2017年ベルギーグランプリ

ベルギーの旗 2017年ベルギーグランプリ
レース詳細
日程 2017年シーズン第12戦
決勝開催日 8月27日
開催地 スパ・フランコルシャン
ベルギーの旗 ベルギー スパ
コース長 7.004km
レース距離 44周(308.052km)
決勝日天候 曇(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:42.553
ファステストラップ
ドライバー ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル
タイム 1:46.577 (Lap 41)
決勝順位
優勝
2位
3位

2017年ベルギーグランプリ (2017 Belgian Grand Prix) は、2017年のF1世界選手権第12戦として、2017年8月27日スパ・フランコルシャンで開催された。

正式名称は「2017 FORMULA 1 PIRELLI BELGIAN GRAND PRIX」。

レース前[編集]

このレースでピレリが供給するドライタイヤのコンパウンドは、ソフト、スーパーソフト、ウルトラソフトの3種類[1]

2018年の動向

ホンダはアップデート版内燃機関(ICE)をマクラーレンの両ドライバー(フェルナンド・アロンソとバンドーン)に供給する。アロンソはグリッド降格を伴わない形でアップデートされたが、全てのエレメントを交換したバンドーンは既に全て5基を超えているため、35グリッド降格となる[5]

フリー走行[編集]

開催日時は現地時間 (UTC+2、以下同じ)。

1回目[編集]

2017年8月25日 10:00

気温15度、路面温度18度、晴天のドライコンディション。前述したホンダの他、メルセデスも新型のICEを投入。翌年からの導入が決まった「ハロ」のテストをルイス・ハミルトン、バンドーン、マーカス・エリクソンらが行った。10時16分、フェリペ・マッサがターン7でクラッシュしマシンが大破した。マッサのマシンを撤去した10時25分まで赤旗中断となった。パスカル・ウェーレインはエンジントラブルで大事な走行時間を失ってしまった。11時4分にはバルテリ・ボッタスがターン12でタイヤバリアに接触するが、フロントウイングにダメージを負っただけで、自力で脱出してピットに戻っている。残り4分、ライコネンがウルトラソフトで1:45.502を出しトップタイムとなった[6]

2回目[編集]

2017年8月25日 14:00

気温22度、路面温度30度、曇天のドライコンディションでスタートした[7]。マッサはFP1のクラッシュでシャシーの交換が必要となったため[8]、このセッションに参加できなかった。セッションの進行とともに雨雲が近づいてきたため、多くのチームが早々にウルトラソフトを履くなど、前倒しでプログラムを消化していく。開始から1時間が経過する頃に一部のエリアで雨が降りだし、15時5分を過ぎたところでメインストレートやケメルストレートでも雨が降りだしたため、各車とも走行を断念する。15時9分にはウエットトラック宣言が出された。翌日も雨の予報となっており、ウエットタイヤを温存させたかったため、ほとんどのドライバーはピットに留まった。そんな中、ダニエル・リカルドとアロンソがインターミディエイトでコースインするが、まともに走れる状況ではなく、すぐにピットへ戻っている[7]。トップタイムはハミルトンの1:44.753[9]

セッション終了後、バンドーンは6戦以内のギアボックスの交換で5グリッド降格となり合計40グリッド降格、ザウバーの両ドライバー(エリクソンとウェーレイン)も6戦以内のギアボックスの交換で5グリッド降格となった[10]

3回目[編集]

2017年8月26日 11:00

ホンダはこのセッションを前にバンドーンのパワーユニットを再度交換することを決めたため、バンドーンのグリッド降格はさらに加算されて65グリッドとなった[11]

気温20度、路面温度23度、雨は上がっていたが路面は濡れており、ウエット宣言が出されてスタートする[12]。このため序盤は各車インターミディエイトで走行するが、程なく路面が乾き全車ドライタイヤに交換する。18分にハミルトンが1分45秒480のトップタイムをマークした。セッション中盤にはライコネンがスーパーソフトで1分45秒422をマークしトップ、ベッテルが2番手に続く。35分、ケメルストレートでダニール・クビアトが「ロストパワー」と無線で伝えストップ。直後にマシン後方から出火したが、マーシャルの迅速な対応で消火された。セッション後半は各車ウルトラソフトで走行し、リカルドが1分45秒286でトップとなるが、すぐにライコネンがコースレコードとなる1分43秒916をマークした。ベッテルは再びライコネンに続くタイムを出し、フェラーリの1-2でセッションを終えた[13]

