||||||
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編成 番号 | クモハ683 -1500 | サハ682 -0 | サハ683 -300 | モハ683 -1000 | サハ682 -0 | クロ683 -0 | 落成日 |
T21 | 1501 | 1 | 301 | 1001 | 2 | 1※ | 2001年1月9日 (日立) ※2001年2月28日 |
T22 | 1502 | 3 | 302 | 1002 | 4 | 2 | 2001年1月19日 (日立) |
T23 | 1503 | 5 | 3 | 1003 | 6 | 3 | 2001年1月26日 (近車) |
T24 | 1504 | 7 | 304 | 1004 | 8 | 4 | 2001年2月22日 (川重) |
T25 | 1505 | 9 | 305 | 1005 | 10 | 5 | 2001年12月23日 (日立) |
T26 | 1506 | 11 | 306 | 1006 | 12 | 6 | 2002年2月23日 (日立) |
← 金沢・和倉温泉 大阪 → | ||||||
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編成 番号 | クハ683 -700 | モハ683 -1300 | クハ682 -500 | 落成日 | ||
T31 | 701 | 1301 | 501 | 2001年1月9日 (日立) | ||
T32 | 702 | 1302 | 502 | 2001年1月19日 (日立) | ||
T33 | 703 | 1303 | 503 | 2001年1月26日 (近車) | ||
T34 | 704 | 1304 | 504 | 2001年2月22日 (川重) | ||
T35 | 705 | 1305 | 505 | 2001年12月23日 (日立) | ||
T36 | 706 | 1306 | 506 | 2002年2月23日 (日立) |
← 富山 大阪 → | ||||||
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編成 番号 | クモハ683 -3500 | サハ683 -2400 | クハ682 -2700 | 落成日 | ||
R10 | 3522 | 2410 | 2710 | 2005年3月4日 (近車) | ||
R11 | 3523 | 2411 | 2711 | 2005年3月4日 (近車) | ||
R12 | 3524 | 2412 | 2712 | 2005年3月23日 (近車) | ||
R13 | 3525 | 2413 | 2713 | 2005年3月23日 (近車) |
← 富山 大阪 → | ||||||||||
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編成 番号 | クモハ683 -5500 | サハ682 -4300 | サハ683 -4800 | サハ683 -4700 | モハ683 -5400 | サハ682 -4400 | モハ683 -5000 | サハ682 -4300 | クロ683 -4500 | 落成日 |
T41 | 5501 | 4301 | 4801 | 4701 | 5401 | 4401 | 5001 | 4302 | 4501 | 2009年2月7日 (近車) |
T42 | 5502 | 4303 | 4802 | 4702 | 5402 | 4402 | 5002 | 4304 | 4502 | 2009年5月26日 (近車) |
T43 | 5503 | 4305 | 4803 | 4703 | 5403 | 4403 | 5003 | 4306 | 4503 | 2009年5月22日 (近車) |
T44 | 5504 | 4307 | 4804 | 4704 | 5404 | 4404 | 5004 | 4308 | 4504 | 2009年6月25日 (近車) |
T45 | 5505 | 4309 | 4805 | 4705 | 5405 | 4405 | 5005 | 4310 | 4505 | 2009年8月4日 (近車) |
T46 | 5506 | 4311 | 4806 | 4706 | 5406 | 4406 | 5006 | 4312 | 4506 | 2010年1月13日 (川重) |
T47 | 5507 | 4313 | 4807 | 4707 | 5407 | 4407 | 5007 | 4314 | 4507 | 2010年1月22日 (川重) |
T48 | 5508 | 4315 | 4808 | 4708 | 5408 | 4408 | 5008 | 4316 | 4508 | 2010年7月13日 (近車) |
T49 | 5509 | 4317 | 4809 | 4709 | 5409 | 4409 | 5009 | 4318 | 4509 | 2010年9月18日 (川重) |
T50 | 5510 | 4319 | 4810 | 4710 | 5410 | 4410 | 5010 | 4320 | 4510 | 2010年10月9日 (川重) |
T51 | 5511 | 4321 | 4811 | 4711 | 5411 | 4411 | 5011 | 4322 | 4511 | 2011年2月28日 (川重) |
T52 | 5512 | 4323 | 4812 | 4712 | 5412 | 4412 | 5012 | 4324 | 4512 | 2011年7月22日 (近車) |
「しらさぎ」編成
← 名古屋/富山 米原 → | ||||||
