1987年のワールドシリーズ

1987年ワールドシリーズ

シリーズ優勝記念にホワイトハウスを表敬訪問し、当時のアメリカ合衆国大統領ロナルド・レーガンユニフォームを贈呈するツインズの選手たち
チーム 勝数
ミネソタ・ツインズAL 4
セントルイス・カージナルスNL 3
シリーズ情報
試合日程 10月17日–25日
観客動員 7試合合計:38万7138人
1試合平均:05万5305人
MVP フランク・バイオーラ(MIN)
ALCS MIN 4–1 DET
NLCS STL 4–3 SF
殿堂表彰者 トニー・オリバ(MINコーチ[注 1]
バート・ブライレブン(MIN投手)
カービー・パケット(MIN外野手)
ホワイティ・ハーゾグ(STL監督)
レッド・ショーエンディーンスト(STLコーチ[注 2]
オジー・スミス(STL内野手)
チーム情報
ミネソタ・ツインズ(MIN)
シリーズ出場 22年ぶり05回目
GM アンディ・マクフェイル
監督 トム・ケリー
シーズン成績 85勝77敗・勝率.525
AL西地区優勝
分配金 選手1人あたり8万5581.06ドル[1]

セントルイス・カージナルス(STL)
シリーズ出場 02年ぶり15回目
GM ダル・マックスビル
監督 ホワイティ・ハーゾグ
シーズン成績 95勝67敗・勝率.586
NL東地区優勝
分配金 選手1人あたり5万6052.57ドル[1]
全米テレビ中継
放送局 ABC
実況 アル・マイケルズ
解説 ジム・パーマー
ティム・マッカーバー
平均視聴率 24.0%(前年比4.6ポイント下降)[2]
ワールドシリーズ
 < 1986 1988 > 

1987年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第84回ワールドシリーズ(84th World Series)は、10月17日から25日にかけて計7試合が開催された。その結果、ミネソタ・ツインズアメリカンリーグ)がセントルイス・カージナルスナショナルリーグ)を4勝3敗で下し、63年ぶり2回目の優勝を果たした。

両チームの対戦はシリーズ史上初めて。今シリーズは、全試合で本拠地球団が勝利するという史上初の展開をたどった[3]。ツインズは、前回のシリーズ優勝時ワシントンD.C.を本拠地都市とする "ワシントン・セネターズ" として活動しており、ミネソタ州に移転してツインズとなってからは27年目で初めての優勝となる。北米4大プロスポーツリーグにおいてミネソタ州を本拠地とするチームが優勝するのは、1954年にバスケットボールNBAミネアポリス・レイカーズワールドチャンピオンシップシリーズ(ファイナル)を制して以来のことだった[4]シリーズMVPには、第1戦と最終第7戦で先発勝利を挙げるなど、3試合19.1イニングで2勝1敗・防御率3.72という成績を残したツインズのフランク・バイオーラが選出された。

試合結果[編集]

1987年のワールドシリーズは10月17日に開幕し、途中に移動日を挟んで9日間で7試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月17日(土) 第1戦 セントルイス・カージナルス 1-10 ミネソタ・ツインズ ヒューバート・H・
ハンフリー・メトロドーム
10月18日(日) 第2戦 セントルイス・カージナルス 4-8 ミネソタ・ツインズ
10月19日(月) 移動日
10月20日(火) 第3戦 ミネソタ・ツインズ 1-3 セントルイス・カージナルス ブッシュ・スタジアム
10月21日(水) 第4戦 ミネソタ・ツインズ 2-7 セントルイス・カージナルス
10月22日(木) 第5戦 ミネソタ・ツインズ 2-4 セントルイス・カージナルス
10月23日(金) 移動日
10月24日(土) 第6戦 セントルイス・カージナルス 5-11 ミネソタ・ツインズ ヒューバート・H・
ハンフリー・メトロドーム
10月25日(日) 第7戦 セントルイス・カージナルス 2-4 ミネソタ・ツインズ
優勝:ミネソタ・ツインズ(4勝3敗 / 63年ぶり2度目)