なお、当セッションにてイエローフラッグで十分に減速しなかったマッサも5グリッド降格のペナルティを受けることになった[14]

予選[編集]

2017年8月26日 14:00

ハミルトンがミハエル・シューマッハに並び歴代1位となる通算68回目のポールポジションを獲得し、2007年以降のスパ・フランコルシャンにて、2009年にセバスチャン・ベッテルが記録した1:47.263を5秒近く上回る、1:42.553を記録した。

経過[編集]

気温23度、路面温度33度、曇り空に少し日がさすドライコンディション[15]で行われた。心配された雨が予選で降ることはなかった。

Q1
Q2
Q3

結果[編集]

Pos. No. ドライバー コンストラクター Q1 Q2 Q3 Grid
1 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:44.184 1:42.927 1:42.553 1
2 5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:44.275 1:43.987 1:42.795 2
3 77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:44.773 1:43.249 1:43.094 3
4 7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン フェラーリ 1:44.729 1:43.700 1:43.270 4
5 33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン レッドブル-タグ・ホイヤー 1:44.535 1:43.940 1:43.380 5
6 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド レッドブル-タグ・ホイヤー 1:45.114 1:44.224 1:43.863 6
7 27 ドイツの旗 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 1:45.280 1:44.988 1:44.982 7
8 11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス フォース・インディア-メルセデス 1:45.591 1:44.894 1:45.244 8
9 31 フランスの旗 エステバン・オコン フォース・インディア-メルセデス 1:45.277 1:45.006 1:45.369 9
10 30 イギリスの旗 ジョリオン・パーマー ルノー 1:45.447 1:44.685 no time 14 1
11 14 スペインの旗 フェルナンド・アロンソ マクラーレン-ホンダ 1:45.668 1:45.090 10
12 8 フランスの旗 ロマン・グロージャン ハース-フェラーリ 1:45.728 1:45.133 11
13 20 デンマークの旗 ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 1:45.535 1:45.400 12
14 55 スペインの旗 カルロス・サインツ トロ・ロッソ 1:45.374 1:45.439 13
15 2 ベルギーの旗 ストフェル・バンドーン マクラーレン-ホンダ 1:45.441 no time 20 2
16 19 ブラジルの旗 フェリペ・マッサ ウィリアムズ-メルセデス 1:19.868 16 3
17 26 ロシアの旗 ダニール・クビアト トロ・ロッソ 1:46.028 19 4
18 18 カナダの旗 ランス・ストロール ウィリアムズ-メルセデス 1:46.915 15
19 9 スウェーデンの旗 マーカス・エリクソン ザウバー-フェラーリ 1:47.214 17 5
20 94 ドイツの旗 パスカル・ウェーレイン ザウバー-フェラーリ 1:47.679 18 6
107% time: 1:51.476
ソース[16][17]
追記
  • ^1 - パーマーは6戦以内のギアボックス交換のため5グリッド降格[18][19]
  • ^2 - バンドーンは下記のペナルティ3例により、合計65グリッドの降格となった
    • フリー走行前に4基を超えるパワーユニット交換(8基目のターボチャージャーとMGU-H、6基目のエナジーストアと電子制御装置、5基目のエンジンとMGU-K)により35グリッド[5][20]
    • FP2終了後に6戦以内のギアボックス交換により5グリッド[10][21]
    • FP3開始前に4基を超えるパワーユニット交換(9基目のターボチャージャーとMGU-H、6基目のエンジンとMGU-K)により25グリッド[11][22]
  • ^3 - マッサはFP3でダブルイエローフラッグを無視したため5グリッド降格とペナルティポイント3点(合計5点)が科された[14][23]
  • ^4 - クビアトは予選前に4基を超えるパワーユニット交換(5基目のエンジン、ターボチャージャー、MGU-H)のため20グリッド降格[24][25]
  • ^5 - エリクソンは6戦以内のギアボックス交換により5グリッド降格[10][26]
  • ^6 - ウェーレインは6戦以内のギアボックス交換により5グリッド降格[10][27]

決勝[編集]

2017年8月27日 14:00

ハミルトンがポール・トゥ・ウィン

展開[編集]