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編成 番号 | クロ682 -2000 | モハ683 -3400 | サハ682 -2200 | サハ683 -2500 | クモハ683 -3500 | 落成日 |
S01 | 2001 | 3401 | 2201 | 2501 | 3501 | 2002年11月22日 (近車) |
S02 | 2002 | 3402 | 2202 | 2502 | 3503 | 2002年12月13日 (日立) |
S03 | 2003 | 3403 | 2203 | 2503 | 3505 | 2002年11月22日 (日車) |
S04 | 2004 | 3404 | 2204 | 2504 | 3507 | 2002年11月27日 (川重) |
S05 | 2005 | 3405 | 2205 | 2505 | 3511 | 2003年4月17日 (日立) |
S06 | 2006 | 3406 | 2206 | 2506 | 3513 | 2003年4月25日 (近車) |
S07 | 2007 | 3407 | 2207 | 2507 | 3514 | 2003年5月31日 (近車) |
S08 | 2008 | 3408 | 2208 | 2508 | 3516 | 2003年5月31日 (近車) |
S09 | 2009 | 3409 | 2209 | 2509 | 3517 | 2003年6月27日 (近車) |
S10 | 2010 | 3410 | 2210 | 2510 | 3518 | 2003年6月27日 (近車) |
S11 | 2011 | 3411 | 2211 | 2511 | 3519 | 2003年7月10日 (川重) |
S12 | 2012 | 3412 | 2212 | 2512 | 3521 | 2003年7月18日 (川重) |
← 名古屋/富山・和倉温泉 米原 → | ||||||
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編成 番号 | クハ682 -2700 | サハ683 -2400 | クモハ683 -3500 | 落成日 | ||
S21 | 2701 | 2401 | 3502 | 2002年11月22日 (近車) | ||
S22 | 2702 | 2402 | 3504 | 2002年12月13日 (日立) | ||
S23 | 2703 | 2403 | 3506 | 2002年11月22日 (日車) | ||
S24 | 2704 | 2404 | 3508 | 2002年11月27日 (川重) | ||
S25 | 2705 | 2405 | 3509 | 2002年12月19日 (川重) | ||
S26 | 2706 | 2406 | 3510 | 2002年12月19日 (川重) | ||
S27 | 2707 | 2407 | 3512 | 2003年4月17日 (日立) | ||
S28 | 2708 | 2408 | 3515 | 2003年5月29日 (日車) | ||
S29 | 2709 | 2409 | 3520 | 2003年7月10日 (川重) |
「はくたか」編成
← 越後湯沢 金沢 → | |||||||
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編成 番号 | クモハ683 -8500 | サハ682 -8000 | サハ683 -8300 | モハ683 -8300 | サハ682 -8000 | クロ683 -8000 | 落成日 |
N03 | 8501 | 8001 | 8301 | 8301 | 8002 | 8001 | 2005年2月15日 (川重・新潟ト) |
← 越後湯沢/和倉温泉 金沢 → | ||||||
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編成 番号 | クハ683 -8700 | モハ683 -8000 | クハ682 -8500 | 落成日 | ||
N13 | 8701 | 8001 | 8501 | 2005年2月15日 (川重・新潟ト) |
北陸新幹線金沢開業後
「サンダーバード」編成
← 金沢・和倉温泉 大阪 → | |||||||
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編成 番号 | クロ683 -0 | サハ682 -0 | モハ683 -1000 | サハ683 -300 | サハ682 -0 | クモハ683 -1500 | リフレッシュ 工事 |
W31 | 1 | 2 | 1001 | 301 | 1 | 1501 | 2017年6月15日 (吹田総) |
W32 | 2 | 4 | 1002 | 302 | 3 | 1502 | 2018年3月19日 (吹田総) |
W33 | 3 | 6 | 1003 | 303 | 5 | 1503 | 2016年12月19日 (吹田総) |
W34 | 4 | 8 | 1004 | 304 | 7 | 1504 | 2017年3月8日 (吹田総) |
W35 | 5 | 10 | 1005 | 305 | 9 | 1505 | 2016年10月3日 (吹田総) |
W36 | 6 | 12 | 1006 | 306 | 11 | 1506 | 2016年7月14日 (吹田総) |
← 金沢・和倉温泉 大阪 → | ||||||
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編成 番号 | クハ682 -500 | モハ683 -1300 | クハ683 -700 | リフレッシュ 工事 | ||