第1戦 10月17日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
4回裏、ダン・グラッデンの満塁本塁打でツインズのリードが6点に広がる(1分9秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
セントルイス・カージナルス 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 5 1
ミネソタ・ツインズ 0 0 0 7 2 0 1 0 X 10 11 0
  1. フランク・バイオーラ(1勝)  ジョー・マグレーン(1敗)  
  2. 本塁打
    MIN:ダン・グラッデン1号満塁スティーブ・ロンバードージー1号2ラン
  3. 審判
    [球審]デーブ・フィリップス(AL)
    [塁審]一塁: リー・ウェイヤー(NL)、二塁: グレッグ・コスク(AL)、三塁: ジョン・マクシェリー(NL)
    [外審]左翼: ケン・カイザー(AL)、右翼: テリー・テイタ(NL)
  4. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時35分 試合時間: 2時間39分 観客: 5万5171人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
セントルイス・カージナルス ミネソタ・ツインズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 V・コールマン 1 D・グラッデン
2 O・スミス 2 G・ギャグニー
3 T・ハー 3 K・パケット
4 J・リンドマン 4 G・ガイエティ
5 W・マギー 5 DH D・ベイラー
6 T・ペーニャ 6 T・ブラナンスキー
7 J・オケンドー 7 K・ハーベック
8 DH T・パグノッツィ 8 S・ロンバードージー
9 T・ローレス 9 T・ロードナー
先発投手 投球 先発投手 投球
J・マグレーン F・バイオーラ

第2戦 10月18日[編集]

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
セントルイス・カージナルス 0 0 0 0 1 0 1 2 0 4 9 0
ミネソタ・ツインズ 0 1 0 6 0 1 0 0 X 8 10 0
  1. バート・ブライレブン(1勝)  ダニー・コックス(1敗)  
  2. 本塁打
    MIN:ゲイリー・ガイエティ1号ソロ、ティム・ロードナー1号ソロ
  3. 審判
    [球審]リー・ウェイヤー(NL)
    [塁審]一塁: グレッグ・コスク(AL)、二塁: ジョン・マクシェリー(NL)、三塁: ケン・カイザー(AL)
    [外審]左翼: テリー・テイタ(NL)、右翼: デーブ・フィリップス(AL)
  4. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後8時25分 試合時間: 2時間42分 観客: 5万5257人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
セントルイス・カージナルス ミネソタ・ツインズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 V・コールマン 1 D・グラッデン
2 O・スミス 2 G・ギャグニー
3 T・ハー 3 K・パケット
4 D・ドリーセン 4 K・ハーベック
5 W・マギー 5 G・ガイエティ
6 DH T・ペンドルトン 6 DH R・ブッシュ
7 C・フォード 7 T・ブラナンスキー
8 J・オケンドー 8 S・ロンバードージー
9 T・ペーニャ 9 T・ロードナー
先発投手 投球 先発投手 投球
D・コックス B・ブライレブン

第3戦 10月20日[編集]

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ミネソタ・ツインズ 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 5 1
セントルイス・カージナルス 0 0 0 0 0 0 3 0 X 3 9 1
  1. ジョン・テューダー(1勝)  フアン・ベレンガー(1敗)  Sトッド・ウォーレル(1S)  
  2. 審判
    [球審]グレッグ・コスク(AL)
    [塁審]一塁: ジョン・マクシェリー(NL)、二塁: ケン・カイザー(AL)、三塁: テリー・テイタ(NL)
    [外審]左翼: デーブ・フィリップス(AL)、右翼: リー・ウェイヤー(NL)
  3. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時33分 試合時間: 2時間45分 観客: 5万5347人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ミネソタ・ツインズ セントルイス・カージナルス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 D・グラッデン 1 V・コールマン
2 G・ギャグニー 2 O・スミス
3 K・パケット 3 T・ハー
4 G・ガイエティ 4 D・ドリーセン
5 T・ブラナンスキー 5 W・マギー
6 K・ハーベック 6 C・フォード
7 T・ロードナー 7 J・オケンドー
8 S・ロンバードージー 8 T・ペーニャ
9 L・ストレイカー 9 J・テューダー
先発投手 投球 先発投手 投球
L・ストレイカー J・テューダー