結果[編集]

Pos. No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア Grid Pts.
1 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス 44 1:24:42.820 1 25
2 5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 44 +2.358 2 18
3 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド レッドブル-タグ・ホイヤー 44 +10.791 6 15
4 7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン フェラーリ 44 +14.471 1 4 12
5 77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス メルセデス 44 +16.456 3 10
6 27 ドイツの旗 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 44 +28.087 7 8
7 8 フランスの旗 ロマン・グロージャン ハース-フェラーリ 44 +31.553 11 6
8 19 ブラジルの旗 フェリペ・マッサ ウィリアムズ-メルセデス 44 +36.649 16 4
9 31 フランスの旗 エステバン・オコン フォース・インディア-メルセデス 44 +38.154 9 2
10 55 スペインの旗 カルロス・サインツ トロ・ロッソ 44 +39.447 13 1
11 18 カナダの旗 ランス・ストロール ウィリアムズ-メルセデス 44 +48.999 15
12 26 ロシアの旗 ダニール・クビアト トロ・ロッソ 44 +49.940 19
13 30 イギリスの旗 ジョリオン・パーマー ルノー 44 +53.239 14
14 2 ベルギーの旗 ストフェル・バンドーン マクラーレン-ホンダ 44 +57.078 20
15 20 デンマークの旗 ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 44 +1:07.262 12
16 9 スウェーデンの旗 マーカス・エリクソン ザウバー-フェラーリ 44 +1:09.711 17
17 11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス フォース・インディア-メルセデス 42 接触ダメージ 2 8
Ret 14 スペインの旗 フェルナンド・アロンソ マクラーレン-ホンダ 25 パワーユニット 10
Ret 33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン レッドブル-タグ・ホイヤー 7 パワーユニット 5
Ret 94 ドイツの旗 パスカル・ウェーレイン ザウバー-フェラーリ 2 サスペンション 18
ソース[28]
ファステストラップ[29]
ラップリーダー[30]
追記
  • 印はリタイアだが、90%以上の距離を走行したため規定により完走扱い。
  • ^1 - ライコネンはダブルイエローフラッグ無視のため、10秒のストップ&ゴーペナルティとペナルティポイント3点(合計3点)が科された[31][32]
  • ^2 - ペレスはターン6でコースオフしてグロージャンをオーバーテイクしたため、5秒のタイムペナルティ(その後のピットストップで消化)とペナルティポイント1点(合計6点)が科された[31][33]

第12戦終了時点のランキング[編集]

  • :ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。

脚注[編集]