V31 | 501 | 1301 | 701 | 2017年6月6日 (金沢総) | ||
V32 | 502 | 1302 | 702 | 2017年3月30日 (吹田総) | ||
V33 | 503 | 1303 | 703 | 2018年12月18日 (吹田総) | ||
V34 | 504 | 1304 | 704 | 2017年9月1日 (吹田総) | ||
V35 | 505 | 1305 | 705 | 2016年4月20日 (吹田総) | ||
V36 | 506 | 1306 | 706 | 2016年12月12日 (吹田総) |
← 金沢 大阪 → | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
編成 番号 | クモハ683 -3500 | サハ683 -2400 | クハ682 -2700 | リフレッシュ 工事 | ||
R10 | 2710 | 2410 | 3522 | 2016年11月15日 (金沢総) | ||
R11 | 2711 | 2411 | 3523 | 2018年11月21日 (金沢総) | ||
R12 | 2712 | 2412 | 3524 | 2018年10月10日 (金沢総) | ||
R13 | 2713 | 2413 | 3525 | 2017年12月6日 (金沢総) |
← 金沢 大阪 → | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
編成 番号 | クモハ683 -5500 | サハ682 -4300 | サハ683 -4800 | サハ683 -4700 | モハ683 -5400 | サハ682 -4400 | モハ683 -5000 | サハ682 -4300 | クロ683 -4500 | リフレッシュ 工事 |
T41 | 4501 | 4302 | 5001 | 4401 | 5401 | 4701 | 4801 | 4301 | 5501 | 2017年7月31日 (金沢総) |
T42 | 4502 | 4304 | 5002 | 4402 | 5402 | 4702 | 4802 | 4303 | 5502 | 2017年4月12日 (金沢総) |
T43 | 4503 | 4306 | 5003 | 4403 | 5403 | 4703 | 4803 | 4305 | 5503 | 2016年10月25日 (金沢総) |
T44 | 4504 | 4308 | 5004 | 4404 | 5404 | 4704 | 4804 | 4307 | 5504 | 2016年12月8日 (金沢総) |
T45 | 4505 | 4310 | 5005 | 4405 | 5405 | 4705 | 4805 | 4309 | 5505 | 2016年6月23日 (金沢総) |
T46 | 4506 | 4312 | 5006 | 4406 | 5406 | 4706 | 4806 | 4311 | 5506 | 2015年12月9日 (金沢総) |
T47 | 4507 | 4314 | 5007 | 4407 | 5407 | 4707 | 4807 | 4313 | 5507 | 2018年2月27日 (金沢総) |
T48 | 4508 | 4316 | 5008 | 4408 | 5408 | 4708 | 4808 | 4315 | 5508 | 2018年6月12日 (金沢総) |
T49 | 4509 | 4318 | 5009 | 4409 | 5409 | 4709 | 4809 | 4317 | 5509 | 2017年2月21日 (金沢総) |
T50 | 4510 | 4320 | 5010 | 4410 | 5410 | 4710 | 4810 | 4319 | 5510 | 2017年6月19日 (金沢総) |
T51 | 4511 | 4322 | 5011 | 4411 | 5411 | 4711 | 4811 | 4321 | 5511 | 2015年9月24日 (金沢総) |
T52 | 4512 | 4324 | 5012 | 4412 | 5412 | 4712 | 4812 | 4323 | 5512 | 2016年3月22日(金沢総) |
「しらさぎ」編成
← 名古屋/金沢 米原 → | ||||||
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編成 番号 | クロ683 -8000 | サハ682 -8000 | モハ683 -8300 | サハ683 -8300 | サハ682 -8000 | クモハ683 -8500 |
N03 | 8001 | 8002 | 8001 | 8301 | 8001 | 8501 |
← 金沢 米原 → | |||
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編成 番号 | クハ682 -8500 | モハ683 -8300 | クハ683 -8700 |
N13 | 8501 | 8301 | 8701 |
番台別解説
0番台
0番台 | |
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0番台(2006年4月) | |
基本情報 | |
運用者 | 西日本旅客鉄道 |
製造所 | 川崎重工業車両カンパニー 近畿車輛 日立製作所笠戸事業所 |
製造年 | 2001年 - 2002年 |
製造数 | 54両 |
運用開始 | 2001年3月3日 |
投入先 | (西日本旅客鉄道)東海道本線・湖西線・北陸本線・七尾線 (IRいしかわ鉄道)IRいしかわ鉄道線 |
主要諸元 | |
編成 | 基本編成:6両 (2M4T) 付属編成:3両 (1M2T) |
