風塵

風塵が舞い上がる砂浜、インド チェンナイにて
車の後ろに立ち上る風塵(砂塵)、スーダンの砂漠にて

気象用語としての風塵(ふうじん)は、によって地表の(ちり)や空気中に舞い上がる現象。水平視程が目の高さではほとんど悪化しないものを「低い風塵」、目の高さでも非常に視程が悪いものを「高い風塵」という。気象観測の中でも大気現象の記録の対象[1][2]

風の強さのほか、地表の乾燥度やそれを左右する土質も因子である[2]。ときに表土を移動させて農地の肥沃度に影響することがある[2]

強い風で塵や砂が高く巻き上げられ目の高さの水平視程が1キロメートル未満になったものを砂塵嵐といい、大気現象に加えて天気の記録の対象にもなっている[1]

同じような意味の口語として砂埃(すなぼこり)[3]、砂煙(すなけむり)[4]、土煙(つちけむり)[5]、地煙(じけむり)[6]、黄塵(おうじん)[7]などがある。

正月三が日に開催される箱根駅伝において、神奈川県茅ヶ崎市平塚市付近で起こることがあり、年によっては番狂わせを起こすことがある。[要出典]

風成塵[編集]

濃度の高い風塵が発生すると、風塵はなかなか拡散・沈降せずに空中を漂い続け、遠くまで運ばれることがある。これを風成塵(ふうせいじん)という。

特に大規模な風成塵には、地域によって名前が付いている。東アジアの黄砂、地中海沿岸のシロッコ(イタリア名)/ギブリ(リビア名)、アフリカのギニア湾沿岸のハルマッタンなどがある。

出典[編集]

  1. ^ a b 気象観測の手引き 平成10年9月』(pdf)気象庁、2007年12月、58-61,64-65頁https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kansoku_guide/hpc.html 
  2. ^ a b c 平塚和夫. "風塵". 平凡社『日本大百科全書(ニッポニカ)』. コトバンクより2024年3月23日閲覧
  3. ^ "砂埃". 小学館『デジタル大辞泉. コトバンクより2024年3月23日閲覧
  4. ^ "砂煙". 小学館『デジタル大辞泉』. コトバンクより2024年3月23日閲覧
  5. ^ "土煙". 小学館『デジタル大辞泉』. コトバンクより2024年3月23日閲覧
  6. ^ "地煙". 小学館『精選版日本国語大辞典. コトバンクより2024年3月23日閲覧
  7. ^ "黄塵". 小学館『デジタル大辞泉』. コトバンクより2024年3月23日閲覧

関連項目[編集]