第4戦 10月21日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
4回裏、トム・ローレスの3点本塁打でカージナルスが勝ち越しに成功(1分28秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ミネソタ・ツインズ 0 0 1 0 1 0 0 0 0 2 7 1
セントルイス・カージナルス 0 0 1 6 0 0 0 0 X 7 10 1
  1. ボブ・フォーシュ(1勝)  フランク・バイオーラ(1勝1敗)  Sケン・デイリー(1S)  
  2. 本塁打
    MIN:グレッグ・ギャグニー1号ソロ
    STL:トム・ローレス1号3ラン
  3. 審判
    [球審]ジョン・マクシェリー(NL)
    [塁審]一塁: ケン・カイザー(AL)、二塁: テリー・テイタ(NL)、三塁: デーブ・フィリップス(AL)
    [外審]左翼: リー・ウェイヤー(NL)、右翼: グレッグ・コスク(AL)
  4. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時29分 試合時間: 3時間11分 観客: 5万5347人 気温: 47°F(8.3°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ミネソタ・ツインズ セントルイス・カージナルス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 D・グラッデン 1 V・コールマン
2 A・ニューマン 2 O・スミス
3 K・パケット 3 T・ハー
4 G・ガイエティ 4 J・リンドマン
5 T・ブラナンスキー 5 W・マギー
6 K・ハーベック 6 T・ペーニャ
7 T・ロードナー 7 J・オケンドー
8 G・ギャグニー 8 T・ローレス
9 F・バイオーラ 9 G・マシューズ
先発投手 投球 先発投手 投球
F・バイオーラ G・マシューズ

第5戦 10月22日[編集]

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ミネソタ・ツインズ 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2 6 1
セントルイス・カージナルス 0 0 0 0 0 3 1 0 X 4 10 0
  1. ダニー・コックス(1勝1敗)  バート・ブライレブン(1勝1敗)  Sトッド・ウォーレル(2S)  
  2. 審判
    [球審]ケン・カイザー(AL)
    [塁審]一塁: テリー・テイタ(NL)、二塁: デーブ・フィリップス(AL)、三塁: リー・ウェイヤー(NL)
    [外審]左翼: グレッグ・コスク(AL)、右翼: ジョン・マクシェリー(NL)
  3. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時42分 試合時間: 3時間21分 観客: 5万5347人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ミネソタ・ツインズ セントルイス・カージナルス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 D・グラッデン 1 V・コールマン
2 G・ギャグニー 2 O・スミス
3 K・パケット 3 T・ハー
4 K・ハーベック 4 D・ドリーセン
5 G・ガイエティ 5 W・マギー
6 T・ブラナンスキー 6 C・フォード
7 T・ロードナー 7 J・オケンドー
8 S・ロンバードージー 8 T・ペーニャ
9 B・ブライレブン 9 D・コックス
先発投手 投球 先発投手 投球
B・ブライレブン D・コックス

第6戦 10月24日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
5回裏、ドン・ベイラーの2点本塁打でツインズが同点に追いつく(1分17秒)
6回裏、ケント・ハーベックの満塁本塁打でツインズがリードを5点に広げる(1分15秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
セントルイス・カージナルス 1 1 0 2 1 0 0 0 0 5 11 2
ミネソタ・ツインズ 2 0 0 0 4 4 0 1 X 11 15 0
  1. ダン・シャッツェダー(1勝)  ジョン・テューダー(1敗)  
  2. 本塁打
    STL:トム・ハー1号ソロ
    MIN:ドン・ベイラー1号2ラン、ケント・ハーベック1号満塁
  3. 審判
    [球審]テリー・テイタ(NL)
    [塁審]一塁: デーブ・フィリップス(AL)、二塁: リー・ウェイヤー(NL)、三塁: グレッグ・コスク(AL)
    [外審]左翼: ジョン・マクシェリー(NL)、右翼: ケン・カイザー(AL)
  4. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後1時00分 試合時間: 3時間4分 観客: 5万5293人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
セントルイス・カージナルス ミネソタ・ツインズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 V・コールマン 1 D・グラッデン
2 O・スミス 2 G・ギャグニー
3 T・ハー 3 K・パケット
4 D・ドリーセン 4 G・ガイエティ
5 W・マギー 5 DH D・ベイラー
6 DH T・ペンドルトン 6 T・ブラナンスキー
7 C・フォード 7 K・ハーベック
8 J・オケンドー 8 T・ロードナー
9 T・ペーニャ 9 S・ロンバードージー
先発投手 投球 先発投手 投球
J・テューダー L・ストレイカー