最高運転速度 | 130 km/h |
編成定員 | 536名 (9両編成時) |
編成重量 | 347.3t (9両編成時) |
台車 | WDT301・WTR301 |
主電動機 | WMT105 |
主電動機出力 | 245 kW / 基 |
2001年から2002年にかけて6両基本編成6本(T21 - T26編成)、3両付属編成6本(T31 - T36)が製造された。車体側面には681系T編成と同様に THUNDERBIRD と表記したエンブレムを配している。色は■グレーと■ブルーと□ホワイトである。
付属編成については、編成の両側を貫通構造にすることで、基本6両+付属3両+付属3両などの柔軟な編成ができるようになっている[14]。
2001年(平成13年)3月3日ダイヤ改正ですべての「スーパー雷鳥」を置き換えるために、2001年1月から2月にかけて基本編成4本(T21 - T24編成)、付属編成4本(T31 - T34編成)の36両が落成した[15][注 11]。
681系T編成をJR西日本持ちの「はくたか」で運用していた485系8両編成2本の置き換えに転用する分の補充として、2001年12月から翌年2月にかけて基本編成(T25・T26編成)と付属編成(T35・T36編成)各2本の18両が落成した[15]。
後述する683系4000番台の増備により、全車両が2009年10月から2011年3月にかけて京都総合運転所(現:吹田総合車両所京都支所)に転出し[17][18]、編成番号については基本編成がT21 - T26からW31 - W36に、付属編成がT31 - T36からV31 - V36に変更された。
2015年、基本編成の方向転換を行い、金沢寄りの先頭車はグリーン車となった。
2000番台
2000番台 | |
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2000番台 | |
基本情報 | |
運用者 | 西日本旅客鉄道 |
製造所 | 川崎重工業車両カンパニー 近畿車輛 日立製作所笠戸事業所 日本車輌製造 |
製造年 | 2002年 - 2005年 |
製造数 | 87両 |
運用開始 | 2003年3月15日 |
投入先 | (西日本旅客鉄道)東海道本線・湖西線・北陸本線・七尾線 (IRいしかわ鉄道)IRいしかわ鉄道線 |
主要諸元 | |
編成 | 基本編成:5両 (2M3T) 付属編成:3両 (1M2T) |
最高運転速度 | 130 km/h |
編成定員 | 466名 (8両編成時) |
編成重量 | 310.9 t(8両編成時) |
台車 | WDT301・WTR301 |
主電動機 | WMT105 |
主電動機出力 | 245 kW / 基 |
「しらさぎ」用編成
「しらさぎ」「加越」で使用していた485系の置き換えを目的として、2002年 - 2003年にかけて5両基本編成12本(S1 - S12編成)、3両付属編成9本(S21 - S29)が製造された。車体側面には白鷺のイラストを添えた SHIRASAGI のエンブレムを配していた。投入当初はエンブレムの上部に小さくShirasagi Kaetsuと表記した(登場時のパンフレットでも確認できる)が、「加越」の名称が消滅した2003年10月以降に消されている。客室窓の下部の帯は「サンダーバード」用T編成の青一色と異なり上側が青 ■、下側をオレンジ色 ■とし「サンダーバード」用のものより若干帯が太い。オレンジ色のラインに関してJR西日本では「『サンダーバード』との誤乗車を防ぐために入れた。名古屋に直通するイメージを簡単にあらわしたものである[注 12]」としている。これらのカラーパターンは先代の485系リニューアル車でも使われていた。
この番台のクロ682形のみ乗降口が先頭の運転台側にあり、他の番台では乗降口がある場所には2枚の窓を縦に繋げ独立した喫煙スペースを設けたが、2009年6月からは前述のように全面禁煙となったため禁煙のフリースペースに変更された。
2003年3月15日ダイヤ改正で名古屋駅 - 富山駅間の「しらさぎ」4往復に投入するために、2002年11月から12月にかけて、基本編成4本(S01 - S04編成)、付属編成6本(S21 - S26編成)の38両が落成した[19]。同年6月1日に、485系で運転されていた残りの「しらさぎ」の4往復を本系列で置き換えるために、2003年4月から5月にかけて、基本編成4本(S05 - S08編成)、付属編成2本(S27・S28編成)の26両が落成した[19]。同年7月19日に、485系で運転されていた「加越」の置き換え用として2003年6月から7月にかけて基本編成4本(S09 - S12編成)、付属編成1本(S29編成)の23両が落成した[19]。
2015年3月14日のダイヤ改正で「しらさぎ」が681系もしくは元北越急行の683系8000番台での運転に変更され、前日限りで運用から離脱した。「しらさぎ」撤退直後には一部列車での代走に入ったこともあったが、その後直流化改造を受け289系に形式変更された。
「サンダーバード」用編成
2005年(平成17年)に「サンダーバード」増結用に2000番台3両編成を4本(R10 - R13) の12両が製造された。方向転換(S編成とは向きが逆)を行ってT編成との整合性を取っている。また、車両番号はS編成からの連番になっている。全車が近畿車輛で製造されている。
ドア位置をS編成と同じにすることで、6号車(9号車)富山・和倉温泉寄りと7号車(10号車)大阪寄りでこれまで不便だった乗降をスムーズにしている。車体側面の帯色はT編成と同一である。
- 683系2000番台S編成「サンダーバード」用
- 683系2000番台S編成「しらさぎ」用
4000番台
4000番台 | |
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リニューアル前の4000番台 | |
