長沼駅 (静岡県)

長沼駅
駅舎(2013年4月)
ながぬま
Naganuma
S05 柚木 (1.1 km)
(0.7 km) 古庄 S07
地図下は乗換駅の東静岡駅
所在地 静岡市葵区長沼一丁目1番1号[注釈 1]
北緯34度59分20.02秒 東経138度24分45.28秒 / 北緯34.9888944度 東経138.4125778度 / 34.9888944; 138.4125778座標: 北緯34度59分20.02秒 東経138度24分45.28秒 / 北緯34.9888944度 東経138.4125778度 / 34.9888944; 138.4125778
駅番号 S 06
所属事業者 静岡鉄道
所属路線 S 静岡清水線
キロ程 3.1 km(新静岡起点)
駅構造 地上駅
ホーム 島式・単式複合 2面3線
乗車人員
-統計年度-
1,312人/日(降車客含まず)
-2019年-
乗降人員
-統計年度-
2,533人/日
-2019年-
開業年月日 1908年明治41年)12月9日
乗換 CA  16  東静岡駅JR東海
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長沼駅(ながぬまえき)は、静岡県静岡市葵区長沼一丁目にある静岡鉄道静岡清水線駅番号S06

歴史[編集]

駅構造[編集]

島式と単式の複合型
島式と単式の複合型
駅構内(2020年10月)

島式ホーム1面2線と単式ホーム1面1線の計2面3線を有する地上駅。駅の北側には長沼工場の検車庫と留置線が広がる。長沼車庫からの上り方(新静岡方)への渡り線及び構内入換用の引き上げ線がある。入出庫を兼ねた当駅を発着する区間系統も設定されている。

例年行われる「しずてつ電車まつり」は、当駅と長沼車庫が会場となる。

のりば[編集]

乗り場 路線 方向 行先
1・2 静岡清水線 下り 新清水方面[2]
3 上り 新静岡方面[2]

1番線は主に車両の停泊及び、当駅始発の区間運転に使用されている。当駅で乗り継ぎになる場合、1番線に入線した車両の乗客を、2番線に待機していた車両に移動させる場合がある。また1番線に普通列車を待避させ、2番線を通過する急行が追い抜きを行うことも可能であり、この運用は2011年12月10日 - 2012年1月9日の土・日・祝日に臨時急行が運転された際、初めて実施された。

長沼車庫[編集]

車庫内の保存車両

長沼駅の北側に鉄道運転所を隣接している。現在は「長沼車庫」と称されるが、自社で車両を製造していた頃は「長沼工場」と呼ばれていた。

戦時中に鷹匠町車庫が手狭になり、湿地帯で稲作にむかず蓮田となっていた長沼駅北側を苦労しながら埋め立てて車両基地を建設した。戦後、藤相線と中遠線の連絡線(全通により駿遠線となる)の用地として払い下げを受けた陸軍遠江射場[注釈 2]に建つ木造の大砲格納庫[注釈 3]を車庫として移築して整備を進めた[3]

長沼工場では、静岡清水線の木造車を鋼体化(半鋼製車)、静岡市内線清水市内線二軸単車ボギー車化(車体延長)する改造が行われたほか、1958年から1968年にかけて21形クモハ100形300形クモハ350形が製造された[4][5]

車庫内には1926年大正15年)製の電動貨車デワ1が保管されており[6]、イベント時に公開される。かつては、入換車としても活躍したクモハ20も留置されていたが、老朽化により2007年に解体された[7]。構内には無蓋車ト1形ト2号が保存されている[注釈 4]

このほか、1997年(平成9年)に東急電鉄から購入した松山重車輌工業製のDMC1042 14t軌道モーターカー(型式 MR765)と6003-6006三転ダンプトロリー(型式 DT463)の保線車両5両[4]が留置されている。