第7戦 10月25日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
3回裏、カービー・パケットの打球を中堅手ウィリー・マギーが好捕し長打を阻止(42秒)
5回裏、パケットの適時二塁打でツインズが同点に追いつく(1分6秒)
その後ドン・ベイラーの左前打で二塁走者ゲイリー・ガイエティが勝ち越し点を狙い、ホームへ突入するも憤死(1分22秒)
6回表、フランク・バイオーラが一塁走者トム・ハーを牽制で誘い出しアウトに仕留める(1分45秒)
6回裏、グレッグ・ギャグニーの適時内野安打でツインズが勝ち越し(1分2秒)
バイオーラは8回2失点の好投(39秒)
9回表、ジェフ・リアドンがマギーを三ゴロに打ち取り試合終了、ツインズの優勝が決定(1分29秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
セントルイス・カージナルス 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2 6 1
ミネソタ・ツインズ 0 1 0 0 1 1 0 1 X 4 10 0
  1. フランク・バイオーラ(2勝1敗)  ダニー・コックス(1勝2敗)  Sジェフ・リアドン(1S)  
  2. 審判
    [球審]デーブ・フィリップス(AL)
    [塁審]一塁: リー・ウェイヤー(NL)、二塁: グレッグ・コスク(AL)、三塁: ジョン・マクシェリー(NL)
    [外審]左翼: ケン・カイザー(AL)、右翼: テリー・テイタ(NL)
  3. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時26分 試合時間: 3時間4分 観客: 5万5376人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
セントルイス・カージナルス ミネソタ・ツインズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 V・コールマン 1 D・グラッデン
2 O・スミス 2 G・ギャグニー
3 T・ハー 3 K・パケット
4 J・リンドマン 4 G・ガイエティ
5 W・マギー 5 DH D・ベイラー
6 DH T・ペーニャ 6 T・ブラナンスキー
7 J・オケンドー 7 K・ハーベック
8 T・ローレス 8 T・ロードナー
9 S・レイク 9 S・ロンバードージー
先発投手 投球 先発投手 投球
J・マグレーン F・バイオーラ

アメリカンフットボールのシーズンへの影響[編集]

野球開催時のメトロドーム(写真は2006年6月24日撮影)。この写真では外野席上部を右翼から中堅にかけて塞いでいるが、1987年シリーズ当時はその部分も開放していた
アメフト開催時のメトロドーム(写真は2012年10月25日撮影)

今シリーズでは、土曜日日曜日の試合がツインズの本拠地ヒューバート・H・ハンフリー・メトロドームで開催された。この競技場は野球専用球場ではなく、アメリカンフットボールでも使用され、NFLミネソタ・バイキングスカレッジフットボールミネソタ・ゴールデンゴファーズミネソタ大学ツインシティー校)も本拠地としていた。アメリカ合衆国では9月に入る頃からアメフトのシーズンが開幕し、主に土曜日にカレッジフットボールが、日曜日にNFLの試合が行われる。そのため、今シリーズの開催に際し、アメフトの試合で日程や開催地の変更が相次いだ。