基本情報 | |
運用者 | 西日本旅客鉄道 |
製造所 | 川崎重工業車両カンパニー 近畿車輛 |
製造年 | 2008年 - 2011年 |
製造数 | 12編成108両 |
運用開始 | 2009年6月1日 |
投入先 | 東海道本線・湖西線・北陸本線 |
主要諸元 | |
編成 | 9両(3M6T) |
最高運転速度 | 130 km/h |
編成定員 | 546名 |
編成重量 | 353.9 t |
台車 | WDT301・WTR301 |
主電動機 | WMT105A |
主電動機出力 | 255 kW / 基 |
老朽化の進んでいた485系を置き換えるために製造されたグループ。9両編成12本(T41 - T52編成)が製造された。0・2000番台との相違点を以下に列挙する。
- 車体
- 着席定員の増加および他線区への転用を考慮に入れて9両貫通編成とし、両運転台とも貫通型先頭車両とした[20][注 13]。また、JR西日本のアルミニウム合金製車体では初めてオフセット衝突対策構造を取り入れている[9]。
- 走行機器
- 集電装置は、積雪による離線防止を図るためにシングルアーム式パンタグラフ WPS28D を搭載する[21]。集電舟は在来車と共通の3元系金属すり板である[21]。
- 空調装置は、室内熱交換器の容量アップや室内送風機の変更による低騒音化、構成部品の見直しによる軽量化を図った集中式 WAU704D を搭載する[21]。
- 誘導障害対策を強化するためにサハ682形にフィルタ箱を追加するとともに、クロ683形に車内コンセント用の充電整流装置を追設する[21]。
- 主電動機は、絶縁種別見直しによって1時間定格出力を255kWに強化した WMT105A を搭載する[21]。台車形式は変わっていないが、構造を見直して雪かき受部の強度アップを図るとともに速度発電機を非接触タイプに変更している[22]。
- 683系4000番台の台車[23]
- 車内設備
- 普通車座席モケットのカラーを青系に統一し[20]、車いす対応便所や多目的室は大型化されている。また、女性専用トイレが一部の車両に設置されている[24]。
- グリーン車の全席にサービス用コンセントが完備されている[9]。
第1編成は2008年12月に近畿車輛で落成し、同年12月14日に金沢まで甲種車両輸送が実施され[25]、金沢総合車両所に配置された。その後、2009年2月3日に公式試運転[26]、同年4月29日に富山駅・福井駅・金沢駅の順に車両見学会が行われた。
2009年6月1日のダイヤ改正で「サンダーバード」で営業運転を開始した[27]。2011年7月22日に最終編成が近畿車輛から出場したが、この編成は前面上部の前照灯が変更されている[28]。
2015年9月25日にT51編成がリニューアル車の第1号として報道公開され、9月26日から特急サンダーバードとして営業運転を開始[29]。
12月9日にはリニューアル編成2本目となるT46編成がリニューアル工事を終えて金沢総合車両所から出場した[30]。2018年6月16日にT48編成がリニューアル工事を終え、運用復帰したのに伴い、4000番台のリニューアル工事は完了した。
2023年3月18日のダイヤ改正より全編成が金沢から京都に転属。編成番号もT41 - T52からB31 - B42に変更されている。
- 車両組成順番
T41編成及びT42編成は落成当初は3号車にモハ683形5400番台、5号車にモハ683形5000番台を連結していた[31]。T43編成以降に合わせる形でT41編成は2009年5月25日に、T42編成は2009年7月6日に編成組み換えが行われており[32]、現在は3号車にモハ683形5000番台。5号車にモハ683形5400番台が連結されている。
8000番台
8000番台 | |
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8000番台 | |
基本情報 | |
運用者 | 北越急行 西日本旅客鉄道 |
製造所 | 車体:川崎重工業車両カンパニー 艤装:新潟トランシス |
製造年 | 2005年 |
製造数 | 9両 |
運用開始 | 2005年3月1日 |
投入先 | (JR西日本)北陸本線・七尾線 (JR東海)東海道本線 (IRいしかわ鉄道)IRいしかわ鉄道線 |
主要諸元 | |
編成 | 基本編成:6両 (2M4T) 付属編成:3両 (1M2T) |
最高運転速度 | JR線内 130 km/h ほくほく線内 160 km/h |
編成定員 | 536名 |
編成重量 | 354.9 t |
台車 | HDT301・HTR301 |
主電動機 | WMT105 |
主電動機出力 | 245 kW / 基 |
特急「はくたか」で使用していた東日本旅客鉄道(JR東日本)担当の485系3000番台での運用を置き換えるために製造したグループで北越急行が所有していた。車両愛称は681系2000番台と同じSnow Rabbit Express。ノックダウン生産が採られており新潟トランシス(車体は川崎重工業)で製造され、2005年(平成17年)3月1日に営業運転を開始した。
導入当初の書類上の車籍は北越急行六日町運輸区にあったが、保守整備は681系2000番台と共にJR西日本に委託しており金沢総合車両所で一括して整備していた。付属編成の先頭車は0番台・2000番台と同様の貫通構造である。最高速度は160km/hで、683系では唯一160km/h運転を行う編成でもあった。160km/h運転に対応するため電動車では他番台で省略されていた681系電動車と同様のキャリパ式ディスクブレーキを装備した。
