黒雪 中国の朝鮮戦争参戦秘史

黒雪 中国の朝鮮戦争参戦秘史』(くろゆき ちゅうごくのちょうせんせんそうさんせんひし)は、葉雨蒙ドキュメンタリー小説。原題『黒雪 出兵朝鮮紀実』(中国語: 黑雪:出兵朝鲜纪实、1989年)。著:葉雨蒙、訳:朱建栄山崎一子(1990年、同文舘

章タイトル[編集]

(カッコ内は原著の章タイトル)

  • 1.毛沢東の焦燥 (建国はじめての夏、毛沢東は不安を抱く)
  • 2.仁川上陸 (ときには戦場も賭場となりうる―マッカーサー仁川に巨大な賭けをした)
  • 3.最高軍事会議 (隣家に火がついてもそのまま安心していられるか。最高軍事会議の意見は一致せず、彭徳懐が危機に臨んで特命を受ける)
  • 4.米軍北進 (マッカーサーは、三八度線はたんなる緯度にすぎず、国連軍がこれを越えるのを阻止する、いかなる力も存在しないことを主張する)
  • 5.出兵中止 (矢をつがえておきながら、毛沢東は突然弓を引く手を止めた)
  • 6.モスクワ交渉 (周恩来林彪を誘ってモスクワに飛んだ。中国の同志の義挙に、スターリンは感動して涙を流した)
  • 7.ウェーク島会談 (にこやかにタラップを降りたトルーマンに、マッカーサーは欠礼した)
  • 8.鴨緑江の彼方へ (金日成が彭徳懐の手を握り、高名をかねてから聞き及んでいると言った)
  • 9.第一次戦役 (熙川に米軍の黒人連隊が突然現れたとは。梁興初軍団長は慎重のあまり、緒戦の好機を逸した)
  • 10.鴨緑江爆撃 (マッカーサーの傲慢さは、出くわした獅子も羊に見てしまう)
  • 11.大戦前の反省 (彭徳懐は、私は馬稷を斬る度胸は出来ているぞ、と叫んだ)
  • 12.「クリスマス帰国攻勢」前夜 (感謝祭の夜、米軍兵士は豪勢なターキーを食べたが…)
  • 13.第二次戦役 (一戦後、「万歳軍」の評判は酷寒の朝鮮戦線に広く伝わった)
  • 14.原爆投入を示唆 (マッカーサーとトルーマンは原子爆弾に賭けようとした。彼らの失敗の原因が武器にあるとは知らずに)
  • 15.ふたたび三八度線で (彭徳懐が岡の上から見た山陰の積雪は、黒かった)

名文[編集]

  • (15章より)突然、彭徳懐は足を止めた―左手の日陰の山上の積雪が、硝煙と爆発の塵煙で黒く染まっていた!
「あれを見ろ、黒い雪、黒い雪だ…」彭徳懐は訥々といった。「これが現代戦争なのだ…」
  • (結び)三十数年来、毎年冬になると、やわらかい白雪が烈士の墓地を覆う。その雪はふたたび黒くなることはない。

関連項目[編集]