1981年(昭和50年)8月に「静鉄電車教室」を開催して以降、長沼車庫でイベントを行うようになり、1996年(平成8年)から「しずてつ電車まつり」を毎年夏に開催している[9]。また、近隣のグランシップで毎年5月に開催されるトレインフェスタと連動して車庫を公開している。

利用状況[編集]

「静岡市統計書」によれば、2019年度の一日平均乗車人員は1,312人、降車人員は1,221人であった。この乗降人員数は静岡清水線全15駅中10番目である。なお、同統計によれば、近年の乗降人員は以下の通りである。

年度別一日平均乗降人員[10]
年度 1日平均乗降人員
乗車人員 降車人員 合計
2002年(平成14年) 495 662 1,157
2003年(平成15年) 590 716 1,306
2004年(平成16年) 627 746 1,373
2005年(平成17年) 802 752 1,554
2006年(平成18年) 669 762 1,431
2007年(平成19年) 686 783 1,469
2008年(平成20年) 1,033 997 2,030
2009年(平成21年) 987 938 1,925
2010年(平成22年) 901 750 1,651
2011年(平成23年) 892 793 1,685
2012年(平成24年) 934 847 1,781
2013年(平成25年) 1,025 905 1,930
2014年(平成26年) 1,104 993 2,097
2015年(平成27年) 1,178 1,053 2,231
2016年(平成28年) 1,227 1,107 2,334
2017年(平成29年) 1,250 1,146 2,396
2018年(平成30年) 1,304 1,194 2,498
2019年(令和元年) 1,312 1,221 2,533

駅周辺[編集]

かつては付近に日東紡静岡工場があった。跡地はバンダイホビーセンター静岡県立科学技術高等学校となっている。

隣の駅[編集]

静岡鉄道
S 静岡清水線
柚木駅 (S05) - 長沼駅 (S06) - 古庄駅 (S07)

脚注[編集]

注釈
  1. ^ 1996年(平成8年)11月18日住居表示実施により町の名称を「長沼町一丁目」から変更
  2. ^ 百年史』には「海軍航空隊藤枝基地(現・航空自衛隊静浜基地)にあった格納庫を移設したと伝わる」とある[1]
  3. ^ 耐久性を鑑み、牧之原台地海軍大井海軍航空隊基地に建つ鉄骨造の格納庫の移築を計画するも、全幅70メートル・全高10メートルと巨大であったため断念した[3]
  4. ^ 同型のト1号も一緒に保管されていたが、2021年7月に「日本一の無蓋車公園」として整備中の太子駅跡地(群馬県中之条町)に譲渡された[8]
出典
  1. ^ a b 百年史, pp. 81-82
  2. ^ a b 長沼”. 静岡鉄道. 2021年2月17日閲覧。
  3. ^ a b 横山 (2002), No.596
  4. ^ a b 百年史,「主要車両図鑑」, pp. 266-273
  5. ^ 横山 (2002), No.596, 597
  6. ^ 静岡鉄道デワ1号 電動貨車デワ1”. 産業技術史資料データベース. 産業技術史資料情報センター. 2022年9月7日閲覧。
  7. ^ クモハ20号解体のお知らせ (静岡鉄道) - ウェイバックマシン(2007年3月18日アーカイブ分)
  8. ^ “静岡の無蓋貨車が群馬へ…戦前生まれのト1号、「日本一の無蓋車公園」で保存”. Response. (株式会社イード). (2021年6月11日). https://response.jp/article/2021/06/11/346647.html 
  9. ^ 百年史, pp. 129-130
  10. ^ 静岡市統計書 - 静岡市

参考文献[編集]

  • 静岡鉄道『静鉄グループ百年史 過去から未来へのメッセージ』2020年3月。 
  • 横山波路「私と静岡鉄道」『RAIL FAN』No.595-597、2002年。 (執筆者は終戦後まもなく静岡鉄道に入社 本社及び駅舎の設計や大型車両100形の導入に携わる)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]