付属編成の乗降扉位置は既存編成との整合性を取るために変更せず、6号車と7号車の間には乗務員用の扉しかない。基本編成の3号車と4号車の間にも乗降扉は設けられておらず、ゴミ箱と自動販売機用のスペースになっている。その後他の「はくたか」→「しらさぎ」向け681系と同様に8号車と3号車の車両入れ替えが行われている。
JR東日本の485系3000番台の運用を置き換えるにあたっては、同社が新規に車両を開発・新造すること[注 14]もひとつの手段ではあった。しかし「はくたか」の運行区間のうち自社線内となるのは、直江津駅 - 犀潟駅間および六日町駅 - 越後湯沢駅間と非常に短いこと・ほくほく線での最高160km/hの高速運転には車両側に高速性能や気密構造が要求されること・仮にJR東日本が車両を新造した場合、北陸新幹線開業後に他線区に転用することがほぼ確実であることなどに鑑みて新潟地区など他線区の置き換えと同時に新造したり、1編成だけ新造するのは不合理との判断がなされ、北越急行が置き換える車両を受け持つことになった。
このことにより走行距離相殺のバランスが崩れ、ほくほく線内においてはJR東日本への車両使用料の支払いがなくなり、逆にJR東日本・西日本線の走行時には両社から北越急行への車両使用料の支払いが発生する。北越急行としては、北陸新幹線開業後の採算悪化に備え早めに収入を上げるという判断も働いた[33]。
北越急行からJR西日本に譲渡後も引き続き金沢総合車両所に所属し、2015年4月23日時点では北越急行色のまま「サンダーバード」「しらさぎ」で運用された[34]が、その後「しらさぎ」塗装に変更されている[35]。
- 貫通型先頭車
- JR西日本移籍後の8000番台
リニューアル工事
2015年1月28日に、「サンダーバード」用683系に対してリニューアル工事が行われることがJR西日本より発表された[36]。同年秋頃から2018年度末までに681系とあわせて177両にリニューアルが順次施工される予定であったが、後にサンダーバード用の681系・683系全車両を更新する計画に変更された[36]。
リニューアル内容は以下の通り[36]。
- 車両外観
-
- 従来のホワイトボディとブルーのラインを基調に、大きな窓をさらに強調するような塗装に変更される。車体側面にあるサンダーバードのシンボルマークは、北陸新幹線にも使用されている銅色をデザインし、長く親しまれている「サンダーバード」らしさと新しさを表現したデザインに変更される。
- 車内設備
-
- グリーン車の座り心地が改善され、客室内を落ち着きと趣きのあるデザインに変更される。普通車の座席は683系4000番台に準じたブルーを基調とした最新のデザインに統一される。
- モバイルコンセントがすべての編成のグリーン車全席、普通車客室出入口付近の席に整備される(4000番台は上記のようにリニューアル前から設置済)。
- グリーン車とバリアフリー対応のトイレにJR西日本の在来線車両としては初めて温水洗浄機能付き暖房便座が導入され、グリーン車以外のトイレにもすべて暖房便座が整備される。
- リニューアル後の非貫通型先頭車
- リニューアル後の貫通型先頭車
- リニューアル後の4000番台
配置・運用
2024年4月1日現在の車両配置、および現在の運用範囲を以下に示す[37]。
681系との混結は車両単位ではできないが、編成単位での相互連結は可能である。
JR西日本
金沢総合車両所
金沢総合車両所には、683系2000番台3両編成4本(R10 - R13編成)の合計12両が配置されている[38]。
特急「能登かがり火」(金沢駅 - 和倉温泉駅間)として運用されている[38]。
2015年8月までは683系2000番台基本5両編成と683系2000番台付属3両編成からなるS編成が存在した。2014年3月15日改正時点では特急「しらさぎ」で運用され、米原駅発着は原則5両編成・名古屋駅発着は原則8両編成(基本5両+付属3両)であったが、多客期には最大11両編成(基本5両+付属3両+付属3両)で運転することもあり、米原駅で増解結を行っていた。また、「しらさぎ」3・12号については金沢駅で富山駅発着の基本編成5両と、和倉温泉駅発着の付属編成3両と増解結を行っていた。米原駅で増解結した編成の間合い運用を兼ね、米原駅発着となる下り53号・61号と上り54号・62号を中心に基本5両+付属3両の8両編成で運転される場合があった。このほか、東海道本線の「ホームライナー大垣」「ホームライナー関ヶ原」にも使用されていた。2014年10月1日時点では5両編成12本(S01 - S12)、3両編成9本(S21 - S29)が在籍していたが、3両編成6本(S21 - S26)は福知山電車区に転属し289系に改造(同区のFH301 - FH306)、5両編成12本と3両編成3本(S27 - S29)は吹田総合車両所京都支所に転属して289系に改造され、一部は福知山電車区に再転属している。
2019年4月と6月に、289系となって福知山電車区に配置されていた3両編成計2本(FH301・FH306編成)が、交流機器を復活し683系に戻って金沢総合車両所に転入[39]、R14・R15編成となって同年7月から営業運転に復帰した[40]。
2023年3月17日までは4000番台・8000番台も所属していた。
吹田総合車両所京都支所
吹田総合車両所京都支所(旧:京都総合運転所)には、683系0番台6両編成6本(W31 - W36編成)、683系0番台3両編成6本(V31 - V36編成)、683系2000番台3両編成2本(N1・N2編成)、683系4000番台9両編成12本(B31 - B42編成)、683系8000番台6両編成1本(A06編成)、683系8000番台3両編成1本(A03編成)の177両が配置されている[41]。
W編成・V編成・N編成・A編成は、同所所属の681系と共通運用で、特急「サンダーバード」7往復(大阪駅 - 敦賀駅間)で運転されている[38]。「サンダーバード」は9両編成(基本6両+付属3両)で運転されている。