10月17日(土)
ゴールデンゴファーズがインディアナ・フージャーズインディアナ大学ブルーミントン校)を迎えて試合を行う予定だったが、開催日を前日16日に前倒しした。このシーズンのゴールデンゴファーズは開幕から5連勝中と好調なうえ、インディアナ戦は卒業生らを招いて歓待する "ホームカミング" の試合でもあった。しかし、試合に向けての盛り上がりはツインズのシリーズ進出の影に隠れ、前年と比べて今ひとつとの声が学内であがった[5]。試合はゴールデンゴファーズが17-18で敗れ、シーズン初黒星を喫した。
10月18日(日)
NFLのシーズン第6週、タンパベイ・バッカニアーズ対バイキングス戦がメトロドームで開催予定だった。両チームは同じNFC中地区(当時)に在籍しているため、レギュラーシーズンではホーム・アンド・アウェーで2回対戦する。この年は1回目の対戦がメトロドームで、2回目の対戦が11月15日にバッカニアーズの本拠地タンパ・スタジアムフロリダ州タンパ)で組まれていた。そのため両チームは2試合の開催地を入れ替え、10月18日の試合をタンパ・スタジアムで、11月15日の試合をメトロドームで行うことにした[6]。10月18日はバッカニアーズが20-10で勝利し、11月15日はバイキングスが23-17で雪辱した。
10月24日(土)
この日、ゴールデンゴファーズはオハイオ州コロンバスへ遠征し、オハイオステート・バックアイズオハイオ州立大学)と敵地オハイオ・スタジアムで対戦した。したがってシリーズ第6戦のメトロドーム開催による影響はなかった。シリーズの全米テレビ中継を行うABCは、もしシリーズが5戦以内で決着した場合、消滅した第6戦の代わりにこのゴールデンゴファーズ対オハイオステート戦を放送する予定だった[7]
10月25日(日)
前週同様、この日もメトロドームでは元々バイキングスの試合が組まれていた。この日の対戦相手はデンバー・ブロンコスだった。ブロンコスはバッカニアーズと違いAFC西地区在籍のため、この年バイキングスとの試合は1試合しか組まれておらず、前週のような開催地交換ができない。そのため、この試合は開催日を翌26日に変更した[8]。メトロドームを所有・管理するメトロポリタン・スポーツ施設委員会とバイキングスは、ワールドシリーズとバイキングスの試合が重なった場合「必要に応じて(if necessary)」前者を優先する、という条件で利用契約を締結していたため、バイキングスGMマイク・リンは同日2競技開催の可能性を示唆していたが[6]、結局これは実現しなかった。バイキングスは34-27でブロンコスに勝利した。
この試合のテレビ中継は、当初の予定通り25日開催の場合はNBCが行うが、26日に変更された場合は放映権がABC『マンデーナイトフットボール』(MNF)へ移ることになった[9]。MNFは当日、バイキングスの本拠地ミネソタ州ミネアポリス・セントポール都市圏とブロンコスの本拠地コロラド州デンバーでのみブロンコス対バイキングス戦を、残りのアメリカ合衆国内ではロサンゼルス・ラムズクリーブランド・ブラウンズ戦を放送した。MNFが放送地域を分けて2試合を同時中継したのは、これが初めてだった[10]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 殿堂入りは指導者としてではなく、外野手としての功績が評価されてのもの。
  2. ^ 殿堂入りは指導者としてではなく、二塁手としての功績が評価されてのもの。

出典[編集]

  1. ^ a b "World Series Gate Receipts," Baseball Almanac. 2019年8月17日閲覧。
  2. ^ "World Series Television Ratings," Baseball Almanac. 2019年8月17日閲覧。
  3. ^ Rick Hummel, "What a wild ride the Cardinals took in 1987," stltoday.com, August 14, 2017. 2019年8月17日閲覧。
  4. ^ Steve Wulf, "SWEET MUSIC," Sports Illustrated Vault, November 2, 1987. 2020年8月9日閲覧。
  5. ^ Ira Berkow, Special to the New York Times, "In Minneapolis, Hankies and Hysteria," The New York Times, October 16, 1987. 2020年8月8日閲覧。
  6. ^ a b Fred Mitchell and Ed Sherman, Chicago Tribune, "St. Louis Cardinals manager Whitey Herzog is...," Chicago Tribune, October 20, 1987. 2020年8月8日閲覧。
  7. ^ Jim Sarni, Staff Writer, "DOME WILL SHAKE, RATTLE; CAN BROADCASTERS ROLL?," Sun-Sentinel, October 17, 1987. 2020年8月8日閲覧。
  8. ^ Ed Sherman, Chicago Tribune, "VIKINGS CELEBRATE BY TOPPLING BRONCOS," Chicago Tribune, October 27, 1987. 2020年8月8日閲覧。
  9. ^ Fred Mitchell and Ed Sherman, Chicago Tribune, "If the Minnesota Vikings-Denver Broncos NFL game...," Chicago Tribune, October 21, 1987. 2020年8月8日閲覧。
  10. ^ The Associated Press, "N.F.L. WEEK 9; Bears-Dolphins Postponed," The New York Times, October 27, 1997. 2020年8月8日閲覧。

外部リンク[編集]