  1. ^ F1ベルギーGP全ドライバーのタイヤ選択が発表。マクラーレン・ホンダとレッドブルがアグレッシブな戦略”. AUTOSPORTweb (2017年8月5日). 2017年8月23日閲覧。
  2. ^ フェラーリ、キミ・ライコネンとの契約を2018年まで延長。ベッテルとの契約にも影響か”. AUTOSPORTweb (2017年8月22日). 2017年8月23日閲覧。
  3. ^ フェラーリF1がベッテルとの契約延長を発表。2020年末までの3年間”. AUTOSPORTweb (2017年8月26日). 2017年8月27日閲覧。
  4. ^ マクラーレン・ホンダF1、2018年もストフェル・バンドーンを継続起用”. AUTOSPORTweb (2017年8月23日). 2017年8月23日閲覧。
  5. ^ a b ホンダF1、2台にアップデート版エンジンを導入。アロンソは“スペック3.5”、バンドーンは“3.6”で大量降格”. AUTOSPORTweb (2017年8月25日). 2017年8月26日閲覧。
  6. ^ F1ベルギーGP フリー走行1回目:ライコネンがトップタイム、母国GPのバンドーンが10番手”. AUTOSPORTweb (2017年8月25日). 2017年8月26日閲覧。
  7. ^ a b F1ベルギーGP FP2:セッション後半に降雨、序盤にタイムを出したハミルトンがトップタイム”. AUTOSPORTweb (2017年8月25日). 2017年8月26日閲覧。
  8. ^ クラッシュのマッサ、シャシー交換でFP2出場が困難に/F1ベルギーGP”. AUTOSPORTweb (2017年8月25日). 2017年8月26日閲覧。
  9. ^ 2017 FORMULA 1 PIRELLI BELGIAN GRAND PRIX - PRACTICE 2” (2017年8月25日). 2017年8月26日閲覧。
  10. ^ a b c d マクラーレン・ホンダF1のバンドーン、パワーユニットに加えてギヤボックスも交換で合計40グリッドダウンへ”. AUTOSPORTweb (2017年8月26日). 2017年8月26日閲覧。
  11. ^ a b マクラーレン・ホンダF1のバンドーン、新パワーユニットに問題。追加交換で合計65グリッド降格へ”. AUTOSPORTweb (2017年8月26日). 2017年8月27日閲覧。
  12. ^ F1ベルギーGP フリー走行3回目:キミ・ライコネンが最速タイム”. F1-Gate.com (2017年8月26日). 2017年8月27日閲覧。
  13. ^ ライコネンがトップタイム【タイム結果】F1第12戦ベルギーGP フリー走行3回目”. AUTOSPORTweb (2017年8月26日). 2017年8月27日閲覧。
  14. ^ a b フェリペ・マッサ、イエローフラッグ無視で5グリッド降格ペナルティ”. F1-Gate.com (2017年8月26日). 2017年8月27日閲覧。
  15. ^ ハミルトンが通算68回目のポール獲得”. ESPN F1 (2017年8月26日). 2017年8月27日閲覧。
  16. ^ 2017 FORMULA 1 PIRELLI BELGIAN GRAND PRIX - QUALIFYING”. The Official F1 Website (2017年8月26日). 2017年8月27日閲覧。
  17. ^ 2017 FORMULA 1 PIRELLI BELGIAN GRAND PRIX - STARTING GRID”. The Official F1 Website (2017年8月27日). 2017年8月27日閲覧。
  18. ^ ジョリオン・パーマー、ギアボックス交換で5グリッド降格”. F1-Gate.com (2017年8月27日). 2017年8月27日閲覧。
  19. ^ Stewards Decision Doc43 - J.Palmer”. FIA (2017年8月27日). 2017年8月30日閲覧。
  20. ^ Stewards Decision Doc10 - S.Vandoorne”. FIA (2017年8月25日). 2017年8月27日閲覧。
  21. ^ Stewards Decision Doc28 - S.Vandoorne”. FIA (2017年8月26日). 2017年8月27日閲覧。
  22. ^ Stewards Decision Doc30 - S.Vandoorne”. FIA (2017年8月26日). 2017年8月27日閲覧。
  23. ^ Stewards Decision Doc33 - F.Massa”. FIA (2017年8月26日). 2017年8月27日閲覧。
  24. ^ Q2敗退を悔しがるサインツ”. ESPN F1 (2017年8月26日). 2017年8月27日閲覧。
  25. ^ Stewards Decision Doc35 - D.Kvyat”. FIA (2017年8月26日). 2017年8月27日閲覧。
  26. ^ Stewards Decision Doc29 - M.Ericsson”. FIA (2017年8月26日). 2017年8月27日閲覧。
  27. ^ Stewards Decision Doc27 - P.Wehrlein”. FIA (2017年8月26日). 2017年8月27日閲覧。
  28. ^ 2017 FORMULA 1 PIRELLI BELGIAN GRAND PRIX - RACE RESULT”. The Official F1 Website (2017年8月27日). 2017年8月28日閲覧。
  29. ^ 2017 FORMULA 1 PIRELLI BELGIAN GRAND PRIX - FASTEST LAPS”. The Official F1 Website (2017年8月27日). 2017年8月28日閲覧。
  30. ^ Lap Chart”. FIA (2017年8月27日). 2017年8月28日閲覧。
  31. ^ a b マッサとライコネンがダブル黄旗無視で3点”. ESPN F1 (2017年8月29日). 2017年8月30日閲覧。
  32. ^ Stewards Decision Doc46 - K.Raikkonen”. FIA (2017年8月27日). 2017年8月30日閲覧。
  33. ^ Stewards Decision Doc47 - S.Perez”. FIA (2017年8月27日). 2017年8月30日閲覧。
前戦
2017年ハンガリーグランプリ
FIA F1世界選手権
2017年シーズン
次戦
2017年イタリアグランプリ
前回開催
2016年ベルギーグランプリ
ベルギーの旗 ベルギーグランプリ 次回開催
2018年ベルギーグランプリ