金沢所属時代の2003年3月15日には小浜線電化開業記念列車として小浜線にも乗り入れたこともある[42]。
B編成は2023年3月18日のダイヤ改正より金沢から転属。特急「サンダーバード」18往復(大阪駅 - 敦賀駅間)で運用されている[43]。多客期にはV編成・N編成・A03編成を増結した12両編成で運転されることもある。金沢に所属していた2011年5月中旬頃からは従来の489系に代わって、特急「はくたか」の異常時代走にも運用されたこともあった。
北越急行 (北陸新幹線金沢延伸以前)
六日町運輸区に6両編成1本(N03)と3両編成1本(N13)が配置されていた[注 15]が、車両の管理はJR西日本に委託されており金沢総合車両所の681系「はくたか」用の編成と共通運用で、特急「はくたか」「おはようエクスプレス」(泊駅 → 金沢駅間)で運用されていた。
また、使用車両に関する問い合わせが多いことから、編成運用計画一覧が北越急行公式ウェブサイトで公開されていた。付属編成は両側とも貫通構造になっているが、その構造を利用した12両編成での運用や付属編成2本を連結する運用は定期列車では存在しなかった[注 16]。
2015年3月14日の北陸新幹線金沢延伸後は681系2000番台とともに同日付で全車がJR西日本へ売却された。上述の通り北越急行塗装のまま一部の臨時運用で使用されたのち、「しらさぎ」塗装に変更されたが[35][44]、『能登かがり火』『ダイナスター』の運用に恒常的に入り、また『サンダーバード』の代走にも時折使われることから、2000番台にあった『SHIRASAGI』のロゴステッカーは省略された。その後、『サンダーバード』色のリニューアル未施工編成も再塗装時にロゴが省略されたものがある[注 17]。
脚注
注釈
- ^ 681系の場合、編成中間側の先頭車のみ貫通構造とされていたために連結両数は最大でも9両(基本6両+付属3両)に制約されていた。683系では付属編成の両先頭車両とも貫通構造にすることで、付属編成を2編成使用した12両編成(基本6両+付属3両+付属3両)の組成を可能とした(0番台及び2000番台「サンダーバード」用の場合)。
- ^ 4000番台は両先頭車両とも貫通構造であるが、クロ683形4500番台のみ貫通扉が準備工事とされている。
- ^ 681系の場合、パンタグラフ艤装部分のみ屋根を平らにしていた。
- ^ 主回路用インバータ(VVVF制御装置)と補助電源用インバータ (SIV) を一体化したもの。
- ^ 編成ごとに東芝製と三菱電機製の2種類が使用されている。
- ^ 禁煙車は準備工事のみ。ただし、後年の全席禁煙化による元喫煙車への対応は不明。
- ^ HDT301(8000番台)は160 km/h運転を行うため、681系同様のキャリパ式ディスクブレーキが落成時から採用されている。
- ^ 付属編成2本併結時と車両組み換え後の8000番台では必ずしもこのパターンにはなっていない。
- ^ 2009年の全面禁煙化後は灰皿を撤去しフリースペースに変更。
- ^ a b 共通運用される681系W・N編成と同様に8号車と3号車の入れ替えを実施。
- ^ 通常、車両の新製日時に関しては編成ごとに記されるものである。しかしT21編成に関しては2001年1月9日に落成したが、1号車のクロ683-1のみ同年2月28日に落成となっていて実際、出場試運転時ではクロ683欠車の8両編成で試運転を行った[16]。これに関しては製造後の工場内での試運転で事故を起こし、クロ683-1の落成が遅れたとの説があるが、真偽は不明である。
- ^ JR東海のコーポレートカラーはオレンジ色である。
- ^ クロ683形の貫通路は準備工事の段階であり、扉が開く状態にはなっていない。
- ^ JR東日本在来線交流電化区間の商用電源周波数は50Hzだが、北陸本線梶屋敷駅以西に乗り入れるためには60Hz対応設備を要する。当時常磐線で運用されていた特急車両のE653系は、50/60Hz双方の電源周波数に対応する。
- ^ 編成番号は681系2000番台の続番となっている。
- ^ ほくほく線開業10周年記念の団体臨時列車で681系と683系の付属編成同士を連結させ6連で運転したことがある
- ^ 681系・683系ともに『サンダーバード』編成のリニューアル車は抽象化した鳥のイラストのみで、愛称のロゴを入れていない。
出典
- ^ 『8月定例会見(「しらさぎ」「加越」への新車投入について)』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2002年8月21日。 オリジナルの2003年4月11日時点におけるアーカイブ 。
- ^ “新型特急デビュー”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2001年3月6日)
- ^ a b c 『鉄道ファン』通巻481号、p.61
- ^ a b c d 『鉄道ファン』通巻481号、p.62
- ^ 『鉄道ファン』通巻481号、p.60
- ^ 『鉄道ファン』2012年1月号、交友社、2011年、p.41
- ^ 車両システム・推進制御システム・主変圧器--製品紹介-- - 三菱電機車両システム
- ^ a b c d e f 『鉄道ファン』通巻481号、p.59
- ^ a b c 『鉄道ファン』通巻577号、p.67
- ^ a b c d 『鉄道ファン』通巻481号、p.64
- ^ 『鉄道ジャーナル』2009年8月号、鉄道ジャーナル社。
- ^ 『鉄道ジャーナル』2009年9月号、鉄道ジャーナル社。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 雷鳥&サンダーバード列伝、p.120・121
- ^ 『鉄道ファン』通巻577号、交友社、2009年、p.61
- ^ a b JR電車編成表2011夏, p. 145.
- ^ http://redliner.iza-yoi.net/others/accident/683.jpg
- ^ JR電車編成表2010夏, p. 358 - 359.
- ^ JR電車編成表2011夏, p. 359.
- ^ a b c JR電車編成表2011夏, p. 116.
- ^ a b 『鉄道ファン』通巻577号、p.66
- ^ a b c d e 『鉄道ファン』通巻577号、p.71
- ^ “"WDT301 WTR301 / JR西日本683系4000番代|台車近影|鉄道ホビダス"”. ネコ・パブリッシング. 2019年11月26日閲覧。
- ^ [1] - 国土交通省 運輸安全委員会 事故調査報告書 RA2013-8 付図8
- ^ 『鉄道ファン』通巻577号、p.70
- ^ 683系4000番台,甲種輸送される - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 2008年12月15日
- ^ 683系4000番台が公式試運転を実施 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 2009年2月4日
- ^ 683系4000番台が営業運転を開始 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 2010年6月20日
- ^ 683系4000番台が近畿車両から出場 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 2011年7月23日
- ^ 683系4000番台リニューアル車が営業運転を開始 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 2015年9月27日
- ^ 683系T46編成がリニューアルされる - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 2015年12月10日
- ^ 『鉄道ファン』通巻577号、p.68
- ^ JR電車編成表2010冬, p. 133.
- ^ “新たに「はくたか」仲間入りする特急車両(683系)について”. 北越急行 (2005年2月22日). 2009年2月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月23日閲覧。
- ^ 683系8000番台が"サンダーバード"に - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp 2015年4月23日
- ^ a b 鉄道ジャーナル社「北陸新幹線開業に伴うJR西日本車両の動き」『鉄道ジャーナル』2015年6月号、成美堂出版、2015年、91-95頁。
- ^ a b c 『特急「サンダーバード」のサービス向上に向けた取り組みについて』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2015年1月28日 。2015年1月28日閲覧。
- ^ JR電車編成表2024夏.
- ^ a b c JR電車編成表2024夏, p. 131.
- ^ JR電車編成表2020冬, p. 362.
- ^ 鉄道ホビダス『RM News』 (2019年7月3日). “289系から形式変更された683系2000番代が営業運転開始”. ネコ・パブリッシング. 2019年7月7日閲覧。
- ^ JR電車編成表2024夏, p. 138 - 140.
- ^ わだちNo.95(2003年5月号) (PDF) - 鉄道友の会
- ^ JR電車編成表2024夏, p. 139.
- ^ 『鉄道ファン』2015年2月号、交友社、2014年、「北越急行"はくたか"の時代」、p.30 - 53
参考文献
- 書籍
- ジェー・アール・アール『JR電車編成表 2010夏』交通新聞社、2010年。ISBN 978-4-330-14310-1。
- ジェー・アール・アール『JR電車編成表 2010冬』交通新聞社、2009年。ISBN 978-4-330-11609-9。
- ジェー・アール・アール『JR電車編成表 2011夏』交通新聞社、2011年。ISBN 978-4-330-21211-1。
- ジェー・アール・アール『JR電車編成表 2016冬』交通新聞社、2015年11月。ISBN 978-4-330-62315-3。
- ジェー・アール・アール『JR電車編成表 2020冬』交通新聞社、2019年。ISBN 978-4-330-02119-5。
- ジェー・アール・アール『JR電車編成表 2024夏』交通新聞社、2024年5月。ISBN 978-4-330-02824-8。
- 記事
- 田中章(JR西日本車両部在来線新製改良)「683系特急形交直流電車」『鉄道ファン』第481号、交友社、58 - 64頁、2001年5月。
- 伊藤陽一(JR西日本鉄道本部車両部車両設計室)「683系4000番台」『鉄道ファン』第577号、交友社、66 - 73頁、2009年5月。
- 北條敦「ダイヤ改正で運用変更 北陸特急681系と683系の転身」『鉄道ジャーナル』第585号、鉄道ジャーナル社、16 - 23頁、2015年7月。
- 『データで見るJR西日本』 - 西日本旅客鉄道、p.117
関連項目
外部リンク
- サンダーバード 683系:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
- しらさぎ 681系・683系:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
- JR西日本683系特急形電車 - 川崎重工業 車両カンパニー(インターネットアーカイブ)
- JR西日本683系2000代特急電車 - 日本車輌製造
- 近畿車輌技報 vol.16 4.683系4000番代電車 (PDF) - 近畿車輛